英語の勉強を始めようと思い立って書店に立ち寄ってみたものの、その膨大な量から何を選べばいいのかわからず困ってしまった。そんな経験は決して珍しいことではありません。
「これで完璧」「たった2週間で英語がペラペラ」といった魅力的なフレーズが並ぶテキストも、本当に効果があるのかと悩んでしまうものです。
効果があるテキストとは、自分に合ったテキストということ。それを選ぶためには、自分に必要な英語が何かを知り、継続して使える構成であるものを選ぶ必要があります。
そこで今回は、数々のテキスト制作に携わってきたメディアビーコン編集部が、今人気のテキストの傾向やおすすめの書籍をご紹介します。
あなたのための1冊を選ぶ参考にしてください。
Contents
1. あなたに必要な英語とは?
英語のテキスト選びをする上で、まずクリアにしたいのが、あなたが学びたい英語のエリアです。
テキスト選びに失敗しないためにも、大切なポイントを以下で確認していきましょう。
1-1. 必要なことを必要なテキストから学び取る
中学校や高校で使っていた教科書を思い出してください。
英語の初心者である中学生の教科書は、全く新しい言語の世界をイメージしやすいように、身近な場面設定のエピソードをベースに学習できるように作られています。
その反面、大学受験やTOEIC対策のテキストは、出題問題を練習できるような実践重視の構成です。
つまり、どういうことかというと、学習者のレベルや年齢層などに合わせて英語のテキストは作られているため、まずはあなたが英語を学ぶ目的を明確にした方がいいということです。
人気ランキングで上位の書籍を選ぶより、あなたが学びたい英語を、理解しやすい構成でまとめている書籍を選ぶことが大切。実際に文字情報が多い方が理解しやすい人もいれば、イラストや図の方が理解しやすい人もいるでしょう。
簡単な作業ではありませんが、じっくり時間をかけるてあなたに合った1冊を選ぶことをおすすめします。
1-2. テキストで学んだことを使いこなそう
当たり前のことですが、1冊のテキストだけで英語の全てを網羅できるわけではありません。英語は言語でありコミュニケーションツールであることを考えると、テキストや本から学べることには限りがあります。
例えば、英会話や各種テストのスピーキング対策については、基礎となるフレーズや単語、発音の仕方はテキストから学べても、実際にあなた自身の口を使ってアウトプットしなければ定着はしません。
「これがあれば大丈夫」ではなく、「これを使いこなす」という意識が、効果的な学習の基盤になります。
2. 英語のテキストを選ぶときにチェックすべきポイント
実際に数多ある英語関連教材・テキストから自分に合った1冊を選び取るために、チェックしておくべきポイントがあります。
同じような内容でも比較検討しやすくなるので、しっかり確認しておきましょう。
2-1. 著者のバックグラウンド
重要なポイントの1つが、そのテキストを執筆・監修している人のバックグラウンドです。
英語を学ぶなら、英語圏のネイティブから学ぶのが一番と考える方もいらっしゃいますが、日本語を母国語としている私たちに適しているのは、やはり日本語を母国語としている著者。
また、第二言語習得法や言語学、英語音声学を専門的に学んでいたり、TOEICや英検といった資格であれば実際の資格取得者、などどれだけの「実体験」が基礎となっているのかが重要です。
2-2. 基盤となる方法論(学習法)
次に注目しておきたいのが、そのテキストの基盤になる方法論(学習法)。
例えば、海外旅行を間近に控えていて、旅行で使える英会話フレーズを学びたいのに、文法解説が多い参考書で英語を学んでも、効率的な学習とは言えません。シチュエーションごとに、頻出の英会話フレーズを実際に覚えられる内容のテキストを使うべきです。
このように、テキストを選ぶときは、根底にある方法論(学習法)が理にかなっているか、納得できるか、ということに着目しましょう。
2-3. 継続しやすい構成や仕掛けがあるか?
テキスト選びで欠かせないポイントが、「継続して使えるものか」ということ。
そのテキストを読み進めたくなるか? という視点で、各章の構成や付録となる動画や音声などの無料コンテンツの充実度などを含めて、検討してみることが大切です。
復習のしやすさ、インプットとアウトプットのバランスは、ネットショップでも目次を見れば確認できるので、必ずチェックしておきましょう。
3. 今人気がある英語テキストとは?
英語への意識の高まりに乗じて、英語テキストの種類も多彩になりました。2019年の人気ランキングをもとに、今特に注目されている人気テキストの傾向をみてみてみましょう。
3-1. 「なりきり」「リアル」で実践力を身につける
「話せる」スキルを重要視するトレンドから、日常生活や実際のビジネス、海外旅行といった場面で英語を使える「実践力」に重点を置いているテキストが多く販売されるようになりました。
教科書的な例文ではなく、リアルさを重視しているということもあり、イメージがしやすく、楽しく学習ができるというメリットがあります。
また、英語の自然な発音で重要な「リンキング(2つの英単語をつなげて、1つの英単語のように発音するルール)」といった手法も、実践しながら学べるので、レベルを問わず挑戦することをおすすめします。
3-2. 英文法コンプレックスをなくす
最近は、学生時代英語が苦手だった大人のための「英文法やり直し教材」が多く出版されています。
学校英語や受験英語で植え付けられたコンプレックスを払拭するために、シンプルでわかりやすい解説を意識したテキストも多く、英語の基礎力を身につけるためにははずせない内容です。
英語にコンプレックスのある大人にも優しい英文法テキストを、初心者の方は1冊もっておくといいでしょう。
3-3. 瞬発力にとことんこだわる
日本にいながらにして、英語を使う場面が増えてきている中、英語を聞いた途端にスムーズに対応できる「瞬発力」をテーマにしたテキストも人気があります。
日本語と英語を脳内で行き来するのではなく、初めから英語で考え英語で話すクセをつける、という意味で瞬発力はリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングすべてにおいて必須。
反復学習の一部に、この瞬発力アップを取り入れるのは、英語力アップにも大きな効果が見込めるでしょう。
4. 初心者にも上級者にもオススメ!厳選テキスト3選
前項で取り上げた傾向の中でも、どのレベルの方にもおすすめできる厳選テキストをご紹介します。
一度手に取って、あなたとの相性を体感してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
4-1. 『一億人の英文法』(東進ブックス)
引用:http://www.toshin.com/books/archives/2013/03/post_210.html
NHKラジオ英会話を長年担当する講師大西泰斗氏のベストセラーテキスト。ボリューム感はありますが、話すための英文法をテーマ、イメージで英文法が理解できるように解説されています。
多くの人が苦手とする前置詞を図解していたり、読みやすさとわかりやすさが散りばめられた文法書です。
4-2. 『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング CD BOOK』(ベレ出版)
引用:https://www.beret.co.jp/books/detail/249
英語の瞬発力を身につけるのにぴったりのテキストが『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』です。
あえて直訳風の日本語対訳とリンクさせることで、英語で物事を考えるベースを作るトレーニングができます。基本的な中学生レベルの例文を単に読み上げるのではなく、反射的に口に出せるようにするという目的で構成されています。
「知っている英語」を「使える英語」へ、という理念が体感できる内容です。
4-3. 『英会話イメージリンク習得法~英会話教室に行く前に身につけておきたいネイティブ発想』(英会話エクスプレス出版)
引用:https://www.eikaiwa-express.com/imagelink/
英会話学習の専門家である著者がネイティブスピーカーとタッグを組んで作られた、「英語の思考」を学べるテキストです。
日本人には理解が難しい時制の仕組みも、イラストを駆使して解説されていることから、感覚として理解し定着させることができます。
英会話スクールに通ってネイティブ講師とのレッスンを受ける前や、目標に特化した英語コースを受講する前に、まずは読んでおきたい1冊です。
5. まとめ
英語を学ぶ方法には、書籍の他にも、語学留学をしたり、英会話スクールに通ったり、オンライン英会話、YouTube動画やポッドキャスト、ゲーム感覚で行えるアプリなどさまざまな方法があります。その中でも、独学でテキストを使って学ぶというのは、一番確実な方法に見えて、実は難しくもあるでしょう。
「自分に合った書籍を選ぶ」ということは意外と難しく、合わない本を選んでしまえば、勉強がまったく長続きしないという状況に陥ってしまいます。
だからこそ、あなたに合った効果を出せるテキスト選びのコツをおさえて、楽しく英語学習を続けて自信を身につけましょう。