いよいよ2020年度から新学習指導要領が実施となりますね。
小学校の教育では、3, 4年生から外国語活動が、5, 6年生からは教科としての英語の授業が始まります。
これまでそれぞれ小学5, 6年生と中1以降で行われていた内容が、前倒しになった形です。
中学・高校においても英語の授業のあり方が大きく変わってきますので、小学生のうちから英語に慣れ親しみ、基礎づくりをしておくことは非常に重要です。
そのためには、学校で与えられる宿題に加えて、ドリルなどを使った自主的な学習も取り入れられるとよいですね。
ドリルでしっかり予習・復習ができると、今後の英語力の伸びが変わってきます。
そこで今回は、自宅でできる英語学習におすすめのドリルを、学習段階別にご紹介いたします。
ドリルというとつまらない勉強のイメージがあるかもしれませんが、ここでは小学生が楽しく無理なく取り組めるものを取り上げていますので、気になったドリルがあればぜひお子さんに試してもらってください。
Contents
1. 英語ドリルを選ぶ時のポイント
新学習指導要領における英語教育の大きな変化として、これまでの「知識重視の学習」から「英語で何ができるかを重視する学習」に変わる、という点が挙げられます。
そして英語を使って自由に表現できるようになるために大切となるのが、スピーキング力・リスニング力・リーディング力・ライティング力の4技能をバランス良く育てること。
ドリルといえば、読み書きの練習がメインとなるものが多いイメージがありますが、これからは話すこと、聞くことの練習もできるような教材選びをしていく必要があります。それを踏まえて、自宅学習で使えるドリル選びのポイントを3点、お話いたします。
1-1. CDもしくはダウンロード音声が付いている
スピーキング力とリスニング力を鍛える上で欠かせないのが、英語音声。
音声に親しみ、正しい発音を聞ける・話せるようになることは、英語学習において非常に重要なポイントです。
幼児や小学生といった小さな子供は、大人に比べてまだまだ吸収力が高く、上手く英語力を育てていくことができれば、ネイティブレベルの発音を目指したり、細かな発音の違いを聞き分ける力を習得できたりする可能性も秘めています。
ですから、教材は必ず音声の付いているものを選び、流れてくる英語を真似して声に出す練習を積極的に取り入れるようにしてくださいね。
1-2. 英語のカタカナ読みが書かれていない
特に小学校高学年用の教材では、英語の読み方をカタカナで表記してあるものがあります。しかし、そういった教材を使うことはあまりおすすめではありません。
確かに、CDを聞いてもそれ通りに発音できなかったりした場合や、英語学習を始めたばかりのお子さんにとっては、カタカナでルビが振ってあることは、学習の手助けになると感じられる方は多くいるでしょう。
それでも知っておいてほしいのは、英語と日本語の発音は全く違うものだということ。近い発音をカタカナで表すことができたとしても、実際の音や口の動かし方は、カタカナで発音するときとは全くの別物なのです。
また、英語の読み方をカタカナ表記で覚えてしまうと、発音が苦手になるだけでなく、リスニングでも「実際の音と自分の認識が違うので上手く聞き取れない」というデメリットが発生してしまいます。
先ほどお話したように、小学生はまだまだ吸収力の高い時期。正しく段階を踏んで学習をし、発話練習を積み重ねていけば、英語の読み方や音のルール、発音はちゃんと習得することができます。
もちろん、ルビの振ってある教材でも、他の点で優れていれば使用する価値はあります。
その場合は、親御さんからお子さんに「カタカナ表記を頼りにしすぎないように」と指導してあげることが大切だと言えるでしょう。
1-3. 学習段階に合わせて選ぶ
学校の英語教育より先を行こうとしたり、英語学習をスタートする時期が遅れたりすると、焦る気持ちからついつい現在の英語力レベルより上の教材を選びがちですよね。
しかし、お子さんのレベルを考慮せずに難易度の高い学習からスタートすることは、かえって上達を遅らせる危険性があります。
基礎が習得できていないまま発展的な内容をやってもなかなか身に付きませんし、分からないのがストレスになって勉強が嫌になってしまう恐れもあるからです。
もちろん、英語学習を早く始めるに越したことはありませんが、いつ始めたとしても遅すぎるということはありません。
勉強において大切なのは、先へ先へと急ぐことではなく、少しづつ順序を踏んで適切なレベルの学習を受けていくことです。
今回ご紹介するドリルは、「アルファベット学習」「英単語学習」「文・会話表現学習」の3つの学習段階に分けています。
目安となる学年は左から低学年、中学年、高学年ではありますが、お子さんの英語学習経験や習得度によって、総合的にご判断ください。
年齢に合わせて教材を選ぶことも一つの選択肢ではありますが、今の実力に合わせて選ぶこともまた大切な要素だと頭の片隅に置いておきましょう。
2. アルファベット学習ができるドリル
まずは、アルファベット学習ができる教材をご紹介します。アルファベットを使って、日本語の人や物の名前をローマ字書きする機会は多くありますので、この段階でローマ字も同時に習得できると効率が良いでしょう。
ここでご紹介するドリルは、主に小学校低学年や、英語学習初心者のお子さんにおすすめです。
ドラえもん はじめての英語ドリル アルファベット・フォニックス・ローマ字
引用:https://www.shogakukan.co.jp/books/09254106
アルファベットの大文字と小文字を、一文字一文字丁寧に学習していくことができるドリル。CDが付いているので、書く練習はもちろんのこと、英語の音も同時に学習していける教材です。
また、お子さんが飽きずに学習できるように、ゲームや遊びを取り入れるといった工夫が凝らされており、楽しくドリルを進めていくことができるのも魅力。人気アニメであるドラえもんのキャラクターがたくさん登場することも、お子さんにとってはモチベーションの一つになるはずです。
この一冊で、アルファベットに加えて、フォニックス(英語の読み方のルール)の基本とローマ字も学ぶことができるのでお得です。
小学生のアルファベットとローマ字 毎日のドリル
引用:https://hon.gakken.jp/book/1130388900
学研教育が出版している、アルファベットとローマ字を学習できるドリル。
内容は、「いわゆるドリル」といった感じのシンプルなものでありながらも、迷路やクロスワード等の楽しい問題も含まれています。CDが付いているので発音も確認しながら学習を進めていけますし、書く練習もたくさんできるような教材です。
毎日コツコツやるでもいいですし、お子さんのやる気がある時は一気に進めていくのもおすすめ。
このドリル用の無料で使える勉強管理アプリもリリースされていますので、ぜひ一緒に活用してみてはいかがでしょうか。
3. 英単語学習ができるもの
アルファベット学習ができたら、英単語学習に移りましょう。英文やフレーズは単語と単語の組み合わせによってできているものですから、単語学習は次の段階(文や会話表現の学習)に行く前の準備となります。
ご紹介するドリルの目安としては、小学校中学年、もしくはアルファベット学習を終えたお子さんにおすすめです。
小学生のための英語練習帳2 英単語
引用:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011115
この教材では、約400語の単語を学習することができます。小学校で想定されている英語単語習得数は約600~700語と言われていますので、この一冊で半数以上の単語をカバーすることができる優れもの。
小学校で習う英単語に加えて、英検5級対応の単語も収録されているので、いずれ英検の受験を目指したいという場合にもおすすめです。
内容は、CD音声を使ってリスニングをしながら、声に出して練習をしていくようなスタイル。もちろんスペルの練習もできる仕様になっています。
また、音声は無料でダウンロードすることができ、スマートフォンにも対応しているので、パソコンやCDプレーヤーをお持ちでないご家庭でも、手軽に学習をすることができます。
くもんの小学基礎英語 たのしく学べる英単語
引用:https://shop.kumonshuppan.com/shopdetail/005016000002/
皆さんご存じの公文による、乗り物や天気、どうぶつ等、小学生にとって身近な英単語が学習できるドリル。アルファベットの復習や、文字の組み合わせ、発音も学べる内容が収録されています。
CDを聞きながら単語のつづりを書き取る問題もあるので、音に意識を集中させながら単語学習できるのもポイントでしょう。
ただ単語を書いてスペルの練習をするだけでなく、様々なゲームや遊びを取り入れた教材になっているので、楽しみながら英単語を学んでいくことができるところも魅力です。
4. 文・会話表現学習ができるもの
ある程度単語が身に付いてきたら、今度は文の中で使っていく練習をしましょう。
小学校高学年の英語の授業では英語でコミュニケーションを取るための基礎学習が始まりますし、中学生からはより本格的に文法等を学習し始めるため、その準備としても英語の文や会話表現に慣れ親しんでおくことは大切ですね。
それでは、文・会話表現が学習できるドリルをご紹介します。
まんが10才までに覚えて差がつく英語 小学生おもしろ学習シリーズ
引用:https://www.seitosha.co.jp/book/isbn-9784791627004.html
本のタイトル通り、マンガ形式で英語を学んでいける教材。ストーリーは学校での場面や友達と遊ぶシーンなど、身近な状況かつ自然な会話の流れなので、お子さんが興味を持って読み進められる内容になっています。
CDが付いているので、フレーズを声に出して練習していきましょう。ちょっとした文法事項の説明も記載されており、ただフレーズとして覚えるのではなく、文の構造を理解できる仕様になっています。
また、パソコンで学習クイズやまとめテストを受けたり、ドリル問題をプリントできたりするコンテンツも。楽しく学習できるようにたくさんの工夫が凝らされている一冊です。
ただし、この教材には英語のカタカナ読みが振ってあるので、ぜひCDをフル活用して、耳を使って発音学習をしていくように指導してあげてください。
小学教科書ワーク 英語 5・6年生
引用:https://www.kyokashowork.jp/tachiyomi_es_5_en.html
文理が出版している、新学習指導要領に対応したワークブック。学習項目は、スポーツの名前等の基本的な単語から始まり、「どんな~が好きですか?」といったやさしめの文法事項もカバーした内容となっています。
それまで英語の経験がなく、小学校高学年ではじめて英語学習をスタートするという子でもしっかり上達できる、安心の一冊です。
単語、文法、フレーズをバランス良く学んでいける教材で、CDの音声内容もダウンロードができるようになっています。
まとめ ~まずは子供が英語を好きになれる環境づくりを!
今回の記事では、小学校での英語学習に備えたり、学校で習ったことの復習ができたりするようなドリルをご紹介しました。
もちろんこういったドリルを使っての学習は大切ですが、無理にやらせて英語が嫌いになってしまうのでは、本末転倒です。
そうならないためには、お子さん自身が英語を好きになれるような、英語を学びたいと思えるような環境づくりが必要。英語を「我慢して勉強するもの」と捉えさせず、好きなことをするための手段だと感じてもらうことが重要です。
環境づくりといっても、その方法はとっても簡単。お子さんの好きなもので英語に触れさせてあげるのです。
読み物が好きなら英語の絵本で、アニメが好きなら外国のアニメを、歌やダンスが好きなら英語の歌で。
まずは、お子さん自身が自然と「英語を学びたい」と思える環境を整えてあげましょう。
その上で、さらに英語力を上達させていくための手段として、ドリル学習を取り入れてみてくださいね。
人気記事 これはすごい!「聞き流し」で英語が劇的に聞き取れる効果的な方法