TOEICで900点以上を取得するためには、まずはリーディングよりスコアアップしやすいリスニングの満点(495点)を目指すことをおすすめします。
ただ、
「正解の根拠を聞き逃してリスニング満点を逃してしまう…」
「たくさん問題を解いてリスニング対策したけど、スコアが上がらない…」
と悩む人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、TOEICのリスニングセクションで満点を取るための効果的な対策についてご紹介します。
TOEICリスニング満点は高い壁のように感じられるかもしれませんが、正しいトレーニングを積めば必ず乗り越えられるものです。
リスニングセクションで満点を取りたい方は、ぜひ読んでみてくださいね!
Contents
1. TOEICリスニングで満点を取るには?
そのときのテストの回ごとに異なりますが、リスニングセクションは2~3問前後は不正解であっても、スコア495点を取ることができます。
しかし、数問間違えてもよいとは言っても、全問正解するつもりで望まないとなかなか満点は取れません。
リスニングで全問正解するには、次の2つの対策をすることがカギになります。
1-2. ミスの原因を突き止めて対策する
以下では、それぞれのやり方について詳しく説明します。
1-1. 上級者がひっかかりやすい問題を攻略する
リスニングセクションで満点を取るためには、上級者が間違えやすいポイントを把握して、しっかりと対策することが重要です。
ここでは、各パートで登場する「上級者をひっかける問題」の対策法について説明します。
Part 1(写真描写問題)
Part 1は、900点以上を目指すなら絶対に全問正解したいパートです。
800点レベル以上の方であれば、Part 1の英文はほとんど聞き取れるかと思いますが、確実に正解するためには、以下のポイントに注意することが大切です。
① 写真を細かくチェックして、流れてくる表現を予想する
② Part 1に登場する難しめの語彙を押さえておく
それぞれについて詳しく説明します。
写真を細かくチェックして、流れてくる表現を予想する
Part 1では、問題の音声が流れる前に写真をチェックするのは基本ですが、細かい部分まで注目して表現を予測しておくことが大切です。
例えば、以下の写真を見てみましょう。
これは人物が写っていない写真ですが、パッと見て
・ベンチが設置されている(bench)
・木々が道沿いに並んでいる(tree, along the path)
といった表現は簡単に思い浮かぶかもしれません。
しかし、この写真では
Trees are casting shadows on the path.
「木々が道に影を落としている」
といった表現が正解になることもあります。
もう1つ例を見てみましょう。
この写真では、
・人が自転車に乗っている(riding a bicycle)
・車が道路沿いに止められている(car, along the road)
のような表現が思いつくかと思いますが、Part 1では
Some lines are painted on the road.
「道路上に線が引かれている」
といった細かな描写が正解になることもあります。
単語自体は簡単でも、注意を払っていない状態でいきなり読み上げられると、パッと理解できなくなってしまいます。
写真に写っている細かいものもチェックするようにして、英文で流れてきそうな表現を待ち構えるようにしましょう。
Part 1に登場する難しめの語彙を押さえておく
Part 1では awning 「日よけ」やvine「(植物の)つる」など、難しめの単語が登場することがあります。
こういった単語を知っておかないと、英文の意味がわからなくなり、不正解を選んでしまうことになります。
以下は、Part 1で出てくる可能性のある難しめの表現です。意味と発音をしっかり覚えておきましょう。
✅ awning 「日よけ」
✅ canopy「ひさし」
✅ column 「円柱」
✅ a pile of earth「ひと山の土」
✅ overlook「~を見渡す」
✅ skyscraper「高層ビル」
✅ easel「イーゼル」
✅ vine「(植物の)つる」
もし知らない単語が出てきて英文が理解できなかった場合は、消去法で解答するようにします。
正解の選択肢がわからなくても、残りの不正解の選択肢が聞き取れれば正解は特定できます。
1問の中に難しい単語はたくさん出てこないので、単語が聞き取れなくても、焦らずに消去法で正解を絞るようにしましょう。
Part 2(応答問題)
Part 2は問題用紙に設問などが何も書かれておらず、音声のみを頼りに正解を選ばないといけないため、最も集中力を必要とするパートです。
Part 2の問題でも特に気をつけたいのが、間接的な応答が正解の問題です。
例えば、
When will the annual conference be held?
「年次会議はいつ開かれますか?」
という質問に対して、
You should ask Mr. Kim.
「Kimさんに聞いた方がいいです」
と言って、相手に「私にはわかりません」ということを間接的に伝えている応答が正解になる問題です。
このように、When(いつ)に対してそのまま「時間」が正解になるとは限らないので、間接的な応答パターンを前もって予測しておくのがポイントです。
以下は、質問に対して間接的な応答をするときによく使われる例です。こういったパターンをあらかじめ頭に入れておくことで、間接的な応答にも柔軟に対応できるようになります。
✅ You should ask ~. 「~さんに聞いた方がいいです」
✅ Mr. Kim is in charge of it. 「キムさんがその担当です」
✅ It hasn’t been decided yet. 「まだ決まっていません」
✅ Let me check my schedule.「スケジュールを確認させてください」/ Let me check with ~「~さんに確認させてください」
Part 3(会話問題)&Part 4(説明文問題)
Part 3と4では会話・トークの後に3問ずつ設問が読み上げられます。Part 3と4を解くときは、設問が読み上げられる時間を使って、次の問題の先読みを完了しておくようにします。
これらのパートを全問正解するための攻略ポイントは、次の2つです。
① 正解根拠が設問のキーワードより前に出てくるパターンに注意する
② 「次にすること」のひっかけのパターンに気をつける
以下で1つずつ説明していきます。
①正解根拠が設問のキーワードより前に出てくるパターンに注意する
②「次にすること」のひっかけのパターンに気をつける
1-2. ミスの原因を突き止めて対策する
各パートの解き方はわかっても、それを発揮するための英語力がなければ効果は薄く、スコアにも反映されません。
問題演習をして間違えた問題は、しっかりと原因を分析して、自分の弱点にあった対策をすることが重要です。
よくありがちなのが、「意図問題をよく間違えるから、意図問題をとにかくたくさん解く!」といった対策です。
一見よさそうな対策に思えるかもしれませんが、弱点を徹底的につぶすためには実はあまり効果的ではありません。
例えば、意図問題を間違える原因としては
・(英文は聞き取れたが)文脈を間違えて解釈していた
・選択肢の英文を読み間違えた
など、いくつか考えられます。
もし原因が「英文(単語)が聞き取れていない」だった場合、ただ意図問題を解いてセリフの前後から文脈を理解するトレーニングをしても、そもそものリスニング力をアップさせる勉強をしなければ、また間違える可能性が高いです。
間違えた問題の対策をするときは、問題形式といった表面的な観点だけではなく、ミスをした原因を深掘りして分析することが大切です。
以下に、リスニングセクションで間違えてしまう原因の一例を挙げました。答え合わせをして間違えた問題は、「なぜ間違えたのか?」を1問1問しっかり確認して、効果的な対策を行うようにしましょう。
✅ 知っている単語が聞き取れなかった
✅ 文法を理解していなかった
✅ 集中力が切れて英文を聞き逃した
✅ 正解がどれか迷っている間に、次の問題の英文を聞き逃した
✅ しっかり聞いていたつもりだったが、いつの間にか根拠を聞き逃していた
✅ 設問・選択肢がスッと理解できなかった
✅ 単語を聞き間違えた
✅ ある特定の国籍の英語が聞き取りにくかった
✅ 話の流れが理解できなかった
知識が足りないのが原因(単語・文法・発音など)の場合は、単に問題をたくさん解くよりも、単語帳・文法書などで知識を得るようにしたり、問題演習をしたとしても、その後は文構造をチェックしたりシャドーイングなどを行ったりするなど、知識の習得や復習に重点をおいて勉強するのがポイントです。
知識ではなく解き方(先読みが追いつかなくてペースが乱れた、根拠を聞き逃した、など)に原因がある場合は、問題演習をベースに勉強を進め、問題を解くときに間違えた原因をしっかり意識しながら解答するようにしましょう。
その他、集中力が原因で間違える方や、本番だとなぜか焦ってしまう方は、環境を工夫してみるとよいです。
「リスニングを1.1倍速にして解く」
「静かな環境ではなく、カフェなど少し騒がしい環境で問題を解く」
など、普段から条件や環境が本番よりも悪い状態で解くことで、本番のテスト中で物音がしたり時間が足りなかったりしても動じなくなります。
2.TOEICリスニング満点のためにやっておくべき教材
上記でご紹介したような解き方を身につけるには、TOEIC教材でトレーニングすることが一番です。
今回ご紹介する参考書は、リスニングセクションで満点を目指すあなたのレベルにピッタリでありながら、弱点を的確に補ってくれるものばかりです。
・Part 1&2を集中的に勉強したい方
→『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』
・Part 3&4を集中的に勉強したい方
→『TOEIC(R) L&R テスト 究極のゼミ Part3&4』
・Part 1~4すべてを勉強したい方
→『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング3』
がそれぞれおすすめです!
以下で教材について詳しく説明しますので、ぜひ1度手に取ってみてくださいね。
2-1. Part1,2の難問もコレでクリア!『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』(朝日新聞出版)
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18992
リスニングセクションの中でも比較的難易度が低いと言われていたPart1,2ですが、新形式以降、Part1でも上級者向けの単語が使用されていたり、Part2で問われる内容がより実践的になったりと、問題そのものの難化が目立つようになりました。
今回ご紹介するこの1冊には、上級者でも混乱しがちなPart1の「受け身の進行形」問題や、Part2の「間接的な返答」問題を中心に、本番形式の問題200問に加え、Part2の難問のみを集めた25問が収録されています。
電車内で手軽に持ち運べるサイズでありながらこれだけの問題にチャレンジできるので、コスパはバツグンです。
音声は無料でダウンロードでき、専用アプリを使ってスピードを変えることもできます。スピードを変えながら何度も繰り返し解くことで、リスニング力だけでなく確実に正解を選ぶ自信を身につけることができるでしょう。
2-2. Part3,4対策はこの1冊でOK!『TOEIC(R) L&R テスト 究極のゼミ Part3&4』(アルク)
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7017009/
TOEIC界の巨匠と呼ばれるヒロ前田先生と、企業や学校などのTOEIC講師として豊富な経験を誇る早川幸治先生がタッグを組んだ1冊です。
鋭い分析力で、本番に限りなく近い問題が多数収録されています。リスニング力だけでなく、設問を先読みするためのリーディング力や解答のヒントを的確にピックアップする力が必要になるPart3,4において、本番同様の問題をひたすら解くのではなく、解き方を身に付けるためのトレーニング問題が掲載されているところも大きなポイントです。
講義形式で展開される解説は、自分が受講生になった気分で取り組めるため、つまずきやすい箇所や意外な解答テクニックを楽しみながら学習することができます。
さらに、無料でダウンロードできる特典PDF「言い換え表現100」を活用すれば、語彙力アップにもつながりますよ。
2-3. 学習成果は模試で確認!「TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング3」(ジャパンタイムズ)
引用:https://bookclub.japantimes.co.jp/book/b511162.html
「実力チェックに模試形式の問題を解きたい!」というあなたにピッタリの1冊です。
リスニングセクションの100問×5回分の模試が収録されており、その音声、スピード、出題傾向にいたるまで本物を忠実に再現しています。
問題数が多いので、あらゆるパターンの問題に挑戦することができ、解説では、正しい解答を得るために聴き取るべきポイントや特に注意すべき点が記載されています。
著者はTOEIC専門校で講師を務め、990点を何度も取得しているTOEICのプロたち。学習者の弱点を知り尽くしているからこそできる細かな解説が特徴です。
模試を解いた後は、間違えた原因をしっかりと分析して対策することで、リスニング力アップすることができます。
3. まとめ
今回ご紹介した解き方と勉強法は1日で身に付けられるものではありませんが、コツコツと毎日続ければ2週間後には変化が現れるものばかりです。
✅ ミスの原因を突き止めて対策する
この2つをしっかりと行うことで、TOEICリスニング満点へぐっと近づきます。
努力を重ねて身に付けた英語力を武器に、自信を持ってTOEICに臨んでくださいね。