実用的で生きた英語表現をどうやって学べばいいのか、みなさんご存じですか?
TOEICで800点以上のハイスコアを取る人たちの学習方法をみると、英語をより日常言語に近づけるような勉強が増えていきます。その中でも代表的なものとして、実は「映画」を見ることが挙げられます。
映画は実際にネイティブが使用するスピードでの会話が多いので、実用的な英語フレーズを多く学ぶことができます。映画を字幕無しで見ることができたら率直にかっこいいですし、オリジナル言語なら日本語字幕や吹き替えで見るより、より深く映画を楽しめそうですよね。楽しみながら英語を勉強できるという点でも、映画は継続して英語を勉強する教材としても適しています。
ただ、映画を見るだけで実際どのように勉強すればいいのかわからないし、そもそもどんな映画を見ればいいのかわからないと思う人も多いでしょう。
そこで今回は、そんな映画を効果的に英語学習に取り入れる注意ポイントと、初心者やお子様に適している映画から、中級・上級者向けの映画まで、実用的な英語を学ぶのにオススメの作品をいくつかご紹介します。
Contents
1. 映画で英語を学ぶ6つのポイント
映画での英語学習はメリットが多いですが、漠然と見て聞き流しているだけでは大きな効果を期待できません。
まずは、映画による英語学習でしっかり効果を得るためのポイント・勉強の仕方のコツを見てみましょう。
1-1. 見たことのある・興味のある映画を選ぶ
字幕版や吹き替え版ですでに見たことがある映画や、有名な日本映画の英語版など、内容を知っている映画を選ぶのがおすすめです。
なぜならストーリーを知っている映画の方が、英語で見るときにも内容を理解しやすいからです。すでにあらすじを知っている場合、ストーリーを追うことに集中しなくていいので、登場人物が使う単語やフレーズなど細かな部分まで集中して聞くことができます。
また、映画で英語を学ぶ際は何度も繰り返し見る必要があるため、興味のある映画でないと勉強が辛くなってしまいます。映画をただ漠然と見るのでなく、表現や使い方に注意しながら長い時間集中して見る必要があるので、つまらないと感じる映画であれば集中力を削ぎ、表現が頭に入りにくくなるでしょう。
映画を英語の勉強の教材として利用する場合は、一度は見たことがある、または興味のあるものを選ぶということが大切です。
1-2. レベルに合った映画を選ぶ
次に自分の英語力に合う映画を選ぶことも重要です。
いくら楽しみながら勉強できると言っても、初級者が政治的な内容の難しい映画を見ても、理解するのが難しく、効率の良い勉強とは言えないでしょう。
初心者であるならば、まずはディズニーやジブリなどのアニメ映画や、恋愛・学園・家庭ものなどの日常系の映画がおすすめ。これらが字幕無しでも理解できるなら、難しいジャンルの映画にも挑戦してみましょう。
ただし、中学生レベルの基礎的な文法や語彙を最低限身につけていることが大切。初心者向けの映画でも、理解が難しい場合は映画での学習はおすすめできません。映画以外の教材でしっかり英語力を高めてから挑戦しましょう。
映画で勉強するためには、中学レベルの英語力があることを前提に、その上で自分に合ったレベルの映画を選びましょう!
1-3. 音声&字幕で多角的に学ぶ
映画で英語を学ぶときには、さまざまな音声と字幕の組み合わせを活用して学ぶのがポイント。
①日本語字幕or吹き替え版で →ストーリー理解
②字幕無しの英語音声のみ →聞き取りに集中
③英語音声&英語字幕で →聞き取った内容とテキストとのギャップをチェック
これらの目的の違う3つの方法で映画を見て、理解できていない場所を多角的に追い込んで探していくことが大切です。
ただ、すでにその映画のストーリーが頭に入ってるほど今まで何度も見たものだったら、すぐに②から入ればいいでしょう。臨機応変に音声&字幕を使い分けながら見て、効率良く勉強をすすめましょう。
1-4. スクリプトのある映画を選ぶ
映画全体のセリフを文字起こしした「スクリプト」があると、聞き取れず理解できなかった部分をきちんとチェックできるので、より学習のクオリティを上げることができます。
特に初級者の場合、ネイティブの早い会話に付いていけないことが多いので、スクリプトがあった方が勉強がしやすいでしょう。スクリプトを利用した勉強方法として、まずはスクリプトなしで映画を見て、次にスクリプトだけを読んでみる、そしてまた映画を見る。これを何度か繰り返すと、理解できなかった部分が明らかになります。
ネット上に無料でスクリプトが公開されている作品も多いので、探してみてはいかがでしょうか?
1-5. セリフを音読する
映画を使って勉強する場合は、セリフを音読するとより効果的です。
なぜならネイティブの発音やスピードで話される映画を使っての勉強は、音読を通してリスニングだけでなくスピーキング力も付けることができるからです。英語は単語の並びによって音が消えたり、つながったりと変化があります。映画の中のセリフを耳で聞き、それをスクリプトと合わせてみると、どこで音の変化が起こっているかがよくわかるでしょう。
勉強の仕方は簡単で、英語字幕やスクリプトを活用して、好きなセリフや使ってみたい表現を真似して何度も音読してみましょう。最終的には英文を見なくてもスムーズに発音できるように繰り返すことで、リスニングとスピーキング両方の訓練になります。
また、字幕やスクリプトを使わずに音声を追いかけて発音する「シャドーイング」や、聞こえた内容を書き出す「ディクテーション」をしてみるのも良いトレーニングです。
1-6. アクセントに注意
英語は地域によって発音の訛りである「アクセント」が異なります。
アメリカ英語とイギリス英語、オーストラリア英語では発音が違うだけでなく、同じ物事を表すのに使う単語や熟語が異なる場合も多いです。アクセントが違うだけで聞き取りの難易度も大きく変わってくるので、選んだ映画がどのアクセントで話されているかに注意することはとても大切です。
例えば「ハリーポッター」はイギリス英語の映画として有名ですが、アメリカ英語をしっかり学んだ人でも字幕がないとわからない部分があることもあります。
「留学・旅行で行きたい国がある」など学びたいアクセントが決まっているなら、その発音が使われている映画を主体に学ぶ方が効率的です。特にこだわりがなければ、日本の学校で使われているのがアメリカ英語で理解しやすいことから、アメリカの映画で学ぶのがおすすめ。
映画を選ぶ際には、アクセントにも注意して選ぶと、勉強も効率的に進んでいくでしょう。
2. 初心者やお子さんにも最適な定番のアニメ映画4選
映画を使って英語学習を行うときの映画選びのポイントを上では紹介しました。では、実際にどの作品を見れば良いのでしょうか。
英語学習におすすめの映画はブログなどウェブサイトで紹介しているものも多いので、そちらを参考にするのもいいですが、難易度と目的別におすすめの映画をこちらからもいくつかご紹介します。
まずは、初心者やお子さんでも学びやすいアニメ映画作品を見てみましょう。
2-1. となりのトトロ
ジブリ映画は日本以外でも幅広く人気があるため、各作品の英語版がリリースされています。ストーリーを知っている人が多く、内容も難しくないため初心者におすすめです。
「となりのトトロ」は幼いサツキとメイの会話が中心で、ジブリ映画でも特に登場する英語が簡単。大人の初級者はもちろん、お子さんの英語教材にもおすすめです。
2-2. 千と千尋の神隠し
「Spirited Away」の英題で海外でも非常に人気の高いジブリ映画が「千と千尋の神隠し」です。ジブリ作品の中でも特に英語が聞き取りやすいのが特徴。
本作も既にストーリーを知っている人が多いことに加え、海外でも知っている人が多いことから英語で話すときの話題になりやすいのも魅力のひとつです。
2-3. ファインディング・ニモ
初心者におすすめの定番映画といえばディズニー作品。わかりやすいシンプルな表現が多くスラングも少ない上に、発音も聞き取りやすいので初心者にも安心です。
「ファインディング・ニモ」はピクサーが手掛けた大ヒット作。子供向け作品ということで比較的簡単な英語が使われ、ストーリーもシンプルで、英語を勉強する映画としてはもってこいでしょう。
2-4. アナと雪の女王
「Let It Go」の歌も非常に話題になった近年のディズニーの大ヒット作。きれいな発音で初心者でも英語を学びやすい作品です。
素敵な歌がたくさん登場するので、歌詞の英語から覚えてみるのもおすすめ。通常のセリフと比べると違った難しさ、面白さがあるのが魅力です。
3. 実用会話を学ぶのにおすすめの映画4選
続いて、中級者から上級者向けで、日常の英会話で使う機会の多い表現が登場する映画を4作品ご紹介します。どれもエンターテインメントとしても素晴らしい映画ですので、ぜひ英語で楽しめるようになりたいですね。
3-1. ターミナル
主演のトム・ハンクス演じるビクターは、最初は全く英語が喋れない設定。そのため、他の登場人物たちも簡単な英語を話すシーンが多く聞き取りやすいです。
さらにビクターが徐々に英語を覚えていく過程が描かれるので、英語初心者も一緒に勉強する感覚で見られます。空港が舞台なので、空港で使われる自然な英語表現を習得できるのもおすすめポイントです。
3-2. ハイスクールミュージカル
アメリカの架空の高校を舞台にしたミュージカル映画。学校が舞台なので、留学生活で役に立つ日常英語を学ぶのに最適です。
ミュージカル映画なので歌が多く、音楽から楽しく作品に入り込めるのも魅力。使われる英語のレベルもそこまで高くないので初心者にもおすすめです。
3-3. プラダを着た悪魔
アン・ハサウェイ演じるジャーナリスト志望のアンドレアの奮闘を描いた、女性から高い支持を集めるヒット作。
ファッション誌の編集部が舞台なので、ビジネス英語やファッション関連の英語表現が多数登場します。英語の難易度は高いですが、実用的なビジネス表現を学ぶことができるのが魅力です。
3-4. ソーシャルネットワーク
Facebookの創設者、マーク・ザッカーバーグが主人公の映画。Facebookの立ち上げから著作権訴訟を起こされるまで、彼の半生を描いています。
ITや法律関連の英語が多数登場するので上級者向けです。IT業界やスタートアップに興味がある方にはおすすめです。
4. 楽しみながら英語を学ぶ名作映画のおすすめ4選
最後は、こちらも中級者以上のレベルの方におすすめの、映画史に残る名作で英語学習ができる作品4つ。誰もが知っている名作ですので、内容がすでに頭に入っている分、理解しやすいでしょう。ストーリーを英語で理解できれば、より感動できること間違いなしです!
4-1. ホームアローン
クリスマス旅行で置いてけぼりになってしまった8歳のケビンが、2人の泥棒から家を守る奮闘をユーモアたっぷりに描いたとても楽しい大ヒット作。
主人公が子供ということもあって使われる表現が難しすぎず、ストーリーを知っていれば初心者でも楽しめるのがおすすめポイントです
4-2. フォレストガンプ
人より知能指数は劣っているが人一倍素直な心を持つフォレスト・ガンプが、歴史を塗り替えるようなたくさんの成功を収めていく人生を回想形式で描くヒューマンドラマ。名作映画ランキングに常にランクインする作品です。
アメリカの歴史やベトナム戦争などを扱っているので登場する英語は決して簡単ではありませんが、主演のトム・ハンクスの英語がきれいで追いやすいので、英語学習にも向いている映画です。
4-3. タイタニック
タイタニック号の実話に基づいた、映画史における最も有名なラブストーリーのひとつです。わかりやすいストーリーに、シンプルな表現が多い恋愛ものなので初心者でも楽しめます。
使われる英語が聞き取りやすいので、恋愛に関するフレーズを覚えるのにおすすめの映画です。
4-4. ライフ・イズ・ビューティフル
第二次世界大戦中のユダヤ人迫害を描いており、父と子の家族愛に涙なしでは見られない、非常に感動的な素晴らしい名作。
戦争を題材にしていながら英語の難易度も高くないのでおすすめ。英語で見られるようになると、より深く感動できるようになりますよ。
5. まとめ
いかがだったでしょうか? ご紹介した映画の中で興味を引くものはありましたか?
今や映画はDVDを借りてきたり、PCでダウンロードしたりしなくとも、netflixやamazon、youtubeなどでいつでもどこでも見ることが可能です。そんな映画を英語学習に取り入れない手はありません。
楽しく英語の実用表現を学べる映画はメリットがたくさん! 英語を日常言語に引き上げて、TOEICなどの試験でハイスコアを狙うためにも、普段の学習に取り入れてみてください。
そのためには自分のレベルに合った作品選びと、映画を使った英語学習のポイントをしっかり理解することが重要です。また、最低限の基礎文法と語彙力を鍛えておくことで、映画での英語学習にスムーズに入ることができます。
今回ご紹介したおすすめ作品を参考に、ぜひ英語で映画を楽しんでみてくださいね。