中学・高校と6年間英語を勉強して、その後もかなりの期間を英語学習に費やしているのに、残念ながら英語が話せない…という方がいます。
あなたも、「一体どれくらいの期間勉強したらペラペラ英語が話せるようになるのだろう?」と疑問を感じていませんか?
この質問に対して具体的に〇〇時間とか〇〇年と答えるのは難しいです。英会話講師に聞いてもたいていの人は「状況によります」と答えると思いますし、実際のところ、やはり必要な期間はその人の置かれている状況次第です。
ここでは、英会話学習にかかる期間を決める要因について理解を深めつつ、効果的に勉強して短期間で話せるようになるためのコツもご紹介します。
Contents
1. 学習期間に影響する4つの要因
英会話の学習において、進捗状況は人それぞれ異なります。習得が早い人もいれば長くかかる人もいるのは普通のことです。
それでも、「いつになったら上達できるのだろう…」と不安を感じるときもありますよね。そういった不安を打破するためにも、学習期間に影響を与える4つの要因を把握しておきましょう。
1-1. 具体的かつ現実的な目標が立てられているか
当たり前のことですが、スタート地点のレベルと目指すレベルとの差が大きければ大きいほど学習期間は長くなります。また、「何のために英会話を身に付けたいのか」という目標がしっかりあるかも大切です。
そこでまずは、現状のレベルを知って、現実的かつ具体的な目標を設定することが重要。
もし自分の現状よりも高すぎるレベルの目標や、「英語がペラペラになりたい」といった漠然とした目標にしてしまうと、「どうせ自分にはできない」という挫折や、「これから何を勉強をすべきか分からない」といった迷いの原因になります。
「アメリカ旅行をしたいので、海外旅行で困らない程度の基本的な英会話力を身に付けたい」というように、レベルと目的がはっきりした目標が理想的です。
そうすることで、目標達成に特化した効率的な学習計画を立てられ、学習期間も短くできますよ。
1-2. 英語に触れる量は多いか
留学などで英語圏で生活していると英語を耳にすることが多く、話さなくてはいけない状況にも自然と追い込まれます。このように、英語を聞いて話す機会がたくさんあったほうが上達は早くなるでしょう。
しかし、日本にいながらでも上達することも十分可能です!
外国人の友人を作ってみる、英語の動画を見る、英語のブログを読むなど、身近なことからでもかまいません。今いる環境で英語に触れる機会を増やしていきましょう。
たくさん話すのが英会話力向上に効くのはもちろんですが、「たくさん聞く」「たくさん読む」も英会話の基礎になる英語力を培ってくれるので重要です。
1-3. 気長に学習していけるか
英語が話せるようになる過程は、一朝一夕なものではなく、スランプに悩むことも珍しくありません。
ですが、なかなか英会話力が伸びないからといって学習のモチベーションをなくしてしまっては、余計に学習期間が長引いてしまいます。そうなるともったいないですよね。
学習を継続していれば、一時的に伸び悩むことはあっても、いずれは自分の進歩を実感できるようになります。それが喜びとなってモチベーションアップにつながり、さらに英会話力が伸びていきますから、ぜひ「気長に学習する」ことを忘れないようにしましょう。
1-4. 学び始める年齢
「英語を話せるようになりたい」という意欲さえあれば、何歳であっても英会話を学ぶことはできます!
しかし、現実的には子どもと大人では上達速度が異なるのは否めませんよね。
生物学上、子どもは聞いて覚える能力に長けているので、小さい子の方が自然な形で発音やフレーズを吸収し、大人より早く話せるようになる傾向があります。
大人は子供とは違い、聞いて覚えるだけで自然と話せるようになるのは難しいですが、文法などの学習を通して基礎を身につけることができます。
そして、その基礎を実際に英会話で使える状態へとブラッシュアップさせていけば、誰でも十分英語は話せるようになります!
ですので、年齢を理由に英会話を学ぶことをあきらめる必要はありません。
2. CEFRで知る、目安の学習時間
先ほどご紹介したように、「どのレベルからスタートして、どのくらい上のレベルを目指すのか」によって必要な学習時間は大きく変わります。
そこで役立つのがCEFR(セファール)という指標。
語学学校などで必要な指導時間の目安を出したりするのに使われている指標なので、参考にしてみましょう。
2-1. CFERとは
CFERは、Common European Framework of Reference for Languagesの略で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれています。
簡単に言えば、外国語の学習、教授、評価などを目的として、ヨーロッパの言語に関して、共通の枠組みで能力をレベル分けできるようにした基準です。
例えば、「私は英語はC1レベルで、ドイツ語はB2レベルです」といったように、複数の言語の能力を同じモノサシで測るのに便利です。
CEFRはレベルが低い順から高い順へ、A1, A2, B1, B2, C1, C2の6段階に分かれています。
会話の能力に関しては、以下の表のような目安になります。
これを活用して、「自分の今の英会話レベル」「目標とする英会話レベル」をはっきりさせてみましょう。
基礎段階の言語使用者 |
A1(超初級) |
相手がゆっくりはっきり話してくれるなら、簡単なやりとりができる。 |
A2(初級) |
簡単な日常的な範囲内なら、身近な日常の事柄について単純な情報交換ができる。 |
|
自立した言語使用者 |
B1(中級) |
仕事、学校、娯楽など身近な話題について、標準的な話しかたであれば理解ができ対処ができる。 |
B2(中上級) |
自分の専門分野の技術的な内容、抽象的、具体的な話題でも理解ができる。自然にやりとりができる。 |
|
熟練した言語使用者 |
C1(上級) |
高度な内容の長い文章を理解し、流ちょうに自己表現ができる。 |
C2(特級) |
ほぼ全てのものを理解することができる。流ちょうかつ正確に自己表現ができる。 |
2-2. 学習時間の例
また、とある英語学校では、CFERの各レベルの到達には、目安として以下の学習時間が必要と案内しています。
CEFRでの英語レベル |
学習時間(目安) |
ゼロからA1 |
70時間 |
A1からA2 |
150時間 |
A2からB1 |
300時間 |
B1からB2 |
200時間 |
B2からC1 |
200時間 |
C1からC2 |
200時間 |
いろいろな団体が様々な目安を出していますから、あくまで一つの例と考えましょう。
とはいえ、「超初級のA1レベルから始めたとして、中上級のB2レベル到達までは150+300+200=650時間の学習が必要」といった、おおよその参考となる計算は可能になります。
この場合、1回1時間のレッスンを週に2回受けるだけでは、単純に325週(約6年)もかるという計算になります。一方、毎日5時間の集中レッスンを週5回受けた場合では、26週(約6か月)となります。
ただし、すでにご説明したとおり、学習者各々が持つ要因や、置かれている環境によって、学習の進み具合は変わってきます。
CEFRによる学習時間の表は、あくまでも目安として考え、目標達成まで気長に1日1日学習を続けることを意識しましょう!
3. 続けるための勉強方法
たとえ英会話スクールに通ったりしていても、自学自習は必要です!
しかし、机に向かってテキストと格闘するだけが勉強ではありません。移動時間を利用した「ながら勉強」や「楽しみながらできる勉強」も取りいれて、続けやすい学習方法を意識してください。
また、英語の4技能である「読む・聞く・話す・書く」は連動していますから、一つだけ伸ばそうとしてもあまりうまくいきません。
最終的な目標がスピーキング強化だとしても、以下のコツを参考に4技能をバランスよく学習することをおすすめします!
3-1. 聞く
英語の音になじむためには、たくさん英語を聞くのが一番。YouTube動画も教材として役に立ちます。例えば、英会話スクールを経営するイムラン氏の動画は、使えるフレーズをわかりやすく解説する初心者向けの動画として定評があります。
VOAやBBCなどの英語学習サイトで無料公開されているコンテンツや、TOEICのリスニング問題もおすすめ。日常生活やビジネスのシーンを幅広くカバーしているので、実用的な表現がたくさん学べます。
また、音読やシャドーイングをすれば、もちろん聞く力だけでなく話す力にもつながります。
3-2. 読む
自分の好きなジャンルの文章をたくさん読むことで英語の語順に慣れていきましょう。
ポイントは、頭の中で日本語に訳さず読むように意識すること。
英語を英語のまま扱えるようになれば、英文を読むスピードが大幅に上がるだけでなく、英会話でも言いたいことを素早く英語にできるようになりますよ。
英語のニュース記事やSNSも教材として使えます。ツイッターやインスタグラムで興味のある外国人のアカウントをフォローし、毎日英語の投稿をチェックするとリーディングの勉強になりますよ。
3-3. 話す
学習したフレーズや単語を活用する機会を積極的に増やしましょう。
ネイティブスピーカーと会って練習できる機会があれば理想的ですが、オンライン英会話でレッスンを受けたり、英会話カフェで英語学習者同士のコミュニケーションを楽しんだりするのも一案です。
また、アプリを使った英会話練習も便利です。面白いものでは、「AIが会話の練習相手になり、発音の採点もしてくれる」というアプリも。恥ずかしがり屋の方は、実際の人間ではなくAIと練習して自信をつけていくのもよいでしょう。
3-4. 書く
英単語と文法学習の応用として、学んだ内容で例文を作ってみましょう。じっくり文章を書いて文法の使い方を実感していくと、自分の中で定着していきます。
手軽なやり方として、ツイッターやインスタグラムに英語で投稿してみるのはよい練習になります。SNSでいろいろな人と英語でやり取りするのも楽しいですよ。
まとめ
英語学習において、目標レベルに到達するための期間は学習者の状況によって異なります。
CEFRを参考にして大まかな学習時間の目安を出しつつ、具体的な学習計画を立ててみましょう。
大切なのは継続して学習すること! 日々の積み重ねが上達につながります。