TOEIC L&Rテストの目標として、600点を目指す人は多いです。
ただ、
「TOEICで600点を取るための勉強法がわからない」
「教材がたくさんあってどれを選んだらいいか迷っている」
「600点を取るには何から始めたらいいの?」
という悩みを抱えているのではないでしょうか。
そこで今回は、今日からすぐに始められるTOEIC 600点を取るための対策方法について紹介します!
スコア600点を達成するには、以下の対策をすることがポイントになります。
✅ 各Partの解き方のコツを知る
✅ 演習をこなして問題形式に慣れる
「英語力の基礎が足りない…」という方でも大丈夫。この記事で紹介する対策法を毎日続ければ、3ヶ月で600点を取ることも可能です!
スコア600点を取りたいという方は、ぜひ読んでみてくださいね!
Contents
1. TOEIC600点の概要
TOEIC600点のために具体的な勉強を始める前に、まずはそのスコアがどの程度の英語力なのかや、必要となる学習時間について知っておきましょう。
1-1. TOEIC600点の英語レベル
TOEIC600点の英語力を簡潔にお伝えすると、「日常的な会話の聞き取りや、限られた長さの文章であれば内容の理解ができるが、ビジネス等の複雑で難解な内容については、詳細までは理解することができないレベル」だと言うことができます。
これを英検に置き換えると2級(高校卒業レベル)の英語力に相当します。
高校レベルと聞くとなんだか難しそうに思うかもしれませんが、実際には、中学レベルの単語や文法をしっかり固めて、TOEICの解き方を身につければ、600点は超えられない点数ではありません。
1-2. TOEIC600点を取るために必要な勉強時間
あくまで目安ですが、TOEICのスコアを100点アップするためには、約250時間の学習が必要だと言われています。
仮に今スコアが500点だった場合は、600点を取るには250点、つまり一日平均3時間勉強すれば、3ヶ月で達成できます。
もちろん必要な時間は人によって異なりますが、忙しい社会人の方がこれほどの勉強時間を確保するのは簡単なことではありません。ですが、以下で紹介する勉強ステップと解き方を押さえて学習を続ければ、さらに短期間でスコアアップも可能です。
1-3. TOEIC600点を取るために必要な正解数
600点を取るためには、リスニングセクションとリーディングセクションでそれぞれ以下の点数を目標にしましょう。
リスニングセクション
問題数 | 必要な正解数 | |
Part 1 | 6 | 5 |
Part 2 | 25 | 20 |
Part 3 | 39 | 25 |
Part 4 | 30 | 17 |
合計 | 100 | 67 |
リーディングセクション
問題数 | 必要な正解数 | |
Part 5 | 30 | 18 |
Part 6 | 16 | 8 |
Part 7 | 54 | 25 |
合計 | 100 | 51 |
Part 1,2,5,6は比較的対策を行いやすいパートですから、ここで正解数を増やしていくことがポイントです。
2. TOEIC600点を取るための3つの対策
ここからは、具体的なTOEICの対策の仕方について説明していきます。
冒頭でも説明した通り、TOEICで600を取るには、以下の対策が必要になります。
【対策その②】各Partの解き方のコツを知る
【対策その③】演習をこなして問題形式に慣れる
各ステップについて詳しく説明します。
2-1. 【対策その①】単語・文法の基礎を固める
TOEICで600点を取るためには、まずは英語の基礎的な力を身につける必要があります。
「TOEIC対策では難しい単語や文法を覚えないといけない」と考える人もいるかもしれませんが、中学校で学ぶレベルの文法と、TOEICによく出る基本的な単語を押えることで、600点は達成できます。
単語と文法の対策として、以下の教材を揃えるようにしましょう。
✅ 中学レベルの文法を解説している参考書
✅ 文法書(自分でわからないところを確認する用)
以下に、おすすめの単語帳と文法対策本をピックアップしました。600点取得の最初のステップとして、これらの教材を使って英語の基礎力を固めていきましょう!
■単語帳
・『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)
この本は通称『金フレ』とよばれる単語帳で、TOEICに頻出の単語を目標レベル別に収録しています。
TOEICを毎回受験しているTEX加藤先生による圧倒的なTOEIC分析力に裏付けされた、「本当によく出る単語」を集めた1冊になっています。
TOEIC初心者の人は、まず金フレに掲載されている単語を覚えることから始めるとよいです。
【金フレの効果的な使い方】
収録語数は、メインの1000語+付録で、以下の通りです。
730点レベル:300語
860点レベル:200語
990点レベル:100語
600点目標、730点目標、860点目標、990点目標に分かれているので、まずは600点レベルの単語(400語)を覚えるようにしましょう。600点レベルが定着した後は、できれば730点レベルの単語まで覚えるのがおすすめです。
単語を学習するときは、
・意味
・品詞
・発音
を一緒に覚えることがポイントです。
単語を見て考えずにすぐに意味が出てくるようになるまで定着させるようにしましょう。
金フレのより詳しい特徴については、以下の記事もチェックしてみてください。
金フレ600点レベルの単語の中にはすでに知っている単語もいくつか含まれていると思います。もし600点レベルの単語をぱらっと見たときに「知っている単語がほとんどない!」という方は、それよりもやさしめの単語の知識が抜けている可能性があります。
その場合は、金フレよりもやさしいレベルの単語を収録している『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』(朝日出版社)を使って勉強することをおすすめします。
目安として、600点レベルの単語の8割以上がわからない単語の場合は、銀フレを使うようにしましょう。
■文法対策本
・『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)
英文法を、基本からやさしく説明している参考書です。
本書には中学1~3年の学習内容がすべて収録されており、イラストをたくさん使って説明しているので、英文法が苦手な人でも取り組みやすいです。
「解説を読む→問題を解く」のステップで、基礎的な文法力を身につけることができます。
・『TOEIC® L&Rテスト 英文法ゼロからスコアが稼げるドリル』(アルク)
リーディングのPart 5,6の文法問題の基礎力をアップさせるためにおすすめの参考書です。
基礎的な文法力に不安がある人でも取り組みやすい構成で、初心者にピッタリの一冊です。
Part 5,6はTOEIC本番では選択肢が4択ですが、本書の演習問題では2択になっているので、文法の基礎を少しずつ丁寧に身につけることができます。
■文法書
『ブレイクスルー総合英語〈改訂二版〉』(美誠社)
高校レベルの文法を網羅した文法書です。
同じ種類の文法書として『Forest』などがありますが、他の文法書と違って文法関連のコラムがかなり充実しています。
「英語を始めたての初心者」や「英語が苦手な人」がつまずきやすい点を、わかりやすく解説しています。
まずは自分が苦手な文法項目のコラムを読んでみるのもよいでしょう。
2-2. 【対策その②】各Partの解き方のコツを学ぶ
単語・文法学習と並行して、TOEICのPart 1~7それぞれの解き方についても学んでいきましょう。
ここからは、Part 1~7のパートごとに、
✅ Partの概要
✅ 問題を解く流れ
✅ 注意すべきポイント
を紹介していきます。
特に問題を解く流れについては、英語力とはあまり関係なく、すぐにでも身につけられる方法ばかりですので、早い段階で習得しておきましょう。
2-2-1. Part 1の解き方
【Part 1の問題形式】
問題数:6問(目標正解数→5問)
写真には、大きく分けて「人が1人写っているもの」、「人が複数人写っているもの」、「人が写っていないもの」の3種類があります。
【Part 1を解く流れ】
Part 1は以下のような流れで解答するのがおすすめです。
①問題が流れる前に写真をチェックして、英文で読まれそうな描写を予測しておきます。各パートの指示文(Directions)は毎回同じなので、この時間を使って写真の中身をチェックしておきましょう。
・人物が写っていない写真:物の状態や位置関係(「ベンチが道沿いに設置されている」「植木鉢が窓のそばに置かれている」など)
に注目して、読まれる内容を予想します。
②選択肢(A)~(D)を聞き終わったら、正解の記号をマークして、残りの時間で次の問題の先読みをします。
【Part 1で注意すべきポイント】
・<is/are being+過去分詞>の表現
次のような写真の場合、適切な表現は1.と2.のどちらでしょうか?
1. A computer is installed on a desk.
2. A computer is being installed on a desk.
通常英語として自然なのは、1.です。
それぞれ意味は
1. パソコンが机の上に置かれている。
2. パソコンが机の上に設置されているところだ。
ですが、Part 1では2.のように、being+過去分詞を使って進行中の動作を表す英文が正解となることがあります。beingの有無で意味が変わりますが、注意して聞き取るようにしましょう。
・単語の言い換え表現を押さえておく
Part 1には車やギターなどが写っている写真が出てきますが、選択肢では
ギター→guitar、musical instrument「楽器」
のように言い換えられることがよくあります。
他にも
機械・器具→machinery、device、equipment
など、正解の選択肢は抽象的な単語で言い換えられていることも多いので、これらの単語を覚えておくようにしましょう。
2-2-2. Part 2の解き方
【Part 2の問題形式】
問題数:25問(目標正解数→20問)
Part 2は、リスニングの中では一番点数を上げやすく、リーディングのPart 5と並んで「最初に対策すべきパート」と言えます。
【Part 2を解く流れ】
Part 2は以下のような流れで解答するのがおすすめです。
①最初の発話を聞き取ります。特に文頭の疑問詞に注意して聞き取るようにします。
②3つの応答を聞いて適切な答えを選びます。
【Part 2で注意すべきポイント】
・文頭の疑問詞を注意して聞き取ろう
最初の発言の中で一番多い、文頭にWhenなどの疑問詞が付いた疑問文です。600点を目指すなら、まずはこの疑問文のパターンをしっかり聞き取って、正答率を上げることが大切です。
When was the copy machine fixed?
(コピー機はいつ修理されたのですか)
疑問文の冒頭がWhenなら時間や日程に関する質問、Whereなら場所に関する質問、というように、最初の1語の疑問詞を聞き取って「何が問われているか」を把握する必要があります。
どこに注意して聞けばよいかわからないという方は、まずは最初の1語に全神経を集中させて聞きましょう。
・音のひっかけに注意
walking「歩いている」とworking「働いている」や、coffee「コーヒー」とcopy「コピー」のように、似た音の単語を使ったひっかけ選択肢がよく登場しますので注意しましょう。
例えば次のような問題です。
How long will it take to fix the copy machine?
(コピー機を直すのにどれくらいの時間がかかりますか。)
(B) Sure, if my boss agrees. (もちろんです、上司が同意すれば)
(C) A cup of coffee, please. (コーヒーを1杯ください)
正解は(A)ですが、(C)に注目してください。最初の文で使われているcopy machine「コピー機」のcopyと似た発音のcoffee「コーヒー」が使われています。
これは、最初の文をよく理解できなかった人が、「さっきcoffeeと似た音があったし、きっと(C)は同じようなことを言っているはず」と勘違いすることを狙って作られた誤答です。
不正解の選択肢には、部分的にしか聞き取れなかった人をひっかけるための「罠」が仕掛けられていることが多いです。
もちろん似た音があるからといって絶対に間違いとは限りませんが、迷ったときの判断材料として押さえておきましょう。
・迷ったときは考えすぎずに適当にマークする
Part 2は短い時間で25問の問題を解いていくパート。たとえ迷う問題があったとしても、悩んでいる間にすぐに次の問題が始まり、音声を聞き逃してしまいます。
集中すれば解けたかもしれない次の問題を聞き逃しで落とすのは非常にもったいないです。「迷ったらすぐ(A)を選ぶ」というように自分の中でルールを作っておき、次の問題に支障が出ないように素早く解答しましょう。
・付加疑問文や否定疑問文も、答え方は普通の疑問文と同じ
付加疑問文とは、The client visit is this week, isn’t it?「クライアントの訪問は今週ですよね?」のように、念押しや確認の意図を込めて文末に否定(もしくは肯定)の表現が使われている文のことです。
否定疑問文は、Didn’t you see Mr. Johnson yesterday?「昨日Johnsonさんに会いませんでしたか?」のように否定形から入る疑問文のことです。
普通の疑問文と形が違うため、答え方がとっさにわからないという方も多いですが、実は答え方は変わりません。「肯定するならYes」「否定するならNo」とシンプルに答えられます。
2-2-3. Part 3の解き方
【Part 3の問題形式】
問題数:39問 (目標正解数→25問)
【Part 3を解く流れ】
①指示文が読まれている間に、設問の先読み(問題文が流れる前に設問文を先に読んでおくこと)をします。設問中に人名などの固有名詞が登場した場合は、発音をあらかじめ頭の中で確認しておきます。
②会話文を注意して聞いて、解答のヒントを聞き取ります。
③1つめの設問が読み上げられている間に、3つ分の答えをマークします。
④2~3つ目の設問が読まれている間に、次の設問を先読みします。
【Part 3で注意すべきポイント】
・「先読み→会話を聞く→解答→3つ答えたら次の先読み」のサイクルを回していく
Part 3と4では会話・トークの後に3問ずつ設問が読み上げられます。Part 3と4を解くときは、設問が読み上げられる時間を使って、次の設問の先読みを完了しておくようにします。
一度このサイクルが崩れると先読みがしづらくなり、以降の問題すべてに影響してしまいます。解答に時間がかかると先読みの時間がなくなってしまうので、わからない設問があっても悩みすぎは禁物です。
・言い換え表現に注意する
会話文中で出てきた表現が、正解の選択肢では別の表現に言い換えられていることが多いです。
選択肢:contact a colleague (同僚に連絡する)
「放送中の内容が選択肢ではこう言い換えられている」などと判断できるよう、語彙力を鍛えて、言い換え表現に慣れるようにしましょう。
・トークの序盤を注意して聞いて話題を押さえておく
Part 3や4の音声を聞くときは、話の全体的な話題を押さえるようにして聞くと、内容が理解しやすくなります。
例えば電話メッセージなら「Maryさんですか? ABC書店のJohnです。先日ご予約いただいた本が入荷しましたのでご連絡しました」など。聞き手に向かって一方的に話す文章ですから、まずは話し手が「名前の紹介」「目的の告知」などを行うところから始まることが多いです。
こうした点は設問で問われることも多いですし、内容を理解していく上での前提にもなるので注意して聞いておきましょう。
2-2-4. Part 4の解き方
【Part 4の問題形式】
問題数:30問 (目標正解数→17問)
合計の問題数と、「会話文ではなくなっている」点を除けば基本的にPart 3と同じです。
【Part 4を解く流れ】
解く流れは基本的にPart 3と変わりませんが、Part 4では③でトークの種類が読み上げられるので、この部分を聞き取っておくようにします。
【Part 4で注意すべきポイント】
注意すべきポイントについては、基本的にPart 3と同様ですが、次のポイントも押さえておきましょう。
・トーク前のアナウンスを注意して聞く
トークの前に放送されるアナウンスの“Questions XX through YY refer to the following ~” 「問題XXからYYは次の~に関するものです」の「~」部分が、トークごとに様々な内容になっています。
advertisement「広告」
announcement「アナウンス」
broadcast「放送」
excerpt from a meeting「会議の一部」
などがあります。
Part 4ではこの部分を聞くようにして、あらかじめ「どんなジャンルの話なのか」を大まかに把握しておきましょう。
・図表問題の解き方を知っておく
設問文の最初にLook at the graphic.「図を見てください」と書いてあるタイプの問題で、音声からわかる内容と図表を見てわかる内容を組み合わせて解きます。
音声では、図表にある要素の中で、選択肢に書かれていない部分の内容が読み上げられます。
例えば、次のようなフロア案内の図表がある問題を見てみましょう。
2階 雑貨店
3階 書店
4階 映画館
設問が「男性は何階に行きますか」というものだったら、男性は「2階に行きます」とストレートに階数を言うことはありません。
必ず、「雑貨店に行くという発言を聞き取る」→「雑貨店が2階にあることを図表で確認する」→「2階に行くと解答する」という手順を踏む必要があります。
「選択肢にある表現が直接会話に登場し、そこを聞ければ答えられる」といったことはないので注意です。
2-2-5. Part 5の解き方
【Part 5の問題形式】
問題数:30問 (目標正解数→18問)
600点を目指すなら、リーディングセクションではまずはPart 5の正答率を上げることが大切です。
Part 5と6には文法問題と語彙問題がありますが、特に文法問題をしっかり正解できるように対策していく必要があります。
ここで、パートごとの解答時間の目安を確認しておきましょう。
Part 6(16問):10分
Part 7(54問):55分
【Part 5を解く流れ】
①選択肢に並ぶ語句をチェックして、問題タイプを把握します。
Part 5は大きく語彙問題と文法問題に分類されます。
文法問題とは、regular、regularly、regulates、regulationのように、品詞の異なる単語の派生語が並ぶ問題や、動詞の異なる活用形が並ぶ問題、代名詞の格を問う問題、適切な前置詞や接続詞を選ぶ問題などがあります。
語彙問題とは、品詞は同じですが、意味の異なる選択肢が並んでおり、文脈から当てはまるものを選ぶ問題です。
②文法問題なら文構造、語彙問題なら意味に注意して前から読んでいきます。
③適切な正解を選択肢から選びます。
【Part 5で注意すべきポイント】
・「解ける問題」を確実に解いていく
スコアアップするには、できるだけ多くの問題に解答して正解することが必須です。ですが、実は600点を目指すなら、リーディング100問をすべて解こうとする必要はありません。
「自分が解ける問題を時間内にできるだけ多く解く」ことが、スコアアップの鍵になります。
Part 5は1問につき平均20秒くらいで解答する必要があります。それ以上悩んでしまう場合は、その問題は思い切って適当にマークして次に進む方が、結果的に正答率を高めることができます。
また、Part 5で捨てるべき問題の見分け方については、以下の記事を参考にしてみてください。
2-2-6. Part 6の解き方
【Part 6の問題形式】
問題数:16問 (目標正解数→8問)
Part 6は「長文の穴埋め問題」形式で、全16問で構成されています。
「Eメール」「新聞記事」など、ある程度長さのある文書の中に、1文書につき4つの空所があります。
【Part 6を解く流れ】
①文書タイプを確認して、「これからどのような文章を読むのか」を把握しておきます。
②文書のタイトルや件名などを確認して、文頭から読み進めます
③空所の位置まで来たら、その空所を含む文の最後まで読んで、選択肢をチェックします。
④空所に入る適切な選択肢を選びます。
【Part 6で注意すべきポイント】
・飛ばし読みしない
問題を解くときは、すべての英文に目を通すようにしましょう。参考書の中には、空所の前後の単語だけを見て解答できるような方法を紹介したものがありますが、そのやり方はあまりおすすめではありません。
最大の理由は、穴埋めの前後しか読まないことで重要なキーワードを見落としてしまい、ひっかけ問題にひっかかるリスクが高まるから。
特にPart 6は全体的な文脈を理解していないと解けない問題が多いです。やはり、全文に目を通して流れを把握しておくことは大切です。
また、空所の前後だけで正解を判断しようとすると、文章の流れがわかりにくいぶん、より正確な文法力も必要になります。全文に目を通す分所要時間は増えますが、確実に正答率を上げていくためには、全文を読むことが得策だと言えるでしょう。
・文挿入問題は解かずに適当にマークする
Part 5と同様、このパートでも鍵となるのは文法知識と語彙力ですが、Part 5と大きく異なるのは、「文書中のある位置に入る適切な1文を選ぶ問題」が出題される点。
この文挿入問題はPart 6の16問中4問出題されます。解答に時間がかかるタイプの問題であるため、600点を目指すのであれば、余裕がない限りは4問ともすぐに適当にマークして、次に進むことをおすすめします。
2-2-7. Part 7の解き方
【Part 7の問題形式】
問題数:54問
・1つの文章(シングルパッセージ)に関する問題:29問
・複数の文書(ダブルパッセージ・トリプルパッセージ)に関する問題:25問
(目標正解数→25問)
Part 7はリーディングセクションの半分以上を占めているパートです。
このパートでは、以下のような日常生活とビジネスのシーンに対応した内容が出題されます。
広告:求人、新商品の告知など
お知らせ:工事、開店、閉店、運休、イベント案内など
記事:ビジネス紹介、インタビュー記事など
チャット・テキストメッセージ:社内スタッフ同士のやり取りなど
【Part 7を解く流れ】
①文書を読む前に、まずは文書の上に書かれてある指示文(”Questions 147-148 refer to the following notice”といった英文)に目を通して、これから読む文書の種類を把握します。
②設問を読んで、問われている内容を確認する。このとき、「NOT問題」「同義語問題」「意図問題」「文位置選択問題」の場合はすぐに適当にマークして、次の設問を読む。
③文書を頭から読み進めて、正解の根拠を探す
④正しい選択肢を選ぶ
⑤次の設問を読みます。
【Part 7で注意すべきポイント】
・時間がかかりそうなら適当にマークする
Part 7の問題の中にはどのレベルの人であっても「正解を見つけるのに時間がかかる問題」が含まれています。
・NOT問題:
設問文に”NOT”が含まれている問題
・同義語問題:
文書中の語句と同じ意味を持つ単語を選ぶ問題
・意図問題:
チャット中にある発言が書かれた意図として正しいものを選ぶ問題。
・文位置選択問題:
指定された1つの文が、文書中にある4つの空所のうちのどこに入るのかを選ぶ問題
などがありますが、これらの問題と「簡単に解ける問題」とでは、得点は変わりません。
600点を目指すのであれば、これらのタイプの問題は飛ばして解答を進め、「200問目までたどり着く」ことを目標にしましょう。
また、マルチプルパッセージ問題も、時間がかかりそうな問題は、適当にマークするようにしましょう。
Part 7の長文には、シングルパッセージ、ダブルパッセージ、トリプルパッセージの3種類があります。シングルパッセージは各セットにつき2~5問、ダブル・トリプルは各セットで5問ずつ出題されます。
マルチプルパッセージの問題では、複数の文章の内容を組み合わせて解くタイプの問題が5問中必ず1つは含まれます。そうした問題は難易度が高いので、迷って時間を浪費しないように、適当にマークして先に進んでしまうとよいでしょう。
2-3. 【対策その③】演習をこなして問題形式に慣れる
各パートの解き方をひと通り学んで練習をしたら、模試を解いて解き方が身についているかをチェックしましょう。
模試を解くときは、
・リーディングは本番と同様に75分間で設定する
というようにすると、本番を想定した問題演習をすることができます。
問題を解いた後は、答え合わせをして終わりにするのではなく、しっかりと復習を行います。
復習では
・文構造を分析して精読する
・間違えた問題は、日をあけてもう一度解くようにする
などを行うことで、解き方が身についてきます。
復習する際は、間違えた問題はもちろんですが、解答に迷った問題や正解した問題も、一度は必ず解説に目を通すようにしましょう。「なぜこれが正解なのか」を説明できるくらいまでに、徹底してやることが重要です。
精読では、例えば、主語と動詞はどれか、時制はどうなっているのか、形容詞句はどこを修飾しているのか、などを意識しながら読み進めましょう。わからない単語があれば意味を調べ、余裕があれば品詞と発音まで頭に入れると英語の上達に役立ちます。
まずは文の構造を理解して丁寧に正確に読む習慣を身につけましょう。
このように、「本番さながらの環境を作り、しっかり時間を計ってやること」と「復習に多くの時間を割くこと」の2つがポイントになります。
3. まとめ
TOEICで600点を取るために必要な3つの対策について解説しました。
✅ 各Partの解き方のコツを知る
✅ 演習をこなして問題形式に慣れる
の3つの攻略法で、スコア600点を目指しましょう!