英語を勉強している方であれば、一度はTOEICという名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
TOEIC(トーイック)にはTOEIC Listening & Reading Test、TOEIC Speaking & Writing Test、TOEIC Speaking Testの3種類ほか、英語学習初級者から中級者を対象としたTOEIC Bridge Listening & Reading TestとTOEIC Bridge Speaking & Writing Testがあるのをご存知ですか。
ここでは、受験者の多いTOEIC Listening & Reading Testと最近注目されているTOEIC Speaking & Writing Testに絞って、特徴とレベルの目安、結果の活用法をご紹介します。
Contents
1. まずはここから!TOEIC Listening & Reading Testの点数とレベル
1.1 上場企業の約6割が採用時の参考に!TOEIC Listening & Reading Testは認知度が高い
先にご紹介したように、TOEICにはいくつか種類がありますが、一般的にTOEICと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはTOEIC Listening & Reading Testです。実際に2017年度の受験者数は約250万人。TOEIC Speaking & Writing Test の受験者38,000人と比べても圧倒的に多数の方が受験しているのです*。
*数値は一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 2018年4月9日プレスリリース(2019年3月17日閲覧)
就職活動や社内での昇進を意識してTOEICを受験している方も多いと思います。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公開データによると、上場企業の58%がTOEIC Listening & Reading Testを採用時の参考にしていて、59.6%の企業がTOEIC Listening & Reading Testのスコアを昇進・昇格の要件にしている、あるいは将来はそうしたいと考えているとされています*。
*参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 就職サポート特集(2019年3月17日閲覧)
1.2 TOEIC Listening & Reading Testのスコア別レベルの目安 時間配分や点数刻みも再確認
TOEIC Listening & Reading Testの結果がわかったら、スコアごとのレベルの目安が知りたいですよね。
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が公開している公式の「PROFICIENCY SCALE TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」ではおおまかな基準として次のように紹介されています。
解説はもっと長いので、詳しく知りたい方は一度目を通してみてくださいね。
220点:通常会話で最低限のコミュニケーションができる
470点:日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
730点:どんな状況でも適切なコミュニケーションがとれる素地を備えている
860点:Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
もっと具体的に何ができて、何ができないのか教えてほしい! と思われた方も多いかもしれません。
そんな方に、ぜひ活用してほしいのが、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公式webサイトにある「目標設定お助けツール」です。TOEICのTopページの「特集・スコア活用」から「自分にぴったりの情報を探す」を選択し、「目標お助けツール」へアクセスしてください。
ここでは、現在のスコアと目標にしたいスコアを選択することで、「できないこと」「何とかかろうじてできること」「ほぼ問題なくできること」が具体的にわかるようになっています。例えば、現在のスコアが400~495点の人が、600~695点を目指すとすると・・・
「ゆっくりと配慮して話してもらえれば、目的地までの道順を理解できる」の項目について、現状では「何とかできる」状態から、「ほぼ問題なくできる」ようになったり、「ラジオのニュース番組で、最初にアナウンサーが言う主なニュース項目を理解できる」の項目について、現状では「できない」状態から、「何とかできる」状態になるということが示されています。
スコアを見て一喜一憂しがちですが、今何ができて、何ができていないのかを具体的に知ることが次回の受験に向けた勉強のコツです。
さらに、TOEIC Listening & Reading Testは、リスニングとリーディングパートに分かれていますので、リスニングとリーディングのスコア別の特徴を示した「レベル別評価の一覧表」を活用するのもおすすめです。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公式webサイトで公開されています。
TOEIC Listening & Reading Testの構成を再度確認しておきましょう。リスニングは45分間で100問、リーディングは75分間で100問、スコアは5点刻みです。リスニング、リーディングそれぞれ5点~495点で構成されています。
2. 受験者増加中!TOEIC Speaking & Writing Testの特徴とスコア、レベルの目安
最近受験者が増えているTOEIC Speaking & Writing Test。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公表によれば、2017年度の受験者数は、2016年度比で18%も増加しているのです。実際に特別英語をたくさん使う職場でなくても、海外とのメールのやりとりが発生することがしばしばあります。TOEIC Listening & Readingに加えて、TOEIC Speaking & Writing Testも高い点数があれば「聞く・話す・読む・書く」力をバランスよく身に付けていることを示すことができます。
この試験は、試験会場でパソコンとヘッドセットを使って、スピーキング約20分11問、ライティング約60分8問を解きます。スコアは10点刻みで、トータルスコアは200点です。
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の公式webサイトでは、0~30点をレベル1、40点~50点をレベル2、60~70点をレベル3、80~100点をレベル4、110~120点をレベル5、130~150点をレベル6、160~180点をレベル7、190~200点をレベル8としたレベルの目安を公開しています。
例えば、110~120点のレベル5では「ある程度、意見を述べる、または複雑な要求に応えることができる。ただし、以下のような問題がみられる。言葉が不正確、あいまい、または同じ言葉を繰り返し述べている・・・・(中略)使用できる語彙・語句の範囲が限られている(略)」というように課題が示されています。結果が届いたら、どこまでできていて、何ができていないかを確認しておきましょう。
3. どれくらいのスコアがあればいいの? 就活の履歴書に書くときなどシーン別に
レベルの確認方法がわかったけど、「どれくらいを目標にしたらいいの?」と思っている方もいるでしょう。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が、2018年4月1日から5月31日に実施されたTOEIC Listening & Reading Test 団体特別受験制度(IPテスト)の点数をもとに公表した「新入社員TOEIC Listening & Reading 最新データ」によると、新社会人の平均点数は489点です。そして、2019年1月の受験者の平均点は578.4点です。
「何点以上なら履歴書に書くと有利になる」という一律の明確なルールはありませんが、上記のような状況を踏まえると、アピールポイントとして新入社員が履歴書に書くのであれば、一般的には600点以上、英語の能力を重視している会社や職業であれば、最低でも750点以上を目安としておくとよいと思います。中途社員になると、さらに求められる点数は上がりますので、一般的には700点以上を履歴書に書くと意識をもっておくとよいと思います。
4. 「受験したら終わり」じゃない! 点数を英語の勉強に活用しよう
TOEICのスコアがわかったら、紹介した方法でおおよそのレベルを確認してみてください。もちろんあくまで目安ですが、「語彙が足りていない」とか「こういうシーンの英語が聞き取れない」など具体的にわかると、より勉強しやすくなります。次に生かせるヒントがたくさん詰まっていますよ!