子供のころから英語に取り組む必要性が見直され、2020年から小学校5年生、6年生で英語が教科としてスタートします。外国語活動はずいぶん前からほとんどの小学校で行われてきましたが、英語が教科として扱われるとなると成績が気になります。
そしてそこで注目を集めているのが子供向け英会話教室や教材です。
子供にできるだけ早く英会話を学ばせたいと思ったとき、始める時期やかかる費用をはじめ、英会話教室・教材の選び方、活用できる便利な無料のツールなど、知っておきたいポイントをご紹介します。
Contents
1. 【ポイント1】 始めるのはいつから?子供に英会話を習わせる時期
子供に英会話教室に通わせるなら、何歳から始めればいいのか、何歳までに始めないと英会話が身に付きにくいというリミットはあるのか、気になりますよね。
結論を言えば、何歳からでも構いません。
勘違いをしていただきたくないのは、小さなうちから英会話教室に通えば苦労せずに英会話が習得できるということは全く無いということです。日本で暮らし、ほとんど英語に触れることの無い環境で生活しながら、週1、2回、1時間程度英会話教室でレッスンを受けるだけで英語ができるようになるということは、子供であろうと大人であろうと当然難しいでしょう。反対に、その気になれば英語は幼児でも、小学生、中学生、高校生、大学生、大人でも英語を話せるようになるということです。
要するに教室やスクールに通うか否かではなく、どれだけ英語に普段から触れる環境を作れるか、自発的に英語を楽しく勉強するための環境を作れるかが、英会話ができるようになるかに大きく関係してきます。そういう意味では、子供か大人であるかということは英会話習得にはそこまで大きく関係しません。
そして、英会話教室や教材に関しても、子供の成長過程に合わせつつも、多くの場合、年齢ごとの区分はさほど細かく設定されていませんので、何歳からでも始めやすくなっています。
ただ、日本語とは異なる音や表現を声に出したり、歌やチャンツ(日常的に使う話し言葉をリズムに乗せて表現するもの)を楽しんだりしやすい年齢だからこそできることもたくさんあります。
英会話教室や教材だけでなく、地域の英語を使った交流会や子供向けの英語学習アプリなど、さまざまな選択肢があるので、子供の反応を見ながら、様々な要素を比較しながら始めてみてはいかがでしょうか。
2. 【ポイント 2】 気になる月謝や教材費の相場は?
英会話教室やスクール、年齢によっても、1回あたりのレッスン時間や金額は異なりますが、1回あたりの受講時間は30分~40分程度のところが多いです。料金を公開している英会話教室を比較すると、5歳くらいを対象としたレッスンの場合、おおよそ月額7,000円~10,000円ほどかかるところが多いです。他にもレッスン費以外に、入学金(10,000円前後)、教材費がかかる場合がほとんどです。
教材の場合、1冊ずつ購入するタイプと絵本や音声の出るおもちゃなども含めたパッケージ商品とに分かれます。1冊あたりの価格はCD付きのもので2,000円前後ですが、パッケージ商品だと15,000円~2,5000円程度で、中には10万円以上する教材もあります。高額なパッケージ商品でも、無料で試せるサービスを設けている場合もありますので、購入前に試してみて子供の反応を確かめましょう。
3. 【ポイント3】 どう学ぶ?英会話教室やスクール選びのポイントは、音とイメージのインプットと自分から表現する気にさせるカリキュラム
英会話教室やスクールを選ぶとき、確認していただきたいポイントはいくつかありますが、まずは
①初歩の段階で、イラストや映像などを用いながら、単語や表現の意味と音を豊富にインプットするレッスンが設けられているか
②子供が自分から表現したいと思える工夫がなされているか
を確認していただきたいと思います。
①について、とにかく英語の音声をたくさん聞けばいいように思われがちですが、意味もわからずひたすら英語を聞いても単なる「雑音」として聞き流してしまう可能性があります。やみくもに英語を聞かせるレッスンではなく、まずは音を聞かせながら、イラストや映像を用いて、その音声の単語や表現の表す意味をイメージさせるようなレッスンを十分に行うことで、音とイメージ(意味)が結びつきます。
さらに、音に関しては、ある程度日本語が話せるような年齢であれば、日本語にはない英語の音を意識できるような対策も効果的です。
例えば、チャンツを用いて、日本語と英語の音やリズム、イントネーションの違いを意識させる教材は小学校でも使われています。
また、幼児英語や小学校英語ではフォニックス(英語圏の子供たちが読み書きを習うときに用いる発音と文字の関係を学ぶもの)もよく取り入れられていますが、英語圏の子供たちと日本の子供たちでは日常生活の中で英語に接する量がまったく違います。そのため、音と文字の関係を学ばせる前に、音とイメージを結び付けて定着できるよう豊富なインプットを行うことで、少しずつ英語に慣れていくことが必要です。
②の「子供が自分から表現したいと思える工夫」については、成長段階によって異なりますが、小学校低学年くらいまでは、子供が思わず口ずさんでしまうような歌やチャンツを取り入れたレッスン、それ以降は、教わった表現はもちろん、子供が表現してみたい内容を先生のサポートを得ながら自分でどんどんアウトプットしていける広がりがあるレッスンかどうかを確認してみましょう。
幼児英語や小学校英語では、年齢による区分は緩やかに捉えて、例えばレッスンの基本的な目標が、自己紹介ができるようになることであった場合、家族や友達のことも紹介できるようになるなど、新しい英語を覚える度に、表現の幅が広がるレッスンかどうかがポイントです。
最近は、子供向けに使いさすく工夫された和英辞典があり、言いたいことを調べて表現するのは難しくありません。低年齢のうちに、自分の言いたいことを表現する楽しさを感じることで、英語に対する抵抗がなくなったり、自分から勉強するようになったりするなど、そのような効果も期待できます。英会話教室に通うことで英語をアウトプットする楽しさが身についてくると、英語の定着までそれほど多くの時間はかかりません。
4. 【ポイント4】 自宅でもできる!教材・オンラインレッスン・アプリ、地域の講座を活用して学習を
英語を学ぶ場所は通学式の英会話教室だけではありません。
教材やオンライン講座によっては、パッケージ商品として、CDやDVD、絵本などがすべてセットになっているものも多いのですが、成長段階に応じて取り入れることがおすすめなのは、次のような内容です。
【小学校入学前】
歌やチャンツ、音声とイラストや映像を組み合わせて、英語の音とイメージを結び付けながらフォニックスを学べるものから始めるのがおすすめです。同時にCD付きの絵本を普段の読み聞かせの時間に取り入れてみるのもいいでしょう。絵本は実際、多読用の教材として大人が読んでも英語の勉強になるものが多いです。親子ともに楽しく英語を学べる教材です。また、慣れてきたころに、簡単な会話表現の教材を取り入れてみましょう。
【小学校低学年】
日本語の音と英語の音の違いを意識できる、チャンツを取り入れた教材などがおすすめです。フォニックスで音とイメージ、文字を結び付けていくトレーニングも取り入れていきましょう。低学年のうちは、英語の音を楽しみながら真似たり、体を動かしたりして楽しみながら学習することができますので、DVDや映像を組み合わせながら英語の表現を身に付けられる教材もおすすめです。
【小学校中学年】
中学年になってくると、自分の表現したいことを英語で表現できるように、会話表現のインプットとアウトプットも行っていきましょう。無料で体験できる教材もありますので、検討してみたい教材は取り寄せて比較してみるのもおすすめです。
【小学校高学年】
ある程度自分に関することを英語で表現できるレベルに達してきたら、おすすめしたいのがオンライン英会話教室です。スカイプや専用アプリを用いて、外国人の講師からマンツーマンでレッスンを受けます。
「オンライン英会話なんて大人でも難しそうで抵抗がある」と思う方もいるかもしれませんが、最近のオンライン英会話は子供向けの英会話コースがしっかり用意されており、子供対応が可能なネイティブの外国人の講師が優しく指導してくれるサービスが多数あります。歌や絵を豊富に取り入れ、英語を楽しくアウトプットすることを覚えるのに最適です。自分の英語が講師に伝われば、英語力に大きく自信をつけることにもつながるのでおすすめです。
不安な場合はインターネットの口コミなどから評判のいいモノやランキング上位の人気のあるオンライン英会話に申し込めば間違いないでしょう。通学式の英会話教室よりも安いことが利点です。無料体験ができる場合もあるので、一度気軽に申し込んでみてはいかがでしょうか。
その他の教材でおすすめなもの
教材以外にも活用できるものはたくさんあります。
フォニックスに関しては、YouTubeにもイラストや口の動きまで載せているレッスン動画がありますので、教材を買う前にチェックしてみてください。
子供向けのアプリもありますので、「kids English app」で検索してみましょう。自宅での学習では目標を設定するのが難しいのですが、学習の進捗状況まで管理できるようになっているアプリを活用してみてください。
また、週1回~2回のペースで定期的に開催されている英語を使う交流会やイベントもあります。多くの場合、NPOや大学などのサークルが主催しています。多くが無料ですので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。
5. 【最後に】 子供に英語を習わせるなら、音とイメージの豊富なインプットから
低年齢での英語教育のメリットは、音に敏感で好奇心旺盛な年齢のうちに英語に触れることができるということです。
日本で暮らしていると意識しにくい英語の音を、その音が使われる単語や表現のイメージとともに豊富にインプットすることから始めてみましょう。英会話教室や教材だけでなく、フォニックスの動画や幼児英語のアプリ、地域の英語を使った交流会も活用できます。子供の反応を見ながら取り入れていきましょう。
最後に、お子さんに英語学習をさせたい親御さんにアドバイスです。インターネット上のSNSやブログにはさまざまな子供英会話の情報が溢れています。それらを利用して、定期的に情報収集をするようにしましょう。大人がしっかりと正しい方向に子供の学習の道標を作ってあげましょう。
また一方で、インターネットや書籍の情報を、すべて鵜呑みにしてはいけません。他人にとって成功した方法が、自分の子供にも成功する方法とは限りません。
子供の様子を見ながら、正確な情報を取捨選択しながら、英語に楽しく触れさせる工夫をして頑張りましょう!