あなたはなぜ大人になってから英語を習得したいのですか?
子どもであれば、多くの場合、「うちの子には英語ができるようになってほしい」あるいは「小学校でも英語が教科になるから先取り学習させたい」という親の気持ちが学習のきっかけになるでしょう。
学生になると、英語学習は日々の授業についていくためであったり、希望する学校に進むための受験勉強の一環であったりすることが多いでしょう。
大学生以上になると、旅行や留学で海外を訪れたり、論文作成に必要な資料を英語で読む必要に迫られたりするなど、自分が英語で何をしたいのかが絞られてくるはずです。社会人になって仕事で英語を使うとなれば、英語で何ができるようになる必要があるのかが明確になり、英語学習の優先度も高まります。
大人になると英語を習得したい理由は人それぞれでも、かなり明確になっていきます。でも、大人だからこそ仕事やプライベートが忙しくて、勉強モードを継続するのは難しいものです。
この記事では、大人のための三日坊主にならない英語学習の始め方のポイントをご紹介します。
Contents
1. 【大人の目標設定】英語でいつまでに何ができるようになりたいか
大人が英語学習をスタートさせるときに大切なのが、「いつまでに、何ができるようになっていたいかを明確に定めること」です。
いくつか例を見てみましょう。
- ●3か月後に夫の転勤で渡米することになったので、それまでに最低限の日常会話ができるようにしておきたい。
- ●半年後を目途に、海外の取引先との交渉をうまく進められるようになりたい。
- ●メールでのやりとりは慣れているが会議やプレゼンは不慣れなので、特にスピーキングの力を伸ばしたい。
- ●希望している部署に移れるように、半年後にはTOEICで850点以上とりたい。
- ●接客の仕事で海外からのお客様が増えてきた。日常会話はできるが、仕事にふさわしい表現はよく知らない。1年後くらいには、英語での接客業務もできるようになっていたい。
- ●1年に1~2回程度、海外旅行に行くのが趣味。半年後に行く旅行までに、ホテルやレストランでの会話表現に慣れておきたい。
- ●3年後くらいには、好きな海外ドラマ(クライム・サスペンス系)を英語のまま楽しめるようになりたい。
海外赴任や留学などの予定がある場合は、「いつまでに」も「何ができるようになっていたいか」も具体的に設定できるでしょう。仕事で英語を使う場合も「何ができるようになっていたいか」は明確に設定できるはずです。- 目安でもいいので「いつまでに」という期限も設定しておきましょう。旅行や趣味のために英語学習を始める場合は漠然とした目標になりがちですが、なるべく具体的に、範囲を狭めたかたちで目標を設定するようにしましょう。
目標を設定する際は、現在の自分の英語力を正しく把握することが大切です。TOEICなどの資格試験を受けたり、英会話スクールの体験レッスンを受けてみたりすると客観的に英語力を捉えることができます。自分を過小評価すると英語学習が物足りなくなり、学習しようという意欲を失いやすいでしょう。反対に、自分を過大評価すると、途中で挫折してしまう可能性が大きくなります。
学習を開始したら、適宜目標を見直して修正していくことも心掛けましょう。
2. 【大人の英語学習方法を検討する】お金、時間、場所
目標が設定できたら、英語学習にかけられるお金や時間を割り出しましょう。
英語学習の必要度や優先度によって、自分のお金や時間をどれだけ投入できるのかは変わりますが、くれぐれも無理が生じないように留意しましょう。
2.1 お金~英会話スクール?独学?~
例えば、年間150万円を英語習得に充てられるのであれば、ビジネスパーソンを対象とした、都心部にある英会話スクールに通いながら猛勉強することも可能になります。
そこまでではなくても、年間数十万円かけられるのであれば、大手の英会話スクールに通うことが可能になるでしょう。大手のスクールでは料金が高いようであれば、地元限定や個人のスクール、あるいはオンライン英会話が候補に挙がるでしょう。
英会話スクールには通わない場合でも、教材や辞書を購入する費用は必要になります。冷静に、自分がいくらならば英語学習に使えるのかを見極めましょう。
英語学習に役立つ情報は無料でもじゅうぶん入手できますが、自分に合った教材や方法を見つけることに時間がかかってしまうことに注意しましょう。
2.2 時間~勉強時間を具体的に算出~
手帳などを開いて自分の生活スケジュールを見ながら、どのくらいの時間を英語学習に充てることができるのかを割り出します。
ここでも、「何となく1週あたり10時間はとれそうだ」ではなくて、曜日や時間帯など、なるべく具体的に挙げられるとよいでしょう。というのも、同じ10時間でも、人によって実行可能な学習方法が異なるからです。
例を見てみましょう。
●Aさんの場合:通勤電車内で1日合計1時間+週末の朝か夕方2~3時間ずつ
Aさんの場合、平日はまとまった時間がとれず、通勤電車内ということなのでスピーキングの学習はできません。でも、教材を読んだり、スマートフォンを利用してポッドキャストを聴いたり動画を観たりする学習方法は採り入れやすいのではないでしょうか。週末にまとまった時間を確保できるのであれば、英会話スクールに通ったり、文法書などの教材を集中して読んだりすることもできそうですね。
●Bさんの場合:子どもの昼寝や夜寝た後の時間を利用して、週10時間程度
Bさんの場合は、小さいお子さんの生活のリズムに合わせて学習時間を確保するしかなさそうです。家事や育児のスキマ時間に、自宅で教材やスマートフォンのアプリを利用して単語や熟語を覚える学習方法は向いています。1回1回は短時間でも、繰り返しがカギとなるのでおすすめです。また、英会話スクールに通うのは大変でしょうから、自分の都合で予約をとりやすいオンライン英会話サービスを利用するほうが現実的かもしれませんね。運よくお子さんが早く寝てくれたら、少し集中してディクテーションやシャドーイングなどの学習方法をしてみるのもよいでしょう。
●Cさんの場合:平日週2回程度ならば夕方3時間程度
週末は家族で外出することも多いので、そのときの予定に応じて合計4時間Cさんは平日のほうが規則的にまとまった時間が確保できるようなので、平日に英会話スクールに通ったり、机に向かって教材に取り組んだりすることができます。
反対に、週末はそのときの予定に応じた学習方法を組み合わせるのもいいですね。例えば、まとまった時間が確保できるようならば、本番さながらにTOEICのリスニング問題に挑戦してみるのもよいでしょう。細切れの時間しかないようであれば、スマートフォンのアプリで語彙を増やすのも手です。
2.3 場所~自宅?教室?~
お金や時間だけでは解決しないのが、場所です。
「どこで英語の勉強をするか?」
住まいや職場のある地域によって、学習方法の選択肢は大きく異なります。大都市圏であれば、ビジネス英語に特化した英会話スクールにも幅があるなど、自分の希望した条件に合うスクールを選ぶことが比較的容易にできます。
しかし、少し都市部を離れると、大手英会話スクールが駅の近くにあるだけということも珍しくありません。選択肢が限られてしまうと、通いやすさや予約のとりやすさ、講師の質やレベルなど、どこかで妥協をせざるを得ないことになりがちです。
もし場所の観点で選択肢が限られてしまうようであれば、積極的にオンライン英会話サービスを検討しましょう。
3. 終わりに
いかがでしたか?
最初に具体的な目標を設定して、自分がどれだけ英語学習にコミットできるのかを見定めることが、英語学習をスタートして継続させるカギになります。
英語が習得することができたら、仕事の幅が拡がって収入アップにつながる人もいるでしょうし、趣味や娯楽をより愉しむことができる人もいるでしょう。
大人だからこそ、ぜひ英語学習を継続させたいですね。Good luck!