今回は、2019年12月に出版された『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』(旺文社)の著者、濵﨑潤之輔先生にお話を伺いました。
English Study Cafeを運営するメディアビーコンは、『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』以外にも、『TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)、『TOEIC L&Rテスト 470点奪取の方法』(旺文社)、『マンガで攻略! はじめてのTOEICテスト 全パート対策』(西東社)など多数の濵﨑先生の著書の編集に関わらせていただきました。
新刊の模試の話はもちろん、大学講師としての顔も持つ濵﨑先生のTOEIC指導法、仕事への向き合い方、TOEIC満点の秘訣など盛りだくさんの内容でお送りします!
濵﨑潤之輔先生のプロフィールはこちら
Contents
1. 大学や企業で教えていることをそのまま「奪取の模試」に詰め込んだ
English Study Cafe編集部(以下、ESC):今回出版された『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』ですが、濵﨑先生著作の模試は初めてですよね?
濵﨑 潤之輔さん(以下、濵﨑):そうですね。正確に言うと、3セット分の模試が入った問題集の監修をしたことはあるのですが、「模試」という名前を冠した本を出すのは初めてですね。
ESC:濵﨑先生初の模試本である『奪取の模試』は、様々なレベルの人に役に立つ1冊に仕上がったと思うのですが、先生ならではの狙いがあったのですか?
濵﨑:僕は普段、大学や企業でTOEIC対策を指導する講師を務めているのですが、様々なレベルの方を相手に講義を行っているので、すべてのレベルの方に使っていただけるようにこだわりました。誰でも使えて役に立つような、全レベル向けの問題と解説が『奪取の模試』には収録されています。
ただ、トータルとしては本番の試験よりは若干難しく作っています。
というのも、本番の試験より簡単な模試ではトレーニングになりませんから。
ESC:730〜860点を目指す人にも、やりごたえのある模試を作りつつ、470〜600点を目指す人にも、安心して使ってもらえるようにしたということですね。
濵﨑:そうです。470〜600点を目指す人には、どの問題が「捨て問題」なのかがパッと見てわかるようにゴミ箱アイコンをつけました(笑)。
ESC:直感的にわかりやすい(笑)。
濵﨑:とにかく、はっきりと「やらなくてもいい問題」を示したかったんです。
高得点者になってくると、自分で解ける問題も多くなってきて、難しい問題だけ復習すれば済みますが、470〜600点を目指す人は、易しい問題でも難しい問題でも、まんべんなく間違えてしまうんですよね。
ESC:確かに、TOEICの勉強を始めたばかりの方や英語初心者の方だと、自分がどの問題でポイントを稼げるかわからないですよね。
濵﨑:そうなんです。初心者の方にとって難しい問題は、解説を見たり、辞書を引いたりいろいろ調べても、結局「わからないまま」なんてことになったりします。
これだと時間ももったいないですし、やる気もなくなってしまいます。
だったら最初から、「この問題は解けなくてもOKですよ」って示してあげた方が効率良いですよね。
ESC:なるほど。この模試に書かれているように、600点を目指す人はPart 7のマルチプルパッセージは「やらなくていい!」と示してあげた方が、わかりやすいですね。
濵﨑:実際に僕は、500〜600点を目指す大学生たちに教えていますが、600点を目指す方でもマルチプルパッセージまでいける人の方が少ないのが現実です。
だったら、「マルチプルパッセージはやらなくていいよ。その代わり、175番までは時間をかけてもいいから、正答率を高められるようにしよう」と教えています。
(※TOEIC L&Rテストは176番からマルチプルパッセージが始まります)
ESC:全部解こうとして「時間がない!」と焦っていると、本来正解できる問題まで間違えてしまう可能性がありますよね。
濵﨑:そうそう。できる問題に時間をかけることが大切です。
ESC:濵﨑先生が、大学の授業で教えてらっしゃることを本書の中で示したということですか?
濵﨑:まさにその通りです。
実は、「奪取シリーズ」の本を作る際に、旺文社の担当編集者さんたち(4人)が、大学まで授業を受けに来てくれたんですよ(笑)。
ESC:そうなのですか! それは知らなかったです。
濵﨑:で、授業の中で「僕が言っていること(本の中に書いていること)と大学生に教えていることがちゃんと一致していて、それで成果が出てますよね」ということを確認してもらったんです。
例えばネット上とか一般論では、「500点を狙う人は、リスニングのPart 3、4で先読みを完璧にやることなんかできない」と言われていますが、「正しく訓練をすれば、ちゃんと設問も選択肢も先読みはできる」ってことを、僕の授業を受けに来ていただいて確認してもらったんですね。
その結果、「これも書籍化しましょうか」って話になったのです。
2. 単語テストはハードルを下げて回数を増やすことがポイント
ESC:ここまでお話を伺っていると、濵﨑先生の大学での授業のことがもっと気になってきました!
毎年たくさんの方にTOEICを教えてらっしゃると思うのですが、どういう形で指導されているのですか? 工夫している点などを教えていただきたいです。
濵﨑:例えば、500点を目指しているような方の単語の指導。
大学で採用している教材だと、1,000個の単語を覚えなければいけないんですよ。
ただ、僕が教えている大学は、AO入試で入学している方もたくさんいて、受験勉強で英単語をカリカリ覚えてきた経験もないわけです。
そういう人に、「来週までに100単語全部覚えてきてね」って言ってもこれは難しいですよね。
ESC:確かにそうですね……。
濵﨑:じゃあ、どうやって単語を覚えてもらうかというと、極力単語テストへのハードルを下げてあげるんですよ。
ESC:……ハードルを下げるとは?
濵﨑:実際に今やっているのが、解答用紙に日本語の意味が並んでいて、その横に解答欄を作っています。
で、その横に、答えとなる単語をアルファベット順で並べておくんですよね。
ESC:「選択肢がある」ということですね。
濵﨑:そうです。
選択肢として正解が書いてあるので、生徒の負担はかなり減るんですよ。
しかも、週3回授業があるので、3回同じ単語テストをやります。
ESC:同じテストを3回もやるのですか?
濵﨑:はい。3回もあるので、「3回目で満点が取れたらいいかな」くらいで大丈夫です。
実際、初心者の方でも多くの人が3回目のテストで満点を取ってくれます。
最近は、「単語を眺めて、音を聞いて、声に出して読む」というような覚え方の方が主流ですよね。
僕が勉強していた時代は、昔ながらのやり方で、単語を紙に何回も書いて覚えるみたいなやり方でしたけど(笑)。
ESC:私も書いて覚える派でした。(笑)
濵﨑:最近の学生さんは、眺めるだけの覚え方の人が多いですね。何回も紙に書き出したりするより、眺めているだけの方が楽ですし。
「そういう覚え方で、なおかつ初心者の方でも満点が取れるようなテストってどんなのだろうか」を考えたときに、この単語テストのやり方にたどり着きました。
ESC:スピーキングやライティングのように、単語の使い方すべてを知らなければいけないわけではないので、TOEIC L&Rを解く上ではこの単語テストのやり方で十分ということですね。
濵﨑:「読む・聞く」をする上で必要なことは、このテストでほとんどカバーできます。
ESC:子供向けの教材だと、「正しい組み合わせを見つけて線でつなぎ合わせる問題」がありますけど、それと同じイメージですか?
濵﨑:やっていることはほとんど同じですね。ただ、この単語テストでは、選択肢から記号を選ぶのではなく、英語でスペルを書かなければいけないんですよ。
このスペルを書くという行為そのものが、英単語を覚えることにつながります。
しかも、3回もテストをやるので、さらに単語を覚える効果が高まります。
ESC:3回も単語テストがあるので、「テストを受けて答え合わせをする」という行為だけでも、ある程度単語を覚える効果が上がるということですね。
濵﨑:はい。これが、みんなができて、初心者の方でも挫折感を味わわない単語テストだと今のところ思っています。
この方法で、1週間で100個くらいは単語を覚えられますね。
こんな感じで、学生さんに合わせて試行錯誤しながら授業をしています。
3. 「満点か、満点以外か」の世界でしたから
ESC:ここからは、濵﨑先生ご自身の英語学習についてお伺いしたいのですが、そもそもの英語を学習し始めたルーツの部分をお教えただきたいです。
濵﨑:NHKで大西泰斗先生の「ハートで感じる英文法」をたまたま見たのがきっかけですね。
今でこそ、NHKはいろんな番組をやっていますけど、僕が英語を勉強し始める前の時代はもっと硬い番組ばかりやっていたイメージでした(笑)。
そんな中、大西先生はかなり自由に番組を作られていて、それがものすごく「おもしろいな~」と思って、それからハマっていきましたね。
ESC:NHKの『ラジオ英会話』や『一億人の英文法』(ナガセ)でお馴染みの大西先生ですね。
濵﨑:当時、僕は学習塾を経営していたんですよ。そのときは、授業の仕方とか教え方とか、かなり大西先生の授業を参考にさせていただきました。
今、僕が行っている大学での授業も、大西先生にかなりの影響を受けていますね。
ESC:大西先生のすべての本を購入された、という話を伺ったことがあります。
濵﨑:そうです、そうです。本だけでなく、DVDも購入してすべて見ましたし、CD授業というものもあったのでそれもすべて聞きましたね。
ESC:まさに、師匠という感じですね。
濵﨑:それで英語の勉強をし始めて、その翌年にTOEICの受験を始めたという感じです。
ESC:初受験されたときは、どのくらいの点数でしたか?
濵﨑:その当時は790点でした。
それからは、問題集で「問題を解いて、解説を読んで」を繰り返していましたね。
その半年後くらいには860点を取ることができました。
ESC:順調に点数が伸びていったのですね。
濵﨑:そこまでは、順調だったんですけど……
「このまま900点も取ろう!」と思って勉強をしても、なかなか900点までいかなくて、勉強の仕方を変えました。
ESC:900点の壁を突破するために、どのような勉強法にされたのですか?
濵﨑:その当時、ヒロ前田先生が「3回チャレンジ法」というのを初めて世に出したんですよね。
(※3回チャレンジ法とは、同じ模試に違うアプローチで3度取り組む学習法のこと)
それに従って僕も1つの問題集を何回もやり込むようになって、そのタイミングで初めて900点を超えて、一気に970点まで上がりました。
ESC:やっぱり一度模試を解いて解説を読んだだけでは、英文を理解できていなかったり、できない箇所を見落としたりしてしまいますよね。英語学習において、1つの素材を何度もやり込むことの重要性は本当に感じます。
そこから満点を獲得するまでは、どのように勉強されていたのですか。
濵﨑:そこからも、基本的に模試をとにかくやり込むという感じでした。
ただ、なかなか990点に届かなくて、985点3連発とかは結構ありましたね。
ESC:そのころに、私は初めて濵﨑先生とお会いしてお仕事をご一緒させていただいたんですよね。
今でも初めてお会いしたときのことを覚えているのですけど、ちょっとした待ち時間に公式問題集をカバンから取り出して勉強をされていて、「すごいな、この人!」と思った記憶があります。
濵﨑:ほんとですか(笑)!
ESC:しかも、その後「1日にどのくらい勉強されてるんですか?」と伺ったら、
「模試を1日1.5セットやってます。お昼休みに、5~10分でお昼ご飯を食べ、残り時間でリスニング1セットは解きます」
とお話されていて衝撃を受けました。
濵﨑:はははは(笑)。
まあ、そこまで来ると病的ですけどね(笑)。
ただ本当に、「TOEIC満点取らないとだめだな」と思っていました。
「満点か、満点以外か」というふうに常に思っていたので、とにかく必死に勉強しましたね。
ESC:何がそこまで濵﨑先生を突き動かしたのですか。
濵﨑:985点を繰り返し取っていたときは、TOEIC公開テストの後に、TOEIC本の著者の先生や講師の方と集まって答え合わせをしたり、解説をしたりしていたんですよ。
そのときいらしていた、ヒロ前田先生、森田鉄也先生、神崎正哉先生、TEX加藤先生、花田徹也先生とか、みんなすでに満点なわけですよ。
僕と大里秀介先生だけ985点で。
で実際、答え合わせしたり、解説したりすると、覚えている問題の量とか全然違って、ものすごい差を感じたんですよね。
それが、悔しくて、悔しくて。
大里先生と「絶対満点取ろう!」って言って。
それで勉強を続けてなんとか満点を取れた、という感じですね。
4. 公式問題集5のリスニングは50周以上聞いています
ESC:そうやって勉強を継続し続けてきて、70回以上満点を獲得されてきていると思うのですが、今現在、濵﨑先生はどのようにTOEICの勉強をされているのですか。
濵﨑:今は、家ではほとんど勉強しないですね。勉強するのは基本的に、移動中とか電車の中とかですね。
ESC:現在も公式問題集は常に持ち運びされているのですか?
濵﨑:そうですね。今は公式問題集5を縮小コピーしたものを常に持ち歩いています。
今日、ここに来るまでの間も時間があったので、公式問題集を解いていました(笑)。だいたい移動時間とか隙間時間に、公式問題集のリーディングを解いていますね。
ESC:今でも変わらず、続けていらっしゃるのですね。さすがです。
リスニングはどのように勉強されているのですか?
濵﨑:リスニングは、正直今は、問題は解いておらず、公式問題集の音声を1.75~2倍速で聞いています。
というのも、もちろん問題を解く練習も本来は必要ですけど、練習をしなくても実際解けるので、まあ必要ないかなと思っています。
ESC:確かに、全部完璧に聞き取れたら、問題も確実に解けますしね。
濵﨑:はい。Part 1は選択肢を全部理解できればOKですし、Part 2は選択肢が読まれるので、答えがわかります。Part 3、4は設問文を聞いて答えが思い浮かべばOKですね。
ESC:確かにそうですね。
濵﨑:僕はジムに週3、4回は通って2時間トレーニングをしているのですが、そのトレーニング中はリスニングを2セット分聞くようにしています。
ESC:ジムでのトレーニング中もTOEICを勉強しているのですか! 1週間で8セット分くらいはTOEICのリスニングを聞かれているということですね。
濵﨑:実際TOEIC公式問題集5は、合計50周以上は聞いていると思いますよ!
ESC:ご、ご、50周ですか! それは、ものすごい数ですね……
濵﨑:というのも、早稲田大学で公式問題集5を使った授業をしているのですが、公式問題集5を使った授業は僕自身初めてで、その準備として8・9・10月は公式問題集5の音声しか聞いていません。
週に3、4回はジムに行くので、月に12回は公式問題集5の音声を聞いている計算です。実際はそれ以上聞いていると思うので、3カ月で50周以上は聞いていると思います。
ESC:50周も聞くのは相当ですね! 精神的にしんどくなったりしないのですか?
濵﨑:そこは仕事なので、どれだけでも音声を聞いて準備しようと思いますよ。
早稲田大学に授業を受けに来ていただいている方は、900点レベルの方もいて、そういう方からどんな質問がきても、200%完璧に答えられるようにしようと思ったら、そのくらいの学習量は当然かなと思っていますね。
といいますか、50周聞いたくらいでは、まあ普通といいますか当たり前ですよ。
教える立場からすれば。
ESC:相当な責任感を持って仕事に取り組まれているのですね。
濵﨑:あとは、ちょっと勉強しないと「あー、次のTOEIC満点取れなかったらやばいな~」って感じで気が気じゃなくなっちゃって(笑)。
そういうプレッシャーも当然感じながら勉強していますね。
5. シャドーイングを録音して口でディクテーションをやっている感じです
『CNN ENGLISH EXPRESS 2019年 12月号』(朝日出版社)
ESC:次に、濵﨑先生ご自身のTOEIC学習法についてお伺いしたいのですが、今までどのようなトレーニングをされてきたのですか。
濵﨑:そうですね。勉強法とかはどうしても好みがあるので、一概にみんなにこれがおすすめとは言えないですけど、僕がよくやっていたのは、「シャドーイングを録音する」という勉強法です。
僕は、『CNN ENGLISH EXPRESS』(朝日出版社)を利用していたのですけど、その中のニュースを1本分、30~40秒くらいの音声を、イヤホンをしながらシャドーイングして、自分の声を録音していました。
ESC:シャドーイングをした自分の音声を録音されていたのですか?
濵﨑:はい。録音をした音声をスクリプトと照らし合わせながら聞くと、自分がシャドーイングできていない箇所がわかるので、そこにマーカーを引くんですよ。
で、マーカーを引いた箇所を繰り返し練習して、また録音をする。
それをまたチェックして、言えていない箇所にマーカーを引く。
ということを繰り返して、言えない箇所を減らしていく作業をしていましたね。
言えない箇所がなくなったら、次の教材に移ることができるというルールにしていました。
ESC:やっていることはディクテーションに似ていますね。
濵﨑:そうです。
やっていることはディクテーションと同じですけど、それを声に出しながらやっているイメージです。
ディクテーションは、聞こえた英語を紙に書き出して、聞き取れているかチェックをする方法ですけど、声に出して録音するという方法でも、きっちり英語を聞き取れているかチェックできます。
聞き取れていない音は、声に出して発音できないですからね。
ESC:1つの素材をどのくらい練習されるのですか?
濵﨑:1つのニュースに対して、2週間くらいはずっとやっていましたね。
これをやることで、音に対する集中力が飛躍的に伸びました。
TOEICのリスニングで満点が取れるようになったのは、このトレーニングのおかげですね。
ESC:2時間もあるTOEICという試験で、ずっと満点を取り続けることができるのは、そういった徹底したトレーニングの積み重ねがあるからなのですね。
集中力が大切なTOEICに、非常に役立つトレーニングな気がします。
濵﨑:あと、集中力に関して言うのであれば、やはり「普段から2時間連続で勉強しているか」というのも非常に重要な気がしますね。
ESC:そうですね。普段できないことが本番の試験でできるようにはならないですよね。
濵﨑:忙しい社会人の方でも、リスニングとリーディングを分けて解いてもいいので、どちらか1セット分は普段から毎日解く訓練は必要です。
少なくとも990点満点を目指すのであれば、2日で1模試くらいのペースで勉強する必要はあるかなと思っています。
6. TOEICをナメてないからでしょうね
ESC:濵﨑先生がTOEIC990点満点を取り続けられる理由や秘訣をお教えいただきたいです。
濵﨑:すごくざっくり言ってしまえば、結局は「慣れ」なんでしょうね。
ESC:場数を踏んできたおかげで、ちょっとやそっとのことではミスしないということですか。
濵﨑:はい。たとえ990点満点を取れる実力の人がいても、場数が足りていないと「この問題、見慣れないな」みたいなことがあったときに、慌てたりしてミスしてしまいます。
僕は、ずっとTOEICを受験し続けて、研究もしてきて、公式問題集とかも何回も解いてきたので、厳密には存在していないはずの「TOEICで問われることの範囲」みたいなのがなんとなくわかるんですよ。
それがあるおかげで「ちょっとマズイなこれは」みたいな状況になっても、なんとか990点を取り続けられるんですよね。
ESC:満点をコンスタントに取り続けるためには、そのくらいの経験値が必要なのですね。
ただ、私の感覚としては、それだけ経験値があったり英語力が高かったりしても、ちょっとくらいはミスしてしまう気がするんですよ。仮に私がネイティブスピーカーだったとしても、2時間200問の試験を受けたらたぶん2、3問はミスをするかなと(笑)。
そんな中でも990点を外さない濵﨑先生は本当にすごいなって。
濵﨑:それはたぶん、TOEICのことをナメてないからでしょうね。
仮に、ものすごく高い英語力があったとしても、ナメてかかって「こんな問題カンタンカンタン!」って感じで解いたら、どこかでマークミスしたりするんですよね。
ESC:ナメてないから……確かにそうですね。
濵﨑:その辺の油断は一切しませんね。試験中にリーディングで時間が余ったら、きっちりマークミスがないか見直しますし、迷った問題があれば、その問題の選択肢の吟味もしっかりやります。
ESC:公式問題集を持ち歩いたり、TOEICの音声を何回も聞き続けたりしているのも、「TOEICをナメていないから」というところにつながってきそうですね。
濵﨑:そうですね。
やっぱり結果が大事な仕事をしているので。
これだけ本を書いたり授業をしたりして、満点が取れていないと嘘つきになってしまうので(笑)。
そこだけは油断しないようにしていますね。
ESC:最後に、濵﨑先生からTOEIC L&Rテストで目標スコア奪取を目指す学習者の方に向けて一言お願いできますでしょうか?
濵﨑:『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』に書いてある本の使い方、学習の進め方をきちんと守り、ぜひあなたの夢につながる目標スコア奪取を達成されてください。
がんばっていきましょう。応援しています。
7. おわりに
「TOEICをナメてないから」
そう語ってくださった濵﨑先生の今回のインタビュー、いかがだったでしょうか。
濵﨑先生のTOEICに真剣に向き合う姿勢には、お話を伺う度に、毎回驚きとともに強い感銘を受けます。自分をストイックに律し、自分に課したノルマを妥協せずにこなしているアスリートや求道者のよう。
そんな濵﨑先生の熱い想いがこもった新刊『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』。皆さんもぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか?
プロフィール
濵﨑潤之輔(はまさき じゅんのすけ)
大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。これまでにTOEIC L&Rテスト990点(満点)を70回以上取得。現在は、明海大学、獨協大学、早稲田大学EXTなど、全国の大学で講師を務めるかたわら、ファーストリテイリングや楽天銀行、SCSK(住友商事グループ)、エーザイ、オタフクソースといった大手企業でもTOEIC L&Rテスト対策の研修を行う。著書、『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』 (かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト990点攻略[改訂版]』(旺文社)などがあり、監修した書籍も含めると累計50万部以上の実績がある。