英語の動詞の特徴と文型

英文法を学習する上で大切なのが、動詞の用法や文の形についての知識です。

「自動詞・他動詞」「文型」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、よく分からないと感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、動詞の特徴と、文の形のパターンである文型について説明していきます。

これらについての知識を押さえることで、文中のそれぞれの語(句)がどんな働きをもっているのかが分かり、文の構造をつかむことができるようになるでしょう。

それでは早速見ていきましょう。

 

1. 動詞の特徴(自動詞と他動詞)

ここでは、「自動詞」「他動詞」について説明します。これらの違いについて理解しておくことは、文の構造をつかむ上で大切です。それぞれの特徴を順番に確認していきましょう。

1-1. 自動詞とは

まずは自動詞についてです。例えば、「私は走りました」という内容を英文にすると、I ran. となります。このように〈主語+動詞〉だけで文が成立する場合、その動詞は自動詞です

 

(A) I slept for six hours yesterday.
 私は昨日、6時間寝ました。

(B) I arrived at Tokyo Station at 10 A.M.
 私は10時に東京駅に着きました。

 

(A)の文は、I slept「私は寝ました」だけでも文法的には文が成立します。そのため、ここでのsleptは自動詞です。

ただ、I slept「私は寝ました」だけで文を終えてしまうと、伝わる内容が少ないですよね。そのため、自動詞を含む文には修飾語(句)がつく場合が多いです。(A)の文では、for six hoursやyesterdayといった修飾語(句)が使われていて、内容がより具体的になっています。

1-2. 他動詞とは

続いて、他動詞について説明します。

英文は、使う動詞によっては〈主語+動詞〉だけで文が成立しないものがあります。

例えば、動詞findには「見つける」という意味があり、過去形はfoundです。I found「私は見つけた」だけでは、「何を」見つけたのかが分かりません。そこで、「何を」を表すものが必要になります。

 

I found the room key under the bed.
私はベッドの下に部屋の鍵を見つけました。

 

動詞foundの後ろには、「何を」にあたるthe room key「部屋の鍵」があります。

「何を」にあたる文中の語を目的語と呼びます。そして、目的語を文法的に必要とする動詞のことを他動詞といいます。

文中の動詞が自動詞なのか他動詞なのかを区別できれば、文の構造がつかめ、「英文の意味を理解する」ことにつながります。

 

1-3. 自動詞と他動詞の両方の役割をもつ動詞

自動詞と他動詞について説明しましたが、ここで注意しておくべきポイントがあります。

それは、同じ動詞でも自動詞と他動詞の両方の働きをもつことがあるという点です。

 

(A) I walked along Main Street last week.
 私は先週、メイン通りに沿って歩いた。

(B) I walked my dog along Main Street last week.
 私は先週、メイン通りに沿って自分の犬を散歩させた。

 

(A)(B)それぞれの文の動詞(walked)の意味の違いに注目してください。

(A)のwalkedは、「歩いた」という意味で、自動詞の働きです。

一方、(B)のwalkedは、「~を歩かせた、散歩させた」という意味です。後ろにmy dogを続けて「私の犬を散歩させた」という意味になっているので、他動詞の働きをしています。

 

 


自動詞と他動詞の両方の働きをもつ語は他にも、grow「成長する/~を育てる」やstart「始まる/~を始める」などがあります。

英文を読むときは、「walkは自動詞『歩く』だから、後ろはすべて修飾語だ」とwalkを見た時点で判断しないようにすることが大事です。

自動詞だと決めつけてしまうと、後ろのmy dogの役割が分からなくなり、文の構造がつかめなくなってしまいます。そうなると、英文の意味がきちんと理解できなくなります。

 

 

2. 文型

英文には、命令文などの例外を除いて、〈主語+動詞〉が原則必要です。〈主語+動詞〉だけで文が成立するものもあれば、目的語も必要な場合もあります。

このような文の形は、動詞ないしはその意味によって決まります。そして、その形をパターン化したものを文型と呼びます。

ここでは、文型の種類とその特徴について説明していきます。

S、V、O、Cはそれぞれ
S=主語
V=動詞
O=目的語
C=補語
を表します。

 

 

2-1. 主語+動詞(SV)

まずは〈主語+動詞〉の文型です。これは、Tom ran.「トムは走りました」のように、主語と動詞だけで文が成立する場合の文の形です。

 

(A) Rachel came to my house yesterday.
 昨日、レイチェルが私の家に来ました。

(B) The car accident happened on the street.
 その車の事故は、その道路で起こりました。

 

(A)の文では、Rachel came「レイチェルが来た」が〈主語+動詞〉にあたります。後ろのto my houseとyesterdayは修飾語(句)です。

修飾語(句)は文法的には文中にあってもなくてもよい要素です。

「主語」の位置にはRachelやThe car accidentといった名詞(句)がくることが多いです。

2-2. 主語+動詞+補語(SVC)

次に、〈主語+動詞+補語〉です。これは、次の(A)~(C)のように、動詞の後ろに名詞や状態や様子を表す形容詞が置かれる文型です。

 

(A) I am Keiko.
 私はケイコと申します。

(B) My daughter became a high school teacher last year.
 私の娘は昨年、高校の先生になりました。

(C) Tom looked sad this morning.
 トムは今朝、悲しそうに見えました。

 

(A)の文では、be動詞のamの後ろに「主語Iとは誰なのか」を表す言葉(=Keiko)が置かれています。このように、主語(または目的語)について説明する位置にくる語を補語といいます。

「補語」の位置にはKeikoやa high school teacherといった名詞(句)や、sadなどの形容詞が入ります。

この文型のポイントは、主語と補語が「イコールの関係」になっていることです。

 



(A)~(C)の文ではそれぞれ、I=Keiko、My daughter=a high school teacher、Tom=sadという関係になっていることが分かりますね。

 

2-3. 主語+動詞+目的語(SVO)

文中の動詞が他動詞で、後ろに「何を」にあたる語(=目的語)が必要な場合は、〈主語+動詞+目的語〉の文型を作ります。

 

(A) I make my lunch every day.
 私は毎日、お昼ご飯を作ります。

(B) I saw the famous movie at the theater.
私はその有名な映画を映画館で観ました。

 

(A)の文では、I make「私は作る」の後ろに、「何を」にあたるmy lunch「(私の)お昼ご飯」が置かれています。

例文のように、文中の動詞が他動詞であれば、文は〈主語+動詞+目的語〉の形、もしくは次に紹介する〈主語+動詞+目的語1+目的語2〉の形になります。

 

2-4. 主語+動詞+目的語1+目的語2(SVO1O2)

動詞のgiveは「AにBを与える」といった意味になるとき、give A Bの形を作ります。つまり、文は〈主語+動詞+目的語1+目的語2〉の形になります。

 

(A) I gave my friend’s daughter a cute doll.
 私は友人の娘にかわいい人形をあげました。

(B) I sent Tom a letter two days ago.
 2日前、私はトムに手紙を送りました。

 

(A)の文では、動詞giveの後ろに2つの目的語が置かれています。

この文型のポイントは、目的語1と目的語2は「所有の関係」になるということです。所有の関係とは、目的語1にあたる人やモノが、目的語2を所有しているということです。

(A)の文の場合は、my friend’s daughterが目的語1、a cute dollが目的語2なので、「my friend’s daughterがa cute dollを持つ」という所有の関係になっています。

(B)も同様に、Tomが目的語1、a letterが目的語2なので、「Tomがa letterを持つ」という所有の関係になっていることが分かりますね。

 

2-5. 主語+動詞+目的語+補語(SVOC)

最後は、動詞の後ろに目的語と補語をとる〈主語+動詞+目的語+補語〉の文型について説明します。

 

(A) The news made me sad.
 その知らせに私は悲しみました。

(B) Finally, I found the book interesting.
 最終的に、私はその本がおもしろいと分かりました。

(C) I call my dog Max.
 私は自分の犬をMaxと呼んでいる。

 

(A)の文では、動詞はmadeです。〈make+目的語+補語〉で「(目的語)を(補語)の状態にする」という意味になり、ここではmeが目的語、sadが補語になっています。

この文型では、目的語と補語が「イコールの関係」になっています。SVCの文型では「S=C」の関係でしたが、SVOCの文型は「S=C」ではなく「O=C」になることに注意しましょう。

 

 

 

3. おわりに

 

 

 

いかがでしたか?

「自動詞・他動詞」「文型」は多くの英語学習者がつまずくポイントです。ですが、これらをきちんと理解できていれば、「ここは目的語で、ここが補語で…」と、文の構造を把握しながら英文を読んだり聞いたりすることができるようになります。

動詞の特徴と文型をしっかり押さえておくようにしましょう!

  
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