高校生のときに英語が好きだった人も苦手意識のあった人も、大学は英語を勉強する絶好の機会。
英語を専門的に学ぶ英米文学や国際関係学などを専攻していない大学生でも、大学には英語を学ぶ機会にあふれています。
社会人になってから英語を学ぶとなると、たくさんの時間とお金が必要になります。授業料以上の無限大の機会を利用できるのは大学生だけです。
そんな豊富な機会を活用して、大学生のうちに取り組んでほしい学習法やおすすめの教材をご紹介します。
Contents
1. 大学生が英語を学ぶべき理由
大学生である期間は、英語を勉強する絶好のチャンスだと言い切れるのには理由があります。
1-1. 勉強時間を確保しやすい
大学生は語学の授業以外にも英語を勉強できる授業やプログラムが充実しています。授業とは別に、有料のコースや講座を設けている場合もありますが、空コマの時間に無料で参加できる語学学習イベントを実施している大学も多く存在します。
授業や学内のプログラムを受けることで、自然と勉強時間を確保することができるのは大学生ならでは。一人で机に向かって勉強するのが苦手なあなたでも一定の勉強時間を確保することができます。
1-2. ネイティブスピーカーと話す機会がつくりやすい
もう1つ、大学ならではの環境があります。
それは、ネイティブスピーカーと直接話す機会が多いこと。身近なところでは語学の授業の講師や留学生です。また、帰国子女が一定数いれば、バイリンガルの英語にふれることができ、英会話の練習もできるでしょう。
また、大学外でもアルバイト先に外国人がいるということも多い昨今、もしネイティブスピーカーと話せるチャンスがあるなら、それをぜひ活用してみてください。
実は英語に苦手意識を持っている人ほど、社会人になってネイティブスピーカーと話す機会が少なくなります。就職先の企業で仕事上ビジネス英語を使うといっても、メールが中心で英会話の機会が持てないという人も少なくありません。
社会人はネイティブスピーカーと話す機会をつくるために、英会話スクールに通ったり、オンライン英会話のレッスンを利用したりしています。学内にいるだけで、ネイティブスピーカーと話す機会が多いのは大学生ならではです。
1-3. 自分の研究内容と絡めながら英語を学べる
大学生になると、就職を意識してTOEICの勉強をしたり、留学や大学院進学に向けてTOEFLの一定スコアを目標にしたりします。
もちろんTOEICやTOEFLを目標にするのもいいのですが、大学生が社会人と大きく異なるのは研究内容と絡めて英語を学べるということ。例えば、英語で書かれた論文や口頭発表原稿を読むトレーニングはおすすめ。
英語の勉強の一部であっても、扱うのは自分の研究内容なので、自然と興味を持ちやすい点がおすすめする理由です。
2. 勉強時間がどんどん増える!大学生に取り組んでほしい学習法
先ほど紹介したように、授業や学内のプログラム、制度を活用するだけで勉強時間がどんどん増やせるのが大学生。そんな環境を十二分に活かして取り組んでほしい学習法をご紹介します。
2-1. 語学の授業を4年間継続して受講する
多くの大学で必修の語学の授業は1~2年生で完結し、卒業要件として必要な語学の単位数も2年生を目途に取得し終えるケースが大半です。
しかし、卒業要件として必要な語学の単位は取得済でも、履修していない英語のクラスの履修登録ができることがほとんど。
卒業要件に関係ないのなら……と思いがちですが、ネイティブスピーカーと直接話せて授業内で質問もできる、しかも授業料以外は無料となれば、語学の授業を継続して履修するのは英会話の勉強法の1つとしておすすめです。
また、他専攻や他学部の授業を履修できる制度を活用するのもおすすめの方法。
英語のみで授業を行うコース、英語のライティングに特化したクラス、翻訳や通訳に関するプログラムなど、英語関係の専攻や学部にはさまざまな英語の授業があります。自分の大学の履修制度を確認して、他専攻や他学部の授業を受講できるのであれば参加してみるのもおすすめですよ。
2-2. 語学センターなどを活用してネイティブスピーカーと話す機会を増やす
大学の授業は1コマ90分。ネイティブスピーカーの授業を受けても、講師とマンツーマンで会話する時間は限られています。
おすすめしたいのは、大学にある語学や留学生に関する窓口を利用すること。定期的に交流会を主催したり、勉強会を開催していることが多いので、それをきっかけにネイティブスピーカーの講師や留学生と親しくなることができます。
こうした窓口では、海外から来ている留学生をサポートする業務を担う学生を募集していることもあります。ある程度英語に自信がついてきたら、留学生をサポートする側に立ってみるのも良い勉強になるでしょう。
語学や留学生関連の部署のお知らせはこまめにチェックするようにしましょう。
2-3. 大学の留学制度や民間の留学プログラムを活用する
一口に「留学」といっても、大学にはさまざまな留学制度があります。長期の留学は無理……とあきらめないで、自分に合った制度がないかチェックしてみましょう。
また、短期間であれば民間の留学プログラムも活用できます。夏休みなど長期休みの多い大学生は社会人に比べて時間の融通がききやすいもの。大学生のうちに留学に挑戦してみるのも、本気で英語の上達を目指す方のであればおすすめです。
以下、主な留学制度をご紹介します。
(1) 交換留学
1年間、あるいは1学期間、大学と交換留学協定校を結んでいる海外の大学に留学し勉強します。学費は日本の在籍大学にのみ納入すればよく、4年間で卒業することも可能です。応募にはGPAの基準や留学先の指定するTOEFLの得点など一定の水準を満たす必要があります。
(2)一般留学
留学先を自分で選び、留学先で取得した一定の単位数を在籍大学の卒業要件に含めることができます。学生は学費を自分の在籍する大学と留学先の大学の両方に納入する必要があります。
(3) 短期語学講座
3~5週間、主に夏季や春季の休暇中に交換留学協定校の主催する語学プログラムに参加したり、海外での語学研修を受けたりして海外での学びを体験できます。行きたい場所の語学学校のレベルやランキングなどをインターネットで調べた上で自分で学校を決めるのもいいでしょう。
(2)、(3)は大学経由で応募することもできますが、「留学ジャーナル」や「EF」などの企業が提供するプログラムを活用することもできますよ。
3. 大学生におすすめの勉強法と教材
大学の授業や学内の制度を活用するだけでも英語を学ぶ機会はたくさんありますが、勉強に集中しやすい時期だからこそ、試していただきたい勉強法、おすすめの教材があります。
3-1. 短期目標と長期目標を立てる
大学生におすすめしたいのは、短期目標と長期目標の2つの目標を立てることです。
短期目標とは、TOEICのスコアやTOEFLのスコアの獲得などのことです。
長期目標とは、スコアや資格を得たその先にある目標のことです。例えば、自分の研究内容の英語の論文など長文を速く正確に読めるようにする、海外旅行での英会話に困らない、ネイティブスピーカーの発音により近づくなどがあります。
短期的な目標を目指して勉強することは、英語の勉強へのモチベーションを維持することに役立ち、長期的な目標を目指して勉強することは、将来に役立つ英語力を養成することに役立ちます。
スコアアップを通して自分の英語力の伸びを実感しつつ、本来の英語学習の目的を見失わないためにも、長期的な目標を持っておくことが非常に重要です。
2つの目標を持って英語学習に励んでみましょう。
以下の記事では、スコア別のTOEIC勉強法を紹介しています。自分の目標スコアの記事を読んでみてくださいね。
TOEIC 600点を目指す!
TOEIC 700点を目指す!
TOEIC 730点を目指す!
TOEIC 800点を目指す!
TOEIC 860点を目指す!
TOEIC 900点を目指す!
TOEIC 990点(満点)を目指す!
3-2. 短期目標達成に向けたおすすめ教材
TOEIC、TOEFL、英検など、英語の検定試験はいくつかありますが、短期目標としやすい試験がTOEICです。なぜかと言うと、TOEIC Listening & Reading Test(以下TOEIC)は年10回開催していますので、いつまでに〇点を目指す、という目標が立てやすい試験だからです。
以下では、大学生におすすめの、単語と文法の基礎が学べるTOEIC教材をご紹介します。
3-2-1. 改訂版キクタンTOEIC TEST SCORE 600
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7016042/
英単語を覚えるのは大変な作業です。覚えては忘れて……の繰り返しですが、キクタンシリーズは、TOEIC頻出単語の発音と意味がセットでリズミカルな音声で収録されています。
忙しいときは音声を聞くだけ、余裕があるときは例文もチェックする、というように学習法を自分なりにアレンジしながら使ってみてください。
3-2-2. TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
引用:https://www.ask-books.com/978-4-86639-083-3/
文法問題は学んだ分だけ確実に得点につながります。本書を使えば、TOEICのPart 5の穴埋め問題だけに絞って、解き方の基礎や代表的な出題パターンを押さえることができます。
間違いの選択肢についても、なぜそれが誤りなのかをわかりやすく解説したテキストとなっています。TOEICスコア500点~900点を目指す人まで幅広い人に取り組んでもらいたい1冊です。
3-3. 長期目標達成に向けたおすすめ教材
長期的な目標とは、資格やスコアを取得したその先にある、「英語を勉強する本来の目的となるようなもの」のことです。
長文を読むのが苦でなくなる、英会話の標準のスピードに慣れる、ネイティブスピーカーの発音に近づくなどが例として挙げられます。
長文に慣れたりネイティブスピーカーの英語の速さに慣れるのには、かなりのまとまった量の勉強が必要。これから紹介するような教材を活用してじっくり取り組んでみましょう。
3-3-1. Graded Readers
Graded Readersとは、「英語が母語でない大人の学習者向けに作られた『段階別』な読みもののこと」。
海外の有名な文学を、学習者のレベルに合わせた文章量、難易度にしたもので、同じ作品を自分のレベルに合わせて楽しむことができます。
大学の図書館には必ずといっていいほどこのGraded Readersがあります。購入すると1000円以上するので図書館を活用するのがおすすめです。
映画になっている作品もありますので、ストーリーのあらすじを知っているものもあるはず。概要を知っている作品からGraded Readersを試してみてはいかがでしょうか?
3-3-2. 12週間で「話せる」が実感できる魔法のなりきり英語音読
引用:https://narikiri-ondoku.com/
中学生レベルの英文法だけを使って、ネイティブスピーカーに近い発音で英語が話せるようになります。英語の単語と単語のつながり、テンポなどのコツが掴みやすい例文を使っているのもポイント。英会話の上達に活用できる教材です。
レッスンの一部を紹介した動画がYouTubeで公開されているので、そちらも要チェックです。
まとめ
指定された語学の授業以外にも大学生が4年間を通して英語を学べる授業や制度はたくさんあります。TOEICなどのスコアを短期目標としながらも、長文を速く読めるようにするなどの長期目標を同時に持って勉強することをおすすめします。