「英文法ってよく分からない…」
そんなふうに思ったことはありませんか?
この記事では、英文法の基礎として押さえておくべき基本的な知識について説明していきます。
そもそも「文とは何か」ということや、文を構成する単語の働きなどを理解しておくことで、今後の英語学習をよりスムーズに進めることができるようになるでしょう。
それでは早速見ていきましょう。
Contents
1. 文とは何か
まずは「文とは何か」について理解しておきましょう。
文とは、事実や考えといった何らかの情報を伝えるために、単語がある順序で並べられているものをいいます。
次の文を見てください。
私はリンゴが好きです。
この文では、「私(=話し手・書き手)はリンゴが好きである」という事実を、聞き手(読み手)に伝えています。
文は、必ず大文字で始まります。そして文の終わりには、その文の種類によってピリオド(.)や疑問符(?)、感嘆符(!)がつきます。
2. 品詞
英語の単語は、文中での働きによっていくつかの品詞に分類できます。
品詞の種類と、それぞれの働きについて確認していきましょう。
2-1. 名詞
人や物事などの名称を表します。名詞は主語、目的語、補語になります。数えられる名詞と数えられない名詞があります。
例:apple、people、lunch、restaurant、dress
2-2. 代名詞
名詞の代わりをする語で、人称代名詞や指示代名詞などがあります。人称代名詞は、文中での働きによって形が変化します。
例:this、that、he、she、they
2-3. 動詞
人や物事の動作や状態を表します。主語や時制によって動詞の形が変化します。動詞には、自動詞の用法と他動詞の用法、もしくはその両方の用法をもつものがあります。
例:have、like、make、read、discuss、go
2-4. 形容詞
人や物事などの状態、性質などを表す語です。補語になったり、名詞を修飾したりします。
例:happy、tired、beautiful、large、some
2-5. 副詞
様態、場所、時、頻度、程度などを表す語です。動詞や形容詞などを修飾します。
例:slowly、here、yesterday、hardly、often
2-6. 前置詞
名詞や代名詞などの前に置かれて、場所、時、状況などを表す前置詞句を作ります。
例:in、of、at、for、on、with、after、before
2-7. 接続詞
語と語、句と句、節と節をつなぐ語です。
例:and、but、or、so、because、when、if、although
2-8. 間投詞
喜びや驚きといった話し手の感情や、あいづち、呼びかけなどを表します。
例:oh、wow、hey
2-9. 冠詞
名詞の前に置かれて、その名詞が不特定のものか、特定のものかを表します。不特定のものならa/an、特定のものならtheを使います。
2-10. 助動詞
動詞の原形の前に置いて、話し手の気持ちや判断などを表す語です。
例:can、will、may、must
2-11. 2つ以上の品詞
前述のrestaurant「レストラン」やdiscuss「~を議論する」は、それぞれ名詞と動詞の働きしかありません。
しかし、単語によっては2つ以上の品詞の働きをもつものがあります。
次の例を見てみましょう。
私はその男性と話したいです。
(B) I had a talk with the man yesterday.
私は昨日、その男性と話をしました。
(A)では、talkは動詞として使われていて、「話す」という意味です。
一方、(B)ではtalkは名詞として使われていて、ここでは「話」という意味になっています。
このように、単語によっては2つ以上の品詞の働きをもつものがあるので、「talkだから品詞は動詞だ」などと決めつけずに、それぞれの単語が文中でどのような役割をしているのかを判断することが大事です。
3. 文の要素
英語の文が成り立つために必要なものを、文の要素といいます。
文の要素には、主語、動詞、目的語、補語があります。また、それらの要素に詳しい意味を付け加える修飾語というものもあります。
それぞれの要素の働きについて、確認していきましょう。
3-1. 主語と動詞
まずは主語と動詞についてです。
英文を作るには基本的に、「誰が/何が」を表す主語と、その主語が「~する/~である」ということを表す動詞が必要です。
次の例文を見てください。
私は毎週末、その公園で歩きます。
例文では、I「私」が主語、walk「歩く」が動詞です。英文は、このように〈主語→動詞〉の順になるのが基本です。
in the park every weekendの部分は、「(私は)歩く」という情報に対して「どこで」「いつ」という、より詳しい説明を加えています。このように文に説明を付け加えるものを修飾語(句)といいます。
修飾語(句)については、後ほど詳しく説明しますので、今は「〈主語+動詞〉に+αが付いているんだな」くらいに思っておいてください。
3-2. 目的語
続いて、目的語について説明します。
文を作るには主語と動詞が必要であると説明しましたが、それだけでは文が成立しない場合があります。
例えば、I saw「私は見た」だけでは、「何を」見たのかが分かりませんよね。そこで、文に「何を」にあたるものを加える必要があります。
この「何を」にあたるものを目的語といいます。目的語は、動詞が表す動作などの対象となる語で、動詞の後ろに置かれます。
私は昨日、東京駅でその男性を見ました。
上の例文では、the man「その男性」が、動詞saw「見た」の目的語になっていますね。
3-3. 補語
補語とは、主語や目的語が「何なのか」「どんな状態・様子なのか」を説明するために補う語のことです。
以下の例文を見てください。
私はケイコといいます。
(B) This spaghetti tastes good.
このスパゲティはおいしいです。
(C) I found the book very interesting.
私はその本をとてもおもしろいと思いました。
(A)では、Keikoが補語になって、主語のIが「ケイコ」であることを説明しています。
(B)では、goodが補語になって、主語のThis spaghettiが「おいしい」ことを説明しています。
(C)では、interestingが補語になって、目的語のthe bookが「おもしろい」ことを説明しています。
また、主語(目的語)と補語は「イコールの関係」になることも押さえておきましょう。例文だと、それぞれI=Keiko、This spaghetti=good、the book=interestingとイコールの関係が成立していますね。
3-4. 修飾語
修飾語とは、主語、動詞、目的語、補語について、意味を付け加える語のことです。
修飾語は「飾りとなる語」なので、必ず文にないといけない要素ではありません。ですが、伝えたい情報をより詳しく説明するために、修飾語はよく使われます。
私は昨日、新しく開店したカフェで友達とアップルパイを食べました。
この例文では、「私はアップルパイを食べた(I ate an apple pie)」という情報に対して、「どこで(at the newly opened café)」「誰と(with my friend)」「いつ(yesterday)」という説明を加えています。
これらの修飾語(句)はなくても文は成立しますが、修飾語(句)を加えることで、そのときの状況がより具体的になっていることが分かります。
また、ここでは単にcafé「カフェ」とするのではなくthe newly opened café「新しく開店したカフェ」とすることで、「どんなカフェなのか」がより具体的になっていますね。
4. 句と節
次に、「句と節」について説明します。
句と節を理解すれば、意味や役割のカタマリで英文を捉えることができ、そのカタマリごとに前から順に意味を理解していくことができるようになります。
4-1. 句と節とは
句とは、2語以上が集まってできたカタマリで、その中に〈主語+動詞〉を含んでいないものです。
節とは、2語以上が集まってできたカタマリで、その中に〈主語+動詞〉を含んでいるものです。
4-2. 句の働き(名詞句、形容詞句、副詞句)
句は2語以上のカタマリでできていますが、これが名詞や形容詞、副詞と同じ働きをすることがあります。
それぞれは名詞句、形容詞句、副詞句と呼ばれます。
次の文を見てください。
毎日運動することは健康によいです。
(B) I bought a bag with many pockets.
私はたくさんのポケットが付いているカバンを買いました。
(C) My husband went to the supermarket to buy some milk.
ミルクを買うために、私の夫はスーパーに行きました。
(A)では、Exercising every dayというカタマリが名詞句になって、主語の働きをしています。
(B)では、with many pocketsという〈前置詞+名詞(句)〉が形容詞句になって、a bagを後ろから修飾しています。
(C)では、to buy some milkというカタマリが副詞句になって、動詞wentを修飾しています。
4-3. 節の働き(名詞節、形容詞節、副詞節)
句と同様に、節も名詞や形容詞、副詞と同じ働きをすることがあります。
それぞれは名詞節、形容詞節、副詞節と呼ばれます。
次の文を見てください。
ケンは、ジョンが旅行の計画に賛成したと言いました。
(B) I invited Tom to the party that will be held on September 20.
私は9月20日に開かれるパーティーにトムを誘いました。
(C) I went to the police box because I lost my smartphone somewhere.
スマートフォンをどこかでなくしたので、私は交番に行きました。
(A)では、thatからtravel planまでのカタマリが名詞節になって、動詞saidの目的語になっています。
(B)では、thatからSeptember 20までのカタマリが形容詞節になって、the partyを後ろから修飾しています。
(C)では、becauseからsomewhereまでのカタマリが副詞節になって、「交番に行った」理由を表しています。
5. おわりに
いかがでしたか?
「受動態」や「仮定法」といった個別の文法項目を学ぶ前に、まずは文法学習の基本となる知識を説明しました。
「英文は何となく理解できればいい」「最終的に自分の言いたいことが伝わればいい」と、英文法をおろそかにしてしまう人は多いです。
ですが、英文を正しく理解する、また情報を相手により正確に伝わりやすくするためには、英文を構成するある一定のルール、つまり「英文法」を学ぶことが大切です。
まずは、今回紹介した基本的な知識をしっかりと押さえておくようにしましょう!