こんにちは。メディアビーコンの教育コンテンツプロデューサーの藤です。
今回は、2021年2月末に出版された
『ぐーんっとやさしく 中3英語』(文英堂)
の原稿作成から編集を担当した3人に集まってもらい、
私を含め4人で座談会を行いました。
この記事を読めば、英語教材がどのようにして作られているのか、
英語教材編集制作の現場で何をしているのかがわかりますので、ぜひご覧ください!
■メディアビーコンについて
今回はじめてメディアビーコンという名前を知った方もいらっしゃるかと思いますので、
簡単にメディアビーコンについて紹介をさせていただきます。
株式会社メディアビーコンは1999年に創業した、東京 渋谷にある英語教材の企画、執筆、編集、制作を行う会社です。
TOEICや英検、共通テスト、英会話、中学英語の書籍やアプリを制作しております。
今回は、中学英語の『ぐーんっとやさしく 英語』の制作について、どのようなところにこだわって作ったか、編集者の立場から話をしています。
<座談会出席者>
・山田 優月(以下、山田)
メディアビーコン編集者
『ぐーんっとやさしく 中3英語』を担当。
ダンスと語学とモノマネが大好きな英語教材編集者。
コツコツ積み上げるのが得意。英検1級。
・田中 夏萌(以下、田中)
メディアビーコン編集者
『ぐーんっとやさしく 中2英語』を担当。
安室ちゃんとダンスとドライブ好きの英語教材編集者。
言葉・文化を学ぶことが喜び。英検1級。
・原島 薫子(以下、原島)
メディアビーコン編集者
『ぐーんっとやさしく 中1英語』を担当。
猫と本とイギリスをこよなく愛する英語教材編集者。
音楽はEd Sheeranが好き。英検1級。
Contents
『ぐーんっとやさしく 中学 英語』出版!
『ぐーんっとやさしく 中1英語』『ぐーんっとやさしく 中2英語』『ぐーんっとやさしく 中3英語』、3冊が出版になりました! みんなで書店さんに見に行ってきたのですよね?
はい、出版されてすぐに会社の近くのMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店さんに行ってきました!
自分が編集した本が書店に並んでいるのを見るとうれしいですね!
原稿を書いて、イラストやレイアウトのラフも含めて制作していたので、自分がラフで描いていたものがこうして形になると、やっぱり感動します。
今回は「ぐーんっとやさしく」がコンセプトなので、英語が苦手な中学生に、いかに楽しく勉強を続けてもらえるかを一番に考えました。作り手側からすると、伝えたい情報はたくさんありますが、詰め込み過ぎたら見づらくなるし、読者が消化不良をおこしてしまうので、引き算で考えるようにしましたね。
文法書だったらここも言わなきゃってところもあるんですけど、初学者向けなので、できる限りシンプルに説明しています。文法用語を避け、説明し過ぎないようにすることを意識していました。
使える語彙も限られていたので、練習問題を作ったときも、同じ単語ばかりを使わないように調整しました。
単語のレベルも意識しましたよね。
そうですね。単語のレベルを抑えつつ、同じ単語が何度も登場しすぎないように注意して作成しました。
なるほど。今回は、「ぐーんっとやさしく 英語」の中1・中2・中3の3冊で、中1は原島さん、中2は田中さん、中3は山田さんが担当でしたよね?
はい。基本的にはそうですが、全体的な統一感も必要だったので頻繁に3人で話し合いながら制作を進めました。
『ぐーんっとやさしく 英語』企画スタート
まず、この企画がスタートしたころの話からしたいのですが、2020年の2月に文英堂さんからご相談をいただきましたので、そこからのスタートでした。
ちょうど1年前くらいですね。
そのとき最初に話を伺ったのは、「ぐーんっとやさしく」というシリーズを文英堂さんで既に出版されていて、英語の場合は中1と中2は出版されていると。そして今回、中1・中2に関しては全面的に改訂をして、中3は新しく作りたいというお話しだったんですよね。
そこで協力していただけないかというご相談をいただきました。
中1と中2に関しては解説ページをイラストを含めて全部変えていきたいという話でした。中3はもちろんゼロから作る。本書で登場するキャラクターもすべて作り直そうということになりました。
今回、文英堂さんからお話しをいただいたときに、旧版は1ページ目だけに6コマのマンガが入っていたんですよね。そのあとの章扉はイラストと文章という構成でした。そこで、今回は「すべての章扉にマンガで展開させてはどうか」ということを提案させていただきました。
そうしてよかったですね。
そうですね。文英堂さんもそれでいこうと即決してくださったので、ストーリーの展開がしやすくなりました。どうしても文章だけだと説明っぽくなって、わかりにくい気がしたので。
最初は本の内容よりも、大きな枠組みとしてどのように見せるかを考えるところからスタートしました。
『ぐーんっとやさしく 英語』マンガのプロット作成
学習者が飽きずに楽しめるように、マンガのストーリーは毎回単純な流れにならないようにしました。マンガに登場するアイテムも学習内容に合うように考えましたね。
マンガのストーリーに登場する場所の名前も文法項目に沿ったイメージに合わせるなど、細かな部分にすごくこだわりましたよね。例えば、「受け身の文」を学習する章では「ラレル砂漠」が舞台となっています。
「受け身」だから「られる」ってことですね(笑)
そうです。ストーリーのシチュエーションや場所の名前が学習する内容と関連するように作りました。読者の方が楽しく学習できればと思って考えました。
マンガのストーリーのプロットから山田さんが中心になって考えてくれましたが、プロットを最初に考えたときの話を聞かせてもらえますか。
はい。他にもいろいろな案を考えていたのですが、最終的には「見習い魔法使いの2人が、一人前の魔法使いになるために師匠と修行の旅に出る」ということにしました。
魔法使いが使う呪文はすべて英語なので、英語を学ばないと一人前の魔法使いになれないという設定。
おしゃれですね(笑)
最初にその設定を考えるときに、物語の中で「主人公がなぜ英語を勉強しないといけないのか」というところを重視したんですよね。単純にストーリーがあって、意味もなく英語を勉強するという話にはしたくなかった。
「英語を勉強する意味」を持っていた方が、読者も主人公に感情移入しやすいですよね。
そうですね。もちろんメインは英語の学習部分ですが、次の章、また次の章へと学習を続けたくなるような役割が、マンガにはあるのかなと考えました。
プロットを考える前にいろいろな展開案を出した結果、「冒険もので英語を学んでいき、最終的に何かをゲットする」というストーリーがいいのかなと考えました。
最初は「不思議の国のアリス」をモチーフにした案も出ましたよね。主人公が別の世界に入ってしまい、元の世界に戻るために英語が必要とか、そういった設定でできないかなと。
そんな話もしてましたね。
主人公が江戸時代にタイムスリップして「不思議な国でアリンス」にしようかって考えていたときもありました(笑)
キャラクターのセリフの語尾が全部「ありんす」になっているという設定で(笑)
そうそう。でも「不思議な国でアリンス」だと、主人公が「英語をなぜ学ぶか」の説得力がなかった(笑)
また、ストーリーが各学年で完結できるようにする必要もありましたよね。中1で完結して、そのあと少しレベルが上がって中2へ、さらにレベルを上げて中3という形で、同じような物語が繰り返される設定も必要だよねっていう話もしていて。
制約がある中でどうするかも考えました。
中1、中2、中3と3冊全部を買う人だけではないので、あまり各学年で話がつながり過ぎても良くないですよね。途中から読んでも、たとえば中3だけを読んでも楽しめる。そのような人にとってもつじつまが合うようにする必要がありましたよね。
だから中3から読み始めた人にも、「なぜ主人公は英語を勉強してるのか」ということが伝わるような内容にしました。
読者視点の大切さを改めて感じましたね。やはり読者の視点に立たないと気がつかないことがたくさんあるなと思います。
そうですね。その辺は全体を俯瞰して見つつも、細かく設定しましたよね。最初は冗談みたいなアイデアもたくさん出しながら、最終的には「見習い魔法使いが修行の旅に出る話」に着地できました。
『ぐーんっとやさしく 英語』のキャラクターはみんなやさしい?
マンガのストーリーでは、章のつながりも大事にしました。前の章で主人公たちがゲットした魔法のアイテムが次の章で出てくるような流れにしています。
魔法のアイテムってどういったものがあるんでしたっけ?
鏡とか水晶とか魔法の笛とか。
毎回、英語の修行をクリアするとアイテムがもらえる設定です。
ゲットしたアイテムでタイムスリップする話がありましたよね?
中1の「魔法の砂時計」ですね。7章で砂時計をゲットして、そのアイテムを使って次の8章で過去に行くというお話です。
学習する文法項目も「過去」だから、過去に行けるアイテムを使うということですね。
できるだけ単元に絡められるように、特徴や効果を含んだアイテムを考えました。
お気に入りのキャラクターはいますか?
私は中2の「比較」の単元で出てくる双子がお気に入りです。アイテムの天秤も学習内容と一致していていいなと思いました。すごくかわいいイラストに仕上がっていますね。
魔女とか大王とか、見た目は少しこわいキャラクターもいるんですけど、実はみんな性格がいいよね(笑)
主人公が強敵を倒していくようなストーリーも考えたんですけど、本のタイトルが「ぐーんっとやさしく」なので、キャラクターたちの性格もぐーんっとやさしくしました(笑)
みんな優しくて協力的ですね。
アイテムもくれますし(笑)
『ぐーんっとやさしく 英語』キャラ変遷
そういえば、メインのキャラクターの名前がなかなか決まりませんでしたね。魔法使い見習いの女の子と男の子なんですけど、最終的に「英語(エイゴ)」にちなんで「エイミー」と「ゴータ」になりました。
些細なことのようにも思えますが、そこって意外とこだわった部分でもあります。
そうですね。英語で書いたときにわかりにくい名前にしてしまったら、それが固有名詞かどうかわからなくなってしまう問題もありましたよね。
ありましたね。例えばキャラクターの名前を「ゆうちゃん」にしてしまうと、「あなた」という意味のyouなのか、人の名前なのかわからなくなる恐れがあるので気をつけました。
師匠のイラストも何度も修正してもらいましたよね。
最初、師匠はもっとスリムな体形だったんです。
エイミーとゴータももうちょっと背が高い感じでした。
(最初のメインキャラ案を見て)ほんとだ! 師匠がスリムですね(笑)
だいぶスリムです(笑)
やっぱり2頭身くらいのほうが、かわいらしい感じが出るのかなと思い、何度か修正して現在のキャラクターになりました。
『ぐーんっとやさしく 英語』イラストで世界観を表現
メインのキャラクターのイラストは学年で違うんでしたっけ?
中1の最初の部分のイラストが少し違います。
中1は修行の旅に出たばかりで、アイテムをまだゲットしていないんですよね。だからアイテムをゲットしていないバージョンのイラストも描いてもらいました。
中1の最初は、エイミーもゴータもブーツとマントをもっていないんです。
そうですね、中1の3章までブーツとマントをゲットしていません。逆にフル装備ではないイラストは結構レアかもしれません(笑)
イラストも色々なポーズがあって、前後のページでかぶらないようにしましたよね。
キャラだけではなく英文のイラストも、前後のページで色ができるだけかぶらないようにしました。ずっと単調な感じでも飽きてしまうと思うので。
イラストすごくかわいいですよね。イラストが届いて校正も行ったのですが、イラストを見るのがとても楽しかったです。
イラストはイラストレーターさんとイメージを共有するために、ストーリーをお伝えして、例えば「魔女」と言っても、どんな魔女なのか、「過去の世界に出てくる人で、こういうアイテムをくれる魔女なんですよ」というところを説明しながら作ってもらいました。
ほかにも雪の精とかいましたね。
ストーリー全体の設定として「魔法の世界」ってことにしたのですが、その中でもさらに世界観が分かれています。雪国だったり、火山だったり。砂漠だったり。
色々なところに移動して行くという話ですからね。
まさに修行の旅です。
コロナ禍のため、完全テレワークで原稿ラフ作成
今回は3人が原稿を作成をしてくれましたが、単純にWordで原稿を書くだけでなく、ラフを描いて紙面構成も考えてくれました。全ページ手描きでラフを描きましたよね。
ラフを全ページ作ったおかげで、文字の分量も多すぎないか視覚的にわかるようになりました。ちょうどそのとき、コロナの影響で完全にテレワークでした。
原稿をWordで書く作業はどこでもできるのですが、ラフを描くときに文字をどこに配置するかや、もう少しイラストをこっちに寄せてとか、他の学年の担当の2人と相談しないと難しい部分もありました。
ラフを描いて、チャットで送って、zoomで相談をしてということを毎日していましたね。
スキャンもスマホでして送りました。
ラフ全体に関わる大きな修正とかもありましたよね。
ありました! 消しゴムで消すよりも全部書き直してしまったほうが早いんじゃないかということがありました。実は、全部書き直しになった「没ラフファイル」をまだ持っています(笑)
テレワークの時期で大変なこともありましたけど、制作工程上、手描きのほうがわかりやすかったですね。また、イラストレーターさんやデザイナーさん、文英堂さんとイメージを共有するのにも、ラフで見てもらったほうがわかりやすくてよかったです。
その当時は一日中、ラフを描いていたという感じでしたよね。
テレワークが始まってすぐ、一日中ラフを描いたのは印象に残ってます(笑)
4月は毎日のように描いていました(笑)
消しゴムで消しすぎて腕が筋肉痛になったり(笑)
そうだったんですね。
ラフを描きながら載せる情報を厳選し、みんなでいろいろ話し合って決めていきました。
紙面にも限りがありますもんね。キャラクターのセリフもできるだけ短く、かつ大事なことは必ず言うように工夫しました。
あとは図解のイラストもこだわりました。例えば一人称、二人称、三人称という言葉だけだと難しく感じると思うので、そこをイラストで示すことでわかりやすくするようにしました。
受け身の項目もそうですね。「誰が何をされる」とか、イラストで説明しました。
能動態を「ふつうの文」という言葉で表してるんですね。
文法用語を極力使わない編集方針だったので、動詞の原形も「もとの形」としたりとか。
中学生が学校の英語の勉強でつまずいてしまう原因として、「過去分詞」や「現在完了形」のような難しそうに見える文法用語があると思います。
用語の難しさばかりが目立って、苦手意識がどんどんふくらんでしまうのではないかと。もちろん最低限の用語は使うべきですけど、なるべく簡単な言葉で説明するようにしました。
そして編集はつづく
今回、制作期間中がコロナ禍で普段の仕事の仕方とは違ったのですが、文英堂さんとのやり取りはどうでしたか? 基本は紙ベースとかメールだったと思うけど…。
紙ベースだとイメージが伝わりにくい部分もあったので、終盤は1日に何十件もメールや電話でやり取りさせてもらいました。
お互いにテレワーク中で直接会いにくかったですしね。
「ぐーんっとやさしく」は他の教科も含めてシリーズものだったので、文英堂さんとしても「ここは変えられない」ということもあったのです。私たちも読者にとっていい教材になるようにしたいという想いがあったので、「ここはこうしたほうがいいんじゃないか」と思ったところは、積極的に提案するようにしました。
シリーズ統一のため変えられない部分もありましたが、提案した結果「それいいですね」ということで変更した部分もあり、結果的により良い教材になったのではないかなと思っています。
こちらの提案も丁寧に検討してくださった文英堂さんに感謝ですね。
本当にそう思います。しっかり話を聞いていただいて、仕事がしやすかったです。
『ぐーんっとやさしく 英語』イラストレーターさんとのコミュニケーション
イラストレーターさんとのやりとりについてですが、シバチャンさんとワタナベカズコさんにイラストをお願いしました。今回は特にシバチャンさんにはマンガの部分も含めて3冊でかなり点数が多かったので、スケジュールも大変だったと思います。
シバチャンさんもワタナベさんも、こちらのお願いしたスケジュールにあわせてしっかりイメージ通りのイラストを作ってくださいました。
特にシバチャンさんはイラストの点数も多かったですが、マンガもこだわって作ってくださったと思います。
そうですね。こちらがイメージして伝えた以上のことをやってくださったなと思います。マンガのコマ割りも、キャラクターがどーんと出てくるようにおもしろく見せてくれてましたし。
シナリオの段階で、どういう意図でこのアイテムを入れているのかなど、細かくイラストレーターさんに伝えるようにしました。その結果、ストーリーをきちんと理解してくれて期待以上のイラストを描いてくださったので本当に感謝しています。
イラストの力ってすごいですよね。編集側で、こういう紙面になるなということをある程度イメージして依頼をするのですが、それをイラストレーターさんやデザイナーさんが意図を理解し、さらに編集のイメージを超えたものを作ってきてくれるのは、この仕事をやっていておもしろいところです。
自分一人でやっていると、おそらくはこのようにはならなかったなということは多々ありますから。
そうですね。まさか、(マンガで登場する)ゴブリンがくれるアイテム「魔法の笛」がこれだとは、思わなかった(笑)
体育の先生が使っているようなかわいい笛でしたね。(笑)
魔法の笛って、ヘビ使いが使うような笛をイメージしていたんだけど、このホイッスルかと! 意外だったけど、逆にシュールでおもしろいなと思い採用しました。
読者に「できる」という自信をもってもらいたい
少し話が変わりますが、編集者の仕事って文字を修正することがメインだと思ってらっしゃる方が多いかと思います。でも今回のようにマンガのプロットを考えたり、ネームを書いたり、イラストやレイアウトのラフを描いたり、音声の収録をしたり、英語教材編集のお仕事は多岐にわたっていますよね。
そうですね、だから編集者が教材に与える影響力は大きい。今回はさまざまなことをしながら、さらに原稿も作成しているので、一文字一文字にまで3人が細かくこだわって作成したと思います。原稿を作成する上で特に工夫した部分はありますか?
英文を作るときに、簡単な単語を使う必要があったので、単語をひとつひとつ調べて、中学何年生レベルの単語なのかを確認して作りました。語彙の制限があるなかで、なるべく同じ単語を繰り返さないように、ワンパターンにならないように、確認テストを含めて動詞や名詞をいろいろとちりばめるようにしました。
章末にまとめのページを作ったのですが、ここを見れば重要な内容が簡潔にまとまっていてわかりやすくなっています。
まとめページを先に見て、「この部分が自分はあやふやだな」と思えば、本文にとべるようになっているので、このページだけを先に見るという使い方もできます。
なるほどね。
テストの前とかに、ざっと見直したいという方もいるのかなと思うので、そういうときにこのまとめページを使ってもらいたいです。
語彙の制限もありましたし、それ以上に「ぐーんっとやさしく」なので、やさしい単語を使って説明できるように意識をしました。この本を通していちばん伝えたいのは、英文法を理解して自信をもってほしいということです。
学習者の方に「できた」という達成感を味わってほしいですからね。この本を読んで、「英語、ちょっとおもしろいかも」と感じてもらえるとうれしいです。
英語教材の編集者としては、ただ単に文法の知識だけを伝えればいいというわけではないですよね。どのようなイラストにすると読者に伝わりやすいかとか、吹き出しの位置を気にしたりとか、校正だったり、読者のためにどこを工夫していくべきかを常に考えて制作しました。
読者が気づかないんじゃないかなという細かな部分にも気を使って編集しています。
見てくれている読者は、意外と細かな部分も見てくれていると思いますよ。
本当に小さな工夫かもしれないけれど、その小さな違いで読者がわかりやすいと思うか、思わないかも変わるかもしれないですよね。読者はその小さな工夫をした本だったから英語が好きになってくれるかもしれない。
そう思うと、細かな部分にまでこだわって編集をしたくなります。
この本の中で出てきた例文で単語を覚えたという方もいるかもしれないですしね。
そういう人が出てくれるとうれしいです!
「ぐーんっとやさしく 英語」を誰に使ってほしいか
最後に、この『ぐーんっとやさしく 中1英語』『ぐーんっとやさしく 中2英語』『ぐーんっとやさしく 中3英語』をどのような方に使ってもらいたいですか?
タイトルの通り、ぐーんっとやさしくなっていますので、英語に苦手意識を持ってしまっている中学生の方にぜひ読んでもらいたいです。
大人になってから、英語を学び直したいという方にもいいかもしれません。
何から始めていいかわからない方や、中学英語をやり直したいという方にもわかりやすく作っているのでオススメですね。
学年に縛られずできると思います。あとは、小学生で英会話を勉強している方にもいいかと思いますよ。英会話をやっているけど、文法についてはあまり知らないという小学生が使ってもいい勉強になると思います!
おわりに
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
今回のメディアビーコンの座談会はいかがだったでしょうか。
英語教材の編集者の視点で、『ぐーんっとやさしく 中1英語』『ぐーんっとやさしく 中2英語』『ぐーんっとやさしく 中3英語』の編集制作について話をしてもらいました。
この座談会をご覧になった方の中には、英語教材の編集ってこんなこともしてるんだなと驚かれた方もいるかと思います。
編集者の仕事は小さな試行錯誤の積み重ねであり、その試行錯誤の結果で読者に伝わりやすくなるか否かが大きく関係してくると思っています。
この積み重ねが楽しくもあり、大変でもあるのかもしれません。
今回担当したメディアビーコンの編集の山田、田中、原島も、小さな工夫をひとつひとつ試行錯誤して、書いては消してをくり返しながら積み重ねていきました。
そして3人ともに共通しているのは
「細部へのこだわり」をもって編集していたことです。
制限のある中で徹底して細部にこだわり、
意見をぶつけ合って作ってきました。
すべては読者にわかりやすく伝えるためです。
そんな想いで編集をした
ぜひ、お近くの書店で手にとってチェックしてみてください!
株式会社メディアビーコン プロフィール
1999年創業。語学教材に特化した教材制作会社。TOEIC、英検、TOEFLをはじめとする英語の資格試験から、子供英語、中学英語、高校英語、英会話、ビジネス英語まで、英語教材全般の制作を幅広く行う。出版物としての教材制作のみならず、英語学習アプリ、英会話学校のコース設計から指導マニュアルの開発、大手進学塾の教材開発まで、多角的な教材制作が可能な数少ない制作会社。
教材制作のみならず、TOEIC®L&Rテストのスコアアップを目指す方のためのコーチングも行っている。
著書に『TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part 7模試』(ベレ出版)『寝る前5分暗記ブック TOEICテスト単語&フレーズ』、『寝る前5分暗記ブック TOEICテスト英文法』、『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ集<基礎編>』、『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ集<海外旅行編>』、『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ集<接客編>』、『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ集<おもてなし編>』(以上、学研プラス)、『いちばん最初のネイティブ英会話フレーズ2000』(西東社)がある。