リスニング力を付けるための勉強法として昔から知られているディクテーション。
英文を聞き取って一語一語文字に書き起こす勉強法で、普段英語を聞いているときは意識せずに流してしまうような「実は聞けていない部分」を洗い出すのによく効きます。
しかし、「紙とペンを用意して手で書き写す」、「パソコンを用意してタイピングする」など、手間がかかるうえに机の上でしか取り組めないのが難点でもあります。
そこでおすすめなのが脳内ディクテーション。「頭の中で英語の音声を文字に起こしていく」というシンプルなトレーニングです。ディクテーションの効果はそのままに難点を解消した、手軽に取り組める方法です。
そして、ディクテーションに手軽に取り組めることでリスニング力が上がるのはもちろんですが、頭の中で英文を文字に起こすのは、実はTOEICリスニングの対策にもなります。
リスニング力を伸ばしたい方も、TOEICでハイスコアを目指す方も必見です!
Contents
1. 脳内ディクテーションのメリット
普通のディクテーションと比べて脳内ディクテーションには様々なメリットがあります。さっそく一つづつ確認していきましょう。
ディクテーションの効果はそのまま
まずは一番大切な、ディクテーションの効果について。これは脳内ディクテーションでも変わらないので安心です!
ディクテーションがリスニング力を高めるのは、音声を文字にする過程で自分が聞き取れない箇所を明らかにできるから。自分の知らない発音を見つけて、「こういう英文はこういう音になる」という気づきを増やしていくことで、聞き取れる音の種類が増えていきます。
頭の中でディクテーションする場合も、「文字にしようとしてもできない!」という部分は普通のディクテーション同様に見つけていけるので、この効果は変わらないのです。
「聞き取れているのに手が追い付かない」というイライラを解消!
ディクテーションをしていて困るのが、手を動かすのが大変なところ。
ペンで書くにしろ、タイピングで入力するにしろ、よほど速く書ける人でもない限り、流れていく音声に書くペースが追い付かないはず。
「聞き取れているのに書ききれない。そのせいで同じ箇所の音声をまた再生しないといけない」というもどかしさに悩まされた人も多いのではないでしょうか。
その点脳内ディクテーションなら、頭の中で瞬時に文字化できるので、「聞き取れているかどうか」を判別することに専念できてとても快適です。
筆記用具いらず! 手軽なので続けやすい
ディクテーションのもう一つの難点が、筆記用具が必要なこと。メモ用紙、ペン、パソコンなどがないと文字を書き写すことができませんから、どうしても机の上でないと取り組めません。
ですが、脳内ディクテーションなら文字を思い浮かべるだけですから、音声さえ聞ければどこでも実践可能です。
スマホで音声を再生しイヤホンを使えば、外出中でも手軽にディクテーションを楽しめます。スクリプトのデータをスマホに入れておけば、ディクテーションの答え合わせもパッと行えて楽ですよ。
通勤電車の中などスキマ時間を活用してストレスなくディクテーションができるので、「めんどくさくなんてやめてしまった」ということが起こりにくく、続けやすいのが特徴です。
2. TOEICのリスニング対策にもおすすめな理由
リスニング力そのものを伸ばすのに役立つ脳内ディクテーションですが、実はTOEICのリスニング対策に特に効き目がある勉強法でもあります。TOEICの勉強をしている方はぜひ取り組んでみましょう。
Part 2:最初の文章をそのまま記憶しておきやすくなる
脳内ディクテーションでは、音声を頭の中で文字化していくので、これに慣れると「頭の中に文字化した文章を残しておく」ことがやりやすくなります。これがTOEICのPart 2で役立ちます。
Part 2は最初に流れた音声に対して、その後に流れる3つの選択肢が応答として適切か判別していく問題形式。よって、最初に流れた音声の内容を覚えていないとうまく解答できません。
最初の音声をいったん頭の中で文字にして残しておくと、その後で選択肢と照らし合わせる際に「最初Whereって言ってたっけ? Whenだっけ?」と不安になることが少なくなります。
結果的に、Part 2で自信を持って解答できる問題が増えるでしょう。
Part 3,4:「聞きながら選択肢を読む」がやりやすくなる
脳内ディクテーションで「音声を聞きながら英文を処理する」ことに慣れておくと、Part3, 4の対策にも効果的です!
Part3,4では、音声が流れる前に先読みを行うことが重要テクニックですが、問題は先読みできても、選択肢まで先読みするのは難しいのが実際のところです。それゆえ、音声を聞きながら選択肢を読むことができるかどうかが大切になってきます。
選択肢を読んで理解するのは英文を頭の中で処理することですから、普段から脳内ディクテーションをしていると、良いトレーニングになるのです。
3. おすすめの取り組み方
それでは、脳内ディクテーションのおすすめの取り組み方をご紹介していきます。
聞いた英文を頭の中で文字に起こしていく
すでにご説明している通り、英語音声をリスニングして頭の中でディクテーションしていくのが基本となります。文字起こしできなかった箇所はスクリプトを見ながら聞きなおしましょう。「こういう英語はこういう発音」という知識のパターンを増やしていけば、次第に音の連結などにも対応できるようになっていくはずです。
スクリプトを覚えてしまう勢いで、同じ音声に何十回も取り組む
おすすめなのが、同じ音声をひたすら繰り返すこと。あまりいろいろな音声に手を出すよりも、一つ一つの音声を完璧にしていく方が、リスニング力向上の効果は高いように感じます。
音声を選ぶ際は、自分が何度聞いても楽しめる素材を選ぶようにしましょう。
おすすめは英検準1級のリスニングPart 2の説明文や、TEDのプレゼン音声など。この二つは思わず「へぇ!」と感じるような意外な事実を紹介したものが多いですから、たくさん聞き返しても飽きにくいですよ。
スクリプトを覚えてきたら再生速度を上げていく
何度も同じ音声で脳内ディクテーションをして、文字起こしできない箇所をなくしていくと、次第にスクリプトを覚えてくるはずです。そうなったら、音声の再生速度をだんだん上げていって同じことを繰り返しましょう。そうすることによって、早口の英語でも頭の中で難なく把握できるような回路ができあがってきます。
おすすめなのが、「Audipo」というスマホアプリを使って再生すること。再生速度を上げても他のアプリより音が不自然になりにくいですし、聞きたい場所に一瞬で移動できるような使いやすい画面デザインをしています。
明確な基準はありませんが、かなりの早口でもちゃんと意味を理解しながら文字起こしできるようになったら、次の音声に移りましょう。
まとめ
脳内ディクテーションは、普通はペンやキーボードで行うディクテーションを頭の中で行うだけという、とてもシンプルなリスニング学習法。
そして、いつでもどこでも気軽に取り組みやすい方法ながら、学習効果はばっちり。TOEICのリスニング対策にもピッタリです。
先ほどお伝えした取り組み方を参考に、ぜひあなたもやってみてください!
人気記事 600点を狙うならこれ!初心者におすすめのTOEIC教材集