これで安心!おさえておきたい英語の手紙の書き方

「英語の手紙の書き方がわからない!」

そんな悩みを抱えるあなたへ。

EメールやSNSが普及した今だからこそ、温かみが伝わる手紙でやり取りしたいという方も多くいらっしゃいます。また、ビジネスの重要書類といった文書は書面でやり取りすることが未だに多いです。

手元に残るものだからこそ、英語の手紙のマナーや書き方が気になりますよね。


今回は、英語の手紙のマナーやポイント、そして場面別で活用できる便利な英語フレーズをご紹介していきます。

 
 

1. まずは基本の書き方から

 

英文で手紙を書く際に、まず確認しておくべきことは、基本のマナーです。手紙のマナーは、Eメールでも活用することができる部分もあるので、しっかりとその詳細を知っておくことが重要です。


英語の手紙全般としてのマナーと構成、そしてビジネスシーンで特に留意するべき点から確認していきましょう。

 

 

1-1. 一般的な手紙のマナーと構成

どのような場面であれ、英語の手紙には定型ともいえる構成があります。その構成をベースに、マナーに注意して組み立てていくというイメージをもちましょう。


基本の構成は次の要素から成り立っています。

 

(1) 日付

アメリカとイギリスでは表記方法が異なります。

 

2019年10月18日を例にすると、アメリカでは「10/18/2019」、イギリスでは「18/10/2019」となり、日にちと月の順序が異なります。

 

フォーマルな形式では、日付の上部に差出人の住所を書く場合もありますが、カジュアルなホームステイ先の家族や友達宛てであれば省略する場合がほとんどです。

 

(2) 宛名

手紙の始めの部分になる宛名は、相手によって書き方が異なります。

 

最も一般的な「Dear」は、フォーマルにもカジュアルにも使用できる万能フレーズです。親しい相手であれば、「Hi」と書き出すこともあります。宛名の後はコンマで区切り、改行して本文となります。


「〜へ」という意味を持つ「to」は手紙では使用しない、ということにも注意しましょう。

 

(3) 本文

相手がビジネスパートナーの場合はわかりやすく簡潔にまとめるなど、状況と相手に合わせて適切な文章を作成しましょう。

 

(4) 結び

日本語で「敬具」といった締めの言葉があるように、英語にも結びのフレーズがあります。

 

「Yours faithfully」というフォーマルなものから、カジュアルな「Regards」まであります。場面によって使い分けましょう。

 

(5) 名前+署名

最後に、名前と手書きであれば署名を入れます。「〜より」を意味する「from」は、手紙のマナーとして使わないということが注意ポイントです。

 

また、構成は、いただいた手紙への返信であっても同じです。

 

(6) 封筒の宛名の書き方

封筒の宛名は、日本語とは逆で「1.名前、2.住所」の順序で記載します。住所は日本だと「〇〇県××市△△(地区)□□番地」のようになりますが、これも英語だと逆で番地から書き始めます。例えばイギリスのTom Smithさん(男性)に宛てる場合は、次のようになります。

 

Mr. Tom Smith

〈番地〉, 〈道の名前〉Street, 〈地名〉, London, 〈郵便番号〉UK

 

海外の郵便番号は日本と異なる場合があります(数字の桁数が異なる、アルファベットと数字の混合など)。


国際郵便の場合、封筒には忘れずに「AIR MAIL」と明記するようにしましょう。

 

1-2. ビジネスシーンで注意すべき手紙の書き方

日本語と同様に、ビジネスシーンで英語の手紙を書く際にも「フォーマルな言葉選び」が重要です。

 

1-2-1. 手紙の始め方

要件を明確にするため、以下のようなフレーズで書き始めましょう。

 

英語:I am writing to inform you that…

意味:~についてお伝えするためにご連絡しました。

 

英語:I am writing to confirm…

意味:~について承知いたしました。

 

英語:I am writing to complain about…

意味:~について申し上げたくご連絡しました。

 

特にcomplainは苦情がある際に使用します。

 

1-2-2. 本文:要件ごとのフレーズ

手紙で伝えたい情報の中身に応じてフレーズを選びます。

 

良い情報を伝えるときは、

 

英語:I am delighted to inform you that…

意味:~とお伝えできることを嬉しく思います。

 

相手の要望を断らなければならないようなときは、

 

英語:I’m afraid it would not be possible to…

意味:~することができず申し訳ありません。

 

英語:After careful consideration we have decided…

意味:十分な協議の結果、~と決定しました

 

相手に要望があるときは、

 

英語:I would be grateful if you could…

意味:~してくださると助かります。

 

本文の最後には、次のような文言を加えると親切です。

 

英語:If you require more information, please let us know.

意味:何かご不明点がございましたら、気軽にご連絡ください。

 

 

1-2-3. 始まりと結びのあいさつ

ビジネスレターでは1.1.で述べたDear〈名前〉のほかに、その場合、結語にはSincerelyなどが対応しています。結びのあいさつの後にはコンマと改行を入れましょう。

 

Dear Tom Smith,

 

~本文~

 

Sincerely,

〈自分の名前〉


ビジネスマナーでは、明確な構成を心がけることが鉄則です。

 

 

2. 留学シーンで役立つ英語の手紙の書き方は?

 

英語で手紙を書く動機として、ビジネス以外で最も多いと考えられるのが、留学に関連するケースです。


ここでは、留学時に初めてでも自信を持って手紙を作成するためのポイントをご紹介します。

 

 

2-1. ホストファミリーに挨拶しよう

留学の中でも短期の語学留学では、ホームステイを利用する方が多くいらっしゃいます。ホストファミリーが決定したら、まずは挨拶を兼ねて手紙を書いてみることをおすすめします。


まだ初対面も果たしていない段階なので、ある程度のフォーマルさを保ちつつ、簡単な自己紹介などを簡潔にまとめましょう。

 

以下のような文言で締めると前向きな気持ちが伝わり、好印象です。

 

英語:I am looking forward to meeting you on〈日付〉in〈場所〉.

意味:〈日付〉に〈場所〉でお会いできるのを楽しみにしております。


併せて、ホームステイが終わり帰国した後にも、感謝の気持ちを伝えるお礼の手紙を送る事も忘れずに。この場合は、親しみを込めて「Hi」から始まるカジュアルな文章にすることがポイントです。

 

 

2-2. 学校に手紙を書くときの便利フレーズ

状況によっては、大学などの学校にお願いや確認事項があり、書面でのやり取りが必要になることがあります。


このような相手が特定の個人ではない場合に使えるのが、「To whom it may concern」という「関係者各位」にあたるフレーズです。担当者がまだ判明していない場合には「Dear」を付けずに、宛名にこのフレーズを入れて書き始めます。この始めのあいさつはフォーマル度が高いので、対応する結語はYours sincerelyが対応しています。

 

また、特定の先生や教授宛てであれば、「Dear」を使うことができます。その場合は、Dear Professor Whiteなどと役職を入れるとよいでしょう。

 

本文の大まかな流れは、1-2.のビジネスに準じたものを使用するのが適切です。

 

 

2-3. 友人への手紙のマナーは?

友達に留学後に久しぶりに連絡を取る場合も、手紙を効果的に使うことができます。

 

友人ということなので、宛名は「Hi」を使い、本文では「Hope this finds you well.(お元気ですか?)」というような、近況を尋ねるような内容が適しています。

 

始まりと結びのあいさつももっともカジュアルなもので十分です。SayakaからTomに宛てた手紙とすると、

 

Dear Tom,

 

~本文~

 

All the best,

Sayaka

 

友人に対して送る手紙に、堅苦しさは必要ありません。どんなに拙くても、自分の言葉で思いをつづれば、それだけで伝わるはずです。

 

 

3. 場面別・ビジネスで役立つ英語の手紙のポイント

 

マナーが最も問われるケースは、やはりビジネスシーンです。個人宛てであっても、会社間の問題に直接的に関係することなので、場面別でポイントをおさえることが重要です。

 

すべての用件に共通する型があります。それは、「要点→具体例→まとめ」という流れです。「日本のビジネスメールとそう変わらないのでは?」とお考えかもしれませんが、それよりもさらにわかりやすさを追求しているのが特徴です。

 

(1) 用件を端的に述べる

(2) 具体例、問題の詳細について説明する

(3) もう一度全体を端的にまとめる

 

次に、よくあるビジネス上での場面を想定したポイントを確認していきましょう。

 

 

3-1. 感謝の気持ちを伝える手紙

お礼状に値する手紙を英語で書く場合のポイントは、簡潔さです。「Dear」で始めて、本文は「Thank you for 〜」と謝辞から入ります。単刀直入に感謝を伝えましょう。ワンクッションは必要ありません。


日本語では、まずは前置きが必要ですが、英語でのお礼状では、

 

(1) 謝辞

(2) 感謝したいポイント(プロジェクトを一緒にできて、やりがいがあった、など)

(3) 改めて謝辞

 

という構成です。

 

 

3-2. 依頼・苦情の手紙

依頼や苦情など、書面での記録を意図して手紙を利用することがあります。この場合に注意したいのが、明確さです。

 

例えば、苦情であれば「complain」という言葉を使用し、どのような苦情で、どのような要求があるのかを順に書きます。

 

(1) 要件(依頼か、苦情か)
(2) 依頼内容・問題の概要の説明
(3) 具体的に相手にしてほしいこと(方法・期限)


要求を伝える場合は、相手にどのような方法で・いつまでに返答してもらいたいかも必ず言及して、締めるようにすることが重要です。

 

 

3-3. 会社を代表した案内の手紙

会社を代表して、イベントやパーティーの案内を出す場合は、導入のフレーズがポイントです。


特に招待に使えるフレーズとして、「We are delighted to invite you to 〜.(喜んでご招待します)」が便利。


また主語は会社として書いていることから、「We」でそろえることに留意し、フォーマルな言葉選びを心がける必要があります。

 

(1) イベント名と招待する旨
(2) イベント内容の説明・PRなど(必要な手続き、返答方法があればその案内)
(3) 結び


結びには、「ご来場、お待ちしております」を表すWe are looking forward to~.のような文言を使用すると良いでしょう。

 

 

4. これはおさえておきたい!英語の手紙の便利フレーズ

 

英語の手紙のポイントや注意点を理解したら、次は実践あるのみです。数をこなすことで、英語ならではの構成に慣れ、表現そのものを工夫する余裕ができます。


ここでは、構成の次のステップである表現に重点をおき、各場面でおさえておきたい便利フレーズを例文と併せてご紹介します。Eメールでも使える表現なのでぜひ使ってみてください。

 

 

4-1. ビジネスシーンでの便利フレーズ

なるべく早く返答をもらいたいときは、以下の表現を使用します。

 

英語:It would be greatly appreciated if you would handle with this without any delay.

意味:至急ご対応いただけると幸いです。

 

ビジネスでのやり取りでは、主語を非人称「it」にすることで、より公的な姿勢を表すことができます。

 

 

4-2. 普段使いできる頻出フレーズ

一般的な手紙では、導入部分のフレーズのパターンを知っておくことをおすすめします。日本語での「お元気ですか?」にあたるものだけでもいくつかあるので、あなたが使いやすい・覚えやすいと感じるフレーズを使いましょう。


以下例文を見ていきましょう。

 

英語:I hope everything is okay with you.

  :Hope this finds you well.

意味:お元気ですか?

 

英語:Looking forward to getting/receiving your updates.

意味:また連絡します/これからも連絡を取り合いましょう。

 

 

4-3. 特別な場面で使ってみたいフレーズ

友達や恋人とのやり取りの中では、親しい仲だからこそのフレーズにも挑戦してみましょう。特に恋人に向けて使うと非常にロマンチックなものばかりです。

 

英語:I’m dying to see you.

  :I want you to be right here.

意味:会いたくてたまらないよ。

 

英語:Drop me a line sometimes.

  :Let’s talk soon.

意味:連絡してね。

 

英語:Bye for now.

  :Until then.

意味:またね。

 

英語:Hugs and Kisses,

→結びの言葉



5. まとめ

 

「中学生レベルの英語の私には、英語の手紙なんて難しすぎる」と感じているあなたも、今回ご紹介した内容を使えば、簡単に英文レターを書くことができます。


ライティングは独学では習得が難しく、手紙の書き方に関する本もたくさん出版されているものの、そこから先に進むのが大変なのは当然です。まずは、例えば「ホームステイ先に自己紹介」など自分でテーマを決めて、とにかく実際に書いてみることが重要です。


「伝える」ことが手紙の目的だということを大前提に、あなたの言葉をシンプルに届ける手紙に挑戦してみましょう。

 
  
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