「オーバーラッピングってどんな勉強法なの?」
と思っている人も多いはずです。
英語力を上げる勉強法として聞いたことがあるけれど、具体的なやり方や効果はよく知らない…、という人に向けて、今回は英語力をアップさせるためのオーバーラッピングの実践方法を詳しくご紹介していきます!
Contents
1. オーバーラッピングとは?
学習を始める前に、まずはオーバーラッピングがどのような勉強法なのかを確認しておきましょう。
1-1. 音読による英語学習法のひとつ
オーバーラッピングとは、お手本の音声と同じスピードで、スクリプト(英文)を読むトレーニングです。
音読による英語学習法のひとつで、音読とは声に出して英文を読む勉強法のことです。他にもシャドーイングやリピーティングなど、様々な種類があります。
オーバーラッピングはその名前から難しい印象を持つ人もいるかもしれませんが、コツさえつかめば誰でも始められる入門的な音読方法です!
1-2. プロの通訳者も実践している
オーバーラッピングはプロの通訳者も訓練で実施している音読方法です。科学的にもその学習効果は認められており、英会話や発音、リスニング力の向上など、総合的な英語力の向上が期待できる勉強法です!
2. オーバーラッピングで何が身につく?
上記でもご紹介したように、オーバーラッピングは総合的な英語力を高めるために最適な勉強法です。以下で、代表的な効果について詳しくご紹介していきます!
2-1. リスニング力がアップする
オーバーラッピングはリスニング力をアップさせるのに効果的です。お手本の音声を聞き取りながら音読することになるので、発音が良くなります。正しい音を再現する能力が高まると、聞き取る力も伸びます。
「普段ヒアリングの学習に時間を費やしているけれど、なかなか英語が聞き取れるようにならない…」とお悩みの方にはぜひ試してほしい勉強法です!
2-2. ネイティブのイントネーションや発音に慣れる
オーバーラッピングの練習を行うと、ネイティブスピーカー特有のイントネーションや発音に慣れることができます。お手本の音声をマネすることで、独学ではできないと思われがちな綺麗な発音の習得にも役立ちます。
綺麗な発音で英語を話したい、ネイティブの英語を聞き取れるようになりたいという人にはピッタリです!
2-3. 自然な英会話スピードが身につく
オーバーラッピングは英会話力の上達にも役立ちます。英語でスムーズな会話を成立させるためには、テンポよく英語特有の速さやリズムを保って話すことが大切です。
ネイティブのスピードに合わせて音読を行うことにより、口から英語が自然とスムーズに出てくるようになります。このように、リスニング力とスピーキング力を同時に向上させられるのがオーバーラッピングの大きな特徴なのです!
3. オーバーラッピングの基本的なやり方
続いて、オーバーラッピングの具体的な実践方法を確認していきましょう。4つステップで簡単にできるので、誰でも気軽に始められますよ!
① 教材を用意する
まずはオーバーラッピング用の教材を準備します。教材を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。
・ネイティブスピーカーの音声CD付き
・日英の全文スクリプトがついている
・英語が難しすぎない
英文が難しすぎると、オーバーラッピングの前に英文の意味や文法・発音をチェックするのに時間がかかってしまいます。ざっと英文を見て、7割程度は理解できる素材を選ぶとよいでしょう。
② スクリプトの内容を確認する
教材が用意できたらスクリプトの内容を確認しておきましょう。内容や意味が分からないまま音読しても、英文が理解できず効果的なオーバーラッピングにはなりません。
スクリプトを確認する際は、以下の項目に注意してみて下さい!
・意味の分からない単語はないか
・文中で使われている文法は理解できているか
・発音に自信のない部分はないか
③ 音声を聞きながら同時に話す
スクリプトの内容が確認できたら、実際にオーバーラッピングを行ってみましょう!スクリプトを見ながらお手本と同じ速度で音読を行います。
ポイントは、発音だけでなく、リズムやイントネーションなどもネイティブの真似をして読むことです。
英文が長すぎる場合には、区切りの良いところで一時停止(ポーズ)を入れながら行うとよいでしょう。
④ 繰り返し同じ文章で練習を行う
オーバーラッピングが一通りできるようになった素材は、日を改めて復習するのがおすすめです。一度学習したことはほったらかしにせず、繰り返し何度も復習を行うことで、音の変化やスピードがだんだん掴めるようになり、記憶に定着しやすくなります。
1つの素材に対して、だいたい1週間かけて完璧にしていくことを目安に取り組むと良いでしょう。
4. オーバーラッピングを効果的に行うための注意点
ここまでオーバーラッピングの基本的なやり方をご紹介してきましたが、実践に移る前に覚えておいて欲しい注意点がいくつか存在します。
4-1. 自分の英語レベルに合った教材を選ぶ
オーバーラッピングで高い学習効果を得るには、自分のレベルに合った教材を使用することが重要です。教材選びのポイントは以下の通りです。
・単語や文法が難しすぎないか
・文章が長すぎないか
・本の内容に興味が持てるか
4-2. スクリプトの内容を事前に確認する
オーバーラッピングのやり方でも触れましたが、スクリプトの中身は事前に確認しておきましょう。英文の内容を前もって理解することで、意味と音が結びついた状態で音読することができます。
オーバーラッピングは紙媒体の教材以外にも、YouTubeやNetflixなどの動画サイトを活用することも可能です。その際も、全文のスクリプトがしっかりと用意されている動画を選ぶようにしましょう!
4-3. 棒読みにならないよう注意する
学校の授業でもよくあるように、音読は意識せずに行うと棒読みになりがちです。英語特有の発音やリズムを身につけるためにも、オーバーラッピングは感情を込め、よりお手本の音声に近い状態で読むように心がけましょう。
また、中にはリンキング(音の連結)やリダクション(音の脱落)が苦手な人も多いと思います。これらは英単語同士が繋げて発音される場合や、特定の音が発音されないルールのことです。
【リンキングの例】
Can I→「キャン アイ」ではなく「キャナイ」と発音する
【リダクションの例】
getting→「ゲッティング」ではなく「ゲティン/ゲリン」と発音する(※語末のgの音は脱落する)
こういった音の変化を意識して音読をくり返すことで、より自然な発音が身につくようになります!
5.おすすめのオーバーラッピング教材
最後に、オーバーラッピング初心者でも使いやすい教材をご紹介していきます。ご自分の興味や目的に合わせて使ってみて下さい!
5-1.人気の音読パッケージシリーズを活用する
『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング CD BOOK』(ベレ出版)
引用:https://www.beret.co.jp/books/detail/358
リスニングの上達から音読の練習まで、これ一冊で完了することができる教材です。
使用単語や文法は中学レベルなので、ディクテーションなどへの応用も簡単に行えます。単語の意味や日本語訳も載っており、調べる手間もかかりません。
初心者~中級者向けとなっていますが、音声のスピードを変えられるので、上級者でも充分に効果を実感できる一冊です!
5-2.ビジネス英語ならTOEIC教材も効果的!
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
引用:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_06/pr.html
TOEICの公式問題集にはリスニング音源もついており、スクリプトを確認しながらオーバーラッピングを行うのに最適です。
使用単語はビジネス寄りのものが多く、実践で使える英会話力やリスニング力を高めたい人にはピッタリです! 初心者であれば、まずは短文のPart 1や2から始めることをおすすめします。
6. まとめ
オーバーラッピングは誰にでも実践できる大変効果的な英語学習法です。
今まで何となく試したことがなかった人も、ぜひこの記事を参考にしてオーバーラッピングへの第一歩を踏み出して下さい!