日本で受検者数1、2を争うメジャーな英語の試験、TOEIC。
TOEICはビジネスシーンでの英語運用能力を測る試験で、就職活動をする大学生から昇進に利用したい社会人まで多くの方が受験しています。
今回はそんなTOEICの、申し込みから成績確認までの流れを徹底解説。スコア別の英語力についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
Contents
1. TOEICの基本情報
そもそもTOEICとはどんな試験なのでしょうか? 申し込みをする前に、まずはTOEICについてに概要を知りましょう。
1-1. TOEICとは
TOEICとは、「Test of English for International Communication」の頭文字をとったもので、英語を母語としない人向けの英語試験のことです。
地域により開催の有無は異なりますが、基本的に2月と8月を除き、年に10回実施されています。
2019年現在では、日本だけではなく韓国や香港、台湾など海外でも利用されています。
試験はリスニングとリーディングの能力を測る「Listening & Reading(L&R)」やスピーキングとライティングの能力を測る「Speaking & Writing(S&W)」、英語初級者向けの「Bridge」など全部で5つの試験があります。
日本ではマーク式の「Listening & Reading」が最も人気で、主にこのテストのスコアが、企業が採用に用いる基準となっています。
また、TOEIC L&Rには「公開テスト」と、企業などの団体が実施する「IPテスト」の2種類が存在します。
難易度はほぼ一緒ですが、公開テストが個人で申し込む個人受験、IPテストは主催団体が受験者を団体内で募って行う団体受験となっています。
なお、IPテストは実施組織ごとに申し込み方法が異なるため、この記事では公開テストの申し込みについてのみ解説します。
他にも、名前がよく似た試験にTOEFLがありますが、こちらは4技能すべてをパソコンを使って図るiBTテストと、団体向けテストでリーディングとリスニングの能力のみを測るマーク式のITPテストがあります。
換算表でTOEICに点数を読み替えることもできますが、あくまで目安です。テストの傾向と対策も異なりますので、「TOEICのつもりで間違って申し込んでしまった!」ということがないようにしましょう。
1-2. TOEICの問題形式
TOEIC L&Rテストは7つのパートで構成されており、リスニングがPart 1〜4、リーディングがPart 5〜7という構成です。
Part 1(6問)
問題用紙に掲載されている写真に対し、正しく説明をしている英文を選ぶ問題です。
Part 2(25問)
読まれる英文に対し適切な返答を選択する問題です。
Part 3(39問)、Part 4(30問)
会話やミニトークを聞いて、問題用紙にある設問を解きます。
Part 5(30問)
短文の問題。Part 5からリーディングセクションに入り、このパートでは文法知識が問われます。
Part 6(16問)
長文にある空欄を埋めていく問題です。
Part 7(54問)
リーディングセクションで一番量が多く、すべて長文問題なので時間内に解くのが非常に難しいパートになっています。
試験時間はリスニングが約45分、リーディングが75分で計約120分。それぞれ配点が495点ずつで合計990点が満点となります。
点数は統計的に計算され、同じ実力の人であれば、何度試験を受けてもほとんど同じ点数が出るようになっています。つまり、問題の正解数によってスコアが算出されているわけではないので、テストの難易度が変わっても、スコアは変動しないということです。
直近3年間の平均点は以下の通りで、ほとんど変動していないことが分かります。
2017年 582点
2018年 580点
ここまで、TOEICの概要についてご説明しました。次は、いよいよ申し込み方法と手続きについてご紹介します。
2. 申し込み
申し込みはインターネットかコンビニ端末から可能です。テスト日程を確認したらどちらかを利用して申し込みをします。
特に、インターネット申し込みは手続きが簡単。会員登録をしてログインすれば、オンラインサイト上で申し込みが完結するのでおすすめです。
申し込み期間ですが、毎回およそ1ヶ月半前に申し込みを締め切るので、早めに申し込むようにしてください。続けて何度もTOEICを受験する場合は、「申し込み期間通知メール」を設定することで申し込み忘れを防ぐことができます。
受験料は税込5,830円で、クレジットカードか振り込みかを選べます。また、オンライン申し込みでは、1年後の受験が割引になるサービスが用意されています。
3. TOEICに向けて勉強
申し込みをしたら、試験日に向けてTOEICの対策をしましょう。試験当日から逆算して計画を立て、参考書や問題集を使って学習することで、試験本番で最大限のパフォーマンスを発揮することができます。
3-1. 学習計画を立てる
具体的な対策方法を考える前に、まずは目標スコアを決めましょう。そして、それに合わせてスケジュールを立てます。
むやみやたらに勉強をしても、時間を浪費してしまうだけです。計画的に勉強しましょう。
3-2. 目標スコアを決める際の目安
目標を決めるといっても、どのくらいのスコアがあればどれくらい英語力があるのか、初めてTOEICの勉強をする方にとってはよく分からないですよね。
TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、スコアを以下の5段階に分類しています。
A: 860点以上
B: 730点以上860点未満
C: 470点以上730点未満
D: 220点以上470点未満
E: 220点未満
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
A: 860点以上
860点以上のスコアは、非ネイティブとして十分なコミュニケーションがとれるレベルです。ネイティブスピーカーのレベルとはいかないまでも、語彙力や文法知識が豊富にあり、自分の専門分野以外でも正しくコミュニケーションをとることができます。このスコアを持っていれば、英語力がある人材として十分認められます。
一般的には、このあたりの点数から英語上級者と呼ばれるようになります。
B:730点以上860点未満
730点以上860点未満のスコア保持者は、正確さと流暢さには個人差がありますが、通常の英会話であれば問題なくコミュニケーションがとれるレベルです。会話の途中に文法や構文の誤りが見られるものの、業務に支障をきたすほどではない英語力です。
C:470点以上730点未満
470点以上730点未満のスコア保持者は、日常の英会話であれば適切な返答ができるレベルです。しかし、複雑な場面になると返答に困ったり、コミュニケーションがスムーズに行うことができなかったりします。
表現の幅は狭くとも、基本的な英語力はあるので、自分の意思を伝えることは可能です。
一般的には、このあたりの点数の人は、英語中級者と呼ばれるレベルです。
D:220点以上470点未満
最低限のコミュニケーションをとることができるのが220点以上470点未満のスコアです。相手にゆっくり話してもらうか、何度か言い換えて話してもらえば、意思疎通ができるといった英語力になります。語彙力や構文の知識が欠けているので、相手に配慮して話してもう必要があります。
TOEIC400点に満たない程度の点数の方は、一般的に英語初初心者レベルとみなされることが多いでしょう。
E:220点未満
220点未満の方はコミュニケーションができるレベルに達していません。相手の話を部分的にしか理解できず、意思疎通も難しく感じます。自分から話すときも単語を並べる程度でコミュニケーションがとれるまで時間がかかります。
以上のことを踏まえて、TOEICの受験前に自分がどのレベルかを確認し、レベルに合わせて目標を設定しましょう。
3-3. 自身の英語レベルの測定方法
おすすめの英語レベルの確認方法は、TOEIC公式問題集を解いてみることです。
引用:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_05.html
TOEIC公式問題集は、本番のテストと同じ形式の模試問題集です。模試を解くことで、目安となる自身のスコアが分かります。
目標スコアと自分の英語力の間にどれくらいの差があるのかを確認した後に、1日どれくらい勉強したらよいのか、その中で単語をどれだけ覚えるか、どのくらい問題を解くかなど、具体的な勉強計画を立てていきましょう。
スコアに合わせたレベル別のTOEICの教材も多数出版されていますので、利用してみてください。
3-4. 学習のポイントは?
学習のポイントは、スキマ時間をうまく利用することです。通勤・通学中の電車の中で勉強しないのは非常にもったいないです。リスニングや文法問題はアプリを使えばスマホだけで学習できます。
電車の中でも学習しやすいコンパクトな新書サイズの参考書もあるので、それらを利用して効率よく学習していきましょう。
3-5. 具体的なTOEIC対策の方法
TOEIC対策で一番重要なのが語彙です。TOEICでは頻出の単語がたくさんあり、それらに絞って学習すれば高得点が狙いやすくなります。単語帳の中にはTOEIC専用のものがあるので、そちらを使って学習していきましょう。
また公式問題集も非常に効果的です。公式問題集は本番に限りなく近い形で問題が解けるので、難易度や分量、音声のスピードに慣れることができます。
ただし注意してほしいのが、2016年5月からTOEICテストはTOEIC L&Rの新形式へと変更されています。旧バージョン用の参考書では、新形式に対応することが難しい場合もありますので、教材選びは慎重に行ってください。
目標スコアを獲得するためには、TOEIC試験までの期間で集中的に勉強していくことが大切です。
次に、TOEIC試験当日の準備や流れについてご説明します。
4. TOEIC試験当日~よい成績を収めるために~
TOEIC公開テストは、通常日曜日に開催されます。今までの努力が無駄にならないよう万全の状態で臨めるようにしてください。
「いつだっけ?」とならないように、スマホのリマインダー機能などを駆使して受験日を意識するようにしましょう。
4-1. 持ち物
TOEICの試験会場には、試験2週間前に届く受験票を忘れずに持参してください。万が一受験票が指定期間に届かなかった場合は、直前になるまで待たずに、必ず電話で問い合わせましょう。
受験票には規定サイズの証明写真を貼り付ける必要があります。写真の裏面に「氏名」と「受験番号」を記入することも忘れず行ってくださいね。
また、本人確認書類も必須です。免許証や学生証、パスポート、個人番号カードなどが有効です。消しゴムと、鉛筆またはシャープペンシルも持参してください。マークに時間がかからないように、鉛筆やマークシート用の芯が太いシャープペンシルがおすすめです。
英検と異なり、TOEICの試験時には時刻のアナウンスがありません。時間配分を行うため、腕時計を必ず持っていきましょう。携帯電話や置時計、ウェアラブル端末は使用できないので注意してください。
4-2. 当日のスケジュール
11:45~12:30 受付
11時45分から受付が開始されます。遅れた場合、受付をすることはできません。時間に十分余裕を持って、試験会場に向かいましょう。12:30にはお手洗いは済ませ、着席しましょう。解答用紙に氏名などを記入するのもこの時間に行います。
12:35~13:00 試験の説明・音テスト
試験の説明、問題用紙の配布、音声のテストが行われます。指示を聞きもらさないようにしましょう。
13:00~15:00
問題がなければ13時00分から試験がスタートします。リスニングセクションとリーディングセクションの間には休憩時間がありません。
リスニングセクションは、毎回きっちり45分間で終了するわけではなく、回によっては1~3分程度終了時刻が長引くことがあります。それに伴って試験全体の終了時刻も、必ず15時00分ぴったりに終わるわけではないので注意が必要です。
合計約120分間の試験となるので、集中力を切らさず取り組めるかが勝負のカギです。
15:00~15:15
試験終了とともに問題用紙と解答用紙が回収され、解散となります。
試験の種類によって少しずつルールやスケジュールが異なっています。当日になって予想外の事態に慌てないよう、事前にしっかりと準備をして余裕を持って試験に臨みましょう。
5. 成績確認
試験の結果は郵送される公式認定証で確認するか、前もってインターネットで確認することになります。
スコアの確認方法
公式認定証による結果の通知は試験日から30日以内に郵送されます。公式認定証には各セクションのスコアと合計スコアが記載されています。
また、自分のスコアが上位何パーセントに位置しているのかのが示され、自分の弱点や英語レベルの評価が書かれています。公式認定証は2年以内の再発行が可能なので、無くしてしまった場合は申請しましょう。
インターネットでは、試験日から約17日後に結果が発表されます。紙の認定証と比べてスコアのみの閲覧しかできず、詳細な情報は照会できませんが、いち早くスコアを知りたい方はぜひ利用してください。
まとめ:基本情報~成績確認まで
TOEICは自分の英語力を測るのに大変便利な試験です。ビジネス英語に特化しており、就職活動から転職活動、昇進まで様々なことに利用できる英語力の証明になります。
都市によっては、開催される月は異なりますが、大きな都市では年10回開催されます。申し込みからスコアチェックまでオンライン上で行うことができるのもポイントです。興味のある方はぜひ受験してみましょう!