英語力を飛躍的に伸ばすことができる、「暗唱」という学習法をご存じでしょうか? まとまった英語を覚えて声に出すことで、効果的にスピーキング力が向上するものです。
しかし、自己流で暗唱をやろうとすると挫折してしまうことが多いです。真の効果を実感するには、正しい方法でトレーニングすることが重要です。
今回の記事では、暗唱のメリットや効果的なトレーニング方法、おすすめの題材まで詳しく解説していきます。
英語学習に暗唱を取り入れて、スピーキング力を大幅にアップさせましょう!
Contents
1. 英語の「暗唱」とは?
英語の「暗唱」とは、読んで字のごとく暗記して唱えることです。つまり、テキストや本を見ることなく、そらで言うことを指します。英会話スクールや中学校・高校では暗唱コンテストがありますよね。
覚えた英文を、スラスラと声に出して言えるように練習するのが暗唱です。
これを聞いただけだと、英文を覚えただけではとっさの会話には役に立たないんじゃないか? と思う方もいらっしゃると思います。
次の章では、正しくトレーニングを行った場合、暗唱で得られる効果についてご説明します。
2. 英語の「暗唱」で得られる効果【おすすめな理由】
ここでは、英語の暗唱で得られる効果について説明します。「暗唱で本当に英語力が伸びるの?」と疑っている方に、以下の3つのメリットについて解説いたします!
①リスニング力がUPする
②スピーキング力がUPする
③総合的な英語力がUPする
2-1. リスニング力がUP!
暗唱する前に、スクリプトを見ながらモデルの音声を聞いて真似するため、耳から入ってきた音声と目から入ってきた文字を統合する必要が生まれます。そのため、単語の発音とスペルが結び付くようになり、リスニング力が向上します。
リーディングは得意だけどリスニングが苦手という人は、この単語の発音とスペルを関連させて覚えることができていない場合があります。英語を聞いただけでスペルが思い浮かぶようになると、リスニングの底上げにつながることが期待できます!
2-2. スピーキング力がUP!
暗唱は、ネイティブらしい英語を話すことに高い効果があります。英語には独特のリズムや抑揚があり、個々の単語の発音だけでなく、文全体として話したときの音のリンキングや脱落も重要になります。
音読では、目の前にある文を淡々と読み上げることになってしまいがちです。暗唱では、どのように感情を込めるのか、適切な間はどこに入れるのか、など細部にわたって注意することが求められます。この練習は、英語のスピーキング力が向上するために必要不可欠です。
暗唱は、「相手に伝わるわかりやすい英語を話す」という目標を達成するために非常に有用なトレーニングとなるのです。
2-3. 総合的な英語力がUP!
音読するために何度も文章を読み返していると、本当の意味でスクリプトを理解することができるようになります。「どのような状況で」、「だれが」、「だれに対して」、「なぜ言ったのか」をイメージすることができて初めて生き生きとした暗唱を行うことができるようになります。
すると、どの場面でどのような表現が使われるのか、どのようなテンションで話されるのか、などもわかるようになります。これらの有機的な知識は、英語のリーディングを行う際の読解に非常に役立ちます。
また、ボキャブラリーの引き出しも増えますので、ライティングで英文を作ることに活かせるようになります。
このように、暗唱というトレーニング方法は多角的な英語力を引き上げてくれる、有効な学習方法であるとおわかりいただけたのではないでしょうか。
3. 英語「暗唱」の方法!5ステップでやり方を解説
ここでは、英語の暗唱トレーニングの効果的なやり方を紹介します。
暗唱トレーニングの手順は、簡単な5ステップです。この記事を参考にしながら、毎日の英語学習に取り入れてみてくださいね。
3-1. 文章の意味を理解する
まずは、文章の意味を理解します。いわゆる精読です。
この時点では、英文を覚えようとしなくてよいので、長文読解のように意味を取りながら読んでいきます。理解できない部分があれば、日本語訳を見て確認しましょう。
大事なのは、暗唱しようとしている文を100%理解できていることです!
3-2. 意味を追いながら音読する
文章の意味を理解したら、その意味を考えながらスクリプトを見て音読します。
発音を意識することも大事ですが、発音に気を取られて意味を取るのをやめてしまわないように注意が必要です。まずは文章のストーリーを頭に浮かべながら、音読しましょう。
3-3. 覚え方:文章を隠して読んでみる
意味を追いながら何度も音読をしていると、スラスラと英文が出てくるようになります。「少し覚えたかな?」と思った段階で、下敷きなどで部分的に文章を隠しながら読んでみましょう。
覚えられていない部分があれば、その都度下敷きを外して確認します。これを繰り返すことで文章が頭の中に定着していくのです。ひたすら繰り返し、覚えられるまでトライしましょう。
3-4. 感情を乗せて暗唱する
文章を覚えられたら、いよいよ暗唱です。暗唱は、感情を乗せることがポイントです。
感情を乗せることで、頭の中にストーリーのイメージが浮かびやすくなります。文章をイメージとして覚えると、英語をイメージにそのまま置き換えて理解できるようになります!
また、単語や熟語が感情と結び付くと、とっさに英語を話すときにするっと出てくるようになります。感情を込めて英文を暗唱できるようになっていると、同じ感情になったときにわざわざ考えなくても適切な表現が口をついて出てくるはずです。
恥ずかしさもあるかもしれませんが、暗唱の際は役になりきり、思い切って感情を乗せましょう。
3-5. 録音した音声を聞き直す
暗唱した音声は録音するようにします。客観的に自分の発音を聞くことで、自分のクセを自覚することができ、発音の矯正にも役立ちます。
スマートフォンの録音機能を活用すると、出先でも文章を耳で確認することができますね!
4. 英語の「暗唱」におすすめの教材・題材4選
英語の暗唱は、教材選びも大切です。暗唱する文章がおもしろくなければ、なかなか前向きに練習しようという気にはなりません。
以下ではアプリ、本、その他メディアのおすすめ教材をご紹介します。ぜひ、あなたに合った英語暗唱教材を見つけてくださいね。
4-1. アプリ:「自分で作る瞬間英作文」
引用:https://apps.apple.com/jp/app/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%A7%E4%BD%9C%E3%82%8B%E7%9E%AC%E9%96%93%E8%8B%B1%E4%BD%9C%E6%96%87-toeic-%E8%8B%B1%E4%BC%9A%E8%A9%B1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA/id1400133600
「自分で作る瞬間英作文」は、自分で作った英文で暗唱トレーニングをできるアプリです。iOSのみに対応していますので、アンドロイドユーザーの方はご注意ください!
英文を作るといっても、アイディアを考えるだけでOK。あとはアプリが翻訳してくれます!
英文を自分で作ることのメリットは、自分が喋りたい英語を覚えられることです。自分の頭で考えて作った英文なら印象に残り、とっさに出てきやすいもの。
自作の英文で、実際に使えるフレーズを身につけましょう!
4-2. 本:清水建二『50文型で覚える暗唱英会話』(ベレ出版)
『50文型で覚える暗唱英会話』は、中学校3年間と高校1年生で覚える構文を基に、暗唱例文が紹介されている本です。
基本的にはなじみのある構文しか出てこないので、とっつきやすいです。また、イラストも付いているので、例文のイメージもしやすく記憶に役立ちます。
日常英会話に難しい構文は要りません。基本の50文型を使って、言いたいことが言えるように練習してみましょう!
4-3. 長文が掲載されている参考書を活用する
今特別に対策している英語のテストや資格試験がある場合は、日々の学習に使用している参考書や問題集に掲載されている長文やリスニング教材を暗唱の教材として用いることもできます。
例えば、TOEICに向けて勉強中の方は、特にリスニングのPart 4の英文がおすすめです!公式問題集の模試には実際の試験の難易度で、場面がイメージしやすく、ちょうどよいまとまった分量の長文が記載されています。
音声CDを聞いてその通りに暗唱トレーニングをすることで、TOEICの点数アップにもつながります!
4-4. 海外映画やスピーチから
海外映画や偉人のスピーチも、暗唱トレーニングの教材になります。
映画に英語字幕を付けて見れば英文を覚えることができますし、日本語字幕を見れば意味の確認もできます。また、映画のスクリプトなども販売されているので、そちらを利用するのも効果的です。
暗唱トレーニングに慣れてきて、まとまった英文にチャレンジしたい! そんなあなたには、偉人のスピーチもおすすめです。時代を形作った人々の心のこもった演説は、胸を打つものがあります。
おすすめスピーチをいくつか列挙しました。テキスト・翻訳も公開されているので、意味を調べることも簡単です!
・“Gettysburg Address” (1863) Abraham Lincoln
・“I Have A Dream” (1963) Martin Luther King
・“Stanford Commencement Address” (2005) Steve Jobs
・“Malala’s speech to the UN Youth Takeover” (2013) Malala Yousafzai
好きな海外映画や偉人のスピーチで、楽しく暗唱トレーニングをしてみてはいかがでしょうか。
5. まとめ
今回は、英語の暗唱について効果的な理由や、おすすめの方法を解説しました。
本記事の要点は、以下の通りです。
- ・暗唱とは、テキストや本を見ることなく、暗記して声に出すこと
- ・英語の暗唱はスピーキングやリスニングをはじめ、四技能をバランスよく向上させる
- ・意味を覚えて感情を乗せて暗唱することで、とっさに出てくるようになる
- 暗唱が英語学習に効果的な理由がおわかりいただけたと思います。暗唱トレーニングに取り組み、英語力をUPさせましょう!
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