「英会話を勉強するならやっぱり英会話スクールに通った方がいいのかな?」と感じる方は多いでしょう。
確かに、スクールでの学習はしっかりとした指導を受けられるので魅力的です。英語初心者の方は特に、先生がいた方が安心できるかもしれません。
しかし、英会話スクールに通う際に気になるのがコストとスケジュールです。
あなたも、「月額何万円も授業料は払えない」「仕事が忙しくて教室には行けない」と悩んではいませんか?
でも大丈夫。独学でも英会話は身に付けられます。
「英会話」と一言で言っても、その内容は日常生活や短期間の海外旅行で使う基礎的なものから、ビジネスや留学先の授業で求められるより複雑で専門的な内容までさまざまです。より複雑な内容を表現するためには、多くの文の形や、単語・フレーズを使いこなせるようになることが不可欠ですが、最初からそのレベルを目指すことはありません。
これから英会話を学びたいと思っている社会人、特に、中学、高校以来英語の勉強から長らく離れている初心者の方は、まず日常英会話の習得を目指しましょう。これは独学でも十分可能です。
実は日常英会話の土台となる表現や文の形のほとんどは中学校で学ぶ範囲のもの。そのため、意外にも日常英会話は独学で学びやすいのです。
もちろん、将来的にさらに上のレベルを目指したい方にとっても、日常英会話の学習は必要不可欠な基礎固めの機会になります。
この記事では、英語に苦手意識のある初心者レベルの社会人の方に向けて、日常英会話を独学で学ぶのに知っておきたいポイントや、おすすめの教材と活用法をご紹介します。
Contents
1. 英会話、苦手に感じるのはなぜ?
ほとんどの人が中学校から一通り英語の基礎を学んできたにもかかわらず、英会話に苦手意識があるのはなぜでしょうか?その理由を明らかにして、苦手意識の改善に役立てましょう。
1-1. 本当は身についていない中学校英語
英会話に苦手意識があっても、英文を読んで理解することはできる方は多いです。また、ネイティブスピーカーの英語もゆっくりはっきり話している場合は聞き取れることが多いのでは?
これは、中学レベルの基本的な文法や単語がすでにある程度わかっている証拠です。
一方、言いたいことを英語で言えない、ネイティブスピーカーの標準的な話す速さで英語を話されると聞き取れないという経験はありませんか?
いざ話そうとすると英語が出てこなかったり、英語が聞き取れなかったりするのは、「英語を声に出すトレーニング」、「標準的な速さの英語を聞くトレーニング」をほとんどしていないからです。
これまで勉強してきた中学英語では、こうした分野のトレーニングが不十分だったため英会話で苦労してしまうのです。
社会人の学び直しは、話すトレーニング(スピーキング)、聞き取るトレーニング(リスニング)に重点を置きましょう。
1-2. 英語を「話せる」「聞ける」にフォーカスしている?
中学、高校での英語の勉強方法を思い返すと、声に出す機会はそんなに多くなかったのではないでしょうか。問題を解いて正解できれば、英語ができたような気になりがちです。
ただ、これが落とし穴で、英会話をマスターするにはあと一歩踏み込んだ学習が必要です。
自分が表現したいことをとっさに英語で言うことができる状態が、会話で必要なレベルといえます。
また、単語やフレーズ単体ではなく、例文の中での発音を聞き取れるようになることも重要です。
大人になって英会話を学ぶには、とっさに英語が口をついて出てくること、単語やフレーズ単体ではなく例文の中での音を聞き取ることができること、この2点を意識しましょう。
2. 独学なら教材はこう活用する
以上でご紹介したポイントを意識して中学英語を勉強していけば、日常英会話は独学で十分身につけることができます。
この章ではたくさんの教材の中から、独学で使いやすいおすすめの教材をご紹介します。
メインで使う教材を選ぶ時のポイントは、声を出したり、英文を書いたりといったアウトプットをしながら勉強できる設計になっていること。また、文法や単語を調べなくても済むような簡単な解説が掲載されていると、手間がかからないので便利です。
会話表現集などは、それ単体で使うことはあまりおすすめしません。
学習に慣れてきたら、表現の幅を広げるために取り入れても構いませんが、メインの教材には、声に出しやすく手を動かして学習できるタイプのものを選ぶようにしましょう。
2-1. 中学レベルの英語で英会話が身につくおすすめの教材
(1) NHKラジオ講座 基礎英語
引用:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000005163062020.html
基礎英語は難易度別に0~3がありますが、英語の学び直しをする社会人には基礎英語3がおすすめです。
中学校までの文法を振り返りながら、声に出すトレーニングを多く取り入れて、会話表現を身につけていきます。 対話形式なので、会話の状況が想像しやすい点も独学に向いています。登場人物になりきって、音声に続いて声に出してみましょう。
文の型をよりていねいに学び直したい人は基礎英語2から始めてみるといいでしょう。
一日たった15分のレッスンで、忙しい社会人でも毎日続けやすいのが嬉しいポイント。忙しい方でも、スケジュールの中に組み込みやすいですよ。
(2) NHKラジオ講座 ラジオ英会話
引用:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000009137062020.html
文法よりも英会話の練習に時間を割きたいと思う人は多いはず。とはいえ、英会話の土台をつくるのはやはり文の型を身に付けることです。
この講座は文の型をマスターする学習と会話のトレーニングをバランスよく行えて、初心者から中級レベルまで幅広く役に立ちます。
講座では文の型をイメージしやすいようにイラストを用いて解説されていて、理屈ではなく感覚で使いこなせるようになります。文の型のイメージを掴めば、そこに自分の覚えた単語や表現を当てはめてどんどん文が作れるようになりますよ。
こちらも一日15分で完結する講座です。
NHKのラジオ講座は毎月テキストを購入する必要がありますが、500円程度とお手頃な値段です。ラジオの音声についてはCDを購入することもできますが、一週間の間はNHKゴガクのサイトで無料で聞くことができます。
(3) キクタン英会話【初級編】
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7014047/
英会話の基本となるフレーズを対話形式で学べます。独学でも音声を使えば、対話しているような感覚で会話練習ができるのがポイントです。
中学英語レベルの単語1000語に限定した【基礎編】もありますが、英語の学び直しには語彙レベルに制限をつけず、ネイティブスピーカーがよく使う表現を広く学べるこの【初級編】がおすすめです。
軸となる文の型に新しい表現を当てはめてバリエーションを増やしていく学習法も、初心者が無理なく表現をマスターしていくのに最適です。
2-2. 文の型に自分で表現を当てはめる練習の繰り返し
英語に限らず、語学全般に言えることですが、上達のコツは、文の型をできるだけ多く確実に身につけ、そこに単語や表現をあてはめるトレーニングを重ねることです。
英会話ではこの作業を瞬時に脳内で行うことになります。このトレーニングができる教材を使いながら、自分の言いたい表現を当てはめて声に出す習慣を身につけると学習の効果が上がります。
文の型を身につけ、そこに単語やフレーズを当てはめられるようになれば、英会話スクールのレッスンに通わなくても独学で日常英会話は十分身につけられます。
3. 一人でも取り組みやすい英会話アプリ
前の章で紹介した紙ベースの教材は、音声を使って自分でシャドーイングなどを行う内容でした。
しかし、「大人が一人で声に出して学習するのはどうしても抵抗がある・・・」という人や「一人だと声に出すのをさぼってしまいそう・・・」という人は、アプリを活用して一人で声を出すことに慣れていくといいでしょう。
アプリの場合、紙媒体の教材よりも、一人で学習している感覚が小さく、ゲーム感覚で自然と声を出して学習できるので、話すことへの抵抗感を薄められるのがポイントです。
(1) Talking Marathon
引用:https://apps.apple.com/jp/app/talking-marathon-%E7%9E%AC%E9%96%93%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E7%99%BA%E8%A9%B1%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0/id1279138844
イラストを見ながら状況に合った英語を素早く声に出す練習ができます。「英語をぱっと話す瞬発力を鍛える」ことに重点を置いた教材で、「キクタン英会話」をベースに開発された520ものフレーズが使われています。
日本語訳から英語を考える癖がついているとなかなか英文が出てきませんが、このアプリで瞬発力を鍛えるトレーニングを繰り返すことで、状況にふさわしい英語表現が瞬時に出てくるようになります。
月額4,378円とある程度の値段ですが、英会話スクールに通うよりは低コストで取り組めます。また、2週間は無料で体験ができます。
独学ではなかなか声に出して学習できないという人でもゲーム感覚で自然と声が出ているのを体感できるはずです。
(2) AI英会話SpeakBuddy
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=apparray.edison_android_renewal&hl=ja
月額1,950円で、AIを相手に英会話の練習ができるのが特徴的なアプリ。
自分がAIとの会話に使った英語の正確さや発音を判定してもらえます。まずは、マスターすべき英語表現を指定の例文を使って練習し、その後自分の考えを英語にします。 イラストの動画を見ながら会話をするので、会話のイメージがわきやすく、自然と声を出して学習するようになります。
日常英会話だけでなく、ビジネスシーンでの英会話も学習できるため、TOEIC対策にも活用できますよ。
難点は、自分の声を正しく認識してくれなかったときに、英文の訂正ができないこと。音声認識した英語をもとに発音や表現をチェックしてもらえるのですが、自分が正しく発音できているかどうかだけでなく、音声認識がうまくいくかに左右される面もあります。
そこを割り切って使えば、実際に人間相手に英会話の練習をする自信はないという方でも会話の練習がしやすい、優れたアプリです。
まとめ
英会話を独学で学ぶなら鍵となるのは教材選び。そして基本となるのは中学英語を「使いこなせるようになる」ことです。
声に出して学べる教材やアプリを活用することで文の型をマスターし、そこに単語やフレーズを当てはめて表現の幅を広げていくのがおすすめの学習法です。
この記事を参考に、ぜひ独学で英会話を身に付けていきましょう。