TOEICにはリスニング(Part 1 ~ Part 4)とリーディング(Part 5 ~ Part 7)あわせて7つのパートがあります。
受験まで期間が何ヶ月も残っており、勉強時間がしっかり確保できそうであれば、全パートの対策をしっかり行った方が当然ながらスコアアップにはつながります。
しかし実際には、多忙でまとまった勉強時間を確保するのが難しい方や、受験までもう残り期間が少ないという方もいるでしょう。
そんな方は「短期間でより大きなスコアアップが狙える効率的な対策がしたい!」と考えているはず。
そこで今回は、本番までの時間が迫っているというあなたにもおすすめな、短期間のTOEIC学習の進め方をご紹介します。
そのコツはズバリ、「Part 1からではなく、点数を上げやすいパートから順に対策する」こと。
これなら、短期間の勉強でも確実にスコアアップにつなげることができますよ。
短期集中で賢くスコアアップして目標の点数を狙いましょう!
Contents
1.各パート対策の前に
「点数を上げやすいパートから順に対策するのがコツ」とはいっても、TOEICはそもそも英語力を測る資格試験ですから、「どのような内容の試験なのか」を知って、「基礎的な英語力を身に付ける」というステップを踏まなければ何も始まりません。
もともとの英語力に自信がないという方や、TOEIC初心者だという方は、まず基礎を固めるところから始めましょう。
これからご紹介する3つを最初におさえて、それから各パートの対策に進むとスムーズです。
1-1. TOEICの概要を知ろう
まずは、「TOEIC」というテストについて知っておきましょう。
TOEICは全部で7つのパートから構成されており、問題数は200問です。4択のマークシート(Part 2のみ3択)で解答します。問題は全て英語で書かれており、和訳や英訳など、日本語が絡む出題はありません。
試験時間は2時間。リスニング45分間とリーディング75分間に分かれていますが、途中休憩はありません。
なお、初めて受験するという方は、まず問題形式を知るためにも公式サイト(https://www.iibc-global.org/toeic.html)をチェックしておくようにしましょう。本番と同様のサンプル問題にチャレンジすることができますよ。
一応、問題形式は問題冊子に英文で記載されており、リスニングでは英語のアナウンスでも説明されます。しかし、事前に問題形式を把握しておけば、その時間を問題内容の確認に使えるので、事前にサンプル問題を使って形式を確認することを強くおすすめします!
また、受験申込もこの公式サイトから行えます。
1-2. 基礎単語をマスターしよう
TOEICの問題に登場するシチュエーションは「ビジネスパーソンの日常生活」がベースになっています。
例えば、「オフィスでの同僚の会話」や「掲示板の案内文」などです。
出てくる語彙も日常的に使われるもの(order「注文」, grocery store「食料品店」など)や、ビジネスシーンで使われるもの(invoice「請求書」, conference「会議」など)が中心です。
日常的な英単語に不安があるというあなたは、まず中学校の基礎英単語を復習し、その後でビジネスシーンの英単語を学ぶ手段としてTOEICに特化した単語本を選ぶとよいでしょう。
おすすめは「新装版 TOEIC(R)テスト スーパー英単語」です。TOEICのエキスパート達が厳選した頻出単語3000語が知っておきたい順番で収録されています。無料で音声をダウンロードすることもできるので、正しい発音を身につけることができ、リスニングにも効果的です。
1-3. 基礎文法をマスターしよう
パート5と6では文法知識を問う問題がたくさん出題されます。難易度の高い問題はあまり出題されませんが、中学校で学んだレベルの基礎文法は必ずおさえておきましょう。
特に品詞や時制、能動態と受動態、比較級などは頻出です。この内容が不安だというあなたは、中学校3年間の英文法を復習するところから始めましょう。
「ハイパー英語教室 楽しく!わかりやすく!スッキリ!中学英文法ドリル」という本は丁寧な解説と理解度が確認できるドリルがセットになっていて、「主語と動詞」などの基本から学びたい方におすすめです。中学生向けの本ですが、大人でも分かりやすく学習できます。
文法問題の対策になるのはもちろんですが、基礎的な文法は英語学習そのものに欠かせない存在ですから、他の問題も答えやすくなるはずです。
2.各パート対策はこの順番で進めよう!
基礎知識を身に付けることができたら、いよいよ各パートの対策に入りましょう。
本番まで3カ月ほどあって十分な時間が確保できればPart 1から始めても間に合いますが、まとまった学習時間がとれない場合や、残り1か月を切っているという場合には、とにかく最短でスコアアップにつながるテクニックを身に付ける必要があります。
そのためには、点数が上がりやすいパートから順番に対策し、1問でも正答率を上げていくことが大切です。
そこで今回ご紹介するのが、「Part 2→5→6→3→4→7→1」の順で学習する方法です。
選択肢が3つしかなく問題傾向も限られているPart 2から学習することで、効率的にスコアアップを目指すことができます。
他のパートも、「出題数が多く」かつ「コツを掴みやすい」、スコアアップにつながりやすい順に対策していきます。
では、それぞれのパートの概要と解答のポイントをご説明しましょう。
①Part 2
流れてくる英文への適切な応答として、正しいものを3つの選択肢から選びます。
解答ポイントは以下のとおりです。
・最初の文の冒頭を必ず聞き取る
→Part 2の多くを占める疑問詞問題(What, When,Where, Whoなど)は、ここを聞き逃すと答えられません。
・最初の文にあるのと同じ、または似た発音の単語が含まれた選択肢は不正解
→例えば、最初の文で”copy(カピィ)”が出てきたとき、選択肢の1つに”coffee(カフィ)”のような似た発音の単語が含まれていれば、かなりの確率で不正解です。
②Part 5
短い英文の中にある1カ所の空欄に当てはまる正しい選択肢を選びます。ポイントは以下の通りです。
・1問あたり平均20秒以内で解く
→短い文章で30問も出題されるため、ここをテンポよく解くことで大きく時間の短縮を図れます。逆に、ここでダラダラ解いてしまうと時間がすぐに無くなります。
分からない問題は素早く勘で選び、Part 6,7に備えてさくさく解答しましょう。目安は各問題の平均で20秒。簡単な問題はこれより速く解き、難しい問題もあまり粘らずに切り上げるのが理想的です。
・語彙問題では諦めも大切
→単語の意味を問う語彙問題で知らない単語ばかりが並んでいたら、適当にマークして次に進みましょう。知らない単語の意味を思い出すことはできませんから、そこで頭を抱えるのは時間のムダです。
③Part 6
1つの文書の中にある4カ所の空欄に当てはまる正しい選択肢を選びます。解答ポイントは以下の通りです。
・文頭から読む
→Part 6で出題される接続詞問題は、前後の文の繋がりが重要になります。(空所の前後で話の流れが変わっているのでHowever「しかし」が入るなど)
しっかり文頭から読んで、話の流れを理解しておきましょう。
・Part 5とPart 6を合わせて20分以内に解く
→Part 7に55分は残しておきたいです。Part 5同様、分からない問題は諦めも大切!
④Part 3
2人または3人の会話を聞き、問題用紙に記載されている設問の答えとして正しいものを選択肢の中から選びます。1つの会話につき3つの設問がセットになっています。
・設問は先読み
→あらかじめ何を問われているのか把握しておくことで、音声が流れてきた際にヒントを聞き取りやすくなります。
・設問の主語となる人物が、ヒントを言う可能性が高い
→例えば、3問目に問われることが多い”What will the man probably do next?”という設問の場合、男性が最後の方でヒントを言う可能性が高いです。
⑤Part 4
1人の人物が話す内容を聞き、問題用紙に記載されている設問の答えとして正しいものを選択肢の中から選びます。1つのトークにつき3つの設問がセットになっています。
・Part 3同様、設問は先読みする
・トークの種類と流れを把握しておく
→Part 4では、公共放送、宣伝、電話メッセージ、オリエンテーションなど出題される形式がほとんど決まっています。それぞれの流れを参考書などで事前に知っておくことで、ヒントを掴みやすくなるでしょう。
⑥Part 7
問題用紙に記載されている長文を読み、その内容に関する設問への解答として正しい選択肢を4つの中から選びます。解答ポイントは以下の通りです。
・文書は冒頭からしっかり読む
→どのような内容なのか、固有名詞や数字などのキーワードに注意しながら読み進めます。
・「*」(アスタリスク)には要注意
→文書の中で「*」(アスタリスク)が出てきた場合、そこに書かれている内容が問われる可能性は非常に高いです。アスタリスクがある箇所には、「例外」や「注意事項」など、重要なことが書かれているからです。
ただし、54問と最大の出題数を誇るものの、骨太な読解力が求められ、上記以外のテクニックを使いにくいパートなので、対策の優先順位は低めです。
⑦Part 1
問題用紙に掲載されている写真を見て、流れてくる音声4つの中から写真を正確に描写しているものを選びます。解答ポイントは以下の通りです。
・Directions中に写真をチェック
→冒頭約1分半流れるDirections(問題説明)の音声は、問題形式を把握していれば聞く必要はありません。その間に、6枚の写真をくまなくチェックしましょう。
・人物の場合は「持ち物」「行動」「位置」をチェック
→さらに、2人以上が写っている場合は「共通点」が問われることが多いです。
・物や風景の場合は「状態」「位置関係」をチェック
→写真の中で特に目立っているものに注目しましょう。
上記のようなコツはありますが、リスニング100問中6問しか出題されないうえ、もともと難易度の低めなパートなので、対策の優先順位としては低いです。まず他のパートの対策をして、余裕があればPart 1も対策してみましょう。
まとめ
TOEICは「難しい」というイメージがあるかもしれませんが、単語や文法の基礎さえおさえてしまえば、あとはテクニックで解決できる部分もたくさんあるのです。
そして今回は、パートごとにそのテクニックを活かしやすい学習順をご紹介しました。ぜひ学習に取り入れて、その効果を実感してみてください。きっと自信につながり、本番でも良いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
また、各パートの攻略については、さらに詳細な記事もあります。よりしっかりと対策を行いたい方はぜひご覧ください。
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