「大学受験以降、ほとんど英語を勉強してこなかった」というあなた。
就活を控え、TOEICが気になるけど、今更勉強して間に合うのか、と不安になっていませんか?
就活の際に求められるスコアは業界によってばらつきがあり、中には就活中に限れば、ほとんど英語力が求められない業界もあります。
ただ、まだ志望する業界や業種が決まっていないなら、TOEICのスコアを上げることで、就職先の選択肢を広げることができます。
一般的に英語力が必須ではないといわれる業界や業種でも、入社後に業務で英語の資料を読んだり、英語で会話したりする場面はよくあります。
そんな状況を踏まえ、TOEICを受験するメリットや受験英語との違いを整理しながら、スコアアップのための勉強法を解説します。
Contents
1. 大学生がTOEICを勉強するメリット
TOEICの勉強が活きるのは、英語をよく使う企業や業種を目指している人だけかというと、そんなことはありません。
まだ志望業種も企業も決めていない段階でも、TOEICを勉強することのメリットはあります。
メリットを大きく分けると、一つは就活に有利になるということ、2つめは就職後に役立つ英語の読む力、聞く力がつくということです。
1-1. 就活で有利になる
TOEICにはいくつか種類があり、大きく分けると公開テストとIPテストがあります。
公開テストには、測りたい技能やレベルに合わせて5種類のテストがあります。
【TOEIC公開テスト】
① TOEIC Listening & Reading Test
② TOEIC Speaking & Writing Tests
③ TOEIC Speaking Test
④ TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
⑤ TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
団体向けの団体特別受験制度(IPテスト)は、これらの試験を学校や企業の定めた日程で開催します。
これらTOEIC Programと呼ばれるテストの採用時の利用状況の調査では、TOEICプログラムを要件としている、参考としている、新たに要件・参考とする可能性があると答えた企業をあわせると、50パーセント以上になります。
引用:https://www.iibc-global.org/toeic/special/job/4skills.html#r01
さらに、TOEICの認知度は高いのでアピールしやすく、試験スケジュールを見ても年に10回ほど行われているので、対策が比較的しやすいと言えます。
また、点数そのものはもちろんですが、継続して勉強に取り組む過程や英語を勉強する動機も、就活では説明しやすいエピソードになります。
さらに、大学生の今TOEICを勉強し英語力を伸ばすことで、志望業界の海外事業に携わるチャンスが生まれるので就職活動でのPRポイントになります。
以上のように、TOEICが就活に有利な理由は、スコアだけではなく自分の体験や考えと掛け合わせることでオリジナルのエピソードを作りやすい点にもあります。
TOEICがどのように就活に有利であるか、もっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください↓↓↓
1-2. 読む・聞く英語力がアップする
リスニングとリーディングで構成されるTOEIC Listening & Reading Test(以下TOEIC L&R)は特に受験者が多く認知度も高いので、最初に目標とするならこれです。
社会人になると、企業によっては研修の一環で英語を学習する機会があり、TOEICのスコアを昇進の条件や参考にする場合があります。採用試験の段階でも以前に比べてTOEICのスコアが高い人がより採用されやすくなってきています。
(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会が公式HPで公開している「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2020 2019年度受験者数と平均スコア」によると、新入社員のスコアは2~3年目の社員よりも高くなっています。
引用:https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf
もちろん同一人物の経過を追っているわけではないので絶対とは言い切れませんが、入社時のスコアから数年後に格段に伸びている人は少数派なのではないでしょうか。
となると重要なのは入社前。就活を控えた今、TOEICの勉強ができる時間が一番スコアを伸ばしやすいと言えます。
リスニングやリーディングの力は英語を採用試験で特別重視しない職場でも、英語で問い合わせ対応をなければならなかったり、調べ物をする際に英語が必要となったりすることがよくあります。
大学生は社会人に比べて勉強時間を確保しやすいです。詳しくは4でご紹介しますが、英語を教材以外で学べる環境が整っていることも重要です。
社会人になっていずれ必要になるリスニング・リーディングの力をつけるのには最適なタイミングだと言えます。
2. 大学受験英語との違いは?
大学受験の勉強もTOEIC対策も同じ英語の学習なので、基本的な学習方法には差はありません。
ただ、試験の内容的にはTOEIC L&Rはビジネスシーンを想定した会話、文書を扱っているので、大学受験の時には覚えることのなかった英単語や言い回し、文書様式に慣れる必要があります。
例えば英単語については、TOEIC L&Rの500点前後では、受験の時の英単語の復習プラスビジネス英単語を身につけていく、という学習が必要になってきます。
3. TOEICスコアアップのための3ステップ
TOEICのスコアアップには自分の実力を知るところから。現在のスコアにもよりますが、大学生であれば200点近く伸びる可能性は十分あります。
大学生がスコアアップするためのステップとして、これからご紹介する
①今の実力の把握
②目標スコアの設定
③目標別の対策
の3つを押さえましょう。
3-1. 今の実力をチェックする
実は、TOEICを一回受けている可能性があるんです。それは大学入学時のクラス分け。大学によってはTOEFLを使用しているので、TOEICとは限りません。もしスコアレポートが残っていれば確認してみましょう。
大学入学時に一律に受験したTOEICはIPテストと呼ばれる団体受験です。ただ、個人で申し込む公開テストと同様に、2時間で200問解くため、入学時の実力の目安になります。
IPテストに関してはこちらの記事もチェック↓↓↓
もしそのようなスコアが残っていなければ、『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』を購入し、時間を計って一通り解いてみましょう。
この問題集は現在vol.6まで発刊されていますが、最新刊でなくても信頼性のある公式問題集の模試を解くことが大切なので、新形式に対応している問題集であれば、最新刊にこだわる必要はありません。
3-2. 目標スコアを設定する
「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2020 2019年度受験者数と平均スコア」(https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf)によると、
2019年度の内定者の平均スコアは547点。
一方、業種別受験者の平均スコアには差があり、鉱業はもっとも高い601、マスメディアで619、建設426、都道府県で419、となっています。
目指す業種を特に決めていないのであれば、長期的には高い目標を設定することをおすすめします。1年で100点~150点アップを目標に設定してみましょう。
TOEICの公式ホームページには「目標設定お助けツール」というサービスがあります。現在のスコアと目標スコアを入力すると、目標スコアへレベルアップした時、できるようになることがシーン別に紹介されていますので、こちらも活用してみてください。
目標設定お助けツール↓↓↓
3-3. 目標スコア別の対策をする
目標スコアが決まったら、早速対策を始めましょう。まず、どのレベルの人にもおすすめしたいのは、テストを開発したETS制作の教材の活用。本番形式の問題を解きながら、単語やイディオムを増やしていくことができます。
目標スコア600点
公式問題集を解いても多くの問題で自信がない、時間が足りない、英文が全体的に理解できなかったという人も多いと思います。一通り解いたら、解説を読みながら、単語や文法を学ぶつもりで活用することをおすすめします。公式ボキャブラリーブックもおすすめです。
その際、意識してほしいのは身につけたい表現は声に出しながら、書きながら勉強すること。目で追う学習では定着したつもりがすぐに忘れてしまいます。声に出して書いてみる、を意識すると定着が早くなります。例文とセットで覚えることもポイントです。
ちなみに、初心者向けに期待できるのが、8月25日に発売予定の『公式TOEIC® Listening & Reading プラクティス リスニング編』、『公式TOEIC® Listening & Reading プラクティス リーディング編』です。
和訳だけでなく、細かな解説つきで、集中してそれぞれのパートを勉強したい初心者におすすめです。この教材は、スコア350~700点レベルの人を対象としていますので、公式問題集を解いて解説を読むだけでは理解できない部分が多いという人にはぴったりです。
目標スコア800点
現在のスコアが700点くらいであれば、公式問題集を解いた時の感覚として解説を読まなくても自信を持って正解できる問題が多いはず。
公式問題集で間違った問題に絞って、なぜ間違えたのか、解説を読みつまずいたポイントを確認しましょう。
問題を多く解きたいという方には、『公式TOEIC® Listening & Reading トレーニング リスニング編』、『公式TOEIC® Listening & Reading トレーニング リーディング編』がおすすめです。初心者には解説が少ないと感じると思いますが、800点を目指す人ならさほど苦になりません。
公式ボキャブラリーブックで、例文とセットでより多くの単語、イディオムをインプットすることをおすすめします。
目標スコア900点
公式問題集とボキャブラリーブックを活用しながらも、教材以外の学習機会をうまく取り入れるのがポイントとなります。
問題を解いて間違えたり自信がなかったりしたところは解説を読み知らなかった単語やイディオムがあれば都度チェックするという従来の学習法に加えて、自分の好きな分野の英語の記事を読む、海外のポッドキャストを聴く、大学の授業で英語を使う機会を増やして覚えた表現を定着させるといった学習が効果的です。
4. 勉強の効果をさらに高めるための方法
最後に簡単に学習の効果をより高めるための学習法として、
①勉強の習慣化
②勉強仲間を作ること
③大学の授業の受講
④アプリの活用
をご紹介します。
4-1. 勉強を習慣化する
言うまでもないのですが、勉強を習慣化することで、新しい表現を覚えては忘れ、また覚えては忘れ・・・このスパンが短くなり、早く定着するようになります。
通学時間30分は必ず、寝る前に英単語を覚える、など生活の一部に英語を取り入れましょう。
4-2. 学習仲間を作って一緒に勉強する
何事も同じ目標を持つ友人がいるとなかなかやめにくいもの。就活を意識している仲間に声をかけて一緒にTOEICを申し込んでみましょう。
一度受験すると決めると、同じ問題集を解いて点数を競う、わからないところを教えあうことができるなど、勉強を続けるモチベーションになります。
取り組みやすい例として、公式ボキャブラリーブックから範囲だけ決めて単語の意味を当てるクイズを出し合うのがおすすめです。覚えたつもりになっていて、実は身についていない単語やフレーズがはっきりします。
4-3. 大学で英語を使う講義をとる
大学では英語の授業を1年生で履修することが多いですが、語学系の科目は4年生でも履修できることが多いです。また、卒業要件の単位として認定されることも珍しくありません。
大学の履修要件を改めて見てみてください。きっと「自由選択科目」や「選択科目」の区分で、どの科目の単位でもその区分にあてられる枠がないでしょうか。
他学部間受講などが積極的な大学等では、他学部の科目もあてられる場合があります。そこでぜひ語学としての英語の授業を履修してみてください。ネイティブスピーカーと話すきっかけにもなりますし、思わぬつながりができて英語を話すきっかけが生まれるかもしれません。
大学の授業の場合、シラバスに授業内容や使用するテキストやレベルが書かれていることが多いので、履修前に自分にあったレベルの授業を選ぶことができますよ。
4-4. 学習管理アプリを使う
市販の教材は、一日ごとに取り組むべき分量が示されていることも多いのですが、複数の教材を使うこともありますし、公式問題集などは一日に取り組む目安を示してあるわけではありません。一人で管理するのはちょっと大変ですよね。
そこで、学習量や学習内容を管理するStudyplusのようなアプリを活用することをおすすめします。
引用:https://apps.apple.com/jp/app/apple-store/id505410049
Studyplusの特徴は、かなり細かく自分の学習内容や時間を記録してくれ、日、週、月単位の学習内容と学習時間が一目でわかること。
教材ごとに学習した量がわかるので、自分が好んで使っている教材や逆にあまり使えていない教材もわかります。
教材のレビューも見られるので、自分に合った教材を選ぶ時の参考情報を得やすく、比較検討しやすくなりますよ。
5. まとめ
TOEICを勉強するなら就活を控えた今がおすすめです。スコアそのものが就活で評価されるだけでなく、勉強の過程も含めて一つのエピソードとして話すことができます。
今の実力を知るところから始めて、本番形式の問題を解きながらその解説を活用して単語や文法を身につけていきましょう。
大学にいるからこそ受けられる英語の授業もアウトプットの機会を増やすためにおすすめです。就活を控えた今だからこそ、大学生ならではの環境を生かして、TOEICの勉強を始めてみましょう。