海外在住経験のない日本人が英語を話せるようになるには、どのようなステップを踏んで練習していけばよいのでしょうか?
日本には、英語の練習メソッド・学習指南サイトが溢れるほどありますが、「私は英語を話せます」と自信を持って言える人は少ないのが現状です。
それは情報がたくさんあり過ぎて、英語学習者が混乱してしまっていることが理由の1つと言えます。
そこでこの記事では、正しい英語の練習ステップを
ステップ1:単語と文法
ステップ2:発音
ステップ3:音読
ステップ4:会話
の順に解説していきます。英語の練習方法にお困り方はぜひ参考にしてくださいね。
Contents
1. まずは基礎から!単語と文法を復習する
英語の上達を目指すなら、基礎学習は欠かせません。単語と文法の基礎がしっかりと理解できれば、今後の英語学習を効率良く進めることができます。
日常英会話をマスターするためには、受験用の単語や構文を学習してもそれほど意味がありません。単語はなるべく日常で使うものを勉強し、文法は基礎的なものだけを重点的に学習しましょう。
英会話は日々の生活で使われるものです。電話応対から質疑応答など、決まったシチュエーションがあります。
日々の生活のシチュエーションにあった単語や文法の学習をおこないましょう。
1-1. 単語学習におすすめの本
単語学習におすすめなのはこの2冊。
①『英単語の語源図鑑』(かんき出版)
②『毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする』(朝日新聞出版)
どちらも基礎的な日常で使われる単語が収録されているので、英会話をマスターしたい人に最適です。それでは詳しくご紹介します。
①『英単語の語源図鑑』(かんき出版)
引用:https://kanki-pub.co.jp/pub/book/details/9784761273453
『英単語の語源図鑑』は単語の基礎知識が身に付く1冊。語源から紹介されているので、今後の単語学習に役立つ知識が身に付きます。イラストが多く使われており、英語に苦手意識がある方、小学生のお子さんと学びたい方にもぴったり。訳を覚えるというよりも、イメージで単語を理解していくので、頭に残りやすいというのも特徴の1つです。
英語を話すためには、たくさんの単語を知らなければなりませんが、このテキストを使えばそれぞれの単語を関連付けて学習できるので、効率がより一層上がります。特に単語学習が初めてという方に読んでいただきたいテキストです。
②『毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする』(朝日新聞出版)
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15193
『毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする』は試験用の英単語ではなく、ネイティブが日常で使う単語だけを集めたテキストです。単語だけでなく、実際に会話で使える例文も掲載されているので、フレーズ集としても使うことができます。
専用サイトにアクセスすれば音声の無料ダウンロードが可能です。音と一緒に単語を学習できるので、実際に使うための単語力が身に付きます。自分でタイピングしたものをエクセルで一覧にして印刷し、よく見える場所に貼るのもいいでしょう。
日常会話向けの単語帳ならこのテキストが最適です。
1-2. 文法学習におすすめのテキスト
基礎的な文法知識を身に付けるなら
①『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)
②『一億人の英文法 (東進ブックス)』(ナガセ)
がおすすめ。英会話のための文法知識はそれほど難しくありませんので、これらの文法書を使って基礎的な部分だけを押さえるようにしましょう。
①『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)
引用:https://hon.gakken.jp/book/1130339300
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は中学英語を復習したい大人向けに作られたテキストです。基本的な文法知識は中学で習うので、このテキストで基礎知識のほとんどを身に付けることができます。
難しい文法用語を使わずに解説しているのも、嬉しいポイント。英語が苦手な方でも理解しやすい内容になっています。英語を久しぶりに勉強する方、学生時代に英語が苦手だった方はこのテキストから学習を始めることをおすすめします。
②『一億人の英文法 (東進ブックス)』(ナガセ)
引用:https://www.toshin.com/books/archives/2011/09/post_205.html
英文法のテキストの中で絶大な人気を誇り、「話すための英文法学習」を目的に作られた『一億人の英文法 』。情報量が多く、会話に必要な文法知識のほとんどが網羅されています。
おすすめは辞書のように使用すること。初めから読んでいくのではなく、分からない文法事項があったらその都度このテキストで調べるというように使用すると効率良く学習できますよ。英語学習のかたわらに置いておきたい1冊です。
2. 正しい発音を身に付ける
発音は英会話において非常に大切な要素の1つです。単語を知っていても発音が分からなければ、話すことも聞き取ることもできません。
しかし、英語の発音は日本人にとって非常に難しいもの。なぜなら日本語の音は母音子音合わせて26ほどであるのに対し、英語は48あるといわれているからです。日本語にはない音があるので、聞き取れないのは当然なのです。
そのため英語を話すとなれば、発音のトレーニングは必要不可欠。
それでは具体的な練習方法をご紹介していきます。
2-1. 正しい発音が身に付く練習法
正しい発音を身に付ける初めのステップは、英語1つ1つの正しい音を知ることです。
実は私たちが知っているアルファベットと英語の発音には全く関係がありません。例えばAは「エー」という名前が付けられているだけで、発音するときは「ア」となります。まずこの違いをはっきりと理解しましょう。
そして、英語の音を1つ1つ確認したら、その音同士が単語としてくっついたときに、どう発音するのかを辞書や単語帳の音声でチェックしてください。そして実際に声に出して訓練してみましょう。声に出すことで脳が顔の筋肉の動きを覚え、正しい発音が徐々に身に付いていきます。
発音の確認と声に出すトレーニングはセットで行うことを忘れないようにしてください。
2-2. 発音のトレーニングにおすすめのテキスト『英語耳』(アスキー・メディアワークス)
引用:http://amwbooks.asciimw.jp/978-4-04-868863-5/
発音のチェックにおすすめのテキストが『英語耳』。このテキストでは英語の音1つ1つを丁寧に解説されているので、私たちに馴染みのない音もしっかり身に付けることができます。
プロの歌手やナレーターによって収録された付属の音声を聞きながら発音すれば、正しい発音に近い形でトレーニングが可能です。発音のドリル学習はこのテキストで十分と言えるほど精度の高い教材です。
3. 音読練習で英語のリズムを掴む
英語の発音に慣れてきたら、次は文章を話すトレーニングに取り組みましょう。英語をなかなか話せない問題の1つに語順とリズムの違いがあります。また、日本語の会話では大きく強弱をつけて話すことが少ないのに対し、英語では大事な単語やフレーズは強く発音します。
「日本人の英語は棒読みで直線的だ」という話を聞いたことはありませんか? 日本語と比べて、英語を話すときはメリハリが重要なのです。
そのような違いを理解し、英語を話す感覚を身に付けていきましょう。
3-1. 英語のリズムを習得する練習法
英会話のリズムを習得するおすすめの練習法はシャドーイングです。シャドーイングとは英語の音声を聞きながら、追いかけるように自分も音読していくというトレーニング法です。
英語の音声を聞いてすぐに音読することで、どこにアクセントをつけるのかを理解しながら発音することができます。また英語の文章は一息で一気に話すので、シャドーイングをすることで息の使い方もマスターしていきましょう。
初めは遅いスピードからでOKなので、徐々に音声のスピードについていけるようトレーニングしてください。
テキストの文章ではつまらないという方は、アプリで見られるニュースや新聞の音声、アニメや映画のセリフでもいいので、とにかく英語をたくさん音読するようにしましょう。
3-2. シャドーイングにおすすめのテキスト『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』(ベレ出版)
引用:https://www.beret.co.jp/books/detail/358
シャドーイングにおすすめなのが『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』。音読のために作られたテキストなので、シャドーイングに最適です。また、中学レベルの例文を掲載しているので、英語に慣れていない方にもぴったりのテキストです。
音読は繰り返し行うことで、成果が出るもの。初めは口がスムーズに動かず、難しく感じることもあるかもしれませんが、根気よく続けていくことが大切です。その第一歩としてこのテキストで音読のやり方、シャドーイングのコツを学んでいきましょう。
4. 実際に英語で会話を練習する
英語のリズムで文章が言えるようになったら、次は実際にコミュニケーションをとりながらトレーニングしていきましょう。
今までは用意された英語を読むトレーニングでしたが、それだけではスピーキング力は上がりません。実際に人と話すことで、自分の知らない単語や理解できていない文法事項、発音しづらい苦手な音に気付くことができます。
さらに実際の会話では発音の練習のほかに、瞬時に頭で英作文をする能力が必要になります。そうしたトレーニングを積み重ねていくことで、スムーズな英会話ができるようになります。
また、英語にできなかった日本語をノートにまとめて、あとで英語に訳せば、ボキャブラリーもどんどん増やすことができますよ。
4-1. 英会話スクールやオンライン英会話で英語をたくさん話そう
実践練習は一人で行うことはできないので、話し相手が必要です。
プロの講師と会話やチャットをすることで、自分の間違った発音や文章を添削してくれるのに加え、ネイティブが使うフレーズも知ることができて一石二鳥です。
特に月額制のオンライン英会話は、パソコンさえあれば専用のビデオ通話アプリやスカイプを利用しがら受講できるのでおすすめです。
英語で会話をすることは自身が付くまでは恥ずかしいものですし、初めのうちは嫌になることもあるかもしれません。
しかし、これを乗り越えることで、英語を話すことが楽しいと感じられるようになるはずです。英語を話す自分をイメージして、勇気を持ってアウトプットしてきましょう。
5. まとめ
英語を話すためのトレーニングはたくさんありますが、どれも本質は同じです。正しい発音とともに大量のボキャブラリーをインプットして、繰り返しアウトプットする。それが英語上達への近道です。この方法は、小学生であっても大人であっても変わりません。
日本人が英語を話すことに苦手意識を持っているのは、やる気や根性の問題ではありません。日本語と英語に大きな隔たりがあるためです。これは、ひたすら練習をすることによって克服できます。
英語の学習は苦しいこともありますが、英語が話せるようになると仕事や海外旅行で大いに役立ちます。この記事を参考にして、あなたの英語力向上を目指してみませんか?