この記事では、約20年間多数のTOEIC教材の編集制作に携わってきたメディアビーコン編集部が、TOEICの基本情報や学習方法を幅広く解説していきます。
この記事を読めば、TOEIC学習に迷うことはもうありません!
■TOEIC L&R テストの前提
-TOEIC L&R テストとは?
TOEICテストとは、Test of English for International Communicationの通称で、日本語では「国際コミュニケーション英語能力テスト」となります。
TOEICテストには5つの種類の試験がありますが、その中でも最も有名なのが、TOEIC Listening & Reading Testです。
TOEIC Listening & Reading Test(以下TOEIC)は「聞く」「読む」英語力を測るテストで、リスニング5~495点、リーディング5~495点、トータル10~990点満点の試験です。
リスニング、リーディング各100問で、スコアは素点(単純な正解数)ではなく統計処理によって算出された換算点によって表示されるという点が特徴です。
TOEICについて詳しく知りたい方はコチラへ↓
-試験の種類
大前提としてTOEICには2種類の試験があることに、注意しておきましょう。
TOEIC 公開テストとTOEIC IPテストです。
TOEIC公開テストはいわゆる個人受験のこと。基本的には個人で申し込みや受験、結果の確認まで行います。
IPテストはいわゆる団体受験のこと。学校あるいは企業が10名以上の参加者を集めて、団体でTOEICテストを受験します。IPテストは申し込み方法や実施日時、結果発表の方法、料金など実施団体によって異なるため注意が必要です。
この記事では、多くの人が受験する、TOEIC L&R 公開テストについて詳しく見ていきます。
公開テストとIPテストの違いについて詳しく知りたい方はコチラへ↓
-スコアの目安
TOEICスコアの目安を大まかに5段階に分けて解説していきます。
TOEICスコア220点未満
スムーズな英会話が成り立たないレベル。単語を並べて会話する程度で、自分の思っていることがうまく言えないといった英語力になります。相手の会話が断片的にしかわからず、英語のコミュニケーションに支障があるといえるでしょう。
TOEICスコア220〜470点未満
何とか英語でコミュニケーションがとれるレベルになります。相手に会話内容を繰り返し言ってもらったり、ゆっくり話してもらったりすることで、会話の内容が理解できるといった感じです。
TOEICスコア470〜730点未満
通常会話であればある程度適切に応答ができ、自分の意思を伝えることができる英語力があります。高校生レベルの文法や単語の知識を有しているといえるレベルです。
TOEICスコア730〜860点未満
通常会話であればおおむね問題なくでき、応答も迷うことなくすぐにできるといったレベルになります。話題が専門的であっても話についていくことができ、仕事でも使える英語力となります。
TOEICスコア860点以上
通常英会話だけでなく、専門的な会話であっても十分理解でき、適切な英語表現を使うことができます。ネイティブの英語力とまではいかないものの、流ちょうに自分の意見を英語で伝えられ、リスニングでも正確に相手の話を理解できる英語力となります。
TOEICのスコア別勉強法について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-就職活動・転職活動でのメリットは?
TOEICスコアを取得することは就職活動や転職活動をするうえで、大きなメリットとなります。
TOEICは、社会人向けの英語試験の中で、日本最大の規模を誇る試験です。圧倒的な知名度を誇る試験なので、企業の人事担当者の方はTOEICでハイスコアを取ることの難しさを十分に理解しています。
つまり、TOEICのスコアは確実に評価をしてもらえる上に、英語ができる人だということを履歴書だけで印象付けることができるということです。
また、たとえ英語をそれほど業務に必要としていない会社であっても「この人は、目標に向かってコツコツと努力ができる人だ」という印象を与えることができます。
就職・転職において、TOEICテストのスコアは取得しておいて損はありません。
就職、転職とTOEICの関係性ついて詳しく知りたい方はコチラへ↓
■TOEIC L&R テストの概要
-申し込み方法
TOEICの申し込み方法は2つ。インターネットからの申し込みとコンビニ端末からの申し込みです。
インターネットからの場合、申し込み専用サイトにログインし、申し込みフォームに必要事項を記入して、受験料を支払います。
コンビニからの場合、コンビニに設置してある情報端末から申し込みができます。
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-日程
TOEIC L&R テストは年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)、全国約80都市で開催されます。
しかし、全ての都市で全10回開催されるわけではないので、お住まいの地域の開催状況を確認する必要があります。
※2020年度は東京オリンピック・パラリンピック開催時期を考慮し、例年とは試験実施スケジュールが異なります。2020年7月はTOEIC L&R 公開テストは実施せず、2020年10月に2回試験を実施することが公式に決定しています。また、2021年2月にも試験を実施することが決まっているため、2020年度は試験の実施回数が11回となります。
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-価格
受験料は、5,830円(税込み)です。
※第249回TOEIC L&R 公開テスト(2020年4月)から、受験料が6,490円(税込み)に改定されることが決まっています。
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-結果発表について
TOEICの結果は、Official Score Certificate(公式認定証)によって通知されます。公式認定証は、受験者数や平均スコアなどが記載されている「TOEIC L&R公開テスト テスト結果について」と一緒に、試験日から30日以内に受験者本人宛に発送されます。
公式認定証には、あなたの獲得スコアの他に、ABILITIES MEASURED(アビリティーズメジャード・項目別正答率)も掲載されており、試験結果を項目別に分析できるため、苦手の発見などに役立てることができます。
また、インターネットで申し込みをした場合、「テスト結果インターネット表示」を「利用する」とすることで、公式認定証の発送を待たずに試験日から17日後にインターネットでスコアを確認することが可能です。
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■対策方法やコツ(全般)
-問題形式
TOEIC L&R テストはPart 1~4で構成されているリスニングセクションと、Part 5~7で構成されているリーディングセクションにわかれています。
以下、詳しく見ていきましょう。
Part 1 写真の内容を正しく説明している英文を選ぶ問題 6問
Part 2 1つの発話に対する3つの応答を聞き、適切な応答文を選択する問題 25問
Part 3 2人または3人の会話を聞き、それに関する3つの質問への適切な選択肢を選ぶ問題 39問
Part 4 1人の人物によるトークを聞き、それに関する3つの質問に対する適切な選択肢を選ぶ問題 30問
Part 5 短文の空所に当てはまる適切な選択肢を選ぶ問題 30問
Part 6 長文の空所に当てはまる適切な選択肢を選ぶ問題 16問
Part 7 長文の内容を読解し、質問に対する適切な選択肢を選ぶ問題 54問
TOEICのパート別学習法についてもっと詳しく知りたい方はコチラへ↓
-対策方法
効率よくTOEIC対策を進めて、最短でスコアを上げるためには、TOEICの問題形式、傾向、頻出単語などを完璧に押さえる必要があります。
TOEICという試験は、純粋な英語力のみを測る試験ではなく、ビジネス文書や図表を素早く読み解く情報処理能力も求められます。
英語力の向上のみに注力するのではなく、試験の形式や問題傾向をしっかり押さえましょう。
TOEICの総合的な対策法について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-時間配分
まず、TOEIC対策をするうえで、押さえておきたいポイントがリーディングセクションの時間配分です。
なぜかというと、TOEICという試験は非常に時間にシビアな試験だからです。実際、TOEICを時間内に解き終わることのできている受験者は非常に少ないです。
800点台後半から、900点台前半を取得している人でも、全ての問題を解き終われない人はたくさんいらっしゃいます。
時間さえあれば正解できる問題を、時間制限のせいで解けていないのであれば、非常にもったいないと感じませんか?
時間内に解くことができる問題は確実に解けるように、時間配分を工夫しましょう。
TOEICのタイムマネジメントについて詳しく知りたい方はコチラへ↓
-頻出単語について
TOEICで効率的にスコアアップをするうえで非常に重要なのが、頻出単語を覚えること。
TOEICはビジネスシーンを想定した英文が主に出題されるため、覚えるべき単語を見定めることで効率よく対策を進めることができます。
適当に買ってきた単語帳で、がむしゃらに英単語をたくさん覚えようとするのではなく、よく出る単語に絞って必要な英単語を優先的に覚えるようにしましょう。
TOEICの頻出単語について知りたい方はコチラ↓
-リスニングのコツ
リスニングセクションのコツは、とにかく問題形式と解き方に慣れること。
問題の解き方をしっかり理解すれば、初心者の方でもすぐに100点以上アップすることもありえます。
リスニングセクションの解き方とは、例えば以下のようなもの。
Part 2では、「最初の発話の文頭を聞き取るだけで答えられる問題がある」、「最初の発話と似たような発音が聞こえる応答文は不正解である確率が高い」というようなもの。
また、Part 3、4では、「リスニング音声が流れ始める前に設問文の先読みをすることで、何に注目してリスニング音声を聞けばいいのかを把握する」というようなもの。
このような、TOEICの解き方のコツをつかめば、一気にスコアが上がり、学習へのモチベーションもどんどん高まっていきます。
リスニングの特徴と勉強法について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-リーディングのコツ
リーディングセクションのコツは、難しい問題と簡単な問題を見分けて、難しい問題に時間をかけすぎないことです。
TOEICリーディングはとにかく時間が足りない試験です。難しい問題に時間をかけかけすぎると、必ず時間が足りなくなります。
※満点を目指している人は、逆に難しい問題にたくさん時間をかけましょう。自分の実力に合わせて時間配分をすることが大切です。
1、2回英文を読んでも意味のわからない英文は、そもそも文法や語彙の知識が足りていないので、何度読み直なおしてもわかるようにはなりません。わからない問題は早めに諦めることも必要です。
例えば、Part 5で出題される問題のうち、語彙問題は、基本的に選択肢の語句の意味がわからなければ、解くことのできない問題です。知らない単語の意味を、どれだけ考えてもわかるようにはならないので、わからない問題は勘でマークをして早めに次の問題に移りましょう。
また、Part 7のNot問題(本文の事実と異なる選択肢を選ぶ問題)は正解となる選択肢の根拠が本文中には登場しないので、他の問題よりも解答の根拠を見極めにくい問題です。Not問題も解答に時間がかかるので、わからなければ適当にマークして次の設問に進みましょう。
リーディングの特徴とコツについて詳しく知りたい方はコチラへ↓
■TOEICの勉強方法
-学習方法
TOEICの学習をする際は、基本的には模試と単語集とパート別問題集を駆使して進めていきます。
模試は、自身の実力チェックと本番の試験形式に慣れるために使用します。
単語帳は、TOEIC頻出の語彙に対応する力を磨くために使用します。
パート別問題集は、TOEICの問題形式や傾向を熟知し、TOEICの解答テクニックやタイムマネジメントスキルを習得するために使用します。
順序としては、以下の①~④に沿って学習することをおすすめします。
②実力に合わせた単語帳で、語彙力を強化
③パート別問題集でTOEICの解答テクニックを習得
④模試の多解きによるブラッシュアップ
もちろん、TOEIC教材以外で英語学習を進めてもTOEICのスコアを上げることはできますが、効率よくスコアを上げるためには、上記のようなステップを踏むことが重要といえるでしょう。
TOEICの学習法について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-公式問題集の活かし方
公式問題集には2つの使用方法があります。
①本番の試験同様に、きっちり2時間の制限時間の中で、解答する
この方法で公式問題集を解く際は、なるべく本番の試験会場と同じ環境で受験することが理想です。
リスニング問題は、イヤホンを使って解くのではなく、スピーカーで再生した音声で解くようにしましょう。また、マークシートを用意したり、本番同様に時間の管理を腕時計で行ったりするなど、本番の緊張感を疑似体験しながら模試を解くようにするとよいでしょう。
こうすることで、自分の実力を把握できるとともに、本番の試験のよい練習となるでしょう。
②一度解いた問題を何度も何度も解きなおす
TOEICで満点を繰り返し獲得している方の多くが、公式問題集を何度も何度も解きなおしています。
公式問題集は本番の試験と比較して、難易度も問題の作り方もほとんど同じです。過去問の公開されていないTOEICにおいては、公式問題集はTOEIC対策の指針となる参考書です。
何度も何度も解きなおしたり、音読をしたりして、問題文を覚えてしまうくらいにやり込むことによって、TOEICの問題パターンを頭の中に叩き込みましょう。
公式問題集の活用方法ついて詳しく知りたい方はコチラへ↓
-単語の覚え方
TOEICの単語を学習する際は、できるだけTOEICテストに特化した英単語帳で学習することが望ましいです。
なぜかと言うと、TOEICは日常またはビジネスシーンを題材にした文章が出題されるため、大学入試や英検で出題されるような学術的な文章や、史実を基にした文章は出題されないからです。
そのため、大学入試対策や英検対策の英単語帳を使って学習していると、TOEICでは覚える必要のない英単語まで覚えることになってしまい、効率のよい学習とはいえなくなってしまいます。
なるべくTOEIC対策用の英単語帳で学習を進めるようにしましょう。
英単語の学習法について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-文法の習得方法
意外に思われるかもしれませんが、TOEICに必要な英文法知識は、大学入試よりもずっと少ないです。
出題範囲も限定的ですし、中学レベルの簡単な問題が出題されることもあります。TOEIC用の文法問題集に取り組むことで、無駄なく効率よくTOEICの文法知識を習得することができます。
TOEICの文法問題を押さえると、それ以外のパートの読解速度もどんどん速くなり、相乗効果的にスコアアップしていきます。文法問題は、TOEICの学習を始めるのであれば、最初に押さえましょう。
■TOEICのおすすめ教材
-TOEIC対策本・問題集・模試
TOEICの対策本や問題集、模試を選ぶときのポイントは3つ。
①著者がTOEICに精通しているかどうか
TOEICに精通していない著者の本では、TOEICの最新の傾向をつかめないので、遠回りな勉強になりがちです。
②TOEICに特化した内容となっているか
TOEICのスコアを上げたいのであれば、徹底的にTOEICの問題を解きましょう。
大学受験用の問題集とほとんど同じような内容で、タイトルだけ「TOEIC L&R テスト対策」としているような問題集には要注意です。
③自分のレベルに合った難易度の問題や解説が掲載されているか
自分のレベルに合った問題を解かなければ、効率よくスコアアップはできません。まずは、自分の英語レベルをしっかり分析しましょう。
TOEICのおすすめ本について詳しく知りたい方はコチラへ↓
-TOEIC学習アプリ
TOEIC学習アプリを選ぶときのポイントは2つ。
①アプリは補助教材と考え、幅広いジャンルのものに取り組む
アプリだけでTOEICの学習を完成させるのは、難しいのが現状です。英語学習アプリは補助教材と捉え、総合的な英語力を上げるために、幅広いジャンルの英語教材に挑戦するのがよいでしょう。
②続けられる工夫がされているものを選ぶ
アプリの魅力は、気軽に取り組めるということ。また、リマインド機能があるものであれば、毎日決まった時間に通知を入れてくれるなど、英語学習が継続しやすい工夫がされています。そういった毎日続けやすいアプリを探すようにしましょう。
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-TOEICスクール/塾/コーチング
TOEICスクールや塾を選ぶときのポイントは以下の3つ
①TOEICに特化した授業が受けられるか
TOEICに精通した講師のいるスクールや塾を探しましょう。普通の英会話講師や英語教師の人は、英語の基礎的な知識やスキルを教えることはできるでしょうが、TOEICに特化した対策法を教えることはできません。
TOEICの点数を上げたいのであれば、TOEICに特化した指導のできる先生のいるスクールを選びましょう。
②講師が毎回TOEICを受験しているか
たとえTOEICの点数が高い講師でも、「TOEICの受験経験がほとんどない」というような講師の方からは、本当に効率のよいTOEIC対策を学ぶことはできません。
講師の受験経験が豊富なスクールを選びましょう。
③学習量を確保できるしくみがあるか
いくら質のよいスクールを選んでも、結局は勉強をするのはあなた自身です。
しっかりと、自分の学習習慣が身につくような、スケジュール管理をしてくれるスクールを選ぶようにしましょう。
TOEICスクールの選び方ついて詳しく知りたい方はコチラへ↓
-独学で勉強するときは?
TOEICを独学で勉強するときは、書籍を使った学習がメインになってくると思います。
書籍を使って独学で学習するときの注意点は1つ。
1つの素材を何度も繰り返しとこう
英語学習において非常に重要なのが、1つの英文を何度も繰り返し読む・聞くということです。
1つの英文を1度読んだだけで学習を終わっていると、自分ができない所、読めない所、聞けない所が明確になりにくいです。
1つ1つの英文を何度も読み解き、100%理解することを意識してください。
100回分の模試を1回解くよりも、5回分の模試を20回解く方が英語は身につきます。
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