「英語の長文が速く読めるようになりたい!」
「TOEICのリーディングセクションで時間が足りない…」
「スラスラと英語で本を読んでみたい…」
そう考えている人は多いはずです。速読ができると総合的な英語力がアップするので、リーディング力だけでなくリスニング力を鍛えたい人にもおすすめです。
今回は、5つの簡単トレーニングで速読力を身につける方法をご紹介します!
Contents
1. 英語速読ができない2つの原因
速読のトレーニング法を実践する前に、なぜ速読ができないのか分析してみましょう。弱点を正しく把握することで、どんな学習や練習が必要かを知ることができます。
1-1. ゆっくりでも読めていない
まず意外と多いのが「そもそも英文が理解できていない」というタイプの人です。このタイプは基礎的な英語力が不足しており、読むスピードに関わらず英文自体が理解できていない人が多いです。
【ゆっくりでも英文が読めない人の特徴】
・基礎的な単語力・文法力などが不足している
・英文を読む経験が足りていない
当然のことですが、ゆっくりでも読めないものを速読することはできません。「読めない→焦ってどんどん読み進めようとする」という悪循環に陥らないためにも、まずは自分自身の基本的な英語力を見直してみましょう!
【まずはここから始めよう!】
・基礎的な英単語や文法の復習
・時間をかけて英文を読む練習
1-2. 返り読みをしている
次に多いのが「速く読もうとして返り読みをしてしまい、読むのが遅くなっている」という場合です。
返り読み:同じ文章を行ったり来たりして読むこと。内容を一度で理解できない場合にしてしまうことが多い。
【こんな経験はありませんか?】
・1語1語読んでおり、かたまりで読めていない
・英語を頭で日本語に訳そうとしてしまう
単語ひとつひとつの意味に集中しすぎると、文章全体の意味がつかめず返り読みをするハメになってしまいます。
また、綺麗な日本語に訳そうとしすぎるのも注意です。英語→日本語という変換に時間がかかるので、なかなか速読のスピードはあがりません。
【まずはここから始めよう!】
・英文をかたまりで把握する
・英語は英語のまま読んでみる
いかがですか?自分の弱点が分かった所で、早速具体的な速読のトレーニング方法を確認していきましょう!
2. 英語速読のための5つのトレーニング
速読のためのトレーニングを5つ紹介します。コツさえつかめば誰でも簡単にできる方法ばかりですよ!
2 スラッシュリーディング
3 音読トレーニング
4 多読トレーニング
5 時間を計って読む
それでは1つずつ見ていきましょう。
2-1. 精読トレーニング
精読とは「英文を正確に、時間をかけて理解する」学習法です。一見速読とは真逆のトレーニング法に思えますが、ここでは英文とじっくり向き合い単語や文法および内容を正しく理解する訓練を行います。
【精読で得られるメリット】
・基礎的英語力が身につく
・英文を正しく理解する力をつける
精読で最も大切なことは、「英文を完璧に理解できるスキルを獲得する」ことです。そのため、
正確さ>時間
上記のように、まずはかかる時間を無視して正確さ重視で学習に取り組みましょう。
例えば、以下のような文章を精読するとします。
Thanks to the useful app that has been developed recently, we can easily find suitable accommodation nearby when travelling.
(最近開発された便利なアプリのおかげで、旅行時も近くのおすすめの宿泊施設が簡単に探せるようになった。)
精読を実施する場合は、以下の点に注意しながら英文を丁寧に読み進めます。
・S(主語)、V(動詞)、O(目的語)などの文構造
・それぞれの英単語の品詞および意味
・よく使われる文法
これら項目に着目しつつ、英文を細かく読解する作業を行います。少しでも分からない単語や文法があれば、必ずノートなどにまとめるクセもつけましょう!
英語力としては、高校卒業レベルの単語・文法知識の獲得を目安にすると良いでしょう。このレベルの英語力が獲得できれば、速読の準備に必要な基礎知識は充分であるといえます。
精読の詳しいやり方については、以下の記事をチェックしてみて下さい!
2-2. スラッシュリーディング
スラッシュリーディングとは「英文にスラッシュ(区切り)を入れて読む」学習法です。難しい英語の長文も区切りを入れることで、格段にスッキリと読みやすくなります。
【スラッシュリーディングで得られるメリット】
・英文をかたまりで読めるようになる
・時間ロスになる返り読みを防ぐ
・英語を英語の語順で読めるようになる
例えば、以下のような文章にスラッシュを入れていきます。
Yesterday, I ran into an old friend from high school who became a lawyer at the station.
(私は昨日、弁護士になった高校時代の古い友人に駅で出くわした。)
難しい単語はありませんが、このままでは文が少し長く読みにくいですよね?
Yesterday,/ I/ ran into/ an old friend/ from high school/ who became a lawyer/ at the station.
(昨日/私は/出くわした/古い友人に/高校からの/弁護士になった/駅で)
いかがですか?英文の適切な箇所にスラッシュを入れることで、かたまりを意識しつつそのままの語順で読むことができますよね!
スラッシュを入れる箇所は様々ですが、主に下記のような単語を目安に行うことが多いです。
【スラッシュを入れるポイント】
・主語や動詞
・前置詞・接続詞
・関係代名詞
・準動詞
詳しいスラッシュリーディングの仕方およびおすすめの参考書や教材については、以下の記事でご紹介しています!
2-3. 音読トレーニング
続いて音読トレーニングについてです。音読は比較的有名な勉強法で紹介しているサイトも多く、試したことがある人もいるのではないでしょうか?
音読にはスラッシュリーディングと同じように、英語をそのままの語順で理解できるようになる効果があります。それだけでなく、以下のようなテクニックを身につけることも可能になるのです!
【音読で得られるメリット】
・発音が綺麗になる
・リスニング力が身につく
・英語特有のイントネーションが身につく
実際に英文を声に出して読むことで、よりリズミカルに英文を読めるようになるのが最大の特徴です。テンポの良い音読は速度やスムーズな英会話にも繋がる効果的な練習方法ですので、ぜひ取り入れるようにしてみて下さい!
また、音読に加えて以下2種類のトレーニングを行うとより効果的です。
①オーバーラッピング
音読の種類の1つで、「お手本の音声と同じスピードで英文を読む」トレーニングです。
【オーバーラッピングで得られるメリット】
・ネイティブ英語へのリスニング力がアップする
・自然な英会話スピードが身につく
【オーバーラッピングのポイント】
・お手本と同じ速度で英文を読む
・英文(スクリプト)は見ながらでOK
詳しいオーバーラッピングの仕方およびおすすめの参考書や教材については、以下の記事でご紹介しています!
②シャドーイング
こちらも音読の種類の1つで、流れる英語の音声を真似して発音するトレーニングです。オーバーラッピングと学習メリットは似通う部分も多いですが、シャドーイングでは以下の効果もプラスで期待できます。
【シャドーイングで得られるメリット】
・便利なフレーズが丸暗記できる
・英文を瞬時に理解する力がつく
また、シャドーイングの場合には「お手本の音声から1~2単語遅れて読む」ことがポイントとなります。
【シャドーイングのポイント】
・お手本から少し遅れて英文を読む
・最終的にはスクリプトなしで読む
詳しいシャドーイングの仕方およびおすすめの参考書や教材については、以下の記事でご紹介しています!
2-4. 多読トレーニング
英語の速読力アップに欠かせないのが、多読によるトレーニングです。これら学習法を上手に組み合わせて実践することで、総合的な英語力アップのための相乗効果を狙うことができます。
【多読で得られるメリット】
・とにかく英文を読むことに慣れる
・多ジャンルの語彙力がアップする
多読を行う際には、以下の点に注意することがコツになります。
【多読のポイント】
①比較的易しめの英語をたくさん読む
多読はとにかく量をこなすことがポイントです。英文の難易度にこだわらず、自分の英語レベルでも読める教材を中心にどんどん読み進めましょう!
②辞書を引かずにどんどん読む
多読では辞書を引かずに英文を読み進めていきます。「意味の分からない単語でつまずかない?」と心配に思う人もいると思いますが、これには理由があります。
・単語の意味を自力で推測する力が身につく
・読むスピードが落ちるのを防ぐ
特に、単語の意味を文脈から推測する力は辞書ばかり頼っていては身につきません。多読を行っている間は読む量に集中し、辞書を引くのはひと通り読み終わった後にしましょう!
③自分の好きなテーマの英文を読む
いくらたくさんの本を英語で読んでも興味のないものは記憶に残りません。多読で使用する教材やテキストは、自分が興味を持てるものを選びましょう。
「何から手をつけるべきか分からない…」という人にはラダーシリーズがおすすめです。
【ラダーシリーズの特徴】
・多彩なジャンルの教材
・レベルは1~5段階から選択可能
・巻末には便利なワードリストつき
中学レベルの学習者からから上級者まで、多読に挑戦するならぜひチェックして欲しいシリーズです!
ラダーシリーズ公式HP
(https://www.ibcpub.co.jp/ladder/)
2-5. 時間を意識して読む
最後に、速読力アップの最も基本的なトレーニング方法をご紹介します。当たり前のことですが、速読は時間との闘いです。常に時間を意識して英語を読むことにより、普段の学習にも一定の負荷をかけることが可能になります。
【時間を計って英文を読むコツ】
①ストップウォッチなどを使用する
最も簡単な方法は携帯などのストップウォッチ機能を利用することです。時間は徐々に短くしていけば問題ないので、慣れるまでは少し余裕のある時間設定にしてみましょう。
また、教材によっては理想の読解時間を設定しているものも多くあります。TOEIC対策などで速読力をつけたい人は、公式問題集などを本番の時間を計りつつ解いてみると効果的な練習になります!
②便利なアプリを活用する
アプリを使って時間を計ることも可能です。『Polyglots』はペースメーカー機能つきのアプリで、自動的にスクロールされていく英文を読むことができます。スクロールの速度は細かく調節することが可能です。英文のレベルやジャンルは自分の英語力や興味に合わせて選べるので、学習がサクサク進みます!
引用:https://apps.apple.com/jp/app/ying-yuridinguapuripolyglots/id877494771
【Polyglotsダウンロード】
iPhone/iPad(※App Store)
(https://apps.apple.com/jp/app/ying-yuridinguapuripolyglots/id877494771)
Android(※Google Play)
(https://play.google.com/store/apps/details?id=net.polyglots&hl=ja)
3. まとめ
今回の記事では速読ができない原因とトレーニング法についてご紹介しました。
【英語速読が苦手な2つの理由と対策】
・ゆっくりでも読めていない
→基礎的英語力をつけることをまずは優先する
・返り読みをしてしまっている
→英語をかたまりで把握&そのままの語順で読む練習をする
これら原因を克服しつつ、速読力アップに活かせるトレーニング法は以下のものでした。
【速読トレーニング5選とその効果】
1.基礎的英語力をつける
→精読(英文を丁寧に読み込む)
2.英語をそのままの語順で理解&リスニング力もUP
→スラッシュリーディング(英文に区切りを入れる)
→音読(声に出して読む)
3.速読に向けて量と負荷で攻める!
→多読(とにかく量をこなす)
→時間を計る(習慣的に時間を意識して読む)
大切なことは自分の弱点を把握しつつ、それぞれのトレーニング法の効果を正しく理解し実践することです。どれも今日から始められる方法ばかりなので、ぜひ学習に取り入れて速読力を身につけて下さい!