英語の発音をカタカナ→ネイティブ並みにする方法

「ネイティブのように話したいが、どうしてもカタカナ英語になってしまう」
「発音に自信がなくて、英語で話すのが恥ずかしい」

 

ネイティブ発音でペラペラと話したいけど、うまくいかずにあきらめてしまっていませんか? 日本語と英語では大きく発音の仕組みが異なるので、つまずいてしまうのも無理はありません。

 

しかし実は、英語の仕組みを理解して適切な訓練をすることで、帰国子女でなかったり、留学・海外経験がなかったりしても、きれいなネイティブ発音を身につけることができるのです。

 

この記事では、英語の特徴やルール、おすすめの発音練習方法などをご説明いたします。

 

まずは、日本語との比較を通して、ネイティブの話す英語の特徴を見ていきましょう。

 

 

1. ネイティブ英語を話すには「大げさ」がポイント!

ネイティブ英語を話すには、「大げさ」がポイント!

 

ネイティブの英語を聞いていると、日本語と違ってなんだか大げさだなあ、と感じたことはありませんか?

 

「大げさ」であることこそが、英語の特徴と言っても過言ではありません。

 

この「大げさ」という大まかな印象は、細分化していくと

 

①抑揚
②緩急
③発声
④息の使い方

 

からきています。

 

実はこれらを意識して正確に行うことで、たとえ発音が正確ではなかったとしても、ネイティブに英語が通じやすくなります。

 

発音を矯正するのは地味で根気のいる作業ですが、これら4つを最初に心がけるだけで、話す英語の印象が激変します。「英語らしい英語」を話すことにで、まずはこの4つに取り組んでみましょう。

 

日本語と比較しながら、それぞれについて分析して理解していきましょう。

 

 

1-1. 抑揚

英語の特徴は、抑揚があることです。

 

日本語の特徴の1つに、ほぼすべての音が〈子音+母音〉の組み合わせになっていることがあげられます。日本語の五十音は、「ん」など一部の例外を除いて、「あ段」ならすべて「あ」の母音がつき、「い段」なら「い」の母音がつくというふうになっています。

 

この〈子音+母音〉の組み合わせから成り立っている日本語は、単語の中に際立って強く発声するアクセントが存在しません

※日本語は強弱によるアクセントではなく音の高低によるアクセントの言語です。

 

例えば、「こんにちは」というあいさつを例にとってみましょう。ローマ字で書き、音節で区切ってみると下のようになります。

KO/N/NI/CHI/WA

「ん」以外はきれいに〈子音+母音〉のペアができていることがわかります。それぞれの音節は同じくらいの強さで発音されます。

 

では、この表現を英語ネイティブが発話してみたらどうなるでしょうか。

KO/N/NI/CHI/WA

真ん中の「に」にアクセントが置かれている、外国人なまりの日本語を、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

なぜこんな不思議なアクセントになるのでしょうか?

 

英語では、それぞれの単語で最も強調する音節が1つ必ず存在するからです。日本語には、それがありません。

 

英語の辞書を引くと、それぞれの単語にアクセントの位置が明示されています。アクセントが置かれる音節の上にはアクセント記号がついているので、確認して少し大げさに発音するようにしましょう。英語をネイティブのように話したいときは、まずはこのアクセントが重要です。

 

 

1-2. 緩急

英語は、スピードが一定ではありません。発言内容に関わる重要な単語のときは、はっきり発音するためスピードが落ち、内容に関わらない単語はさらっと発声されます。このため、ネイティブの話す英語にはメリハリのあるリズムが生まれます。

 

よくある自己紹介の結びの文を例にとってみましょう。

Nice to meet you.

ネイティブは、発言内容にあまり関わってこない”to”をさらっと言います。そのため、「ナイスtミーチュー」のように聞こえ、toがあるのかないのかわからないレベルになります。

 

勘違いしやすいのが、「英語がペラペラ=話すスピードが速い」だと思ってしまうことです。話すスピードが上がっただけでは単調さは変わらず、逆に早口すぎて何が伝えたいのかわかりにくいため逆効果になってしまいます。

 

話す速さが問題なのではなく、内容を表す単語とそうでない単語のメリハリをつけることが重要です。

 

 

1-3. 発声

英語ネイティブは声が大きいと感じたことはありませんか?

 

実は、声が大きいのではなく、英語独自の発声に秘密があります。

 

日本語が喉を使う発声なのに対し、英語のネイティブ話者は、腹式発声を行っているのです。

 

身近に英語圏からの帰国子女がいる方は、英語と日本語の発声を聞き比べてみてください。それぞれの言語をネイティブレベルで操る帰国子女は、無意識のうちに発声を切り替えています。

 

喉を使って声を出す日本語では声が細くなったり高くなったりし、腹式発声の英語では太くなったり低くなったりしているはずです。

 

英語独自の腹式発声に切り替えることで、ネイティブのような響きで英語を話すことができるようになりますよ。

 

 

1-4. 息の使い方

息の使い方も、ネイティブのような英語を話すには重要です。英語を話すとき、適切な「間」を取ることを意識しましょう

 

例えば、「英語でプレゼンをする」という状況を思い浮かべてください。英語の原稿を完璧に用意し、たくさん読む練習をしても、適切な間を取ることができていなければ相手に伝わりにくいプレゼンとなってしまいます。

 

私たちは、この適切な間を取るための息継ぎを、母語では自然に行うことができます。しかし、母語ではない英語ではこの意識が抜け落ちてしまうことがあるのです。

 

次の文を例にとってみましょう。プレゼンや会議などでよくある導入です。

Hello everyone./ I’m Taro Yamada,/ and I will be talking about our company’s new product,/ “ABC device.”
(皆さんこんにちは。ヤマダタロウと申します。わが社の新商品「ABC機器」についてお話させていただきます。)
 

これをネイティブのように話そうとすると、 “,”(カンマ)と “.”(ピリオド)でしっかり間を取る必要があります。

 

コツは、それぞれの区切りで息をしっかり吐き切り、次のまとまりに向けて息を吸うことです。これを心がけると、文章がまとまりごとに分割され、聞き手に配慮した話し方にもなります。

 

 

2. ネイティブ発音のコツは「はっきり」音を出すこと

ネイティブ発音のコツは「はっきり」音を出すこと

 

日本人に多い勘違いの1つが、あいまいな発音がネイティブっぽいと思っていることです。なんとなく巻き舌にしたまま、英語を話していませんか?

 

英語は、クリアな発音をすることが大切です。当たり前ですが、あいまいな発音が聞き取りやすいはずがありません。

 

ただし、注意しなければならないのが、クリアな発音というのは日本語のカタカナの発音ではない、ということです。

※この記事では、初心者の方でも理解がしやすいように、英語の発音をカタカナで表記することもあります。

 

ということでこの章では、誰もが陥りがちなカタカナ英語から抜け出すために、日本人英語学習者が特につまずきやすい点に絞り、正しい発音や音の連結についてお教えします。

 

それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

2-1. 英語の母音は多い!

日本語は母音の種類が「ア・イ・ウ・エ・オ」の5種類しかありません。ところが、英語の母音は日本語よりも多く、文字と読み方が1対1対応ではないことも多いのです。

 

日本人がよく手こずるのが、「ア」の発音です。日本語では1つしかない音ですが、なんと、英語には5種類の異なるバージョンがあります。それぞれ、発音の仕方と上達のコツをご説明します。

 

 

[a]

massage(マッサージ)

日本語の「ア」とほぼ同じ音です。気負わずにカタカナ発音して大丈夫です。

 

 

[ae]

map(地図)

ゆっくり発音すると、「メァープ」となります。この音は、「ア」を発音する口の形で「エ」と発音します。最初は「エ」で始まり、徐々に「ア」の音が混じってくるイメージです。「マップ」ではありません。

 

 

[e]

garage(ガレージ)

「ア」より、どちらかというと「ウ」と「エ」が混ざった音です。うしろのaにアクセントがくるため、力を完全に抜いた音です。息を軽く吐いて発音します。

 

 

[ei]

maple(かえで)

「エイ」と発音します。カタカナ発音では「メープル」と言ってしまいがちですが、正しくは「メィプル」です。

 

 

[o]

fall(秋)

字面だけ見ると「ファール」と言ってしまいそうですが、「オ」の音に近い発音です。しかし、完全に「オ」の音ではなく、「ア」と「オ」の中間の音です。「ア」と言いながら徐々に「オ」の口の形に近づけ、半分ずつ音を混ぜると発音できます。力を抜いて発音するのがコツです。

 

これらの母音の発音をしっかり区別するだけで、一気にネイティブに近づくことができます。

 


2-2. 子音を区別して発音しよう!

次に気を付けたいのが、子音の発音です。日本語では区別があいまいな子音も、英語ではもっと細分化して区別する必要があります。

 

日本語話者が区別しにくい音で代表的なものを下に示しました。

 

・LとR
・BとV
・TH
・SとSH
・TとTS

 

日本語には存在しない音を含むため、初心者の多くは、日本語にある音で代用してしまいがちです。

 

しかし、ネイティブの発音に近づくためには、英語特有の区別が不可欠です。それぞれ練習し、周りと差をつけましょう。

 

 

LとR

英語の発音で一番難しいと言っても過言ではないのがこの発音の区別。日本語の「ラ」はLとRの中間の発音のため、余計にややこしくなります。

 

なんとなくで発音をしていると、rice(ごはん)がlice(シラミ)になったり、lake(湖)がrake(熊手)になったりしてしまいます。

 

Lの発音は、舌を上の前歯の裏側に軽くつけます。Rのときは、どこにもつけずに舌を喉のほうに向けて軽く巻きます。

 

 

BとV

Vの発音はカタカナで示すと「ヴ」です。「ブ」と発音せず、上の前歯を下唇の裏側につけて振動させるだけで十分です。

 

 

TH

THの発音には2種類あり、振動させないほうは[th]、振動させるほうは[dt]で表します。

 

[th]では舌の先を軽く前歯で挟み、軽く息を吐きだします。舌の両側から息が漏れることで発音します。[dt]では舌の先を前歯で挟むのは同じですが、その際に振動させます。

 

これらはmouth(口)とmouse(ネズミ)などの区別に重要です。

 

mouthは[th]の発音、mouseは[dt]の発音をします。

 

くれぐれもカタカナの「ス」や「ズ」で代用しないように注意しましょう。

 

 

SとSH

実はこの2つの子音は両方とも日本語にも存在する音です。


サ・ス・セ・ソはSの発音、シはSHの発音をします。sea(海)とshe(彼女)などの区別に重要です。

 

スの口で母音を入れずに息を吐きだすとSの発音に、シの口で母音を入れずに息を吐きだすとSHの発音になります。

 

 

TとTS

こちらの音も、日本語に存在します。しかし区別が難しく、同じ「ネコ」という単語でも

 

タ・テ・トはTの発音、ツはTSの発音になっています。cat(単数形)、cats(複数形)の発音の区別に重要です。

 

 

2-3. 英語の文は単語でわかれていない!

英単語のリスニングはできるのに、英会話などで長い文になったとたんによく聞き取れない、という悩みを持つ方はいませんか?

英語の文は、音の連結(リンキングまたはリエゾン)が起こります。

例えば、時間を訪ねたいときはWhat time is it?と言いますが、ネイティブは「ワット・タイム・イズ・イット」とは言いません。「ワッタイミズィット」のように聞こえるはずです。

 

このルールを理解すると、次第にリスニング力も上がっていきます。音の連結をマスターして、ネイティブの英語を聞き取れるようになりましょう。

 

 

3. 発音矯正におすすめの英語学習教材

発音矯正におすすめの英語学習教材

 

練習の仕方をもっと詳しく知りたい! という方は、市販の英語教材やYouTubeチャンネルを利用するのがおすすめです。

 

 

3-1. おすすめの英語教材

テキストで勉強したい方は、市販の英語教材を活用しましょう。

 

おすすめの書籍を3冊ご紹介します。

 

『あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!』(KADOKAWA)

引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/321907000732/

 

「フォニックス」という、英語圏の子供達が英語を学ぶときに使用する「スペルと発音の規則を学び正しい読み方を学ぶ方法」を、日本語の音を使って解説している新しいタイプの教材です。


発音を解説する無料動画が文中にあるQRコードをスマホで読み取るだけで簡単に観ることができるなど「勉強のしやすさ」に配慮されています。また、かわいらしいイラストを多用していて、楽しみながら学習できます。


TOEICなどの資格試験のリスニング対策にも効果があるということで、高い評判を得ています。

 

『Mastering the American Accent』(Barrons)

引用:https://www.amazon.co.jp/Mastering-American-Accent-Lisa-Mojsin/dp/1438008104/

 

20年以上発音の指導をしているLisa Mojsin先生が著者のアメリカ英語の発音トレーニング本です。

 

子音母音について、1つ1つ発音の仕方(口の動き)や単語の例が載っています。本書はすべて英語で書かれていますが、口の中の用語さえ押さえておけば、それほど難なく読めるレベルの英語で書かれています。イントネーションについても、抑揚が矢印を使って説明されているので、視覚的にわかりやすい内容になっています。

 

また日本人、中国人、フランス人など、国籍ごとに注意すべき発音がまとめられているので、日本人が苦手な発音を意識的に練習することができます

 

音声はダウンロード可能で、テキストを見ながら発音練習をすることができます。

 

 

『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』(ナツメ社)

DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本

引用:https://www.natsume.co.jp/books/2089

 

中学で習う基本的な単語を中心に発音を解説しているテキストです。DVDは約120分の充実した内容で、3方向からの口元アップ映像も収録されており、正しい発音を学ぶことができます。

 

 

3-2. YouTubeを活用しよう!

YouTubeで「英語 発音」などとキーワードを入力すると、無料で多くの英語学習チャンネルの動画をオンラインで見ることができます

 

日本人とネイティブのどちらに教わりたいのか、正統派の発音を学びたいのか、それとも裏技的なコツを知りたいのかなど、ご自身の好みに合わせて視聴しましょう。

 

3-3. SiriやGoogle Assistantを活用する

スマートフォンを使って、無料で自分の発音を手軽にチェックできる方法があります。それは、SiriやGoogle Assistantなどの音声認識機能を利用するという方法です。

音声認識機能の設定を英語にした後、任意の単語をマイクに向かって発音するとスペルを示してくれます。このとき、うまく発音できていないとまったく聞き取ってくれません。

 

聞き取ってくれるまで練習し、それを毎日やり続けることが、発音の訓練になります。正しく自分の発音を聞き取ってもらえるようになると、自分の上達がよくわかるので、モチベーションアップにもつながります。

 

 

4. まとめ

まとめ

 

いかがだったでしょうか? 実際に発音の練習をするときは、電子辞書やインターネットの辞書で音声を再生しながら練習するのが上達への近道です。

 

日本人が学校でしてきた英語の勉強は、音読や読み書きだけで、「発音についてはほとんど勉強しなかった」という人が多いのが現状です。日本人が苦手な発音だからこそ、訓練して正しい発音を身に付ければ、周りの日本人と差をつけることができます。

 

また、ネイティブのようなきれいな発音を身につけると、英会話が楽しくなります。自信がつき、人前で英語をどんどん話したくなるはずです。

ネイティブ発音を身につけ、周りの人たちを驚かせてみてはいかがでしょうか?

  
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