いまの30代、40代は、英語が使えるようになることを目指した英語教育を学校で受けてきた世代です。英語が使える、つまり、ある程度は英語でコミュニケーションをとることができるようになっているはずですが、実際にはどうでしょう?
大学生や社会人になってから、「英語が全然話せない! やっぱり英会話ができるようになりたい!」と考えて、英会話スクールに通う人が少なくありませんよね?
でも、ちょっと待って!
英語が全然話せない初心者の方がいきなり英会話スクールに通うのは、あまり効果的な学習方法とは言えません。
この記事では、英会話の初心者の方が学習を始めるときに気をつけたい点をご紹介します。
Contents
1. あなたの英語レベルに応じた英会話に必要なチカラとは?
英会話の初心者の方の場合、初歩的なあいさつや自己紹介は何とか乗り切れるものの、それ以外の英会話が続かないという状況に陥りがちです。
具体的には、英会話初心者の方には次のようなことがよく見られます。
① 相手が言っている英語(英会話)が聞き取れない
② 相手の言っている英語(英会話)がわからない
③ 知っている単語をとりあえず並べる
④ 英語でどう言えばいいのかわからない
⑤ わからないから日本語になってしまう
①と②は聞く力(リスニング力)、③と④は話す力(スピーキング力)がそれぞれ不足していると言えます。⑤は総合的な問題でしょう。
英会話には、英語で聞く(リスニング)力と話す(スピーキング)力の両方が必要です。その両輪を支えるのが、語彙力と文法力の2つです。
1-1. 基本の語彙力のつけ方
初心者の方が英会話の最中に、知らない単語や表現にであったら、会話が止まってしまった。英語でどう言えばいいのかわからなくて、英会話ではなく日本語になってしまった。
こうした点は、シンプルに知っている英語を増やすことで解決することができます。
そう、初心者が英会話を始めるときには、知っている英語を増やす、つまり語彙力を上げることを最優先にすることをおすすめします!
語彙力を上げるというと、ひたすら単語本や教材などのテキストで単語とその意味を暗記していくイメージでしょうか。でも、それだけでは、英会話の中で相手が使ったり自分が使いたくなっても、単語を思い出しにくいかもしれません。
それでは、どうすればよいでしょうか?
単語を覚えるときは、必要な単語だけではなく、必ず文やフレーズで覚えるようにしましょう。具体的には、単語を含む文やフレーズの音声を聞いて、それを真似して声に出して言ってみるところまでをセットにするのです。
こうすることで、英単語の意味だけでなく、実際にどう使うのかを例文で確認することができます。また、意味と音声を結びつけて記憶することによって、英会話の中でその単語を聞いたときに意味を思い出しやすくなり、相手の言ったことを理解できるようになります。同様に、声に出して発音してみることによって、英会話の中で自分がその単語を使いたいときに、パッと言えて上達につながります。
語彙力アップに向けて使用する学習教材としては、単語に例文が添えられていて、CDや音声ダウンロードなどで音声を聞けるようになっている書籍やアプリ、ポッドキャストを選ぶとよいでしょう。
同じ学習教材を繰り返し使うことで記憶に残りやすくなります。例えば、通勤電車では、英会話の音声を聞きながら単語の意味や例文を確認する程度にとどめ、帰宅してから同じ単語について音声を聞いて真似て言ってみる、という方法もいいですね。
初心者の方で単語本だけだと飽きてしまう場合には、簡単な読み物を取り入れて語彙力アップを図るのもおすすめです。
易しいレベルの短めの英文を読んで、その中に出てきた英単語や表現を覚えていく方法です。日本語の対訳や解説がついているものだと、初心者でも負担が少なくてとっつきやすいでしょう。スポーツや旅行、映画など、自分の好きな分野の読み物であれば、興味をもって取り組めますね。この場合も、なるべく音声を聞いて真似るようにすると、学習効果がアップしますよ。
1-2. 文法の学習方法
さて、語彙力がいくら上がったとしても、知っている単語を並べただけではカタコト英会話にすぎません。
初心者の方が英会話を始めるときには、もうひとつ、基礎的な文法力が必要になります。語彙力アップと並行して、文法力の強化を図る学習を取り入れましょう。
そうは言われても、初心者の方は「文法」と聞くと、途端にコミュニケーションのための英会話から離れてしまうような印象を受けるのではないでしょうか。
そんなことはありません。むしろ、英語でコミュニケーションをとるためには、文法というルールを知っておくことが近道になると言えます。英会話初心者の方こそ、文法を勉強していただきたいです。
例えば、日本語を学習している外国人が「わたしは いくよ、かいしゃ、きのう」と言ったら、意味は通じてもカタコトに聞こえますよね? この人にもっと日本語の文法力があったら、きっと「わたしはきのう、かいしゃにいった」という文を言えると思いませんか?
英会話初心者の日本人が英語を聞いたり話したりする際にも、同じことが言えます。中学・高校で学習したような基本的な英文法を復習すれば、初心者の方が英語でコミュニケーションをとるときに活かせる力になり得るのです。
英文法の参考書を開くと必ず載っている「文型」。これは、要するに語順、つまり単語の並べ方と考えるとよいでしょう。
また、中学から高校にかけて勉強した「動詞の時制」。これは、初心者が日常的な英会話をする際にも押さえておくべき項目です。過去形と現在形のちがいを知っていれば、次の対話の動詞を正しい時制で言えますよね?
A: How was your weekend?
B: I went to Disneyland with my family. So I am very tired today!
(日本語)
A:週末はどうでしたか。
B:私は家族とディズニーランドに行きました。だから、今日私はとても疲れています!
英会話初心者の方が文法力を強化するためには、書店の語学書コーナーに行って、中学・高校レベルの基礎的な文法書を購入するところから始めるのがおすすめです。その際、あらゆる項目を網羅した分厚いハードカバーの文法の参考書ではなく、コミュニケーションをとるときに知っておきたい文法項目を重視したソフトカバーの読みやすい文法書を選ぶのがカギとなります。
文法書は読んだりノートにまとめたりするなど、自分の好きな方法で勉強を進めればよいでしょう。ここでも、例文を声に出して読むことが、英会話に必要な話す力の上達につながりますよ。
2. 初心者の方必見! 英会話スクール・レッスンのおすすめ活用方法
前にも述べのとおり、英会話初心者の場合は語彙力と文法力を底上げしてからのほうが、英会話スクールで学習効果を感じやすくなるはずです。
でも、英会話スクールに行くのが先でも別にいいのです。
大切なのは、英会話スクールに通い始めてからも、並行して語彙力と文法力の強化を継続することなのです。
英会話スクールは、英語で聞いたり話したりする実践の場です。実践とは言っても、ある程度予習することができるレッスン用のテキストに沿った会話かもしれません。でも、頭ではわかったつもりだったことも、いざ会話の中で出てきたらすぐに理解できなかったり、うまく言えなかったりすることが出てきます。
英会話スクールに通うと、自分の英語力に不足しているものに対する「気づき」が生まれます。不足しているものを重点的に補うような学習をしていくことで、初心者でも効率よく英語でのコミュニケーション能力を身につけることができるでしょう。
3. まとめ:初心者こそ教材を使って独学で英語力をつけよう
いかがでしたか?
英語が話せるようになるためには、初心者であればあるほど、語彙力を上げたり文法を復習したりすることが大切です。この学習は独学でも十分可能です。
英会話スクールの受講料も決して安くはありません。基礎力を少し上げてから通い始めたほうが、初心者の方はより効果を感じられるようになるはずですよ。
Good luck!