「TOEICのスコアを持っている方が転職に有利なの?」「転職活動に向けてTOEICの勉強をしたいけど、どうすればいいのかわからない」そんなふうに思っていませんか?
結論を言うと、高いTOEICのスコアを持っていると、転職活動で圧倒的に有利になります。
「TOEICを攻略することで、転職活動を成功させることができる」と言っても過言ではないのです。
では、なぜ高いTOEICスコアがあると転職活動が有利になるのでしょうか? 具体的には何点くらいが必要なのでしょうか?
また、最短で目標スコアを取るには、どの参考書を使って、どのように勉強していけばいいのでしょうか。
この記事では、 TOEICスコアが転職に有利になる理由、目指すべき点数、おすすめの勉強法、参考書まで、全てを徹底解説していきます!
Contents
1. TOEICスコアが転職に有利になる理由
なぜTOEICのハイスコアが転職に有利になるのでしょうか?
その理由は主にこの3つ。
・ TOEICを採用している企業が多い
・グローバル化と日本社会の成熟化
・採用担当者が判断しやすい
では詳しく見ていきましょう。
1-1. TOEICを採用している企業が多い
日本企業が転職活動者のTOEICスコアを重視している理由として、TOEIC試験を英語力の判定基準に利用していることが挙げられます。
英語力といっても読解力なのかコミュニケーション力なのか表現力なのか、評価基準が曖昧です。そこで企業が英語力の判定基準として採用したのがTOEIC。TOEICスコアであれば、履歴書を見ればすぐに確認できますし、多くの人が受験している試験なので判断材料としては十分です。
2013年に一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施した「上場企業における英語活用実態調査」では、6割の企業がTOEICを活用していると回答。英検を活用しているのはたった6.6%ですから、ほかの英語の試験と比べても圧倒的にTOEICを活用する企業が多いことがわかります。
また社内でTOEIC試験を教育制度の中に導入している企業は、TOEICの難易度を把握しているので、ハイスコアを持っていることを高く評価してくれます。
1-2. グローバル化と日本社会の成熟化
グローバル化が進んでいく世の中で必要なのが英語力を持った人材。海外の企業と連絡を取り合う際に、英語力のある社員がいないと綿密なコミュニケーションが取れません。
また、日本社会はすでにある程度成熟しており、今後成長していくには、海外に市場を拡大していくか、海外の労働力を日本国内に受け入れていく必要があります。
そのため中途採用者に英語力を求める企業も多いのです。TOEICのハイスコアを持っている人材を正社員として採用することは、企業にとって大きなメリットであり、即戦力になると感じてくれるはずです。
1-3. 採用担当者が判断しやすい
TOEICスコアは人事担当者が志望者の英語力を判断するのによく使われます。
企業側は採用活動に不必要な時間と労力を掛けたくありません。効率よく志望者の英語力を判断するために、受験者が多く信頼性の高いTOEICが利用されるのです。
TOEICはTOEFLや IELTS よりもスコアの基準がよく知られているので、スコアを見ればどれくらいの英語力を持っているのかが一目でわかります。
また複数の応募者と比較されるときも高いTOEICスコアを持っていれば、採用される確率が上がります。差別化を図るためにもTOEICは有効な資格なのです。
もしもあなたがTOEIC満点を持っているとしたら、それは採用担当者に非常に大きなインパクトを与えることができるでしょう。
2. TOEICを転職に利用する前に考えてほしいこと
転職活動でTOEICのスコアを履歴書に書こうと考えている方に、知っておいていただきたいことがあります。
1つは、転職活動前にゆとりをもって「公開テスト」を受験しておくことです。TOEICには公開テストのほかに、Institutional Program、通称「IPテスト」と呼ばれる団体向けのテストがあります。学校や会社の研修の一環でIPテストを受験したことがあるという方もいらっしゃると思います。
公開テストの点数もIPテストの点数も仕事をする上でどれくらいの英語力があるかを示すのに有効で、どちらが有利不利という事はありません。転職エージェントの募集サイトで求人情報を見ると、提出するTOEICのスコアが公開テストのものかIPテストのものか指定されていることはほぼありません。
しかし注意しなければならないのが、Official Score Certificate(公式認定証)が発行されるのは公開テストだけということです。
IPテストを受験した場合もスコアレポートが発行されますが、提出先によっては公開テストの公式認定証のみに限定していることもあるので、事前に確認しておきましょう。
もしIPテストのスコアしか持っていなくて、転職活動開始までに公開テストの受験が間に合わないという場合は、IPテストのスコアだということがわかるように履歴書に明記しておけば、採用時に不要なトラブルを避けることができます。
また、公開テストの場合、結果が手元に届くまでに約1か月かかります。「せっかくの英語力が評価してもらえない」ということのないように、転職活動を開始する前に結果が受け取れるか、気になる企業の書類提出までの日程を確認してゆとりをもって公開テストを受験するようにしましょう。
3. 転職に必要なTOEICスコアは何点?
では、具体的にどれくらいのスコアがあれば転職が有利になるのでしょうか。
一言に転職と言っても、目指す業種や職種、配属される部署などでも求められるスコアは変わります。
ここでは、500点台から900点台まで、それぞれのスコアがどのように評価されるのかを見ていきましょう。
3-1. 【500点台】新卒の就活に最低限必要なTOEICスコア
日本で新卒の就職活動をしている年代のTOEIC平均スコアはどれくらいかご存知でしょうか。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が、2018年4月1日から5月31日に実施されたTOEIC Listening & Reading 団体特別受験制度(IPテスト)のスコアをもとに公表した「新入社員TOEIC Listening & Reading 最新データ」によると、新社会人の平均スコアは489点でした。
つまりおおよそ500点が、新卒の就活時点の平均的なスコアと考えることができます。
このことから、転職活動の際にTOEICのスコアを書く場合は、新卒の就職活動時と同じ500点では当然ながらまったくアピールになりません。
もしあなたが500点前後の点数なのであれば、TOEICの問題内容の傾向と解き方のコツを覚えるだけでもすぐにスコアが上がるので、少し対策してみることをおすすめします。書店に行ってTOEIC関連書籍売り上げランキング上位の参考書を買ってみましょう。様々なTOEIC受験テクニックを学ぶことができます。
例えばリスニングのPart 1なら、最初のディレクション音声が流れている間に写真にざっと目を通しておくなど、解き方を身に付けておくとよいでしょう。
3-2. 【600点台】転職活動をするなら欲しい最低限のTOEICスコア
先に紹介したように、TOEICの受験者の平均点は500点台後半。このことから考えて、転職時に履歴書にスコアを書くのであれば、最低でも600点以上の点数を書くことをおすすめします。
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会のホームページに公開されている「目標設定お助けツール」を見てみてください。スコア別に、どのような内容がどれくらいできるのかを「できない」「何とかかろうじてできる」「ほぼ問題なくできる」で大まかに分けられています。
これを参照すると、大まかな基準ではありますが、600点あれば、政治関係など少し難易度の高い内容を聞いて理解すること以外、日常でも仕事でもほとんどの項目が「何とかかろうじてできる」レベルにあることが示されています。
実際、大手の転職サイトを見てみると、応募要件に「英語スキル要」としている企業は、TOEIC600点を目安として提示しているところが多いです。
「TOEICのスコアを書くなら高いスコアでないと……」と思われたかもしれませんが、最低限求められるレベルは少し頑張れば手が届く範囲です転職先の幅を広げるためにもTOEICで600点以上を目指しましょう。
平均点前後の方に頑張ってほしいのが、単語や表現のインプット。語彙が不足していて聞き取れない、時間内に英文を読み終えられないケースが非常に多いです。逆に言うと、単語や表現を身に付けることでスコアが上がりやすくなります。
3-3. 【700点台】国際部門で働ける可能性も
2013年一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会実施「上場企業における英語活用実態調査」によると、68.8%の企業が国際部門での業務遂行には700点以上のスコアを期待しています。
同調査によれば、国際部門期待スコアは平均して750点。職種にもよりますが、700点以上のスコアがあると、海外とつながりのある企業も転職先の候補に入ってきます。
TOEIC700点台の人に意識しておいてほしいことは、将来的に英語を使って仕事をすることを念頭に置いたうえで学習をするという事です。
実際に海外の人とやり取りをするようになったときに、少し困ってしまうのが、各国の英語の発音の違いです。日本人の話す英語は日本語の影響を受けて母音が強いといわれています。これと同じように、それぞれの国にはその国や地域の影響を受けた特徴があります。
TOEICでは英語を母国語とする国や地域のさまざまな英語が使われていますが、実際の会話でもさまざまな英語を聞き取ることに慣れておくように特訓しておきましょう。
話す、聞く、読む、書く、すべての能力が必要なのは言うまでもありませんが、リスニング力を強化しておくと、転職後も役に立つこと間違いなしです。
3-4. 【800点台】外資系企業も夢じゃない!?
TOEIC800点を応募条件にしている企業は、英語を社内公用語として採用している大手企業がメインでしょう。この記事を書いた時点での求人サイトに掲載されているものでは、日立製作所、デロイト トーマツ、ブリティッシュ・カウンシル、国際特許事務所などが挙げられます。
しかし、実際は800点を「応募要件」に指定して、高い基準を設けている会社はそれほど多くありません。
公開テストの平均スコア・スコア分布から判断すると、TOEIC800点以上の人は日本の受験者の12%程度ですから、多くの企業で印象を残せるスコアだと言えると思います。800点以上を狙うなら、リスニングはもちろん、リーディングでのスコアを確実に上げることが鍵となります。
試験時間内に解き終わられないという人も多いリーディング。時間内で解くためのポイントはタイムマネジメントの練習を徹底し、無駄なくリーディングの回答時間75分を使い切るという事です。
また、TOEICは基本的にビジネスの世界の英語が出題されるので、ビジネスメールや記事などの文章構成に慣れることも重要です。
こういったビジネス文書は型が決まっているので、基本的な構造に慣れておけば長文を効率よく読めるようになり、問題を解くスピードも速くなるでしょう。
3-5. 【900点台】どの企業でも強いインパクトを残せる
TOEIC 900点となると、日本の受験者の上位5%程度です。
応募要件で900点を指定している企業はほぼありません。言うまでもなく、人事から一目を置かれるスコアです。
たとえ留学経験がなくても、900点以上のスコアを持っている人は、英会話からリーディング、ライティングまで英語の使用に大きな支障があることはほぼないと判断されますので、外資系の企業を含め幅広い企業に、自信をもって応募できます。年収も800万円以上の求人が多いのが特徴です。
TOEIC 900点を目指しそれを維持するのは、日々の学習はもちろんですが、英語を日常的に使う機会を設けることが大切です。仕事で使っている場合でもオンライン英会話などを活用して、継続的なアウトプットと新しい表現のインプットをするようにしてください。
転職活動における「TOEIC900点の希少価値」についてもっと知りたい方はこちら↓↓
4. 最短でスコアを上げるおすすめ勉強法
TOEICはどのような勉強をすればハイスコアを取ることができるのでしょうか。
それぞれの英語力や勉強時間にもよりますが、今回は4つのポイントをご紹介します。
・計画を立てる
・TOEICに特化した勉強をする
・スキマ時間を活用する
・できるだけたくさんTOEICを受験する
詳しく見ていきましょう。
4-1. 計画を立てる
最優先で行うべきなのが、綿密な計画を立てること。
転職活動は長引くと採用にも影響し、焦りも募っていきます。しっかりと期限を設けることで、迷わず学習を進めることができます。
また仕事をしながら転職の準備をしている方は、明確なプランを立てることがより重要になってきます。忙しいスケジュールの中でハイスコアを取ることは大変なことです。先延ばしを避けるためにも、細かな計画を立て、効率的に学習を進めていくことが重要です。
4-2. TOEICに特化した勉強をする
TOEICに特化した学習をするのがスコアアップへの最短の道です。
企業がチェックするTOEIC試験のほとんどがリスニングとリーディングのLRテスト。スピーキングやライティングスキルを測るSWテストは知名度が低くそこまで重視されません。なのでリスニングとリーディング試験にフォーカスして学習を進めていきましょう。
またTOEICには特有の解き方やコツがあります。2時間で200問もの問題を解かなければならないTOEIC試験は、それぞれの問題の解き方を知らずに受けても、ハイスコアを取るのは非常に難しいです。まずはTOEICに特化した参考書を読んで、コツをつかんでいくことがハイスコア取得へのカギになります。
4-3. スキマ時間を活用する
忙しい方はスキマ時間を有効活用しましょう。通勤中や休憩時間を使ってTOEICの学習をすることを心がけてください。
おすすめの勉強法は、1つあたりの問題が短いPart 2、5に特化した参考書を使うこと。短い時間でも問題を解くことができるのでちょっとした空き時間でTOEICの学習ができます。
また英語学習アプリの利用もおすすめ。スマートフォンさえあれば学習ができるので、通勤電車の中や、リスニング問題などの音声を聞くだけなら歩いているときでも英語に触れることが可能。音声もアプリに入っているので、リスニングの勉強が気軽に始められることもメリットのひとつです。
4-4. できるだけたくさんTOEICを受験する
TOEICは年に10回もテストが実施されています。団体受験であるIPテストを利用すればさらにたくさんTOEICを受験することができます。
何度も受験することで、試験に慣れることができ、高いスコアを獲得することができます。目標点数獲得を目指し何度も受験するようにしましょう。
5. 転職に役立つTOEIC参考書おすすめ3選
TOEICの参考書は種類がたくさんあるので、どの本で学習したらいいのか迷いますよね。
そこで今回おすすめするのが、
・『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)
・『TOEIC L&Rテスト 至高の模試600問』(アルク)
・『L&Rテスト 直前の技術』(アルク)
の3冊です。
それぞれ詳しくご紹介します。
5-1.『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
出版社:朝日新聞出版
著者:TEX加藤
価格:979円
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』はTOEICで頻出の単語が学習できる参考書。筆者のTEX加藤さんがTOEIC試験を徹底的に研究し作り上げたこの単語帳は、初心者から上級者まで、幅広い人気を誇る1冊です。
サイズが小さく、持ち歩きもしやすいのが特徴的。また音声もサイトから無料ダウンロードできるので、リスニング対策にも効果的です。価格も安く、質も高いので単語帳選びに困ったらまずはこの本から始めてみるのがおすすめです。
5-2.『TOEIC L&Rテスト 至高の模試600問』(アルク)
TOEIC L&Rテスト 至高の模試600問
出版社:アルク
著者:ヒロ前田、テッド寺倉、ロス・タロック
価格:2,860円
TOEIC試験の模試をしたいときはこの1冊。公式問題集よりも低価格で、ハイクオリティーな問題が3回分収録されています。
TOEICの勉強を始める前に自分の英語レベルをチェックしたいときや、試験前に本番に近い問題を解きたいときは、この書籍を使用するのがおすすめ。問題に対する丁寧な解説とTOEIC試験の解き方のコツがリーディング、リスニングともに書かれているので、網羅的な学習が可能です。
マークシートを無料でダウンロードできるので、本番同様の試験形式で練習してみてください。
5-3.『TOEIC L&Rテスト 直前の技術』(アルク)
TOEIC L&Rテスト 直前の技術
出版社:アルク
著者:ロバート・ヒルキ、相澤 俊幸、ヒロ 前田
価格:2,420円
試験まで時間がない方は『TOEIC L&Rテスト 直前の技術』がおすすめ。11日間の学習プログラムで、受験票が届いてからでも間に合います。ハイスコアを取るためのコツが満載で、点数が上がりやすい順から学習していくスタイル。効率的に学んでいくことが可能です。
著者のロバート・ヒルキさんは30年以上TOEICの講師を努めてきたエキスパート。信頼性も抜群です。「ハイスコアを取りたいけど、TOEIC試験まで時間がない」「効率的に学習したい」という方におすすめの参考書です。
6. 忙しい方には「スタディサプリENGLISH」もおすすめ
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7. まとめ
転職活動において、TOEICのスコアは重要な要素のひとつになります。
グローバル化が進む中、理系のエンジニアから文系の事務や営業職まで幅広く必要とされる英語力。
TOEICで高いスコアを獲得することは、志望企業から内定をもらう可能性を高めたり、あなたの年収を高めることにつながります。
20代から40代以上まで、広い年齢層の方が受験しているTOEIC。まずはそれぞれの状況、職種に合わせて、目標点数を決めることが重要です。
この記事を参考に、TOEICのハイスコアゲットを目指してみてはいかがでしょうか。