「英語のリーディングやリスニング、ライティングはある程度できる、勉強方法もなんとなくわかる……けれどスピーキングは一体どうしたらできるようになるんだろう?」
「英語が話せるようになりたい」と思いつつ、そもそもスピーキングって何をどう勉強すればいいのかよくわからないと感じたこと、ありませんか。そんなあなたに、この記事では「そもそも英語が話せるとはどういうことか」、目標とする姿を明確にするということからはじまり、英語スピーキングの全体像と3つの学習ステップ、さらにはおすすめの教材や学習方法まで、徹底的に解説していきます!
この記事を読み終わったときには英語スピーキング練習のプロセスをしっかり掴むことができているので、これからどのように勉強していけばよいのかがはっきり見えてくるでしょう。
Contents
1. 英語スピーキングに対する誤解
日本で英語を学ぶ多くの人が抱いている、英語のスピーキングに対する誤解があります。まずはその真相を見ていきましょう。
1. 英語スピーキングは留学しないと上達しない?
「英語スピーキングを上達させるには、やっぱり留学しないと」「留学すれば、誰でもスピーキングはできるようになる」。このような話を、あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。結論から言うと、これらはすべて誤解です。
英語のスピーキングは、練習すれば「誰でも」「日本にいながら」伸ばすことができます!そのため、これまで海外経験がそれほど多くなかったり、そもそも日本から一歩も出たことがなかったとしても、あきらめる必要はありません。大切なのは、正しい練習方法を知り、それを継続して実践することです。
反対に、たとえ留学などを通じて英語圏で暮らす機会に恵まれたとしても、正しいスピーキング練習方法を知らなければ、英語のスピーキング力は頭打ちになってしまいます。
とはいえ、日本で英語を学んできた人にとって、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングから成る4技能のうち、最もハードルが高く、苦手と感じるのはやはりスピーキングでしょう。では、特にスピーキングを難しいと感じるのは、一体なぜなのでしょうか。
2. 英語スピーキングを苦手とする人が多い理由
英語の4技能のうち、スピーキングを苦手とする人が多いのはなぜか、ここには2つの理由が考えられます。1つ目は、学校のテストや受験で、スピーキング力を問われることがないから。2つ目は、リーディングやリスニング、ライティングとは違い、スピーキングの練習方法は不透明な部分が多いからです。
1つ目について、多くの日本人が英語のスピーキングを苦手とするのは、いわば練習不足が原因と言うことができます。試験を通じて本腰を入れて勉強する機会がスピーキングにおいては欠けていたために、リーディングやリスニングなどに比べて費やしてきた勉強時間が少ない、ということですね。
ですが、この問題はすぐに解決できます。「英文がだんだんすらすら読めるようになった」「今まで聞こえなかったリスニングの音声が聞き取れるようになった」という体験は、きっと勉強の成果として得られたもののはず。スピーキングにおいても、練習すれば必ず上達を実感できます。
一方、2つ目は、1つ目の理由よりも、より根が深い問題なのではないでしょうか。英語のスピーキング練習をしようとする意欲があり、そのための時間もあったとしても、どのように勉強すればいいのかが分からなければ、その学習者は挫折する可能性が高いからです。
そのため、今回は上記のうち2つ目の理由に注目し、「英語スピーキング練習の全体像と3つのステップ」を明らかにした上で、「各ステップにおすすめの教材や学習方法」をご紹介していきます!
2. 英語スピーキングの全体像
おすすめの教材や具体的な学習方法をご紹介する前に、まずは英語スピーキング練習におけるゴールと全体像を把握しておきましょう。
1. 「英語が話せる」とは?
英語のスピーキング練習を始めるに当たり、そもそも目指している「英語が話せる」とは、どんな状態を指すのかを考えてみましょう。最初に定義をしっかり確認しておくことで、なぜその勉強が必要なのかを理解しながら取り組むことができるので、必然的に学習効果も高まります。もちろん、明確なゴールを把握することは、モチベーションの維持にも効果的です。ぜひ練習に入る前に、目指す状態を明確にしておきましょう。
ずばり、「英語が話せる」とは「英文法のルールに則って、適切な単語を正しい順番で並び替えられる」こと、と定義することができます! ここからスピーキング練習に大事な要素が2つ、浮かび上がってきますね。1つが文法、もう1つが語彙力です。
2. 英語スピーキング練習の3つのステップ
「英文法のルールに則って、適切な単語を正しい順番で並び替えられる」という定義に基づくと、英語スピーキング練習は3つのステップに分けることができます。
①スピーキングのための英文法を学ぶ
↓
②瞬間英作文でスピーキングの回路を作る
↓
③単語・表現のストックを増やす
まずは学校で教わった文法を、スピーキングという観点から復習すること。次にその文法の知識を、自分で自由自在に使いこなせるようにすること。そして、文法の基礎を固めた上で、単語や表現のバリエーションを増やしていくことです。
スピーキングと文法は一見あまり関係がないように見えますが、実は文法の基礎固めがスピーキング上達の第一歩なのです。ただし、ここで意味するのは難しい文法用語や複雑な文法ルールを覚える、ということではありません。あくまでスピーキングのための文法なので、ネイティブスピーカーが英語を話すときの感覚に注目する、といったイメージです。おすすめの教材は後ほどご紹介しますね。
学んだ英文法の知識を瞬間英作文で定着させてしまいさえすれば、あとは自分が言いたいことに合わせて、単語や表現のストックを増やしていくだけで、どんどん英語が話せるようになります。「文法を固める→語彙力を高める」の順に学習していくことを、ぜひ頭に置いておいてください。
3. ステップごとのおすすめ英語教材と学習法
ここからは英語スピーキング練習の3つのステップについて、各ステップでおすすめの教材と、効果的な学習方法を具体的にご紹介します。
1. スピーキングのための英文法を学ぶ
まずは学校で学んできた文法の知識を、スピーキングという目的に合わせて復習しましょう。おすすめの教材がこちら。
『ENGLISH GRAMMAR IN USE』の最大の特徴は、英語のネイティブスピーカーによって全編英語で書かれた、「話すための」文法書である、ということです。ネイティブスピーカーが英語を話すときの視点や感覚を、簡潔でわかりやすい解説と大量の例文や練習問題を通して、感覚的に身に付けることができます。
『ENGLISH GRAMMAR IN USE』にはイギリス英語版とアメリカ英語版があり、イギリス英語版は初級・中級・上級の3段階に、アメリカ英語版は初級と中級に分かれています。イギリス英語版とアメリカ英語版のいずれも、文法事項の網羅性や難易度といった観点から、スピーキング練習には中級がおすすめです。
文法項目はすべて見開き1Unit完結で、左ページに解説、右ページに練習問題が載っています。
ただ、ボリュームが多く途中で挫折してしまう可能性もあるので、「まずは左ページの解説だけを読んでざっと1周し、2周目以降で練習問題を解いて理解度を確認、あやふやな部分や間違えた問題を復習する」といったように、緩急をつけて学習を進めていきましょう。
2. 瞬間英作文でスピーキングの回路を作る
文法を復習することができたら、次は英語スピーキングの回路を自分の中に作っていきましょう。ここでは、文法の知識を自分で自由自在に使いこなせるようになることが目標です。おすすめの教材がこちら。
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』というタイトルの通り、この本を一冊やり切れば、英文が瞬時に口から出てくるようになります。
学習方法は、至ってシンプルです。時制や受動態といった文法項目別に、左ページに日本語、右ページに英語が載っているので、一つ一つの例文に対して、「日本語→英語」の順でスラスラ言えるようになるまで、繰り返し練習しましょう。
はじめは「簡単だ」と思っていた文法事項でも、自分で口に出して言ってみるとなると、想像以上に難しいことに気づくはずです。文法を知識として単純に「知っている」状態と、それを実際に「使える」状態には、大きな差があることがわかりますね。この差を埋めることが、スピーキング練習においては大切なのです。
この本に載っている中学1年生から3年生までの英文法を、「知っている」から「使える」状態に変えてマスターすることができれば、英語スピーキングに必要な文法の基礎はバッチリです。もし現時点でスラスラ言えないものがあってもめげずに、ぜひ言えるようになるまで繰り返しチャレンジしてみてください!
3. 単語・表現のストックを増やす
スピーキングという目的から文法を学び直し、その文法の知識を自分で使いこなせるようになったら、あとは単語や表現のストックをどんどん増やしていきましょう!文法の基礎が固まっていれば、あとは語彙力を高めるだけで言いたいことが言えるようになります。
具体的な学習方法としては、単語を覚えるときに自分で簡単な例文を作り、それを声に出して音読しましょう。自分だったらその単語をいつどうやって使いそうか、自分が実際にその単語を使う場面を想定して文を作ります。
また、スクリプトのある音声素材をオーバーラッピングしたり、シャドーイングしたりするのも非常に効果的です。「オーバーラッピング」は文字を見ながら音声のあとに続いて音読するトレーニング、「シャドーイング」は文字情報には一切頼らず、音だけを手掛かりに音声のあとに続いて音読するトレーニングです。
この場合、単に単語の意味だけでなく、その単語が文脈の中でどう使われるのかまで、自然と学ぶことができます。どちらもスピーキングにおいて大切な英語の発音やリズム、イントネーションまで同時に練習することができるのでおすすめです。
4. スピーキング練習のモチベーションを保つ秘訣
「よし、やるぞ!」とさっそく勉強を始めてみたのはいいものの……「モチベーションが続かない」なんてこと、きっとありますよね。ここでは、モチベーションを保つためのちょっとしたコツをご紹介します。
1. 英語の勉強の記録をつける
「英語が話せるようになりたい」と願うあなたの最大の敵は、3日坊主になってしまうことです。では、どうしたら3日坊主にならずに英語のスピーキング練習を続けることができるのでしょうか。
習慣化に関するtipsは色々な本で紹介されていますが、ここでは個人的に効果があったと感じる、おすすめの方法をご紹介します。それはずばり、「勉強の記録をつける」ことです。
何をいつどれくらい行ったのか、目に見える形で残しておきましょう。できれば勉強時間の合計がわかるようにしておくのがおすすめです。そうすると、なかなか勉強の成果が出ずに落ち込んでいるときの励みになるのはもちろん、記録すること自体がモチベーションになって、英語の勉強が捗ります。
ただし、この記録をつける作業自体が手のかかるものだと、逆効果になってしまいますよね。気軽に・簡単にできるものにすることがポイントです。
2. 英語の勉強の記録におすすめのアプリ
勉強の記録をつけるのにおすすめなのが、STUDYPLUSというアプリです。
まず何と言っても、STUDYPLUSは無料で使うことができます。次に、このアプリを使えば、一日に何をどれくらい勉強したのか、一か月の勉強時間は、ひいては現在までの総勉強時間は、といった様々なデータを簡単に記録することができます。
さらに、インスタグラムやTwitterなどと同様に、STUDYPLUSは他の人の勉強記録に「いいね!」をしたり、コメントしたりすることができます。こうした他の学習者との交流も、モチベーションの維持につながりますよ。
5. まとめ
『【もう迷わない!】英語スピーキング練習の全体像と3つのステップ』、いかがだったでしょうか。英語スピーキングは「誰でも」「日本にいながら」できるようになること、そのためにはスピーキング練習の全体像と3つのステップをおさえることが大切だということが、わかりましたね。
この記事が「英語スピーキング」に関する悩みをお持ちのあなたにとって、少しでもお役に立てたら幸いです。最後までご覧いただき、ありがとうございました!