「TOEICを受けるので良い単語帳を買いたい」
「人気の『金フレ』が気になっているけど、実際のところどうなんだろう?」
というあなたへ!
英語教材を多数制作し、TOEICの分析も長年続けているメディアビーコンが、『金フレ』の愛称で知られる『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)をしっかりレビューします。
結論から言えばとても優れた教材で、「まずはこの1冊でOK」というおすすめの単語帳です。
この記事では、『金フレ』の特徴に加えて、「どんな人におすすめか」「おすすめの使い方」も併せて解説しています。「自分に合った教材なのかな?」と気になっている方はぜひご覧ください。
Contents
1. 『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』の特徴
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18732
まずは大まかな特徴からご紹介します。
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は、タイトルの通り、「フレーズの中で英単語を覚える」という形式の単語帳。
とにかくやってみよう。
Let’s try a——-.
のように、「日本語のフレーズと、一部が空所になった英語フレーズ」のセットが並んでいるので、空所に当てはまる英単語を考えていきます。空所の英単語は頭文字のみ与えられています。
普通の「英単語を見て意味を答える」タイプの単語帳に慣れていると最初は戸惑うかもしれませんが、空所を自分で埋めていくことによって記憶に定着しやすくなるのが嬉しいところです。
収録語数
メインの1000語+付録で、以下の通りです。
600点レベル:400語
730点レベル:300語
860点レベル:200語
990点レベル:100語
付録
「Part1の重要表現100語」
「部署名・職業名集」
「前置詞・接続詞・接続副詞集」
「多義語集」
「定型表現集」
本のサイズ
新書サイズです。持ち運びに便利なサイズで、電車の中で使ったりする人も多いです。
音声
公式サイトからダウンロードする形式で、「日本語音声→英語音声」のものと「英語音声のみ」の2種類が無料でダウンロードできます。
2. こんな人におすすめ
本番に出る語彙だけを効率よく勉強したい人
『金フレ』の著者であるTEX加藤さんは、TOEICを毎回受験し、満点を何十回も獲得している超ベテランのTOEICマニア。
毎回受験していることによる圧倒的なTOEIC分析力に裏付けされた、「本当によく出る単語」を集めた1冊になっています。
頻出単語ばかりが収録されているので、スコアアップに直結した効率のよい単語学習が可能です。
『金フレ』で学習してからTOEICを受験すれば、『金フレ』で覚えた単語がたくさん出てきてびっくりすること間違いなしです。収録されている単語はすべて覚えて損はありませんよ!
英会話/英作文でのアウトプットも視野に入れている人
単語力には2種類あります。「読んだり聞いたりしたときに意味がわかる単語」と「話したり書いたりするのに使うこともできる単語」です。
前の章でご紹介した通り、『金フレ』は日本語を見て英語のフレーズを答えるという形式なので、英会話や英作文で言いたいことが言えるようになるための単語力が身につきやすいです。
また、ただ空所になっている単語を覚えるだけでなく、フレーズを丸ごと覚えるようにすると、その単語の正しい使い方がわかり、より自然な英語をアウトプットできるようになります。
TOEICはリーディングとリスニングの試験だからアウトプットは必要ないのでは? と感じる方もいるかもしれませんが、アウトプットに使えるくらい定着している単語なら、見聞きしても一瞬で意味がわかるようになるものです。
また、TOEICのハイスコアは採用や昇進の基準になったりしますが、それは英語のできる人材が求められているからです。そして実際に業務で英語を使う際は「読むだけ」「聞くだけ」といった場面はあまりありませんから、アウトプットもできるようになっておいた方が安心ですよ。
今500点レベル以上で、600点以上を目標としている人
『金フレ』の対象読者は、今TOEIC500点以上のレベルで、目標が600点以上の方です。
TOEICを受験したことがない方は、500点は「およそ英検2級のギリギリ合格に相当するレベル」と考えてください。
もし今の実力がそれよりも低いという場合は、姉妹編の『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』がおすすめ。『金フレ』から上級者向けの単語を減らし、その分基礎単語を充実させた初心者向けバージョンです。
3. おすすめの使い方
音声をフル活用する
公式サイトからは「日本語→英語」の音声と、「英語のみ」の音声がどちらも無料ダウンロード可能です。
日本語を聞いて英語を思い浮かべられるか試す、英語だけ聞いて意味がわかるか確認するなど、どちらも復習に使いやすい優れものです。
おすすめの使い方は「家では本を使って勉強」→「通勤や通学中は音声を聞いて復習」といったもの。外出中のスキマ時間にも無駄なく学習できます。
もちろん、シャドーイング(音声を聞いて、その音声から少し遅れて声に出していくトレーニング)に使用するのも、実践的なスピーキング力がつくのでよい勉強法です。
紙面のコラムにも目を通しておく
各見出し語の右隣にはコラムが掲載されています。内容は「単語の使われ方に関する豆知識」、「語源」、「関連語(同意語や対義語)」、「TOEICあるある」など。
「へえ」と感心するものから思わず「くすっ」と笑ってしまうものまで、印象的なコラムが多いので、読んでおくと単語も記憶に残りやすくなるはずです。
「Part1重要語」「多義語」といった付録の章にもしっかり取り組む
メインの1000語以外にもよく出題される重要語がたくさんあるので、付録の部分に収録されている単語も忘れずに習得しておくようにしましょう。
最初の1冊として使い、足りなければ目標スコアに特化したものをもう1冊(特に上級者)
TOEIC頻出語彙をほとんどカバーできるため、『金フレ』は500点以上ならどんなレベルの人にでも、最初の1冊として非常に適しています。たいていの人はこの1冊で十分でしょう。
ただし『金フレ』は600~730点レベルの単語の収録数が多めで、それ以上のレベルのものは少なめなので、高得点(860点以上)を目標とする人はもう一冊、上級者向けの単語帳の追加を検討するのもよいでしょう。その場合も、まずは『金フレ』をしっかり仕上げておきましょう。
まとめ
ここまで『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』をレビューしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単にまとめると以下のようになります。
・本当にTOEIC頻出の単語が多いので、500点以上の人全員に最初の1冊としておすすめ
・500点未満の人には『銀のフレーズ』がおすすめ
・とりあえずこの1冊を仕上げるようにしよう。どうしても足りないという場合のみ2冊目の検討を
これからTOEICを受験するという方はぜひ取り組んでおくことをおすすめします。