「何時間勉強したら、英語ってできるようになるの?」
こんな、疑問をお持ちではありませんか?
英語の勉強を本格的に始める前に、「何時間勉強をすれば英語ができるようになるのか」を知っておくと、今後の学習計画を立てやすくなります。
そこで今回は、大人になってから英語を習得するのに必要な勉強時間と、それを達成するためのおすすめ勉強法・ツールをご紹介します。
1. 英語習得に必要な時間を考察
中学・高校などで英語の授業を受けていた場合、普通は1,000時間近く英語を勉強していたことになります。しかし、学校の授業だけで英語が堪能なった人はほとんどいません。
物心ついてから英語を習得するには、どのくらいの時間が必要なのでしょうか? ここでは、いくつかの視点から目標時間を導いてみましょう。
1-1. 第一関門:2,200時間
英語が1段階上達するのにかかる時間が「約2,200時間」です。これはアメリカ国務省の外交官養成局「FSI」が公表する、「英語のネイティブが日本語の知識がない状態から、仕事で使えるレベルの日本語習得までに必要な推定学習時間」の数値に由来します。
FSIはこれを「2,200時間」としているのですが、この数字を「日本人が英語を習得する場合」に当てはめると、そこから「学生時代の学習約1,000時間」を引けば1,200時間になるので、「目標1,200時間」と考えればよいでしょう。
確かに2,200時間は、「英語の簡単なメール処理や翻訳、コミュニケーションが取れるようになるレベルの目安」という意見もあるので、これから学習を始める人の最初のハードルとして有効と言えます。
1-2. 第二関門:3,000時間
先ほどのFSIのデータは「外交官を目指すような学習能力の高いエリート」が対象となっています。これを一般的な日本人に当てはめて、「約2,200時間の学習を積めば仕事で使える英語力が手に入る」かと言えばかなり難しいでしょう。
第一関門の2,200時間をクリアできたのなら、次は「3,000時間」を目指しましょう。2,200時間は一般的な日本人には短いと考えるべきです。
学習時間が2,000~3,000時間を超えてくると、TOEIC900点台も狙えるレベルになります。国内であれば仕事でも十分使える英語力ですし、英語のコミュニケーション力も段々伸びてくるので学習も楽しくなるでしょう。
1-3. 英語を不自由なく使えるには10,000時間以上必要
「映画を字幕無しで楽しみたい」「ネイティブと自然な会話ができるようになりたい」など、英語を学んでいると憧れますよね。
このレベルで英語を操れるようになるには、10,000時間以上の学習が必要です。例えば通訳者の場合、10,000時間でも駆け出しの素人レベルと言われています。
もし英語を日常言語にしたい、ネイティブと対等に喋りたいと思うなら、多くの学習量を長年続ける覚悟が必要です。
1-4. ネイティブも約10年かけて大人の会話を習得
我々が日本語を習得する過程を考えると、大人と同じレベルの話し方を違和感なく使えるようになるのは、早くても小学校高学年10~12歳ごろではないでしょうか。
第一言語でもそれくらいの時間がかかるので、物心ついてから英語を習得するには、より多くの学習が必要なのも当然です。
ですので、大人が日本に居ながらネイティブレベルを目指すのは、あまり現実的ではないことを割り切った上で、あくまで仕事や資格取得など「使える英語」を習得することを目標とするのが良いでしょう。
1-5. 効果を実感するには1日2~3時間の学習
ここまで、目安となる総学習時間がいくつか登場しましたが、1日単位ではどれくらいの勉強を継続するべきなのでしょうか?
結論から言えば、「英語力の伸びを短期間で実感するには1日2~3時間は必要」です。30分~1時間程度だと、現状維持~非常にゆるやかな変化しか得られません。また、1日3時間を続けても、第一関門の1,000時間の突破には1年近くかかります。
ただ、毎日忙しい社会人の方は、「そんなまとまった時間、毎日確保できない!」と思いますよね。しかし、時間がない方でも、確実に学習時間を積み重ねて目標達成するためのコツがあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
2. 必要な勉強時間を達成するためのポイント6つ
英語の習得に必要なまとまった学習時間を、仕事や学業などと並行して達成するには、効率的に学習するテクニックが必要です。ここでは、効率化の6つのポイントをご紹介します。
2-1. スキマ時間の活用は必須
通勤時間、昼休憩、就寝前など、ちょっとしたスキマ時間に短時間の学習を積み重ねましょう。
例えば、サラリーマンの場合以下のような時間の使い方が考えられます。
・朝の支度中の30分:リスニング
・通勤電車の中で30分×2セット:英単語を覚える
・昼休憩30分:資格試験の過去問を解く
・就寝前30分:1日学習した内容の復習
これだけでも2時間30分の学習時間が確保できます。英語は語学なので、必ずしも自宅で机に向かわないとできないわけでありません。耳が空いていれば5~10分の短時間でもできることがあります。
後ほどご紹介するスマホアプリなどを活用すれば、ビジネスマン、学生、主婦、主夫、どんな方でもスキマ時間でしっかり目標に近づくことができます。
2-2. 日常の行動と絡めて習慣化をする
日常生活で必ず行う行動に紐づけて英語学習を取り入れることで、かなり楽に学習を習慣化できます。
・移動の電車、バスで英語を聴く、読む、動画を見る
・炊事、洗濯など家事の最中に英語を聴く、動画を流す
・ウォーキングや犬の散歩中に英語を聴く
・朝や夜見るニュースや新聞を英語にする
ポイントは「ながら学習でもいいのでとにかく始める」こと。「聴き流しでもやらないよりは意味がある」ということです。このやり方だと英語を学ぶ時間を固定化しやすく、習慣になりやすいのがポイント。
一度習慣になってしまえば、あとはレベルアップに合わせて学習の質を上げていけば、どんどん上達を実感できるでしょう。
2-3. 短期目標を定め集中学習する
英語の学習は長期にわたって続けるのが重要ですが、誰もが毎日楽しく英語を続けられるわけでありません。その場合「半年以内にTOEIC730点を取る」などの分かりやすい短期目標を定め、集中的に学習するのも良い方法です。
モチベーションが上がりやすいですし、短期間で上達をはっきり体感できるので、最初は苦手でも徐々に楽しくなるでしょう。コツコツ取り組むのが苦手な方は、短期決戦スタイルで、一気に短期間で勉強時間を増やすことで大きく実力を伸ばすことができるでしょう。
2-4. 同じ内容・教材を繰り返す
人間の脳が「必要な情報」と判断して長期記憶に定着するには、短期間にその情報を複数回学ぶ必要があります。ですので、色々な内容に手を出すよりは「今月はこのテキスト」というふうに、少ないトピックに絞るのがおすすめです。
また、扱う分野によっても使われる語彙や表現が異なるので、英語の読み聴きもジャンルを絞って学びましょう。
2-5. 簡単な難易度の教材から始める
「続けること」は英語学習で最も大事なこと、かつ最大の難所と言えます。とても多い失敗が、最初のやる気や理想の高さに合わせて、無理のあるスケジュールや難しい教材に手を出し、三日坊主に終わること。
まず優先すべきは習慣化ですので、「聴き流しでもいい」「英語のYouTubeだけでもいい」「5~10分からでもいい」など、ハードルを下げて毎日やりましょう。「今日はやれなかった……」という事実があなたのモチベーションを下げることにつながります。
1日10分でも習慣になる時間帯ができたら、そこの学習強度を無理なく徐々に上げていけばいいのです。そして「いけそうだな」と感じたら学習スケジュールを本格化していきます。習慣化→本格化の順を忘れないようにしましょう
2-6. 睡眠時間は削らない
人間の脳は寝ている間に情報を整理し、記憶に定着させます。日々忙しい中で英語も学ぶとなると睡眠時間を削りがちですが、かえって定着率がさがるのでやめましょう。
また、睡眠不足ではスキマ時間の短時間学習でさえ集中できません。睡眠をしっかりとって短期集中で取り組んだ方が学習効果は高いです。
3. 効率的に勉強時間を積み重ねるおすすめアプリ4選
スキマ時間にサクッと学習を積み重ねるならスマートフォンアプリがおすすめ。クオリティの高い学習アプリが多数リリースされており、導入しない手はありません。ここではおすすめアプリを4つご紹介します。
3-1. Duolingo
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.duolingo&hl=ja
基本無料のアプリながら、世界中の英語学習者に評判の英語学習アプリが「Duolingo」です。
ひとつひとつのレッスンが短く短時間でできる上に、RPGように「レベル」「スキルポイント」などのゲーム性を取り入れ、楽しくモチベーションを保って学習できるのがポイント。
リスニング、リーディング、スピーキングを満遍なくトレーニングでき、ほぼ全ての収録英文の音声が聞けるのもメリット。「スキマ時間にサクサクやっていたらいつのまにかレベルが上がってた」、そんな体験ができるアプリです。
3-2. 英単語アプリ mikan
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=link.mikan.mikanandroid&hl=ja
「30秒で10単語」学習できるテンポの良さで人気の英単語アプリが「mikan」です。スキマ時間で多数の単語を覚えることができます。全ての単語のネイティブ発音が聴けるので、単語を発音と一緒に覚えられるのも強み。
また、課金の必要がありますが、「ターゲット英単語1,900」「TOEFLテスト英単語3,800」など人気の単語書籍の収録単語を学べるコースも用意されており、アプリ1つで人気書籍の英単語を覚えられるのはとても大きなメリットです。
3-3. LissN
引用:https://apps.apple.com/jp/app/apple-store/id991262185
普段見るニュースを英語で学びたい方におすすめのアプリがこの「LissN」。日経新聞やNikkei Asian Reviewなどのニュース記事の英訳を見ることができるオンラインサービスです。
英語ニュースの本文読み上げ機能があり、リスニング学習もできるのがポイント。レベルに合わせて読み上げスピードの調整もできます。
記事内容や語彙の言い換えなどをテストする「理解度テスト」も収録。実際のニュース記事を使って、ビジネス英語の勉強やTOEIC対策できる効果的なアプリです。
3-4. スタディサプリENGLISH
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.studysapurienglish.toeic
リクルートが提供する人気英語学習アプリ「スタディサプリENGLISH」。「日常英会話」「TOEIC対策」「ビジネス英語」の3つのコースから自分に合うカテゴリーを選択できます。
1回3分の短いレッスンからできるので、スキマ時間での学習に最適。ディクテーション、シャドーイング、動画講義など、アプリならではの機能を活かしたクオリティの高いレッスンを多数収録しています。7日間無料体験が可能なので、ぜひ試してみてください。
4. まとめ
実際、英語を習得するのに必要な学習時間数を目にすると、ハードルの高さを感じる方もおられるでしょう。しかし、実際に英語を仕事で使う人でも、「全ての学習時間が机に向かっているわけではない」ことがほとんどです。簡単なことからでいいので、生活の端々に英語を取り入れてみることから始めてみましょう。
また、必要な学習時間はあくまで目安です。質の高い学習内容を集中して行えば、短期間でもしっかり効果を実感することができます。まずは、スキマ時間のアプリ学習から、英語の習慣化にチャレンジしてみてください。