英語教材編集者が答える:TOEICで900点を取るための3つの攻略法

「独学で勉強してTOEIC800点までとれたけど、どうしても900点を越えられない」

「900点を突破して、さらにハイスコアを目指すためにオススメの勉強法は?」
「TOEIC900点以上を取っている人はどのような勉強をしてきたの?」

 

TOEIC L&Rテストで900点越えを目指している方、このようなお悩み・疑問を持っている方のために、今回はTOEIC教材を20年にわたり制作してきたメディアビーコンの編集者(990点満点取得)ががっつりお答えします!

 

 


はじめに:TOEICで900点を取るために必要な正解数

具体的な攻略法を説明する前に、まずは900点を取るには200問中何問正解すればよいのかを確認しておきましょう。

 

Partごとの目標正答数の目安は以下の通りです。

 

Part 1  6問/6問
Part 2   22問/25問
Part 3   36問/39問
Part 4   28問/30問
Part 5   28問/30問
Part 6   15問/16問

Part 7

 47問/54問

 

公式問題集や模試などを解いた結果と比べてみて、自分はどのPartの正答数が足りていないのかチェックしてみましょう

 

もちろん各Partで正答数に多少ずれがあっても900点は突破できますが、こちらの目安を目標に、各Partの対策を行っていくとよいでしょう。

 

それではここから、900点突破のための具体的な攻略法を紹介していきます!

 

 

攻略法①:アビメを分析して自分の弱点に合った対策をしよう!

「900点を越えるにはとにかくたくさん解かないといけない!」とただやみくもに公式問題集や模試などを解いても、時間を浪費するだけになってしまいます。

 

TOEIC L&Rテストで900点を取るためには、自分の弱点を適切に認識した上で、その弱点にあった教材を使って対策できているかがカギになります。

 

では、何をすれば自分の弱点がわかるのでしょうか?

 

答えは簡単です。TOEICテスト受験後に送られてくる公式認定証のAbility Measured(通称:アビメ)を見るとわかります。

 

あなたは自分のアビメを見て分析していますか? 

 

「スコアだけ確認して、アビメを詳しく見ていない」なんて方も多いかと思いますが、それでは非常にもったいない!

 

せっかくETSが公式にあなたの成績表を出してくれているのですから、アビメを活用しない手はありません。

 

アビメではリスニング5つ、リーディング5つの合計10項目の正答率を示しています。正答率が低くなっている部分を洗い出せば、自分の弱点、つまり正答率が低い問題タイプがわかります

 

そしてその弱点の箇所を集中的に対策することで、900点突破に必要な「上級レベルの問題を解く力」「問題を確実に解く力」が身につき、スコアアップできます。

 

アビメには各Partの正解数が書かれていないので、しっかり見ていない人も多いと思いますが、アビメを分析することが900点を超えるための1つのカギとなります!

 

 

アビメの見方と対策例

ここで、アビメの詳しい内容を見ていきましょう。

 

【リスニング】

L1

短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる

Part 1,2

L2

長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる

Part 3,4

L3

短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる

Part 1,2

L4

長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる

Part 3,4

L5

フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる

Part 1〜4

 

【リーディング】

R1

文書の中の情報をもとに推測できる

Part7

R2

文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる

Part7

R3

ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる

Part 6,7

R4

語彙が理解できる

Part 5~7

R5

文法が理解できる

Part 5,6

 

自分はどんな問題を対策すればいいのかを把握して勉強すれば、効率よく900点以上を目指せます

 

ここで、実際にどのように分析をすればよいのかを具体的に説明していきます。

 

今回は、スコア815点(リスニング425点、リーディング390点)の人のアビメを例に確認してみましょう。

 

 

 

【リスニングセクション】


上のアビメを見ると、L2L5が相対的に低いことがわかりますね。

 

L2はPart3と4の「長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を理解できる」力を問う問題です。

●Who most likely is the man?

(男性は誰だと考えられますか)
●Where does the conversation take place?

(この会話はどこで行われていますか)
●Where do the listeners most likely work?

(聞き手たちはどこで働いていると考えられますか)
●What are the speakers mainly discussing?

(話し手たちは主に何について話し合っていますか)

といった設問を指しており、会話が行われている場所や会話の主旨、話者の職業などを問う問題が多く、本文の内容から正解を推測する必要がある問題です

 

対策としては、細かいキーワードを聞き取ろうとするのではなく、全体的に話の流れを把握する意識で聞き取るトレーニングをすればよいとわかりますね。

 

また、L5はPart 1~4で「フレーズや文から話し手の目的や暗示さている意味が理解できる」力を問う問題です。

 

これにはPart 2の間接的な応答が正解になる問題や、Part 3、4の意図問題が該当するので、これらのタイプの問題を集中して対策すると良いでしょう。意図問題については、さきほどの②で分析した「全体的に話の流れを把握する意識で聞き取る」対策をすることで、「話の流れを把握する力」も身につくので、自然と正答率も上がるはずです。

 

 

【リーディングセクション】


リーディングのアビメを見ると、R1R3が低いことがわかります。

 

R1はPart7で「文書の中の情報をもとに推測できる力」を問う問題です。

●What is the purpose of the e-mail?

(Eメールの目的は何ですか)
●What is suggested/implied about ○○?

(○○について何がわかりますか)
●In what department does Ms. Tanaka most likely work?

(タナカさんはどの部署で働いていると考えられますか)

など、文書全体の趣旨や、推測で考えられる事柄を問う問題が該当します。

 

こういったタイプの問題は本文に直接正解が書かれていません。対策としては、文書が「何を伝えるための文書なのか」を考えたり「本文の内容が選択肢でどのように言い換えられているのか」に注意してチェックしたりする必要があります。

 

もうひとつの低かった箇所であるR3は、「ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる力」を問う問題です。

 

これにはPart 6の「文脈問題」(空所を含む文以外の文を読まないと正解が導けない問題)や「文選択問題」、Part 7の正解根拠が複数ある問題「クロスリファレンス問題」(複数の文書にあるヒントを関連させて解く問題)、「NOT問題」などが該当します。

 

R3にはさまざまな問題タイプが含まれているので、R3が特に低い方は、模試や問題集を解いた後、どのタイプの問題で正答率が低いのかを調べ、その問題を集中的に対策することがおすすめです。

 

このようにアビメを分析することで、自分の弱点が把握でき、これからどう対策すればよいかがはっきりわかるようになります!

 

 


攻略法②:1つの英文をしっかり精聴・精読しよう!

攻略法①でお伝えした通り、900点を突破するには自分の弱点(正解率の低い問題タイプ)を把握して対策することが大切です。

 

しかし、スコアアップにはそれに加えて「英文をきちんと聞ける・読める力」も身につける必要があります。

 

この力を身につけるには、リスニング・リーディングともに、1つの文章の単語や文構造をじっくり勉強することが大事です。下記に、それぞれの効果的な学習法を紹介します。

 

 

リスニングのトレーニング方法

よく言われることですが、リスニングには音読が効果的です。ここではメディアビーコン流のトレーニング法を5つのステップでご紹介します。

 

1. 音声を聞く(3~4回聞いて、単語の意味や話の流れ、状況を想像する)

 

2. ディクテーション
音声を聞き、聞き取れた単語やフレーズをすべて書き出します。何度か聞いても埋められなければ、スクリプトを確認しましょう。

 

3.スクリプト確認+英文理解
スクリプトを見て、書き取った部分と実際の音声とを比べましょう。そして、単語の意味や発音、文構造や文法などを確認します。

リスニングだからといって文法や単語をおろそかにしてはいけません。音声を聞いて聞き取れなかった単語やフレーズは、必ず復習して正しい音を定着させてください。

 

聞いても意味が分からなかった文は、文法や文構造が理解できていない可能性があります。どんなに簡単な文だったとしても辞書や文法書を使って正しい知識を頭に入れるようにしてください。

 

4. オーバーラッピング
英文を目で追いながら、音声と一緒に声を出して音読します。単語の音がしっかり頭に入っているかどうか確認できます。もし途中で詰まってしまうのであれば、まだ音が完璧に理解できていないので、途中で音声を止めて正しい音を確認しましょう。

 

5.シャドーイング
英文を見ずに、音声に合わせて音読しましょう。視覚情報を遮断することで、より音声に集中できるようになります。途中で聞き取れない単語が出てきたら、音声を止めてスクリプトを確認しましょう。

 

一口に音読といってもこれだけ多種多様なトレーニング法があります。ステップを踏みながら、1つの英文素材をしっかり理解できるように復習しましょう

 

 

リーディングのトレーニング方法

 

・制限時間を設けて解く
練習問題を解くときは、本番のテストの時間配分とまったく同じ75分間で問題を解きます。各パートの解答時間の目安は以下の通りです。

Part 5:10分(1問20秒)
Part 6:8分(1問30秒)
Part 7:54分(1問1分)

実際には、簡単な問題なら目標より早く、反対に難しい問題なら目標より時間がかかるので、「Part5なら全体として10分で解く」というイメージで考えましょう。目標の時間内で解けるようになるまで、たくさん問題を解きましょう

 

 

・精読する
速さを意識して速読力を高めたとしても、根本的に英文に使われている単語や文法事項が押さえられていなければ理解できません。今一度基本に立ち返って、次の5つのステップを実践してみましょう!

 

1.  わからない単語や熟語を調べる(意味・品詞・発音・コロケーションなど)

2.  意味のかたまりごとにスラッシュを入れる

3.  文構造をとる(主語、動詞、修飾、代名詞など)

4.  かたまりごとに英語の順番で文の意味を把握していく

5.  文章全体の流れを把握しながら読み、理解できるかチェックする

 

このステップを繰り返して「100パーセント理解できる英文素材」を増やしていくことで、初見の問題文でもしっかり理解できる力が身についてきます。

 

 

攻略法③:正解の根拠だけでなく「不正解の根拠」も考えるトレーニングをしよう!

900点を越えられない方の中には「正解が2つまで絞れたけど、どっちが正解かわからず、結果的に不正解の選択肢を選んでしまった」という人も多いです。

 

正解を1つに絞るためには、その選択肢が「確実に正解だという根拠を見つける」か「他の3つの選択肢が確実に間違いだとわかる」ことが必要です。しかし本番のテストでは、正解の根拠があいまいな問題も出題されます。

 

そのため、普段から「不正解の理由」を言えるように練習することで、正解を絞れる問題が増えるため、正答率を上げることができます!

 

模試や問題集を解いた後は、正解だけ確認して終わるのではなく、「正解の導き方(これが正解だと判断した根拠となる箇所)は正しかったか」と「その他の選択肢が不正解である理由」を考えるようにしましょう

 

各Partによって選択肢の種類はさまざまですが、不正解の選択肢は「本文(Part 2なら最初の発言)とは無関係」「内容の一部が間違っている」「文法的におかしい(Part 5-6)」などいろいろなパターンがあります。

 

こうした理由をひとつずつ考えていくことで、

・選択肢を1つに絞れるようになる
・不正解の選択肢の引っかけ方がわかる
・自分が間違えやすい問題(どの選択肢パターンに引っかかりやすいのか)がわかる

といったことが身についてきます。

 

正解・不正解の理由の確認作業は時間がかかるので、あまり取り組んでいる人がいません。しかしこの練習を積むことで、「900点レベル」の問題を確実に解答できるようになります

 

あまり勉強に時間が取れない方は、まずは自分の苦手なPartから取り組んでみるとよいでしょう。

 

 


まとめ

 

いかがでしたか?今回はTOEIC L&Rテストで900点越えを目指す方から寄せられたお悩みにお答えしました。

 

同じような悩みを抱えていた方のモヤモヤが少しでも解消されたのなら幸いです!

 

 

次回、Vol.2では

「TOEICのリーディングが75分で解き終わらない」
「Part5~7はそれぞれどれくらいのペースで解けばいいの?」
「全部解き終わるためのおすすめの勉強法は?」

 

といったお悩みを取り上げます。Vol.2はコチラ↓

 

 

株式会社メディアビーコン プロフィール

1999年創業。語学教材に特化した教材制作会社。TOEIC、英検、TOEFLをはじめとする英語の資格試験から、子供英語、中学英語、高校英語、英会話、ビジネス英語まで、英語教材全般の制作を幅広く行う。特にTOEICの教材制作には定評があり、『TOEIC®テスト新公式問題集Vol. 5』の編集制作ほか、TOEIC関連企画だけでも130冊以上担当している。出版物としての教材制作のみならず、TOEIC® L&Rテストのスコアアップを目指す方のためのコーチングも行っている。

著書に『寝る前5分暗記ブック TOEICテスト単語&フレーズ』、『寝る前5分暗記ブック TOEICテスト英文法』(以上、学研プラス)、『TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試』(ベレ出版)などがある。

 
  
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