「英語の勉強に苦手意識や難しさを感じている」「もっと簡単に英語が話せるようにならないか」などは、多くの英語学習者が抱える願望です。
英語の勉強が簡単でなく難しく感じる原因のひとつが、「何から勉強すればいいか分からないこと」と「自分の勉強法が正しいか分からないこと」。
今回はその問題を解消すべく、初心者・中級者・上級者の3段階に分けてやるべき勉強法をご紹介します。目安のTOEICスコアも掲載していますので、どのレベルから始めるべきか分かりやすいです。
本記事の簡単に英語が話せるようになるための勉強法を、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
1. 英語初心者がやるべきこと(目安:TOEIC495点以下)
まずは英語の勉強をこれから始める初心者がやるべきことを4つご紹介します。学生以来まったく英語に触れていない大人の方や、基礎英語からやり直したい方などはここから始めましょう。
1-1. 目標設定をする
英語を使って何がしたいのか、当面の最終目標をはっきり決めておくのはとても重要です。
学習の目標を明確にしておくことで、
・モチベーションを維持しやすい
・学習範囲、ジャンルを絞れるので効率が良い
・学習計画を立てやすい
というメリットがあります。
日常英会話、ビジネス英語、アカデミック英語など、同じ英語でも使われる分野によって、必要な知識や頻出表現が異なります。目標をはっきり定めることで優先順位が決まり、寄り道をせずに必要な知識から効率よく学ぶことができます。
1-2. 発音は学習の初期段階から意識
英語の発音に苦手意識のある日本人はとても多く、それが大きな上達の妨げになっています。英語学習の初期段階から、発音もセットで意識しましょう。
発音の練習方法はとてもシンプルで、「ネイティブ音声と英文をセットで使い、音声を真似する」というものです。単語や文法などの暗記系も、音とセットにすることで定着率を上げるのがコツ。
また、YouTubeには発音方法や「フォニックス」(綴りと発音の規則性をまとめたもの)のレッスンビデオが多数アップされています。口の動きを見て真似できるので、ぜひチェックしてみてください。
1-3. 中学レベルの基礎単語・文法
英語初心者がまず覚えるべき単語・文法は、中学英語文法と基礎単語2,000~3,000語程度です。中学英語が完璧だと、それ以降の文法はそこまで難しくありません。実際にネイティブが会話で使う語彙の大半は中学レベルと言われています。
文法は文法書で学んでも良いですが、おすすめは中学英語だけで行う音読トレーニング「瞬間英作文」です。瞬間英作文とは、日本語を見てそれを英語に訳して発話するトレーニングです。中学英語の文型・構文を実践レベルで習得することができます。
単語に関しては、書籍の単語帳でも学習アプリでも良いですが、音声がついているものを選ぶようにしましょう。
1-4. 音読練習→リスニング力に繋がる
英語力がまだ高くない段階では、ネイティブスピードの映画、ドラマ、ラジオなどでリスニング練習をしようとしても、ほとんど聞き取れずに挫折してしまいます。
学習初期はいきなり難しい題材のリスニングよりも、音読練習を徹底した方が良いです。なぜなら、人間は自分が口で言える(発音できる)ことは聞き取りやすいからです。
もし何かリスニング用の学習コンテンツを使うなら、日本語解説がセットになっている英語ラジオ・YouTubeや、ディズニーやジブリなどの子供向けアニメ映画を使うのがおすすめです。
2. 英語中級者がやるべきこと(目安:TOEIC500~800点)
次は、TOEICでも履歴書にかけるようなスコアが取れる、中級者レベルの学習者がやるべきことを3つご紹介します。
2-1. 目標達成に特化した勉強の割合を増やす
このレベルになると中学英語の語彙文法や最低限のリスニング力は身についてきます。そうなったら、設定した目標達成に特化した学習の割合を増やしましょう。
日常会話:シチュエーション別の実用フレーズを学ぶ、アウトプットの割合を増やす
ビジネス英語:教材にニュースを使う、ビジネス英語の実用表現を学ぶ
TOEIC対策:試験形式に慣れるため模試を解く、頻出単語を覚える、など
これらは一例ですが、シチュエーションによって必要な英語知識は異なる点に注意し、目標に向けて学習する方向を絞りましょう。
2-2. アウトプット学習を増やす
英語力の高まりに合わせて、インプットのみの学習からアウトプットの割合を増やすことが、使える英語力の習得に欠かせません。
実際に英語で会話したり、考えていることを英語で表現することができる実践的な練習の場が、幸いにも今はたくさんあります。
・オンライン英会話で英語話者とビデオチャットで喋る、指導を受ける
・ネイティブスピーカーが常駐する英会話カフェに行く
・英語で日記を書く、SNSで英文を発信する
・日常の考え事を英語にしてみる、英語で独り言、目についたものを英語に変換する、など
以前と比べて英語で会話する機会は安価で得られますし、工夫次第でいつでもどこでも英語のアウトプット練習は可能です。
2-3. 英語の日常化を始める
日本にいながら高い英語力を獲得するには、いかに英語漬けの環境を作れるかがポイント。そのためには日常的に英語に触れる工夫をしましょう。中級レベルの英語力があれば、こういった学習も十分可能になってきます。
・耳が空いている時間はなるべく英語を聞く(ポッドキャスト、英語ラジオ、Audibleなど)
・普段見るニュースを英語にする(国内ニュースの英語版が分かりやすい)
・YouTubeで見る動画を英語にする(好きなジャンルの動画)
・スマホやPCの言語設定を英語にする
3. 英語上級者がやるべきこと(目安:TOEIC800点以上)
最後はハイレベルな英語力を持っている上級者向けの勉強法です。このレベルは英語で考えて英語で表現する、コミュニケーションツールとしての英語力を磨くことを意識します。
3-1. コンテンツを英語にする
このレベルになれば、ネイティブ向けのコンテンツから学ぶことも可能になってきます。映画、海外ドラマ、海外ニュース媒体、海外ラジオ、洋書など、さまざまなソースから生きた英語をインプットしましょう。
その際、自分の好きな・興味のあるジャンルを使うことがポイントです。固有名詞を知っていたり文脈から内容を推測しやすくなるからです。また、映画やドラマは日常系や恋愛モノの方が理解しやすいので、これから始める人にはおすすめ。
3-2. スピーキング・ライティングスキルを磨く
上級レベルでは、アウトプットのスキルをさらに磨きます。英語の4技能のうち、スピーキングとライティングを伸ばして表現力を身につけましょう。
TOEICの「Speaking & Writing Tests(S&W)」でハイスコアを目指すのもおすすめです。実践的な英語力があることを数値で示せるので、就職・転職・キャリアアップにもつながります。また、TOEFLやIELTSなど、4技能を全てテストする資格も狙えば、さらに差をつけることができますよ。
3-3. 「英語で」イメージする癖をつける
英語を実用レベルにするには「英語で」聞いて、「英語で」考える必要があります。そのためには、日本語に変換する癖を減らしましょう。
・英単語や英文を読んだ(聞いた)とき、日本語ではなく画像や映像をイメージする
・英文は戻り訳で日本語にせずに、語順のまま英語で読む
・英語の独り言や英語日記など、考えや感覚と英語を結びつける訓練を増やす
こういった練習を心がけましょう。英語が感覚的に身についてくると、英語で夢を見るようになります。そのレベルまで感覚化できるように頑張りましょう。
3-4. 英語独特のリズム・語順を習得する
「発音と文法は正しいはずなのになぜか伝わらない…」
かなり英語ができるようになり、実際にネイティブスピーカーと会話の機会を得るとよく直面する悩みです。
これは、ネイティブが当たり前に使う文章の抑揚や省略形、単語の連結などからくる英語特有のリズムが身についていないことが原因です。また英語の語順は、短文でも文章全体の構成でも、結論が先に来るのが特徴で、日本語とは反対です。
こういった学校の授業ではあまり学べない英語特有のリズム・構文が体に入っていない結果、ネイティブからすると違和感のある英語になっていることが多いのです。
ネイティブの話し方を真似して覚えるのが基本ですが、オンライン英会話でネイティブスピーカーに直接指摘してもらいながら直していくのも効果的です。
4. まとめ
英語の勉強を少しでも簡単にしたいのは誰しもが思うこと。英語の習得にある程度の時間と勉強量が必要なのは否めませんが、自分のレベルとそれに合ったやるべきことを理解すれば、学習をかなり効率化することができます。
また、今はインターネットとスマホのおかげで良質な学習コンテンツが安価で手に入り、英語の勉強のハードルはどんどん下がっています。本記事でご紹介した内容を参考に、英語のレベルアップにぜひチャレンジしてみてください。