「英語の聞き流しを続けてもリスニングができるようにならない」
「中高6年間英語を勉強したのに、聞ける・話せるようにならない」
「聞き流しで寝ながら覚えられるって聞いたけど、全然効果がない」
このような悩みを抱えていませんか?
英語の「聞き流し」は負担が少なく、スキマ時間にもできるため、簡単だと思って実際に試す人も多い学習方法です。しかし実は、ただ単に英会話CDやラジオ、映画・ドラマ、洋楽、YouTubeの動画などを聞き流すだけでは、リスニング力は伸びないのです。
今回は、効果的に英語の「聞き流し」をする方法と、英語の聞き流し教材の選び方をご紹介します。
Contents
1. 聞き流すだけでは効果が出ない理由
「赤ちゃんは単語・文法が理解できていなくても、大量に聞き続けることで言葉を習得できる」
という理由から、同じように大人も「聞き流す」だけで英語が習得できると考える人も多いかもしれません。
しかし、赤ちゃんが母国語として英語を習得する場合と、大人が外国語として習得する場合では、環境・状況がまったく異なるため、同じように習得することはできません。
環境・状況の違いはいくつかありますが、一例として、英語に触れている時間の量があります。英語のネイティブスピーカーの場合、疑問文などのある程度複雑な文も理解できる・話せるようになるまでに要する時間は、約8700時間と言われています。これは、生まれてから3歳まで、1日8時間英語を毎日聞き続けた場合の習得時間です。
一方、一般的に日本人が中学~高校の6年間で英語に接する時間は、約3000時間です。これには、毎日家庭で行う1時間の学習も含んでいます。
これらの数字を見ると、ネイティブの幼児と比べても、明らかに学習する時間がまったく足りていません。母国語が英語の赤ちゃんが英語を話せる・聞けるようになるのは、十分な量の英語を毎日聞いているからです。大人になってからの学習では、ネイティブの子供が母語を身につける方法をそのまま真似しても、英語力はつかないことがわかります。
次に、「じゃあ結局、何をどう勉強したらよいのか?」について、以下で説明します。
2. 「理解できる英語」を聞き流すのが効果的
このように、英語を単に「聞き流す」だけではなかなか効果はありません。ですが、「聞き流し」そのものが無意味というわけではありません。聞き流すことが問題ではなく、理解できないような難しい教材を使うことが問題なのです。
学習する際は、「理解できる英語を聞き流す」ことがポイントになります。すぐに理解できるレベルの簡単な英文、またはすでに勉強し終えた英文を繰り返し聞くことで、英語のフレーズやリズムが徐々に身につき、聞き取れるようになってきます。
リスニング力を伸ばしたい場合、使用する英語の目安としては、音声の単語・文法・発音をすべて理解できる、または8割程度理解できる英文を使うのが望ましいです。また、単語や文法がわからない部分が全体の2~3%以内の英語なら、スピーキング力の向上も期待できます。
難しい英語を聞いているとなんだか勉強している感じがしますが、理解できていない英語をいくら聞き続けても効果はなく、リスニング力は伸びません。リスニング力・スピーキング力の向上には、「単語・文法・発音などを理解できている英文を聞き流す(=理解可能なインプットを取り入れる)」ことが大切です。
3. 聞き流しにおすすめの教材の選び方
実際に「聞き流し」学習をする際には、どういった教材を使えばよいのか? ここでは「理解できる英語を聞き流す」のに適切な、教材の選び方のコツを紹介します。
3-1. 簡単な英語の音声を使う
学習に使う英文は、単語・文法・発音でわからない部分が少ないもの、もしくは、少し難しい英文でも、スクリプトや和訳、解説を確認して単語や文法などが学べる教材を使いましょう。
目安としては、少なくとも8割程度理解できる英文を使う必要があります。
また、通常よりもスピードを遅くした音声を聞ける教材・アプリもあるので、英語初心者は遅いスピードのダウンロード音声で勉強できる教材を使うのがおすすめです。
3-2. スクリプト(音声原稿)がついているものを使う
聞いた英語を文字で確認できるように、英文スクリプト(読まれている音声が文字になったもの)が載っている教材を使いましょう。聞き取れなかったり意味が理解できなかったりする部分があれば、スクリプトを確認し、単語や文法、発音をチェックします。
意味の区切れ目にスラッシュ( / )が入っているスクリプトがあればなおよいです。かたまりごとに前から順に理解していくイメージで復習すれば、英語の意味やリズムがより身につきやすくなります。
ラジオ・ポッドキャストなどでスクリプトがないものを使う場合は、すべての英語が理解できるレベルの音声を使用するようにしましょう。理解できない英語+スクリプトなしだと、単語・文法の確認ができないため、聞き流してもあまり効果がなく、また、わからないものを聞くことでストレスがたまってしまい、学習が長続きしません。
スマホの英会話アプリやニュースサイトなど、無料で音声+スクリプトがついたものはたくさんあるので、まずはそれらを活用するのもよいでしょう。
3-3. 和訳や文法解説がついているものを使う
英文をしっかり理解するためにも、和訳やフレーズ・文法解説が載っている教材を使うことをおすすめします。
ある程度の知識があれば自分で辞書や文法書を使って調べることもできますが、英語初級者だと調べることが多く、「聞き流し」に移るまでに時間がかかってしまいます。和訳・フレーズ・文法解説などがついているものを選ぶことで、効率よく学習を進められます。
3-4. 自分が興味のあるトピックや、自分の目的に合うジャンルの英文を使う
自分が興味のある分野の内容であれば、ある程度の知識をすでに持っているため、英文が理解しやすくなり、楽しみながら学習を続けることができます。
また、英語を勉強する目的に合った英文を使うとよいです。自分の目的に合った英文を使って学習する方が、モチベーションが維持しやすく、学習が習慣化しやすくなります。
例えば、「海外支社とのやり取りで英語を使わないといけない」といったビジネスパーソンであれば、TOEIC用の教材など、オフィス内での会話やプレゼン、電話対応といったビジネス場面で使える英語が収録されたものを使い、「旅行のためにリスニング力をつけたい」などの理由なら、旅行の場面で使える表現を紹介している教材を使うとよいでしょう。
さまざまなシチュエーションを収録した教材・アプリであれば、自分の好きなことや目的に応じて学習する英語を選ぶことができます。
4. まとめ
リスニングを上達させるには、ただ聞き流すのではなく、簡単な英語(理解した英語)を聞き流すことがポイントです。
聞き流し学習の教材選びでは、
・簡単なレベルの英語の音声・スクリプトがついているもの
・和訳やフレーズ、文法の説明がついているもの
・自分が興味のあるトピックや、勉強する目的に合った内容
が入った教材を使うことで、「英文をしっかり理解 → 聞き流す」がスムーズにでき、より効果的に英語学習ができます。
上記の条件に合う英語教材を探すのは大変ですが、「英語の理解+聞き流し」の効果を最大限に活用した英会話教材「バイリンガリズム」は、英語が聞けるようになる7つの「集中リスニング」メソッドで、誰でも英語を聞き取れるようになる教材です。
テキストでの学習はもちろん、バイリンガル英会話講師の山田暢彦先生による解説動画つきで、英語フレーズの解説や発音のポイントなどを丁寧に学ぶことができます。
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