すでにご存じのとおり、2020年から小学5年生、6年生を対象に英語が教科としてスタートします。また、3年生、4年生では外国語活動が必修化。
期待が大きい反面、「うちの子は授業についていけるかな」、「早く英会話スクールに通わせたほうがいいかな」など親御さんにとっては不安も大きいと思います。
ここでは、小学校で扱う内容にふれながら、将来英語が使えるようになるために小学生の段階で押さえておきたいポイントをご紹介します。
Contents
1. 小学生が学ぶのは英会話だけじゃない! まずは学校の教室で学ぶ内容を知ろう!
「小学生で学ぶ英語」と聞いて、英語のゲームや歌を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。確かに音を重視する傾向はこれまでと変わりませんが、英語が教科として扱われる小学5年生、6年生では「聞く」「話す」だけでなく、「読む」「書く」活動も取り入れられます。
文部科学省のwebサイト「新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について」(2018年9月26日)に掲載されている教材のサンプルから、5年生、6年生で学ぶ内容を一部ご紹介します。
●5年生
I like~の表現を使った自己紹介、When is your birthday?の表現と1月、2月などの月の名前や数字、時間割についての表現、I can~、What would you like?などを学びます。単語や表現をテキストを見ながら書き写す活動が含まれています。
●6年生
5年生までに習ってきた内容を踏まえた長めの自己紹介、日本文化の紹介、自分たちの町、地域の紹介、夏休みの思い出の紹介、将来の夢に関するスピーチなど。話すだけでなく、少し長めの文章を読んだり、書いたりする活動が含まれています。
さらに詳しく知りたい方は、文部科学省のwebサイト「新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について」(2018年9月26日)をチェックしてみてください。小学校3年生、4年生の教材サンプルも掲載されていますので、気になる方はあわせて確認してみましょう。
2. 会話だけじゃダメ! 自宅学習でも「聞く・話す・読む・書く」のバランスを重視
小学生で学ぶ内容は、私たちが想像する以上に盛りだくさんです。では、どのような学習が効果的かというと、ポイントは「聞く・話す・読む・書く」のバランスです。これは、スクールを活用する場合でも、自宅で教材を使用して勉強する場合でも同じです。
なぜかというと、どの力も切り離すことができずつながっているから。例えば、正しい音を認識できていない人はなかなか英語を聞き取れず、自己流の発音になりがちです。また、多くの会話の機会を設けたり、文章を読んだりすることによって、多くの英単語や表現を身に付けてさまざまな表現が使えるようになります。
ちなみに、2020年に中学・高校では英語の授業をすべて英語で行い、大学入学共通テストでは「4技能評価、資格・検定試験」が活用されることになっています。この動きを見据えても、やはり4技能をバランスよく学ぶことを意識しておくとよいと思います。
したがって、小学生にとっても英語の音に親しむことは大切ですが、幼児対象の英語教育とは異なり、単にネイティブスピーカーと話す、英単語やフレーズを聞いて声に出すだけでは十分とは言えません。前に紹介した内容にもあるように、「読む」「書く」の部分も学ぶことで、「楽しい」だけで終わらない将来につながる英語力が身に付きます。
2-1. 各学年の学習内容は柔軟に捉えて 英検なども目安に
前にご紹介したように、各学年の学習内容の難易度には差がありますが、各学年の学習内容にとらわれず「簡単な日常会話程度の表現は、理解して使うことができるようにする」という感覚で、新しい表現を身に付けていくことをおすすめします。基準として活用していただきたいのは英検などの試験です。
すでにいくつかの英会話スクールで、小学生を対象に英検などを目標にして、「聞く」力、「話す」力はもちろん、文法や「読む力、「書く力も身に付けられるコースを設けています。小学校低学年のうちは、試験内容がリスニングだけの英検Jr.という試験を目安にしても構いません。
検定に合格することも目標にはなりますが、検定のための学びをとおして、小学校低学年まではただ聞いた表現をそのまま声に出しているだけだったのが、文法や多くの使用例を知ることで、自分で新たな文を作り伝えたいことを伝えられるようになるという点が重要です。
2-2. フレーズをアウトプットしやすい工夫を! 子供の英語力を伸ばす教材本の活用法
小学生に限らず、英語を使えるようにするためには、耳、口、目、手を動かして学ぶのが効果的です。スクールなどの指定の教材ではなく、市販の教材を使用することもあるでしょう。実際、小学生向けの英語教材は増えてきています。基本的なポイントとして、①音声付きのもの、②聞いた表現を声に出す工夫がなされているもの(音声の後に、リピートしたり、書いたりする時間がとられているなど)を選びましょう。
家で勉強する時には、どうしても自己流の発音になりがちです。ラジオ講座のように、あらかじめリピートする時間が指定されているなど、音声で学習をリードしてくれるような構成の教材はアウトプットしやすく集中力が持続しますのでおすすめですよ。
習った表現、英単語だけでは自分の好きなものや趣味、身近な出来事を十分表現できない場合もあります。そんなときにおすすめなのは和英辞典。最近は子どものためにすべて平仮名表記の和英辞典があります。
また、無料の子供向けの辞書アプリもあります。教材に掲載されている表現にとどまらず、表現を調べて自分の言いたいことを声に出したり書いたりできるようにすれば、英語の力は格段に伸びます。
3. ゲーム感覚で勉強できるアプリやユーチューブなど小学生向けのオンライン無料動画のおすすめ
家で教材を使って勉強する際にはどうしても学べる英会話表現の幅が限られます。教材を複数使ってもいいのですが、ほかの教科の勉強もあるなか子供には少し負担です。
そんなときにおすすめなのは、ゲーム感覚で表現を学べるアプリやYouTubeなどの動画。 アプリの場合「kids english app」で検索してみてください。すべて画面の表示は英語ですが、操作は簡単。
また、YouTubeの場合は、「kids english」で検索すると英語の歌のほかに、短めの文章や簡単な会話表現を集めた動画も。日本語字幕は付いていませんが、ゆっくり会話が進み、アニメーションを見ていれば何をしているか想像できるようになっています。
4. まとめ 小学校卒業後も見据えて英会話を身に付けよう
小学校での英語と聞くと、「聞く」「話す」だけかと思いがちですが、実際に想定されている学習内容はそうではありません。授業で扱うから、というだけでなく、英語の4技能は切り離して考えられないもので、小学生のうちからバランスよく勉強していくことが大切です。
英検などを目標にしながら、声に出していた表現の成り立ちも学び、自分で文をアレンジして言いたいことが言えたり書けたりするようになるトレーニングを繰り返し行うのが効果的です。音声付きの教材や音声で学習をリードしてくれる教材、子供向けの辞書は家庭での学習に取り入れやすいのでおすすめです。ぜひ活用してみてください。