みなさんはどのように英語学習をしていますか?
英語学習は本やアプリ、ブログ、動画、SNSといったオンライン上のコンテンツなどで、いろいろな習得方法が紹介されていますよね。
しかし、そういった学習法の中には、個人の体験談などを根拠に「効果がある」と謳っているものがかなり多いです。これでは「自分」にとってどれが効果的なのかは正直判断できません。
そこで今回は、初心者でも効果の出る科学的な英語習得のコツについて説明していきます。
Contents
1. SLA(第二言語習得論)とは?
突然ですが、英語教育の界隈で話題になっている、SLAという理論をご存知でしょうか?
これは「第二言語習得論」と呼ばれ、どのようにして母国語以外の言語を習得していくのか、その過程を理論的に研究するものです。SLAの歴史はまだ数十年と浅いですが、すでに世界中で論文や研究結果がたくさん発表されており、言語教育の分野では十分信頼されるものです。
これまでは個人の留学体験談や教材学習の体験談など、すべての人に効果があるかわからないような勉強法がたくさん紹介されてきました。そのため、人によってその勉強法があったり合わなかったりする場合がありました。
ですがSLAに基づいた学習は科学的、つまり「誰にとっても当てはまる(効果の出る)勉強法」です。英語学習では、このSLAに基づく学習法を知り、それを実践することが重要になります。
2. インプット仮説
英語習得にはSLAに基づく勉強法が良いと説明しましたが、SLAの中でも重要な理論があります。
その理論は、「インプット仮説」と呼ばれています。
「インプット仮説」とは、言語学者のスティーブン・クラッシェンによって提唱された、言語習得において重要なのはインプットであるとする仮説です。
この仮説によると、第二言語学習者が理解できるレベルの言語を浴び続ける(インプットする)ことによって言語理解が深まり、その結果スピーキング力やライティング力といったアウトプットする能力も向上するそうです。
つまり、言語を習得するには、理解できるレベルの学習を繰り返す必要があるということです。
これを聞くと、中には「簡単な英語ばかり聞いても上達しないのでは?」「難しい英文を勉強しないと力が付かないんじゃないか?」と感じる方もいると思いますが、大切なのは「理解できるインプット=完全に理解できる、もしくは理解できるレベルよりほんの少し上の英文を使った学習」だということです。
いくら難しい英文を使っても、内容が全く理解できないのでは、何時間勉強してもわからないままです。ひょっとすると、学習を続けることが嫌になってしまうかもしれません。このように、適切なレベルから外れた英語学習はネガティブな影響を与えかねないのです。
3. インプット仮説に基づいた効果的な学習法
こうしたSLAに基づいた学習をすれば、日本語しか話せない人でも英語が効率的に習得できます。それでは、理解可能なインプットを行った学習とはどのようなものがあるのでしょうか?
これには速読や多読などいろいろな勉強法がありますが、今回は最も簡単にできる「効果的な聞き流し」学習法を紹介します。
3-1. 「効果的な聞き流し」とは?
聞き流しと言っても、理解できない英語を「聞き流すだけ」では意味がありません。
「聞き流すだけ」の英語はただの雑音と同じです。流れている英語を理解しようと努めて、初めて意味のある音になるのです。
そのため、学習の手順として
②英語の内容を理解する
③英語を聞き流す
の3つのステップがポイントです。
①で今の自分のレベルで十分に理解できる英文を用意します。②では、聞き流す前に辞書や文法書を使って単語の意味や発音、文法などを知った状態にしておきましょう。
しっかりと英語の内容を理解したうえで音声を聞く、というのは当たり前に思えるかもしれませんが、こうした基本的なことが英語学習に有効だと言えるのです。英文の内容をしっかり理解できたら、③聞き流しに移るようにします。
3-2. 効果的な聞き流しで得られる効果
理解できる英語を聞き流すことで、
② 理解できるスピードや量が増えてくる ⇒ やる気がさらに上がる(達成感・自信)
③ 英語力が伸びるので、楽しく続けられる(継続性)
という段階的な効果が得られます。
英語は当然、1日では身につきません。最初は急には伸びませんが、毎日少しずつ学習を「続けること」で、徐々に英語の基礎力がつき、聞き取れる英語が増えていきます。その小さな「伸び」が次の新たな学習につながります。
4. まとめ
今回はSLAに基づいた、効果のある英語学習法について紹介しました。
英語学習では「自分が理解できるレベルの英語」に触れることがポイントです。
「自分のレベルに合った教材がわからない」
「英文を理解するために自分で調べたりするのは大変そう」
「やり方はわかったけど、仕事が忙しくて勉強する時間が取れない…」
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