「TOEIC L&R TEST(以下TOEIC)の勉強をしているけれども、なかなかスコアが上がらない!」という悩みを抱えていませんか?
TOEICは7つのパートで構成されており、それぞれ違った特徴を持っています。そのため、それぞれのパートを攻略するためには、パートごとの問題傾向を押さえて対策を打たなければいけません。
そこでこの記事では、多くのTOEIC教材を作成してきたメディアビーコン編集部が、各パートの特徴と攻略法を徹底解説。効率よく解答していくテクニックや勉強法をご紹介します。
TOEIC学習中の方はぜひ参考にしてTOEIC攻略に役立ててくださいね。
1. Part 1の攻略法
Part 1は人物やモノが写った一枚の写真に対し、正しい説明をしている英文を選ぶ問題。全6問で構成されています。
高得点を狙う人にとっては1問も落とせないパートになるので、油断せずに解いていきましょう。
1-1. あらかじめ集中力を高めておく
Part 1でミスをしてしまう人によくありがちなのが、「緊張してしまって英語が聞き取れなかった」というもの。
試験が始まって最初の問題であるPart 1は、緊張してしまって普段の実力が発揮できないという方が多くいらっしゃいます。
こういった事態を防ぐためにも、試験直前に公式問題集のリスニング音声を聞いておくなどして、英語を聞き取るモードに頭を切り替えておくことが重要です。
これをすることで、スムーズに頭の中に英語の音声が入ってくるのでおすすめです。
今紹介したテクニックは、Part 1を解くための直接的なテクニックではありませんが、Part 1で全問正解をするためには非常に役立つテクニックなのでぜひ活用してみてください。
1-2. 人物の動作やモノの位置関係に注目して、聞こえた音に飛びつかない
Part 1は写真に写っている人物の動作やモノの位置関係に注目して音声を聞きましょう。
写っていない人やモノについて説明されたら、その選択肢はもちろん不正解。また、たとえ写っているモノが読み上げられても、それが正解になるとは限らないことにも要注意です。
例えば、ガードレールに自転車が立てかけられている写真が出題されたとします。
よくある間違いの選択肢が
The man is riding a bike.
(男性は自転車に乗っています。)
のような選択肢。確かに自転車(bike)が写っている問題ではありますが、自転車に「乗っている」わけではないのでこの選択肢は不正解になります。
このように、写っているものが聞こえたから、その選択肢に飛びつくという解き方では、Part 1を攻略することは難しいです。1文すべてをしっかり理解して、正しく写真の内容を描写している選択肢を選ぶように心がけましょう。
対策としては、単語をなんとなく聞き取って理解するリスニング方法ではなく、1つ1つの音を丁寧に正確に聞き取るようなリスニングをすることが重要です。
2. Part 2の攻略法
読み上げられる英文に対し、適切な返答を選んでいくPart 2。全部で25の設問があります。選択肢が3つであるのに加え、短い英文で構成されているので、対策が取りやすく高得点を狙いやすいパートになります。
2-1.音声の文頭を確実に聞き取る
Part 2攻略に最も重要なことが、疑問文の文頭をしっかりキャッチすること。文頭の単語がWhatやWhenなどの疑問詞であれば、どんな返答がくるのか予測できるので、選択肢を簡単に絞ることができます。
そして疑問詞が使われている疑問文に対して、Yes/Noで答えている選択肢はその時点で不正解とわかるので、すぐに正答の候補から外すことも非常に有効な解答テクニックです。
2-2. 遠回しな応答問題に注意!
Part 2では遠回しな応答問題がよく出題されるので注意が必要です。
簡単な例をご紹介します。
例題
When is the meeting?
(A) Yes, it’s mine.
(B) It’s the room on the left.
(C) I don’t know.
日本語訳
会議はいつですか?
(A) はい、私のものです。
(B) それは左の部屋です。
(C) わかりません。
このような問題があったとします。この場合Whenが使われているので、時間に関しての返答があるはずですが、選択肢にはそれらしいものがありません。
この場合は(C)の「I don’t know.」が正解になります。会議の時間を聞かれて「わかりません。」と答えても不自然ではないですよね。
このように予想される答えだけではなく、会話として成立する選択肢が正解になる場合があるので、会話の流れをしっかりとつかむことが大切です。
3. Part 3・Part 4の攻略法
Part 3、4は長い英文が読まれるパート。1つの長文に対して、3つの問題が出題されます。
Part 3は2人か3人の会話形式の問題。13個の長文に対して、全39問で構成されています。
Part 4は1人が話すミニトーク形式の問題。10個の長文に対して、全30問で構成されています。
800点以上の高得点を狙うのであれば、このPartでも8割近い正答率を残しておきたいです。
3-1. 設問を先読みしておく
1つ目のコツは「設問の先読み」です。「設問の先読み」とは本文音声が放送される前に、設問文とその選択肢に一通り目を通すことです。そうすることで、どこに注目して音声を聞けばいいのか、どんな内容の音声が流れるのか、ある程度理解することができます。
設問を読むタイミングは、1つ前の問題の設問文が放送されている最中。TOEICのPart 3、4では設問文が問題冊子に掲載されているため、設問の読み上げは完全に無視していただいて構いません。
音声を聞いてから、設問を解こうとすると内容を忘れてしまいますし、解答に時間がかかって次の設問の先読みができなくなります。あらかじめ設問に目を通し、音声を聞きながら答えることで、焦らずに落ち着いて解答することができるようになります。
3-2. パターンを覚える
Part 3、4の設問パターンはある程度決まっているので、よく出題されるものは覚えてしまいましょう。問題文を一目見ただけで理解できれば、大幅な解答時間短縮につながります。
例えば「Where does the man most likely work?(男性はどこで働いていると考えられますか?)」「What are the speakers discussing?(話し手たちは何について話し合っていますか?)」などがよく出題されます。
模試に取り組む際にどんな設問がよく出るかチェックし、問題パターンを把握しながら勉強しましょう。そうすることで、本番の試験にも落ち着いて対応することができます。
4. Part 5の攻略法
文法と語彙の知識が問われるPart 5。短い文章にある空欄を埋める問題で、全部で30問あります。
似たような問題が多く出るので、対策をすれば多く点を稼ぐことができるパートでもありますよ。
Part 6、7に時間を残すためにも、このパートではできるだけ早く解くことが重要。具体的には10分以内に解き終わることを目標にしましょう。
4-1. 選択肢を先に見る
問題文を見る前に選択肢にざっと目を通しましょう。選択肢にどのような単語があるか見ておくことで、どのような英語知識を問われているのかがわかります。
例えば、同じ動詞の語形変化されたものが選択肢に並んでいる場合、主語と時制について問われている問題だとわかります。
このように問題パターンを知っていれば、意識するべきポイントだけをチェックして解答できるので、大幅な時間短縮につながります。
4-2. 品詞の知識が肝心!
Part 5の設問の1/3が品詞の知識を問う問題です。解くポイントは、文構造を素早く見極められるかどうか。問題文の文型を理解し、空欄にどの品詞が入るのかを考えましょう。
例えば問題文の主語、動詞、目的語がすべてそろっている場合、空欄に入るのは修飾語になります。それがわかれば、正解は形容詞か副詞に絞られます。以下で例題を見ながら品詞問題について詳しく見ていきましょう。
例題
As Brandon Art Museum has a ——- variety of valuable western paintings, many travelers are visiting there.
(A) widely
(B) width
(C) widen
(D) wide
日本語訳
Brandon美術館は、——- な種類の貴重な西洋の絵画を所蔵しているので、多くの観光客はそこに訪れます。
(A) 広く(副詞)
(B) 広さ(名詞)
(C) ~を広げる(動詞)
(D) 幅広い(形容詞)
上記の問題文は、主語、動詞、目的語と1文に必要な文の要素がすべてそろっているため、空欄には形容詞か副詞が入ることがわかります。また、空欄の後ろには「variety」という名詞が続いているので、名詞を修飾することができる形容詞の(D) wideが正解になります。
このようにして、品詞問題の解き方を身に付ければ、Part 5を解くスピードは格段に上がります。まずは、文構造を見抜く力をつけて品詞問題の解き方Part 5を得点源にしていきましょう。
5. Part 6の攻略法
Part 6はPart 5と同じ空所穴埋め問題ですが、問題形式が少し違います。Part 6は1つの長文に対し4つの空欄があり、全体を把握しなければ解けない問題があります。
あまり目立たないパートですが、Part 5との違いをしっかり理解しておかなければ、大きく点数を落とすことになってしまうので注意が必要です。設問数は16問です。
5-1. 独立型の語句挿入問題を素早く解く
Part 6は、語句挿入問題と新形式から導入された文章挿入問題の2つのタイプに分かれます。
さらに、語句挿入問題の中にも、文脈依存型の問題と文脈独立型の問題の2タイプが存在します。
文脈依存型の問題とは、空所がある文章以外を読み取って解答の根拠を導く問題です。
例えば、動詞の時制を答える問題。
空所の前後の時間関係を正確に把握し、適切な時制の動詞を選ばなければいけません。
独立型の問題は文章全体を読まなくても解ける問題。解答の根拠が空所のある1文のみで解決する問題のことです。
解き方はPart 5と同様でOK。選択肢を先に見ておき、どのような問題タイプか把握してから解けば素早く解答することができます。
5-2. 文章挿入問題は、空所前後の事実関係をしっかり把握してから解く
空欄に埋める選択肢が文章になっている文章挿入問題は、空所前後の事実関係をしっかり把握していなければ解くことができない問題です。
500点程度を狙うTOEIC初心者の方は、この文章挿入問題は捨ててしまっても問題ありません。文と文の間のつながりをしっかり見なければならないこのタイプは、解くまでに時間がかかります。
高得点を狙っている方は、短い時間で解くことができる語句挿入問題を素早く解き、多くの時間を必要とする文挿入問題に時間を使うという戦略を取るようにしましょう。
自分の目標スコアを考慮し、戦略的に問題に取り組みましょう。
6. Part 7の攻略法
リーディングセクション最大の難所であるPart 7。長文読解問題で、全54問あります。目安としては1問1分で解きましょう。
短い時間でたくさんの問題を解かなければいけないので、解くスピードが勝負のカギになります。無駄な時間を作らないよう意識して解くことが重要です。
6-1. 設問はあらかじめ目を通し、解答は勝手に推測しない
問題文を読み始める前に、軽く設問に目を通しておきましょう。長文を読みながら該当する箇所が見つかったら、その場で解答していく方法がおすすめ。それができれば、文章と設問を何度も行き来する必要がなくなり、時間を効率よく使えます。
また解答する際は、勝手に想像しないことが重要。当たり前かもしれませんが、本文にない情報は、正解になりません。時間に追われ過ぎて急いで問題を解いていると、つい推測をして答えたくなりますが、それは誤答につながります。問題文と設問を照らし合わせ、書いてあることだけで解答をするようにしましょう。
6-2. パラフレーズを意識する
Part 7はパラフレーズが解答のカギになります。パラフレーズとはある単語を同じ意味を持つ別の単語で言い換えること。TOEICでは読解力と同時に語彙力も測るために、このパラフレーズがよく使われます。
例えば「car(自動車)」を「vehicle」と言い換えたり、「complimentary(無料の)」を「free」と言い換えたりです。
問題文の内容が理解できても、ボキャブラリーが豊富でないと正解がわからないので、普段の学習からパラフレーズを意識して解くようにしましょう。
7. まとめ
TOEICは就職に際の参考にしている企業が多いので、少しでも高いスコアを狙いたいですよね。スピーキングやライティングが出題されないTOEIC Listening&Reading TESTは、解くコツを知っているだけで初心者の方でも点数を上げることができます。
この記事を参考にしながら、自分に合った教材やアプリを使って目標点獲得を目指してみてくださいね。