TOEICのスコアアップするポイントのひとつは、TOEIC特有の問題形式や頻出語彙・文法に慣れることです。そのためには実戦形式の模試をたくさんこなすのがおすすめ。
ただ、
「TOEICの模試はたくさんあるけれど、どれを使えばいいか迷っている」
「何を基準に模試を選ぶべきかわからない」
「それぞれの模試の違いは何?」
など、TOEICの模試の選び方について悩んでいる方も多いかと思います。
見た目だけでは価格や問題数が違うだけに思えるかもしれませんが、実は模試ごとに問題のレベルや解説の内容が異なります。
そこで、本記事では約20年英語教材の制作をしているメディアビーコン編集部が、自分たちで実際に問題を解いみておすすめする模試を厳選し、TOEIC模試の選び方とおすすめ模試、そして模試の効果的な活用方法をご紹介します。
この記事を読めば、あなたがスコアアップするためにどの模試を選べばよいのかがわかります!
以下の記事では、おすすめのTOEIC参考書を紹介しています。「模試以外も知りたい!」という方は合わせてご覧ください!
TOEIC参考書おすすめ10選【2020年版】自分にピッタリの本を活用した勉強法
1. 模試を選ぶときのポイント
TOEICの模試はたくさんあってどれを選べばよいのか迷いますよね。
自分にあった模試を使って問題演習をするとで、今の実力や理解できていない場所が明確になり、本番受験までの学習計画が立てやすくなります。
模試を選ぶときには、以下の観点で教材をチェックして、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
・ TOEIC模試の難易度
・ 模試の解説の丁寧さ
・ 復習に役立つツールの有無(弱点分析や単語帳機能など)
TOEIC模試の難易度
模試によって、本番と同じレベルのものや、少し難しめのものなど、問題のレベルが異なります。
初心者の方がいきなり難しい模試を解くのはオススメしません。まずは自分のレベルを確認した上で、今のスコアが800点以下なら標準的なレベルの模試を使うようにすると良いでしょう。
模試の解説の丁寧さ
解説の丁寧さも、TOEICの模試によって少し異なります。
1問1問の解き方を解説した動画もあれば、解説が和訳しかない上級者向けの模試もあります。
購入する前に中身をざっと確認して、解説が自分にとってわかりやすそうなものを選ぶと良いでしょう。
復習に役立つツールの有無
模試を解いたあとはしっかり復習をすることが大切ですが、この復習がやりやすいような機能が付いている模試を選ぶようにすると、学習効率がぐっと上がります。
答え合わせをすれば自分の苦手な問題タイプが自動的に分析できる模試や、復習用にリーディングの音声が付いた模試などがあります。
模試そのものの以外の機能などもチェックして、最適な模試を選ぶようにしましょう。
TOEIC模試を選ぶときのポイントを3つ紹介しましたが、
「パッと見ただけでは違いがよくわからない…」
という声も多いと思います。
結局どれを選べばいいかわからない!という方は、以下の【あなたにおすすめのTOEIC模試はこれ!】診断チャートを使って、あなたにあう模試を選んでみてください。
自分の現在のスコアがわからない方は、まずは公式問題集を使って、付録のスコア換算表で予想スコアを調べるようにしましょう。
以下では、①~⑧のそれぞれの模試の特徴について詳しく紹介します。
2. 【書籍】おすすめTOEIC模試6選
まずは、TOEIC対策の書籍ランキングで常に上位にあっておすすめのTOEIC模試問題集を6選ご紹介します。
書籍の模試は自宅でじっくり腰を据えて取り組むことができ、繰り返し学習をすることで定着もしやすいので、ぜひ手に入れておきましょう。
2-1. ①『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
【公式TOEIC Listening & Reading 問題集の特徴】
・価格:3,000円(税抜)
・2セット(400問)収録
・TOEICを運営しているETSが発行しているため信頼性のあるクオリティ
・リーディングセクションの音声がダウンロード可能(Vol.5-6)
TOEIC Programを運営しているETSが刊行する公式問題集は、最も本番の試験に近い問題で学習ができるTOEIC受験定番の問題集です。本番と同じ形式の模試が2回分収録されています。
2020年5月現在は6巻まで発売されていますが、新しいものほど現在の出題傾向に近いので、新しい順に取り組むのがおすすめです。
本番テストと同じ公式ナレーターの音声によるリスニング問題のCDが付属するのに加え、Part 5~7のリーディングセクションの音声ダウンロードの特典付き。スマホを使って外出先でも勉強が可能です。
この問題集の他にも、単語教材の「公式ボキャブラリーブック」も発売されています。信頼性の高い公式教材で学習したい方はぜひチェックしてみてください。
2-2. ②『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』(アルク)
【TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+の特徴】
・価格:3,000円+税
・3セット収録(600問)
・問題は本番に近い難易度
・アビメを出してくれるので、自分の弱点を分析できる/すべての問題の解説動画付き
英語学習教材や通信教育の老舗、アルクが出版するTOEIC模試問題集。模試3回分に相当する600問のボリュームがありながら、書籍版は公式問題集とほぼ同じ価格の非常にコストパフォーマンスの良い1冊です。
試験の内容も本番にかなり近い再現度のものが掲載されています。公式問題集と比べて解説が充実しており、600問すべての問題の解説動画があるので、初心者の方や、講義形式で解説を聞きたい方にはおすすめです。
また本書では、模試の結果からアビメがわかるようになっています。アビメ(Abilities Measured)とは、TOEIC公開テストのスコアシートに載っているグラフのことです。模試を解くことでリスニング、リーディングそれぞれの能力ごとに自分のアビメ(正答率)がわかるので、自分の弱点が分析でき、効果的に勉強することができます。
2-3. ③『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』(旺文社)
【TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試の特徴】
・価格:1,100円+税
・1セット収録(200問)
・問題は本番と同じレベル
・目標スコア別(470~990点)の解き方や目標正答数がわかるので、自分のレベルに合ったTOEIC対策ができる
これまで990点(満点)を70回以上取得し、大学や大企業でTOEIC対策講師として活躍する濱崎潤之輔先生による模試教材。問題の解き方、リスニングの聴き方、長文の読み方など、TOEIC試験の基礎的な部分から詳しい解説が書かれています。
目標スコアに合わせた問題の取捨選択や、試験中の時間管理の解説に加え、解いた問題を定着させる復習プログラムも掲載されているので、単なる問題集ではなくスコアアップへ導く実践的教材になっています。
オンラインマークシートを使えば模試の自動採点も可能。しっかりした学習サポートのある模試教材が欲しい方におすすめです。この模試で学んだ解き方を他の問題集で演習することで、目標スコアに向けた英語力をしっかり定着させることができます。
この『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』に興味を持った方は、濱崎先生の熱いインタビュー記事もおすすめです。↓↓↓
おすすめ記事 「TOEICを1mmもナメてないから」 濵﨑潤之輔が語る、990点を取り続けられる理由
2-4. ④『新メガ模試1200問 TOEIC L&R テスト VOL. 1&2』(スリーエーネットワーク)
【新メガ模試1200問 TOEIC L&R テスト VOL. 1&2の特徴】
・価格:2,400円+税
・6セット収録(1200問)
・問題は本番より少し難しめ
・解説が付いていない(訳と、解答根拠に下線などがあるのみ)
模試6回分に相当する1,200問を掲載した大ボリュームの模試問題集。これまで300回以上TOEICを受験し、日韓両国で満点を獲得したという韓国のカリスマ人気講師、キム・デギュン氏の著書です。
とにかく大量の問題を解きたい方にはぴったりの模試ですが、本書の問題は本番より若干難しめで、また解説がついていないため、高得点を目指す中~上級者の実戦トレーニングに向いているといえるでしょう。
2-5. ⑤『TOEIC(R)テスト新形式精選模試』シリーズ(the japan times)
【TOEIC(R)テスト新形式精選模試の特徴】
・価格:1,900円+税
・リーディング/リスニングの片方のみ5セット収録(500問)
・問題は本番より少し難しい
・ハイスコア取得者の解答プロセスがわかる解説付き
リスニング/リーディングの片方のみの問題を収録した模試です。「新形式精選」の名の通り、TOEIC試験の最新の出題傾向に対応した模試と、丁寧な解説が5セット分掲載されています。990点取得の専門家複数が共著した問題集で、掲載内容の質がかなり高いです。
こちらも本番より少し難しめで、これに慣れておけば本番を簡単に感じられるでしょう。
解説は正解を導き出す思考のプロセスまで含めた詳細なもの。購入特典で頻出語彙リストや音声の無料ダウンロードが可能など、学習をサポートする内容が充実しているので初級者にもおすすめ。リーディングとリスニングで、どちらかを重点的に対策したい方に最適な教材です。
2-6. ⑥『TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試』(ベレ出版)
【TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試の特徴】
・価格:2,200円(税抜)
・Part 7の問題を4セット収録(216問)
・問題のレベルは本番より難しい
・900点~990点(満点)を目指す人が正解すべき問題を凝縮した一冊/読解力が上がる60日間の復習プログラム
900点~990点満点を目指す方向けの、Part 7(読解問題)対策用の模試です。
通称「ライオン模試」と呼ばれているこの模試は、難易度調整を何回も行って作り上げた、上級者が正解すべき問題がたくさん収録された模試になっています。
「Part 7が自分の弱点だ」「Part 7に特化して強化したい」と思っている方にピッタリの模試。TOEICが新形式に変更されて以降は、特にPart 7の問題が難化傾向にあります。そのPart 7に太刀打ちするには、日々のトレーニングが大切です。
本書は4回分の模試を60日間で5回繰り返すというプログラムで構成されており、復習を重ねることで、長文読解力だけでなく上級者の読解スピードを身につけることができます。
復習用に英文の音声がダウンロード可能なので、文構造を意識した精読をした後に音読トレーニングを行い、Part 7全問正解を目指しましょう。
『TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試』の著者の座談会の記事もありますので、TOEICで990点を目指している方は、こちらもあわせてご覧ください!↓↓↓
おすすめ記事 TOEICで990点満点を獲得する人はどのように勉強しているのか【著者座談会】
3. 【アプリ】TOEICおすすめ模試2選
最近では、スマートフォンアプリを使ってTOEIC試験対策ができるサービスも増えています。ここでは、TOEIC模試のおすすめアプリを2つご紹介します。
3-1. ⑦ スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース
引用:https://eigosapuri.jp/toeic/
【スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースの特徴】
・価格:月額2,980円(無料体験やキャッシュバックなどのキャンペーンあり)
・模試が全部で20回分(4000問)収録
・問題は本番と同じレベル
・単語クイズや文法解説動画など、模試以外にも総合的な英語力を上げるためのコンテンツが充実
リクルートが提供する英語学習アプリが「スタディサプリENGLISH」です。「TOEIC対策コース」では試験20回分に相当する問題数を解説付きで収録。1回3分の短時間から学習でき、毎日の隙間時間に取り入れやすいのが魅力です。
本番に近いクオリティの問題をスマホでどこでも演習できるうえ、1回5分の講義動画も300本近く視聴可能です。
また、スタディサプリTOEICには模試だけでなく、目標レベル別に頻出の単語クイズがあったり、文法項目の解説動画も用意されているので、単語・文法力といった総合的な英語力も同時にアップさせることができます。
通常月額2,980円ですが、7日間の無料体験期間があり、新規入会キャッシュバックも開催されています。問題数を考えるとかなりコストパフォーマンスが高いので、ぜひ試してみてください。
7日間の無料体験はこちら↓↓
3-2. ⑧ Rep∞t(リピート)
引用:https://apps.apple.com/jp/app/mo-shi-yan-xino-jue-ding-ban/id971600777
【Rep∞t(リピート)の特徴】
・価格:模試1セット分は無料(2~5回分は、それぞれ240円。2~5回目をセットで購入すると、600円)
・全部で5セット(有料含む)
・問題は本番と同じレベル
・解答の中断が可能/間違えた問題だけを復習できる機能付き
「TOEICテストの点数獲得力を短期間で向上させる」というコンセプトで開発されたアプリ。全部で5セットの模試が用意されており、1セット目の模試は無料。そして残り4回分をまとめて購入すると600円というコストパフォーマンスの高さが魅力です。
問題の再現度や難易度はかなり本番に近い質の高いものが収録されています。リスニングスピードを変える、パートごとに細かく学習するなど、アプリならではの機能も搭載。
模試は途中で中断できたり、間違えた問題だけピックアップして復習することが可能なので、まとまった時間があまりとれない方におすすめしたいアプリです。
4. TOEIC模試の活用術
最後に、TOEIC模試で学習効果を上げるおすすめのやり方をご紹介します。模試を上手く利用することでスコアアップに直結しますので、活用法をしっかり理解しましょう。
4-1. 同じ問題を繰り返し解く
TOEIC模試は、「同じ問題を何回も繰り返し解く」のがポイントです。複数の問題集を買いそろえるよりも、まずは1冊の問題集を何周も解くのがおすすめ。主な理由をご紹介します。
・解き方や解答根拠を把握して解きなおすことで、「正しい答え方」の流れがつかめる
・日にちを空けて何回も解くことで、前回との比較ができ、苦手な部分や定着した部分が明確になりやすい
・解答→復習→解答の繰り返しで定着率が上がる
4-2. 本番と同じ制限時間で解く
特に今までやっていない模試を初めて解くときは、本番と同じ時間制限の中でやってみるのがおすすめ。初回は現状どれぐらいのスコアが取れるのか、どのパートが苦手なのか、実力チェックをするのが重要だからです。
また、本番当日に会場に行って席に座ることからシミュレーションをし、本番と同じ時間内で模試を解いてみると、時間制限なく勉強していたときよりも緊張感の中で問題を解くようになり、試験本番でどれくらいのスピードで解く必要があるのかの目安をつかむ練習になります。
TOEICは問題数が多く、時間との闘いでもあります。一度模試を試し、わからない問題や難しい問題などどこを捨てるべきかを感覚的に身に付けるためにも、本番と同じ時間内で模試を解く必要があります。
リーディングを時間内に解き終えるための方法については、コチラの記事をチェック↓
4-3. おすすめの復習方法
どの模試を解くにしても、模試を解いたらわからなかった部分の復習は必須。ここでは、おすすめの復習方法をいくつかご紹介します。
・「勘で正解した問題」も復習する(なぜ正解したかがわからないと意味がない)
・知らない単語/熟語/表現/構文などを抜き出してまとめる
・リスニング音声や長文読解の英文を正しい発音で音読練習してみる
・長文を読み返し、問題の正解の根拠を理解する
・「なぜ間違えたのか」「なぜ正解になるのか」の根拠を理解する
以上の5点に注意して復習することで、模試をフル活用することができます。
5. まとめ
TOEICテストの大きな特徴は、「出題形式、問題の出題傾向、頻出単語・表現などがある程度決まっている」ことです。つまり、模試を使ってTOEICを一通り解く学習を正しく行い、試験のスタイルに慣れることは、確実にスコアアップに直結します。
そのためには、良質な模試が解けるテキストやアプリなど教材選びと、それを解いた後の正しい復習方法が不可欠。初心者であれば解説が充実したものが良く、上級者は難易度の高い問題を多数こなしてミスを減らしていくのがおすすめです。
今回ご紹介した内容を参考に、自分に合った教材で模試を解き、TOEICのスコアを確実にアップさせてくださいね!
以下の記事では、おすすめのTOEIC参考書を紹介しています。「模試以外も知りたい!」という方は合わせてご覧ください!
TOEIC参考書おすすめ10選【2020年版】自分にピッタリの本を活用した勉強法