何事も、確実に目標を達成するためには、計画を立てる必要がありますよね。それは、TOEIC学習においても例外ではありません。
TOEICのスコアアップを目指していく上で、「どんな学習を取り入れていくのか」はもちろん大切ですが、より確実に点数を上げていくためには、「しっかりとした学習計画を作り、それに沿って勉強を進めていくこと」も非常に重要です。
そこで今回は、初心者から上級者まで、どんなレベルの方にも役立つ学習計画の立て方をご紹介いたします。
ぜひご自身でスケジュールを立てて、確実にスコアアップを勝ち取ってください!
Contents
1. 【はじめに】学習計画は2~3ヶ月を目安に立てる
学習計画を立てるにあたって、まず大切なのが「どれくらいの期間の目標にするか」です。
1-1. なぜ2~3カ月単位で計画する必要があるのか
TOEIC対策は最適な学習の順番があります。
①レベルチェック
②基礎の強化
③苦手パートの強化
④本番を想定した演習
これのどれかが欠けていていると、試験本番で通用する対策はできないと思ってください。1週間や2週間の短期間でスコアが急激に上がる魔法のような勉強法はありません。
これを達成するためには、2~3ヶ月が最も無理のないスケジュールなのです。
1-2. 目標達成が半年以上先だったら?
仮に最終目標が「1年後にTOEIC800点を突破する」であったとしても、基本的には「2ヶ月~3ヶ月を目安とした具体的な目標」を立てるようにしましょう。
例えば、現在の得点が600点であった場合、「3カ月で50点アップする」という目標を立ててください。
その理由は、期間が長すぎると具体的な計画が立てづらく、モチベーションを保ち続けることも難しく、実行しにくいというデメリットがあるからです。また、勉強をしているうちに英語力のレベルも変わってくるので、定期的にTOEIC試験を受けて現状の点数を把握し、軌道修正をしていく必要もあります。
1-3. TOEICまで1ヶ月しかない!そんなときは
もしTOEICテストまで1ヶ月を切っている場合は、本記事の内容をぎゅっと圧縮してやる必要があります。2-2.で詳しく述べますが、得点アップに必要な学習時間を確保する必要があります。一日当たりの学習量が2~3倍になることに注意してください。
もちろん、モチベーションを維持することができたり、まとまった時間を取りやすかったりするライフスタイルの人はこの短期集中のスケジュールが可能です。
それでは、以上のことを前提に、2~3ヶ月の学習計画の立て方をご紹介していきます。
具体的なスケジュールの立て方を見ていきましょう。
2. 目標スコアを決める
第一に、具体的な計画を立てる上で必ず明確にしておくべきは、「いつまでに、何点を突破したいのか」という目標。
ただし、この目標を立てる際に注意したい点があります。 それは、より具体的な学習計画を立てるためには、ある程度「現実的に実現可能な範囲内の目標」にすべきだということ。初めからあまりにも高い目標を立ててしまうと、挫折する可能性が高くなるからです。
もちろん、最終的な目標を変える必要はありませんが、途中で挫折してしまう可能性を低くするためにも、中間地点となる短期的目標を立てましょう。
そうすることで、より確実に目標達成するための学習計画が立てられるようになります。
では、具体的に、どのように実現可能な範囲内の目標を立てればよいのでしょうか。
ポイントは、
①現在のTOEICスコアと目標スコアの距離を知ること
②スコアアップに必要な平均学習時間を参考にすること
の2点。
すでに目標が決まっている人も、現実的に実現可能な目標かどうかを判断するために、今一度この2点について確認してみましょう。
2-1. 現在のTOEICスコアと目標スコアの距離を知る
目標を立てる前に必ず知っておきたいのが、あなたの現在のTOEICスコア。それ無しでは、目標どころか、具体的な学習計画を立てることはできないと思ってください。
現在のスコアが分かったら、目標スコアとの距離(点数差)を測りましょう。距離が測れたら、それが実際に2~3ヶ月で実現可能な範囲内の点数なのかを確認していきます。
その時に参考にしたいのが、後ほどご紹介する「スコアアップに必要な平均学習時間」の表です。 それでは、さっそく見ていきましょう。
2-1-1. TOEICの受験経験がなく、現在のスコアが分からない方へ
その前に、「TOEICの受験経験がなく、現在のスコアが分からない方」に向けて、その対処法を2つご紹介いたします。
1つは、直近のTOEICテストを実際に受けてみること。
これが正確な点数を把握できる唯一の方法であり、一番おすすめの対処法です。 また、正式なスコア表では、分野ごとのあなたの正答率をパーセンテージで確認することができるので、学習計画を立てる際に把握すべき「苦手な分野」を分析しやすくなるというメリットもあります。
2つ目は、TOEICの公式問題集を用意し、模試を受けてみること。
細かいスコアまでは出すことができませんが、大まかな予想スコアは知ることができます。ただし、出るスコアが概算であることから1回だけだと実力を捉えにくいので、できれば2回分受けてみて、平均値で考えるようにすると正確性が増すでしょう。
また、なるべく本番さながらの環境で解くため、イヤホンではなくスピーカーでリスニング音声を流すようにしましょう。
2-2. スコアアップに必要な平均学習時間を参考にする
次の表は、オックスフォード大学出版社が示している、「現在のスコアから目標スコアを突破するためには、どれくらいの学習時間が必要なのか」を目安として示したものになります。
|
目標スコア |
||||||
現在のスコア |
350 |
450 |
550 |
650 |
750 |
850 |
950 |
250 |
200 |
425 |
700 |
950 |
1150 |
1450 |
1750 |
350 |
|
225 |
450 |
700 |
950 |
1225 |
1550 |
450 |
|
|
225 |
450 |
700 |
975 |
1300 |
550 |
|
|
|
225 |
450 |
725 |
1050 |
650 |
|
|
|
|
225 |
500 |
825 |
750 |
|
|
|
|
|
275 |
600 |
850 |
|
|
|
|
|
|
325 |
出典:Oxford University Press 『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』 P.6
URL: https://elt.oup.com/elt/students/exams/pdf/elt/toeic_teachers_guide_international.pdf
ここに示されている「スコアアップに必要な学習時間」と、「あなたが2~3ヶ月で現実的にTOEIC学習に充てられる時間」とを照らし合わせてみましょう。
これは平均必要学習時間であり、これほど時間がかからないケースも、これ以上に時間を要する場合もあるので、あくまでも参考程度にとどめておく必要はあります。
しかし、あまりにもあなたが費やせる学習時間とのギャップがある場合は、TOEIC学習に充てられる時間を軸として「中間地点となる目標スコア」を再考するか、もう少し学習時間を確保できないかを検討する必要があるでしょう。
3. TOEICテストの受験日を決める
目標点が決まったら、テスト日までの日数を計算して学習計画を立てるために、TOEICの公式サイトで開催日を確認し、テストの受験日程を決めておきましょう。
自分に良いプレッシャーを与えるためにも、受験する回の申し込み受付が始まり次第、なるべく早い段階で試験への申し込みを済ませておくことをおすすめします。
TOEICはおおよそ2ヶ月前から申し込みが始まります。申込期間開始すぐに申し込んで、早速勉強を始めましょう!
4. TOEICテストにおける「苦手」を分析する
目標点を決める時に把握した「現在スコアと目標スコアの距離」を参考にしつつ、今の自分には何が足りていないのか、TOEICテストにおける「苦手」を分析しましょう。
まず、TOEICは大きくリスニングパートとリーディングパートの2つに分けられています。さらに、リスニングパートはPart1~4まで、リーディングパートはPart5~7のパートに分類されています。パートごとに勉強方法は異なりますから、自分の苦手分野に合わせた学習が必要になります。
まずは大まかに、自分が苦手とするパートを理解しておきましょう。 それができたら、「なぜそのパートが苦手なのか」を分析していきます。
単語力や文法力が足りないのか、問題を解くスピードが足りないのか、それとも読解力が足りないのか。理由は様々にあると思いますが、苦手をしっかりと分析することで、自ずとやらなければいけないことが見えてくるはずです。
4-1. 現在スコアが500点に満たない場合は基礎学習必須
TOEICは資格試験なので、TOEICに特化した対策をすることはスコアアップに大いに役立ちます。
しかし、現在のスコアが500点に満たない場合は、TOEIC対策でコツやテクニックを磨いていく前に、まずは英語の基礎固めをしていきましょう。
英語の基礎力がない状態でTOEICに特化した対策だけを先に始めてしまうと、そもそもの英語力のところに問題があるせいで上達が遅れ、かえって遠回りになってしまいます。
基礎となる文法や単語さえしっかりと固めることができれば、特別にTOEICの対策をしなくても、500点はすぐに見えてくる点数です。ですので、現在のスコアが500点未満の場合には、必ず基礎学習からスタートするようにしてくださいね。
5. 自分に合ったTOEIC対策用の教材を選ぶ
苦手分野が把握できたら、その部分を強化するためのTOEIC教材選びをしていきましょう。 参考書というのは、いくつも手を出すよりも、1冊を繰り返しやった方が力が身に付いていくものです。
ですので、教材選びをする際は、あれもこれもと数多く準備するのではなく、2~3ヶ月で確実にやり終えられる冊数に留めておくことが大切です。
どんな参考書がいいかわからない!という方は、2020年おすすめのTOEIC参考書をまとめた下の記事をご覧ください↓↓↓
6. 教材の進め方を決め、具体的な学習スケジュールを立てる
教材選びが済んだら、後はその教材を使った具体的な学習スケジュールを決めるのみです。
学習計画を立てる時は、「1日2時間勉強する」と決めるよりも、「○○を1日10ページ進める」「××の3章を復習する」など、教材や、やるべきことをベースに決める方法がおすすめ。その方が確実にテキストを進めていくことができ、やるべき課題もこなしていくことができるからです。
とは言え、仕事や学業とTOEIC学習を両立していく中では、時間の制限もあるかと思います。そういった場合は、毎日だいたいどれくらいの時間をTOEIC学習に費やせるのかを参考に、次の目標までに教材をやり終えられるペース配分を決めていきましょう。
テキストを1周するだけで全ての内容を身に付けていくことは難しいので、できれば2周以上できるペースで日々の勉強配分を考えていくことをおすすめします。
また、予想外の出来事が起こって計画通りに進められなくなることも考えて、スケジュールに余裕を持たせておくことも大切です。
6-1. 演習をやる時は、復習に多くの時間を費やす
TOEICスコアアップの秘訣は、分からないものを、分からないままにしておかないこと。TOEICテストに慣れるために問題数をこなしていくことも大切ですが、復習に重きを置き、一つひとつ確実に理解できる問題を増やしていくことはさらに重要な要素です。
したがって、問題演習本を使う時は、単に進めるページ数を決めるだけでなく、復習に費やす時間も考慮しながら計画を立てていくようにしましょう。
6-2. 定期的にTOEICの模試を受ける時間を作る
できれば2週間に1回程度は、TOEICの模試を本番さながらの環境の中で受ける時間を計画の中に盛り込んでおきましょう。特にテスト直前には、必ず模試を受ける時間を設けておくことをおすすめします。
その理由は、主に3点あります。
・2時間にも及ぶテストへの忍耐力をつけるため
・TOEICのテスト形式に慣れ、必要知識を習得するため
・学習の進捗状況を確認するため
また、問題演習の場合と同様、模試を受けたら徹底的に復習をする時間を作っておくことも忘れないでください。TOEICテストは、文法にも単語にも一定の出題傾向があるため、公式問題集を使って徹底的な見直しをすることで、必ず次に役立つ知識を得ていくことができるからです。
まとめ
それでは最後にもう1度、計画を立てるための順序を、下記に簡単にまとめておきます。
①目標スコアを決める
②TOEICテストの受験日を決める
③TOEICテストにおける「苦手」を分析する
④自分に合ったTOEIC対策用の教材を選ぶ
⑤教材の進め方を決め、具体的な学習スケジュールを立てる
この5つのステップを上から順番に踏んでいけば、TOEIC対策の勉強スケジュールの完成です。 計画を立てることができたら、後は実行に移すのみ。
もちろん、立てた計画がスケジュール通りに行かないこともあると思います。そんな時は、また残りの日程で学習内容を調整していけば良いだけです。
うまくいかなくても「あくまでも計画は計画!」と柔軟に考え、最終的にやるべきことを終えられるように計画の見直しを図っていきましょう。