人前で話すのは得意な方ですか。普段人前で話すのが苦にならない人でも、英語でプレゼンテーション(以降プレゼン)となると、何から手をつけていいのか不安な気持ちになるかもしれません。
ここでは、英語でのプレゼンの基本となる構成の仕方、便利な英語表現を中心にご紹介します。
英語でプレゼンをする機会は、大学の授業の課題から、新商品の売り込み、学会など人によってさまざまですが、基本は同じです。ぜひ基本を掴んでくださいね。
Contents
1. プレゼンの構成
日本語でのプレゼンにも当てはまりますが、言いたいことを聞き手にわかりやすく伝えるため、大まかな構成の枠組みがあります。
もちろん、例外もありますが、一般的なプレゼンはほぼこの構成で進められます。
英語プレゼンの構成
・イントロダクション
本題に入る前に、挨拶をして、今日は何のテーマについて話すのか、また、できるだけ、どんなポイントを話すのかを英語で伝え全体図を示します。
・ボディ
話したいポイントごとに話します。途中、自分の主張の根拠となる具体例やグラフなども示しながら話します。
・要約・結論
ボディで話したことを簡単にまとめます。
・質疑応答
質問を受け付け、それに回答する時間です。
・締め
挨拶をしてプレゼンを終えます。
それでは、具体的にそれぞれの段階で使う英語表現をご紹介します。
2. イントロダクション
2-1. 自己紹介と自分の専門(できること)を英語で伝えよう
こんにちは。鈴木ようこです。ABC社のマーケティング部の部長です。
最初に簡単に名前とプレゼンをする際の立場、肩書きを伝えます。もちろん、役職がない方は会社名とどんな仕事をしているかを伝えても構いません。
こんにちは。ABC社から来ました鈴木ようこです。日本の伝統工芸のメーカーが海外、特にニューヨークで販路を拡大するためのサポートをしています。
ビジネスに関わるプレゼンの場合、どんな仕事をしているのかを伝えることで、これから話す内容をより説得力のあるものに感じてもらいやすくなります。
こんにちは。ABC社から来ました鈴木ようこです。日本のアート市場をわかりやすくお伝えしたいと思います。
イントロダクションの段階で、「自分の話を聞くメリット」や「自分ができること」を明確にすることで、聞き手を引き付けます。
2-2. 簡単なテーマ紹介をしよう
今日は~について話そうと思います。
具体的な話に入る前に、大まかにプレゼンのテーマを伝えます。この英語表現を直訳すると「私が今日ここに来たのは、~について話すためです」という意味になります。
今回のお話のテーマは~です。
話のトピックを伝えるシンプルな英語表現です。
今回のお話は~についてです。
be concerned with~には「~に関係する」という意味があります。aboutはもう使い慣れているという方はこちらの英語表現に挑戦してみてください。
2-3. 大まかなプレゼン構成を示そう
お話したいことは主に3つです。第一に~、第二に~、第三に~
divideは英語で「~を分ける」という意味。X is divided into~は、直訳すると「Xは~に分けられる」という意味です。
最初の段階では、簡単にテーマを伝えたら十分と思われがちですが、さらにプレゼンの全体像を聞き手に伝えるのはとても大切です。聞き手は、おおよその話の流れを予想できるので、特にしっかり聞きたいポイントなどをあらかじめ準備することができます。
大まかに言うとお話しすることは3つあります。第一に~、第二に~、第三に~
brieflyは英語で「簡単に」という意味です。
3. ボディ
イントロダクションで簡単にプレゼンのテーマと主要なポイントを伝えたら、いよいよ具体的な話に入ります。
具体的な話で構成する部分について説明するために、ここでは、仮にボディと呼ぶことにします(プレゼンの手順は、特に「区分名」を挙げずに説明することも多いです)。
すでに紹介しているFirst, Second, Thirdを使って、「第一に~」「第二に~」「第三に~」と順に言えば伝わるのですが、ほかにも便利な英語フレーズがありますので覚えておくと便利ですよ。
はじめに、日本の多くの伝統工芸は販路拡大に苦しんでいます。
最初に話したいポイントを伝えるとき、first of allはよく使われます。この出だしに続いて、ポイントの詳細な説明を続けます。
続いて、伝統工芸の新たなニーズを探す方法についてお話します。
次のポイントに話を切り替えるときによく使う英語表現がLet’s move onやWe’ll move onです。「別の話題に移りましょう」というニュアンスがあります。Let’s look now at…「~を見ていきましょう」も便利な英語表現です。
…例えば
話したいことの根拠として具体例を挙げることは多いと思います。その際には、For example,やA good example of this is…を使うといいですよ。
このグラフは~だということを表しています。
グラフを使う場合、グラフを主語にした英語表現もおすすめです。英語ではAs this graph shows…「このグラフが示すように」という表現もできます。
4. 要約・結論
ボディで話したポイントをまとめます。ボディで話したことの大事な要素を取り出してまとめましょう。
結論は~
英語で「結論」を意味するconclusion。In conclusion,と切り出せば、聞き手は「これからまとめに入るんだな」ということがわかります。
簡単に言うと~
まとめというニュアンスは薄いですが、これまでのことを簡単にまとめるための英語表現です。
…まとめると
sum upは英語で「まとめる」という意味です。
これまで見てきたことをまとめましょう。
summarizeは英語で「要約する」という意味。例文を直訳すると「これまで見てきたことを要約しましょう」となります。
5. 質疑応答
聞き手に質問を投げかけます。質問しやすいように聞き方に工夫するといいですよ。
質問はありますか。
I’d be happy to answer your questions now.
質問をお受けします。
If you have any questions, please don’t hesitate to ask.
質問があったら遠慮なくどうぞ。
hesitateは英語で「ためらう」の意味。この英語表現は英文メールでもよく使います。
6. 締め
プレゼンを終えるときの挨拶をご紹介します。
ご清聴ありがとうございました。お話しできてうれしいです。
It was a pleasure…は「~できてうれしい」を表す英語表現です。
私からは以上です。聞いていただきありがとうございます。
That’s it from me.は会議などでも自分の発言が終わったときの最後によく使われる英語表現です。覚えておくと便利ですよ。
7. まとめ
英語でのプレゼンと言われると、不安になる人は少なくないはず。でも、どのようなプレゼンでも基本はほとんど同じです。
イントロダクション、ボディ、結論、質疑応答、締めのそれぞれの段階で使うお決まりの英語フレーズがありますので、まずはそれらを押さえましょう。
具体例を挙げるときの英語表現やグラフを紹介するときの英語フレーズもあわせて覚えておくと便利です。
余談ですが、プレゼンのスライドを作る際には、項目は詰め込みすぎない、10枚以上スライドを使わない、30ポイント以上の文字の大きさを必ず意識してください。
せっかく英語表現をマスターしてもスライドが見にくいと聞き手は集中できません。
話し方という点では、意外と忘れられているのが、聞き手とのアイコンタクトです。原稿を読んでいるような話し方ですと、聞き手は「自分のことは無視されている」と感じて話を聞きません。
話し手にもいい効果があります。アイコンタクトをしているうちに、大勢に対して話しているというより、目の前にいるAさんに話しているという感覚になりやすく落ち着いて話せます。ぜひ試してみてください。