「TOEIC900点なんて夢のまた夢だ」
「900点なんて英語ペラペラじゃないと取れない点数だ」
そう思っている人も多いのではないでしょうか。
でも実は、TOEIC900点は帰国子女や留学経験者でないと取れない点数ではありません。実際、留学経験無しで、「本を読んで独学で勉強しただけ」という900点台の方もたくさんいらっしゃいます。
英語ペラペラで自由自在にネイティブスピーカーと会話できる。そんな人でなくても900点は十分実現可能な点数です。
この記事では多数のTOEIC教材制作実績を誇るメディアビーコン編集部が、TOEIC900点の価値とその勉強方法を紹介していきます。
※この記事ではTOEIC Listening&ReadingのことをTOEICと呼んでいます。
Contents
1. TOEIC900点ってどのくらいすごい?就活や転職に役立つって本当?
社会人や大学生なら一度は聞いたことがある英語の試験TOEIC。
業界業種、企業によりますが、最近では採用の基準や昇給の条件としてTOEIC730点以上を求めてくるところも多くあります。企業の中の国際部門で働くとなると860点以上が求められるということも少なくありません。さらには、外資系の企業に入社するとなると、入社条件として900点以上を求められる場合も多くあります。
これらのことからわかるように、TOEIC900点というのは海外で働いたり、外資系の企業で外国人と対等に仕事をしたりするレベルの人が獲得するスコアなのです。
では、一体このTOEIC900点というのは全体のどのくらいの割合の人が獲得しているスコアなのでしょうか?
TOEICのスコアはリーディングセクションとリスニングセクションが各495点満点、トータルで990点満点のテストです。日本人の平均スコアはおよそ580点と言われています。また、TOEICを主催するIIBCの公式サイトに掲載されているスコア分布によると、895点以上の得点者は受験者全体の3~4%であることが公表されています。
よく、「TOEICはリーディングとリスニングのテストしかなく、スピーキング力やライティング力が測れないから正確な英語レベルは判断できない」と批判されます。
確かにTOEFL iBTなどのように、英語の4技能の力をバランスよく測ることのできる試験に比べたら欠点もいくつか見えてきますが、TOEICは恐らく、英検と対をなす日本で最も名の知れた英語資格であり、ビジネスにおいて英語力を判断する重要な基準となっていることは確かです。
ですから900点以上取得=高度な英語力保持者である証明になり、就職・転職活動や海外赴任の際に提示すれば大抵の英語関連の関門は突破できます。
※覚えておかなければならないのが、TOEICはあくまで、ほぼ日本国内のみでしか通用しない資格だということです。例えばいずれは海外の大学に留学・進学したい、あるいは海外の現地企業で仕事をしたい、といった場合、大概求められるスコアはTOEICではなく、TOEFL iBTやIELTS(こちらはイギリス圏の場合必須)です。
ではどのようにしたら英語上級者スコア、TOEIC900点突破を実現できるのでしょうか?
2. どうやったら突破できるの?やっぱり海外経験は必須?
TOEIC900点を取る方には2パターンの人がいます。
①TOEICの知識はあまりないけれど、幼少期や学生時代に豊富な海外経験や留学経験があり、持ち前の英語力だけで900点を取ってしまう人
②海外経験はないけれど、TOEICの試験問題に非常に習熟しており、頻出の語彙やTOEICによく出る話題、解答テクニックについて話をしだしたら止まらない人
この2パターンです。
900点を取るためには、この2パターンのうちどちらを目指せばよいでしょうか?
もちろん理想は豊富な海外経験がありつつ、TOEICにも習熟している人になることですが、ある程度歳を重ね社会人になってしまったら、なかなか英語の勉強だけに時間は割けません。実際社会人の方が①のパターンになってTOEIC900点を目指すのは難しいところがあります。
そんな忙しい社会人でも、900点を取る方法。それが②のパターンの人間になることです。
さて、それではどのようにして②のパターンの人間になるのでしょうか。
2-1. TOEICに習熟すれば、英語力以上のスコアが取れる
日本にいて独学でTOEIC900点を取る一番の近道は、TOEICという試験のことを「誰よりも知っている」という状態になることです。
TOEICという試験は、基本的に仕事やビジネスの場面が多く出題されます。学校の英語のテストや大学入試で出るような、日本語で読んでも理解できないような難解な論説文が出るようなことはありません。
つまり、TOEICという試験で出る英語と出ない英語を明確に区別できていないと、TOEICのスコアアップに繋がりにくい勉強ばかりしてしまい、900点突破までに非常に時間がかかってしまいます。
TOEICの対策をするのに、大学受験用の応用的な英単語帳をどれだけやっても、TOEICには出ない単語ばかりを覚えてしまうことになり、非常に非効率な勉強をしていることになります。
反対に、TOEICという試験に習熟していれば、想像以上に速いスピードでスコアアップしていきます。TOEICに出る話題出ない話題を明確に区別する、タイムマネジメントの仕方を覚える、リスニングの先読みテクニックを習得するなど、TOEICには初心者でもすぐに使えて、すぐに点数が上がるテクニックがたくさんあります。
このようなTOEICに関しての知識を、対策教材などを通して習得し、「TOEICのことならいつまでも話題が尽きない!」のような状態を目指しましょう。
ここまで来れば、700~800点にはすぐに到達することができます。そしてそこからは、公式問題集などの模試を解いて、本番の練習をしっかり積めば、TOEIC900点はすぐそこです。
2-2. どうやってTOEICに習熟するのか
TOEICほど受験者も多く参考書も大量に出ている英語試験だと、当サイトのような英語学習のブログサイトにTOEICの攻略法は無料で大量に掲載されています。
また「ブログのようなサイトでは信頼感が無い」という方はamazonでTOEIC関連書籍や英語参考書を検索してレビューの高いものを買ってみましょう。目から鱗のTOEIC対策テクニックが見つかるかもしれません。
※おすすめの書籍は見出し4で解説いたします。
3. 900点以上を取るための戦略
TOEIC900点台を取るということは、ほとんどのパートで80%〜100%正解する必要があると考えられます。基本的な知識やテクニックを習得し、800点近くまで点数を上げたら、900点台を取るために必要なのが徹底的な弱点補強です。
返却されたTOEICの公式認定証のアビリティーズメジャード(通称アビメ)を見てみると、自分がどのセクションのどのパートで何パーセント正解できたかがわかります。ここから自分のレベルを認識して、苦手な項目を見つけ出し、次回のテストまでにその対策を集中的におこなうことでスコアアップが図れます。
3-1. アビリティーズメジャードの見方
ABILITIES MEASURED | 対応パート |
短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる | Part 1,2 |
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる | Part 3,4 |
短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる | Part 1,2 |
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる | Part 3,4 |
フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる | Part 2,3,4 |
ABILITIES MEASURED | 対応パート |
文書の中の情報をもとに推測できる | Part 7 |
文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる | Part 7 |
ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる | Part 6,7 |
語彙が理解できる | Part 5,6,7 |
文法が理解できる | Part 5,6 |
返却されたアビメからどのパートで不正解が多いのかを見つけて、自分の弱点を見抜きましょう。弱点を意識して勉強することが900点突破の基礎中の基礎の対策法です。
3-2. 弱点補強の方法
しかし、残念なことにTOEICでは本番で自分が実際に解いた問題冊子は持ち帰れないので、どの問題で間違えたのかを具体的に知り、解き直してみることはできません。 ですから、模擬テストや普段のTOEIC学習の時に本番を意識しながら、弱点把握をしてその対策を練ることが900点台に届くか否かの指針となります。
練習問題を解いていて何問も不正解が出る問題タイプや、曖昧な感覚でなんとなく解いている問題は、本番で大きく失点する可能性を秘めている問題と言えるでしょう。そのような問題は何度も声に出して読み上げたりして、英語の感覚を徹底的に体の中に染み込ませましょう。
また、間違えた問題や、正解はするけど正しい答えが瞬時に選べなかったもの(消去法で残った答えを回答しているものなど)は、印をつけておくことも強くおすすめします。
これをやっていると、何度も問題や模試を解いているうちに、自分の得意不得意、好き嫌いがはっきりとわかってきます。自分がよく犯すミスや理解の不十分な文法や単語を分析してノートにまとめるなどをすることによって、弱点対策を入念におこないましょう。
4. おすすめのTOEIC対策本は?単語帳は?英会話は意味あるの?
会社から決められた期間内に、TOEICのスコア基準を満たさなければならないという忙しい社会人の皆さんのために、書店では多くのTOEIC対策本を取り揃えています。問題集だけでなく、目標とするスコア別の単語帳や、著名な先生方がおすすめする独自のメソッドが書かれた本など、種類も数多くあります。
本との出会いは一期一会ですし、自分の好みもあると思います。丁寧な解説が色分けされて書かれたものがよい方もいれば、機能性重視でコンパクトにまとまったものを好む方もいるでしょう。
問題集であれば、私がおすすめなのは、本番と同じボリュームと形式、レベルの問題がたくさん盛り込まれた1冊です。どれだけたくさん問題を解いて、それを復習し、理解した経験があるかでTOEICの900点の可能性は決まってきます。
※TOEICの参考書を選ぶうえで最も注意することは、新形式の問題集を買うということです。TOEICは2016年5月に新しく形式が変更になりました。それに伴い、旧形式の問題集では現在のTOEICに対応できない箇所が複数あるため、必ず新形式対応の問題集を使うようにしましょう。
4-1. おすすめの教材は?
『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
引用:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_05.html
TOEICの対策本といえばやはりこれ。本番の試験を作成するETSが作成した模試が2セット掲載されており、本番と同じレベルの模試が解ける最も信頼できるTOEIC対策本です。いままでの公式問題集とは異なり、公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5からはリスニングセクションの音声だけでなく、特典としてリーディングセクションの音声をスマートフォンやPCにダウンロードして聞くことが可能になり、900点突破へのさらなる強い味方になってくれます。
『TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応』(旺文社)
引用:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/094600
本気でハイスコアを目指す人におすすめのハイレベルな本です。800~900点レベルの高得点者でも間違いやすい練習問題を集めており、高地トレーニングにぴったりです。また、試験中の無駄のない目線の動かし方なども解説しており、TOEIC満点を目指すうえで役立つテクニックを習得することができます。
4-2. 単語はどうやって勉強する?
単語の勉強についてですが、自分が解いた長文の中でわからなかった単語をピックアップして小さめのノートや単語帳にまとめて持ち歩く方法がおすすめです。英語学習者がよくつまずくことの1つに英単語学習が挙げられます。
「自分は人より記憶力が悪いから、そんなにすぐには英単語なんて覚えられない」と言う人がいますが、実際そんなにすぐに単語を暗記できてしまえる人などそうそういません。
自分は暗記が苦手だと意識している方は特に、1日のうちに同じ範囲を、時間を空けて何度もチェックする癖をつけてみてください。
もしかするとその日の朝と昼とでは頭に入っている量に違いはないかもしれませんが、朝と夜とで比較してみると少なくとも2〜3個は増えているのではないかと思います。(そして一晩経つとまた定着が変わってきますよ…!)毎日毎日何回も何回も参照回数を増やすことが単語定着のコツです。
4-3. おすすめの単語帳
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18732
TOEIC単語帳の超定番です。本当にTOEIC頻出の単語だけを集めた無駄のない単語量です。TOEICを熟知しているというレベルに到達するには本書に取り組まないわけにはいきません。ボロボロになるまでやり込む価値のある1冊です。
『TOEIC L&Rテスト 基本単語帳』(研究社)
引用:https://books.kenkyusha.co.jp/book/978-4-327-43091-7.html
私がこの単語帳をおすすめする最大の理由が、付属音声の種類が非常に豊富であるということです。その種類なんと8種類。
①見出し語 英語のみ
②例文 英語のみ
③例文 英語のみ10 回連続再生
④例文の英→日
⑤例文の日→英
⑥例文の日→英(日本語と英語の間に瞬間英作文用のポーズ)
⑦見出し語の英→日
⑧見出し語の日→英
自分に合った方法で単語の音声学習をしたい方にとって、これほど使い勝手がよい単語帳は無いのではないでしょうか。本気でTOEIC900点を目指すことができるおすすめの単語帳です。
4-4. 英会話教室はTOEIC対策に意味あるの?
「TOEICはリスニングとリーディングの試験だから英会話なんてしても意味ない」なんてお考えではないでしょうか。
結論から言うとそんなことは全くありません。というのも、最近の英会話スクールは日常英会話講座、ビジネス英語講座、TOEIC講座のようにコースが分かれています。レベルも基礎レベルから上級者レベルまでクラスが分かれていて、スコアアップのために意味のある対策を問題なくすることができます。
そして私がおすすめしたいのが、オンライン英会話です。自宅から気軽にSkypeやスマホアプリなどを通して、一般的な英会話スクールよりも安く、ネイティブと会話することができます。初回数日は無料で体験できるサービスもあるため、試しに挑戦してみるというのも1つの手でしょう。
どのオンライン英会話に登録するか迷った場合はランキング上位のもので、ユーザーのレビューがたくさんついていて、評価の高いものを選ぶようにしましょう。
5. 900点を狙うならTOEIC以外に英検も受験してみる
TOEIC800点は超えたけどなかなか900点を超えられない。そんな方はTOEIC以外の英語に触れてみることで、英語に対する応用力を身につけるのも1つの対策です。例えば英検を受けてみるなどです。
5-1. 英検とTOEICの関係性
TOEIC900点台は、英検でいうところの準1級〜1級と考えられています。つまり、英検準1級〜1級レベルの人はTOEICでも高得点を叩き出すことが可能だと言えるでしょう。
しかし問題も形式も違うので、TOEICで900点や950点が取れたからと言って必ずしも英検1級に合格するというわけではありません。(ただ、英検の級が上がるのに比例してTOEICのスコアも上がることは大いに期待できます。)
基本的にはTOEICならTOEIC、英検なら英検の、試験の特徴をしっかりと捉え、対策をしていくことが、資格取得・目標点獲得へと繋がります。しかし、TOEIC900点を獲得するには、より柔軟に素早く英語を読み解く力が必要とされます。これを身につけるために、TOEICと英検を同時に勉強することが非常に効果的なのです。
まずTOEICで培った、ビジネスを想定したシチュエーションでの情報読み取り・理解能力は、英検のリスニングやリーディングでも活きてきます。さらに、英検では大問1に語彙力を集中的に測る問題が用意されているので、圧倒的な単語力が身につきます。
また、問題後半に出てくる、専門的な内容が書かれた複雑な長文を読み解く訓練をすることで、英文を読み、それをいちいち日本語訳することなく、英語でそのまま理解することができるようになります。
さらに、英検ではライティングとスピーキングの試験があります。普段あまりしないアウトプットをすることで、TOEICに必要な柔軟な語彙力と、英語に対しての瞬発力を身につけることができます。
このように、どちらも並行して勉強をすることで得られるメリットはたくさんあるのです。TOEICと英検、両方の試験対策をすることで英語の総合力が伸びていき、相乗効果で両方ハイスコアが得られるようになるでしょう。
6. 目標達成で仕事も学校も充実させる
いかがでしたか? TOEC900点は適切な方法で対策をすれば海外未経験者でも難しいスコアではありません。勉強方法の工夫とテキストの活用次第で実現できる点数であることは間違いないのです。
TOEIC900点を取れば周りの自分への評価は大きく変わります。社会人の方であれば、海外で活躍するチャンスをゲットするための大きな武器になります。ビジネス英語がすんなり理解できて海外赴任を任される自分をイメージしながら頑張ってみてください!
学生の方であれば、将来の可能性がTOEIC900点を持っていることで大きく広がります。英語を必要としない企業でも「この人は努力ができる人だ」と評価してくれるだけの力がTOEIC900点にはあると断言できます。未来の自分をよりよくするために英語の勉強頑張りましょう!