英語を話せるようになるために語学留学という選択をする人も多いかと思います。
ただ、「留学前にはどんな勉強をしておけば良いんだろう?」「現地での英語学習はどうやるのが効果的なの?」という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は留学前から留学中にかけてどんなふうに英語の勉強をするのが効果的なのか、その勉強方法を解説していきます。
海外に行きさえすれば英語がペラペラになると思っている人もいるかもしれませんが、実はそうとは限らないのです。
特に大学生の方などは時間に余裕があるので「とりあえず留学」と考えがちですが、事前準備となる勉強をしていたかどうかで、効果は大きく変わってきます。
この記事を読めば、語学留学の機会を最大限に活かして、英語でコミュニケーションを取れるようになるための勉強方法が分かります。
1. 留学だけではペラペラになれない?確認しておくべきこと
英語を話せるようになるために語学留学をする人も多いですが、留学に行けば勝手に英語が話せるようになるわけではありません。
語学留学の機会を最大限に活かすために、留学前の準備として以下のポイントを確認しておきましょう。
1-1. 英語ができることのメリットを改めて考える
「英語を話せるようになりたい」と思って留学するのはもちろん良いことです。
しかし、目標が漠然としたままでは、留学中の学習にもメリハリが生まれません。
よりモチベーションを高めるために、あなたが英語ができるようになったときに得られるメリットを具体的にしてみましょう。
・グローバル企業に就職して海外で働ける
・海外を旅して世界中に友達を作れる
・英語学習を通じて異文化への理解を深められる
一般的なメリットとしては以上のようなものがありますが、これを参考に「自分にとってのメリットは何か? 留学後にどんな自分になっていたいか?」をぜひ考えてみてください。
そのメリットを実現するための手段として留学をする、という目的意識がポイントです。
「6カ月後に帰国するので、それまでに就活でアピールできるだけの会話力を身に付けておく!」など、期限やスケジュールをはっきり決めておくことも、限られた留学の機会をしっかり活かすためには大切です。
1-2. 留学前に勉強することの必要性
語学留学ではもちろん英語の知識的な勉強もしますが、どちらかといえば生徒同士のコミュニケーションがメインです。
つまり、留学した瞬間にいきなり「では、英語を話しましょう」という環境に放り出されるわけですね。もちろん、学校の外の日常生活も全てが英語で進んでいきます。
ですから、留学前にある程度英語を話せる状態になっておかないと、何もできずにあたふたすることになってしまうため、学習効果が期待できません。
留学前に英語の基礎を固めておくことではじめて、留学後の実戦的な練習が活きてくるのです。
「留学してみたい!」という憧れは素晴らしいものですが、初心者の方は、少なくとも数ヶ月は「留学をするための基礎学習」をしておきましょう。
1-3. 留学する語学学校の選び方
留学する語学学校の選び方としては、日本人の少ない学校を選ぶと良いでしょう。
留学先でよく見る光景なのですが、同じ国同士の人が集まってその国の言葉でお喋りをしてしまうことがあります。
これでは、せっかく留学をしてもただの旅行のようになってしまいます。日本人の場合は、そのパターンが特に多いです。
たとえ「自分は絶対に英語しか喋らない」と思って留学に挑んでも、人は楽な方に流れてしまうものです。
このリスクを避けるためには、そもそも日本人の少ない環境に身を置くことが大切です。
2. 事前に英語の土台を作る勉強をしておく
先ほどお伝えしたように、留学の機会を活かすためには事前準備が不可欠。
留学の期間は、実践的なトレーニングにあてるべきです。そのために、留学前には基礎的な英語力を付けておき、留学中に基礎学習に時間を使わなくて済むようにしましょう。
2-1. 基本的な単語と文法を覚える
まず始めにやるべきなのは、基本的な単語と文法を身に付けることです。単語や文法を全く知らない状態では、言語を話すことも聞き取ることもできません。
具体的には、中学生レベルの単語と文法をマスターしておけば大丈夫です。日常会話レベルでは高校生以上の単語と文法はあまり必要ありません。
テキストを購入して学習してもよいですし、ネット上で無料で公開されているような教材で手軽に学ぶこともできます。
コミュニケーションを行うための基礎として、基本的な単語と文法については必ず覚えるようにしましょう。
また、「単に知識として覚えているだけ」ではなく「瞬時に英文をアウトプットできる」レベルをなるべく始めのうちから目指しておきましょう。
いくら留学中に実践経験を積めるとはいえ、スタート地点が「何秒か考えればわかるんだけど…」という状態では、コミュニケーションそのものが苦痛になってしまい、挫折の元になってしまいます。
2-2. 発音練習でリスニング力を付ける
英会話では、まず相手の言っていることが聞き取れなければ何も始まりません。
リスニング力を鍛えるためには、発音練習がおすすめです。自分で正しく発音ができる単語は、聞き取りにも苦労しないからです。
もちろん、スピーキングの上達にも繋がります。
具体的な練習法としては、発音記号の読み方と、発音の仕方をセットで覚えるのが効果的です。
発音記号が分かれば辞書などで単語を引いたときに正しい発音が確認しやすいですし、発音の仕方を覚えておけば、それを自分で読んでさらに発音に磨きをかけられます。
2-3. 瞬間英作文でスピーキングを鍛える
スピーキング力をさらに鍛える方法として効果的なのが、瞬間英作文です。
瞬間英作文のトレーニングは、日本語訳付きの例文を使って以下のような手順で行います。
1. 英語を隠して日本語だけを見る
2. 日本語を見て瞬時に英語に翻訳する
3. 分からなかったらすぐに答えを見る
会話の中で英語を使うには、瞬時に英語を口に出せなければいけません。考えることなく口をついて言えるようにトレーニングしましょう。
「英語で考える(日本語を介在させない)」ということが重要だとよく言われていますから、和文英訳に抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、英訳が瞬時にできるようになってくれば、次第に頭の中で日本語を経由せずに話せる状態に自然に近づいていくので心配はいりません。
瞬間英作文トレーニングのための本も出ているので、ぜひ利用してみてください。
2-4. オンライン英会話で実践に慣れておく
リスニング・スピーキングを個人でトレーニングしつつ、それを実践で活かす場としてオンライン英会話にも挑戦してみましょう。
オンライン英会話がおすすめな理由は、以下のとおりです。
低価格で受講できる
場所・時間を選ばない
好きな講師を選べる
特に、レッスンを好きな時間・好きな場所で受けられるのは、英語を話す機会を気軽に増やせるので重要です。
留学前に実戦慣れしておくのにはうってつけですね。
会社ごとにいろいろなオンライン英会話サービスが提供されていますから、それぞれの特徴を確認して自分にあったものを使いましょう。
3. 留学中の英語勉強は実戦で!トライ&エラーで改善する
留学前にある程度勉強していれば、最低限の会話をすることはできるはずです。
実際に留学がスタートしたら、できるだけ英会話の機会を増やし、間違いを恐れずにとにかく話していくようにしましょう。
会話の機会をなるべく多く持つのはもちろんですが、それに加えて、以下に挙げているポイントも意識して学習してみてください。
3-1. 現地のラジオでリスニングを鍛える
留学中、英語に囲まれた環境とはいっても、宿泊中などは一人になりますよね。そんなときにも、英語に耳を慣らすために現地のラジオを聞くことをおすすめします。
会話では相手に聞き返したり、ゆっくり話すように頼んだりもできますが、ラジオではそれができないので良い高地トレーニングになります。
現地の英語に耳が慣れると、TOEICや英検のリスニング問題は驚くほど聞き取りやすくなりますから、帰国後の資格試験対策にもなります。
3-2. ひとり言でスピーキングの練習
英語でひとり言を言うのは、スピーキングの練習として効果的な方法です。誰かと会話しているつもりで英語をつぶやいてみましょう。
家にいるときなど、会話相手がいないときにも英会話の練習ができます。
外でこの方法を使う場合は、電話をするフリをして英語を話すのがおすすめです。
スマホを耳にあてていれば電話しているように見えるので、独り言を言っても恥ずかしくありませんね。
3-3. 言えなかった表現をメモしておく
語学学校の授業や、現地の人との会話の中で言えなかったことがあれば、その場でメモしておきましょう。
後で一人になったときに、ネットや辞書を使って英語でどう言うのかを調べます。
「言いたいのに言えなかった」という悔しいエピソードがある表現は記憶に残りやすいので、復習しない手はありません。
3-4. 英語で日本語を教える方法もおすすめ
留学先の国で日本語を学びたい人に、英語を使って日本語を教えるというのも英語の練習になります。
具体的な方法としては、以下の2通りがあります。
・ボランティアで日本語を教える
・ランゲージエクスチェンジ
ランゲージエクスチェンジとは、ネイティブスピーカー同士が互いの国の言語を教え合うことです。場所代としてカフェの飲み物を買うぐらいで、お金はあまりかからないので非常におすすめです。
ランゲージエクスチェンジのサイトやアプリもあるので、利用してみてください。
以上のように工夫を重ねて学習すれば、毎日言えることが増えていきます。
すると、そのうちスラスラと会話ができるようになります。たとえ1ヵ月や3カ月の短期留学でも、効果は絶大です。
4. まとめ
今回は留学前から留学中にかけてどんな勉強をするのが効果的なのか、その方法を解説してきました。
本記事の要点は、以下のとおりです。
・ 「留学した後にどうなっていたいか」をイメージしてモチベーションを高める
・留学する前には基礎的な学習を済ませておき、英語力の土台を作っておく
・留学中は英会話を積極的に行いつつ、他にも英語力を高めるための学習をする
繰り返しになりますが、留学さえすれば英語がペラペラになれるというわけではないので、留学前も留学中も意識的に英語学習に取り組むことが大切です。
この記事を参考にして、語学留学の機会を最大限に活かす方法を知り、留学先で英語でコミュニケーションを取れるように今のうちから勉強を始めてみてください。