初心者でも英語がペラペラになる英語発音の3つのコツ

「○○さんって、英語ペラペラ」と言うときの「英語ペラペラ」。具体的にはどういうことか考えたことはありますか。一つは、英語が口をついて出てくること、つまり、表現を豊富に知っていて使いこなせること。もう一つは発音がネイティブスピーカーのように聞こえるということではないでしょうか。いつかはネイティブスピーカーのような発音に近づけたいですね!


言いたいことが伝わるなら発音なんてどうでもいいと思うかもしれませんが、伝わるか伝わらないかは相手次第。ときには聞き取ってもらえないこともあります。ネイティブスピーカーにより近い発音にすることで、より伝わりやすくなる効果も期待できます。

この記事では、英語を発音するときのコツを、トレーニング方法とあわせてご紹介します。

 

 

1. 発音記号と舌の位置をマスターして母音の違いを知ろう

 

sitとseat、fastとfirstなど、英語には似た音の単語がたくさんありますよね。

まずは、これら微妙な音の違いを正確に発音できるようになるコツをお伝えします!

 

第1のコツは

「発音記号と舌の位置をマスターし母音の違いを知ること」

です。

 

英語の発音では日本語でいう所の「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つに相当する音を母音、それ以外を子音と呼びます。

 

とはいえ英語には「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つ以外にも多数の母音があるため、英語を日本語の母音に無理やり当てはめるようにして読むと、ネイティブスピーカーの発音からはほど遠い音になってしまいます。

 

英語には多数の母音があるとはいっても、全ての母音の音は舌の位置で決まります。舌を口の前方に置くか、真ん中に置くか、後方に置くか、さらに上か中ほどか下かで決まります。

つまり、母音の発音記号の音を知ることは、舌の位置を知ることです。


次に辞書に必ず記載されている発音記号。しかし、どう読むか正確には知らないまま勉強している方も多いのでは。

インターネットで「発音記号 読み方」と検索すると音声付きの解説ページがいくつか出てきます。

その音声をぜひ真似てほしいのですが、やみくもに真似るよりも効果的なのが、あわせて舌の位置を確認すること

下記の図で、向かって左側を口先、右側を口の奥側と想定して、それぞれの母音を出すときの舌の位置を確認しながら発音してみてください。

 


 (国際音声学会(International Phonetic Association)の公式Webサイトより引用)

 

1-1. a. sit [ɪ] b. seat [iː]

例えば、seatのイの音[iː]を出すときには、舌を最も前方、かつ最上部へ持っていきます。それに比べて、sitのイの音[ɪ]は、舌を前方に持っていきますが、高さは、seatのときよりも少し下に置きます。

 

最初はこんなことを確認しながら発音の練習をするのは面倒に感じるかもしれませんが、発音記号通りの音を出すには、実際に音を聞きながらどこに舌があるかを正確に把握して音を再現する練習は大切です。

 

1-2. a. fast [æ] b. first [əː]

fastのアの音[æ]の音を出すときには、舌を最も前方、かつ最下部へ持っていきます。 一方、firstのアの音[əː]は、ちょうど舌を口の中の真ん中へ持っていきます。

 

このように、英語には少しずつ音の異なる母音がたくさんあります。

発音記号や音声を確認するときには、舌の位置を把握しておくとより正確に音を再現できるようになります。

 

 

2. 子音の違いを知ろう

 

さて、発音上達の第2のコツは

「子音の違いを知ること」

です。

 

1でもご紹介したとおり、日本語を基準にすると「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つの音を母音、それ以外を子音と呼びます。すると母音以上におびただしい数の子音があるように感じると思います。

 

/p/や/b/などアルファベットと同じ表記の子音以外にも、/θ/や/dʒ/も見かけたことがあるはずです。一見難しそうですが、子音は、音の出し方や音を出すときの息の妨げの度合、そして声を出すかどうか(声帯を震わせるかどうか)で、トレーニングにぴったりな単語ペアがあるので、そのペアごとに練習すると効果的に正確な子音の音をマスターできます。ここでは、いくつかのペアをご紹介します。

 

2-1. 上下の唇を接触・接近させて出す音/p/と/b/

a.  /p/ pet 
b.  /b/ bet

/p/と/b/はどちらも下唇が上唇に接触か接近させて出す音。petと声に出すとき、喉仏のところに手を当ててみると震えていないはずです。一方、betと声に出すときは、震えています。 

 

2-2. 舌先を上の歯茎に接触・接近させて出す音/t/と/d/

a.  /t/ try
b.  /d/ dry

/t/と/d/はどちらも舌先を上の歯茎に一瞬接触させて出す音。tryというとき、喉仏は震えていないはず。一方、dryと声に出すときは、震えています。

 

2-3. 舌の奥の方を軟口蓋に接触させて出す音/k/と/g/

a.  /k/ came
b.  /g/ game

上あごをずっと奥に進んで、喉に入る少し前のあたりを軟口蓋といいます。そこに舌の付け根をつけるような気持ちで発音すると出るのが/k/と/g/です。/k/は喉仏が震えない音で、/g/は震える音です。

 

2-4.  /r/と/l/

a.  /r/ rice
b.  /l/ lice

もうご存知の方も多い、間違いやすいペアです。/r/は、唇を丸めて突き出すようにして舌はどこにもつけないで、少し後ろにそらせます。「ウ」というようなイメージで出すと、riceは、ライスの前に小さいウがついて「ゥライス」というような音がでるはず。一方、/l/は、舌の先を上の前の方の歯茎につけて「ラ」と声に出すイメージです。

 

2-5.  /ʃ/と/s/ 

a.  /ʃ/ sheet
b.  /s/ seat

/ʃ/は、唇を前に突き出して、「ひょっとこ」のような口をつくったら、日本語で「静かに!」という意味で「シィー」というイメージで音を出します。日本人にはこちらは比較的出しやすい音だといわれています。一方、/s/は、日本語の「サシスセソ」にはない音だといわれます。舌の先を上の歯茎につけて出します。

 

ほかにもペアがありますが、短めの単語をペアにして練習できるようなサイトがいくつかあります。

日本語のサイトよりも英語のサイトの方がペアが充実しているので、「consonant minimal pairs」で検索することをおすすめします。

 

3. 英語の文のリズムを意識しよう

 

これまでは、単語をさらに音に分解して、発音記号の音を正確に出せるようにする方法をご紹介しました。しかし、実際には単語だけを使うことはほとんどなく、文にして声に出しますね。

 

そこで、今回ご紹介する発音上達の最後のコツは

「文の中で単語と単語が結びついたときの抑揚の正しいつけ方」

です。イントネーションとそれぞれの単語のもつアクセントがどんなリズムを生み出すかを感じ取って、自分でも再現できるようになることが大切です。

 

初心者向けのおすすめの勉強法は、

 

 

①教材でも無料の動画でも、映画でもなんでも構わないので、英語の「対話」をよく聞く※

②短い対話をピックアップして自分でも音読、録音する

 

 

以上の①と②を繰り返す、というものです。

※教材については、「発音矯正 英語」で本を検索してみてください。

 

より適切な例文を使うことによって、さらに効果的に英語のリズムをつかむことができます。

 

A: How are you doing?
B: I’m all right, I guess.A: Well, you look a bit tired. What’s up?

例えば、このような簡単なやりとりでもHow are you doing?は「ハウ・アー・ユー・ドゥーイング?」とは聞こえないはず。「ハゥユードゥーイン?」というように聞こえるのでは。

自分の発音と聞き比べてみると違いははっきりわかるはずです。

 

 

4. まとめ

 

今回は英語を発音するときの3つのコツをお伝えしました。

 

①「発音記号と舌の位置をマスターし母音の違いを知ること」

②「子音の違いを知ること」

③「文の中で単語と単語が結びついたときの抑揚の正しいつけ方」

 

これら3つを常に意識して、発音練習をしてみてください。

大人がいったん染みついたカタカナ発音から脱するためには、やみくもに音を真似ないで、音の出し方に立ち返ってみるのもよいものですよ!

  
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