「日本人にとって英語は簡単ではない」
「学生の頃から苦手だし、私にできるわけない」
と諦めていませんか?
苦手意識の原因は、多くが英語に対する誤解や思い込みによるメンタルブロックです。誤った英語のイメージを正すちょっとした意識の変化と効果的な学習法を理解すれば、一気に感覚的で簡単なものになります。
今回は、日本人が英語につまづきやすい原因と対策を解き明かし、独学でも簡単にできる勉強法をご紹介します。英語が苦手だけど習得したい方はぜひご覧ください。
Contents
1. 英語習得が簡単な3つの理由
日本では学校の授業で英語を学んでいますが、そこで求められる英語力がほとんどテスト対策のため、「英語=難しいお勉強」というイメージが根強くついてしまっています。
しかし、英語はあくまでコミュニケーションツール。本来もっと感覚的で簡単なものなのです。まずは、英語習得が簡単になりうる理由をご紹介します。
1-1. 日本人の英語基礎力は実は高い
日本人は英語ができない……これは日本の英語学習における共通認識・コンプレックスになってしまっています。確かに日本語と英語は非常に性質が異なる言語ですし、発音の練習量も足りていないケースが多いです。
しかし単語・文法に関しては、義務教育で英語を学び、また外来語として使われる英単語も多いことから、自分達が思う以上に知っています。
こういった前提知識を義務教育として学べない国では、英語を学びたい人は本当にゼロから英語を学ぶ必要があります。日本人が外来語として当たり前に知っている英単語すら知る機会がないのです。
日本人は単語・文法の基礎知識の部分で実はアドバンテージを持っています。英語が全くできない、と卑屈になる必要はありません。
実際にネイティブスピーカーが会話で使う語彙・文法の大半が、中学英語でカバーできると言われています。つまり、中学校で一度やった英語を復習して実用レベルまで練習すれば、それだけでかなりのスピーキング力になるのです。
1-2. 英語はツールであって学問ではない
英語の苦手意識の原因に、「英語は学問」だという誤解があります。もちろん英語を学問として研究する学者さんもいますが、私たちが学びたいのはコミュニケーションツールとしての英語ではないでしょうか。
アメリカ・イギリス・カナダの都市部で移民が多い地域に行ってみると、ネイティブ・非ネイティブ問わずあらゆる出自の人たちが英語で会話しています。訛りのある英語を話す人たちも、問題なく暮らせています。
英語はあらゆる出自の人達がマスターできる言語なのです。もちろんある程度の勉強・練習量は必要ですが、学問をものにするために求められる頭の良さ・成績の良さは必ずしも必要ありません。
1-3. 英語はシンプルで学びやすい言語
英語には日本語にない発音があったり、文章の作り方が違ったりするなど、確かに距離が遠い言語ではあります。しかし、英語は世界の言語の中でもシンプルで学びやすい言語です。
例えばヨーロッパ圏の言語には、男性名詞・女性名詞・中性名詞など、性別によって名詞が変化するものが多くあります。この名詞の性によって使う冠詞や形容詞、副詞まで変わるので、覚えることが多く複雑になります。
その点、英文法はもっとシンプルです。
またロシア語やアラビア語など、そもそも文字から違う言語も多いです。日本人はローマ字や外来語で英語のアルファベットに慣れているので、この点でも英語学習にアドバンテージがあります。
ちゃんと練習すれば誰でもできるようになるシンプルな言語が英語なのです。
2. 日本人が英語につまづく3つの理由
次は日本人が英語につまづく大きな原因を見てみましょう。
これらを理解して対策することで、効果的な学習を積むことができます。
2-1. 英語と日本語の語順・構文の違い
英語と日本語の文章では語順が大きく異なります。以下の例文を見てみましょう。
I studied English in my room yesterday.
(私は)昨日、自分の部屋で英語を勉強した。
英語では「勉強した」という動作が先にくるのに対し、日本語では最後に来ます。また、日本語は「誰が」という主語を省略して喋ることも多いですね。
つまり、英語は「誰が何をした」という重要な部分を文の最初に持ってくるのです。そして、これは長文を話す・書くときに「まず結論から始める」という文章構成にも現れます。日本語の起承転結とは逆になるのですね。
こういった日本語とは異なる構文によって、英語らしいリズムが生まれます。このリズムを体得できないと、単語の発音・文法は正しいのに何か違和感がある、伝わりにくいということになってしまいます。
対策としては、英語の語順のまま読み聞きして理解する訓練がおすすめです。単語や英文を毎回日本語に翻訳せず、画像や映像としてイメージする癖をつけましょう。
突然すべての英語を英語のまま理解するのは難しいですが、簡単なところから初めて徐々に難易度を上げていくようにするとよいでしょう。
例えば「appleという単語を見て”リンゴ”という日本語を思い浮かべるのではなく、リンゴの写真を思い浮かべるようにする」、といったことをなるべく多く行うようにします。
また、英文の区切りに斜線を引いて、文頭から語順通りに理解していく「スラッシュリーディング」も、英語のまま理解するのに効果的です。先ほどの英文なら、
I / studied / English / in my room / yesterday.
私は 勉強した 英語を 自分の部屋で 昨日
という具合です。
この読み方をしつつ、日本語を介さずに文章の意味を頭の中に思い浮かべられるようになれば、「英語のまま理解すること」にどんどん近づいていけます。
2-2. 発音への苦手意識
日本の学校英語は語彙・文法の暗記やリーディングの比重が多く、発音の練習が不足しがち。
また「ネイティブのように流暢じゃないと恥ずかしい」という意識から人前で喋れず、アウトプットの機会が増えずに上達しないというケースがとても多いです。
先述したように、今や世界中の非ネイティブの方が共通語として英語を使っています。ネイティブと同じではない訛った英語でも、伝わる発音の勘所を体得できればコミュニケーションツールとして十分機能するのです。
完璧にネイティブと同じレベルの発音ではなく、とりあえず通じるレベルの発音を目標にしましょう。
発音練習の基本はシンプルで、お手本の声を真似して、発音・イントネーション・リズムなど含めて徹底して近づけることです。単語や文法なども、音とセットで覚えると定着率が上がります。
そして、実際に人前で喋るアウトプットの機会を増やすこと。ネイティブのように流暢でなくても全く問題ありませんので、どんどん口に出して練習して発音の苦手意識を減らしましょう。
2-3. 単純な学習量が足りない
私たちが大人の会話ができるようになるのは大体小学生の後半ごろ。約10年程度の時間がかかります。
母語でもそれだけかかるのですから、第二言語の習得に多くの学習期間・勉強量が必要となることはお分かりいただけるでしょう。
「言語習得時間における母語話者と外国語学習者の差」について知りたい方はコチラもチェック↓
実際のところ、英語の難しさそのものにつまづくというよりも、ある程度の学習量と時間を積んで上達を実感する前に辞めてしまうというケースが非常に多いです。
英語を習得するには、今のレベルで簡単にできることからでいいので、まとまった学習時間を習慣化して長く続けるのが重要です。
英語漬けの環境に長く身を置くことで、次第に英語を実用的なレベルで使えるようになります。
忙しい毎日の生活の中で英語漬けになるには、以下のようなテクニックを使いましょう。無料でできるものも多いですよ。
・通勤や通学時間などのスキマ時間に、英語学習アプリで学習を積み重ねる
・オンライン英会話や英会話カフェで、定期的に英会話する
・耳の空いている時間は、英語ラジオ、ポッドキャスト、Audibleなどでリスニングする
・映画、ドラマ、ニュース、YouTube動画、洋書、洋楽など、エンタメや情報収集を英語で行う
・スマホやPCの言語設定を英語にする。SNSの投稿を英語でする
・英語で日記を書く、英語で独り言を言う、目に付いたものや出来事を英語で表現する
スキマ時間を活用し、日常的な行動に英語を絡めることで、インプット・アウトプット共に英語に触れる時間を増やせます。これが習慣になれば、自然と学習量が積み重なり、どんどん英語力をアップすることができます。
とはいえ、そもそも言語の習得には時間がかかるものですから、すぐに結果が出なくても焦らずに気長に学習を続けていくのも大切な心がけです。
3. まとめ
日本人の英語に対するコンプレックスはとても根深いです。世界中のあらゆる文化圏、教育レベルの人が共通語として使っている言語なので実は誰でも習得できるものなのですが、どうしても苦手意識が先行しがちです。
今回ご紹介したように、英語はイメージしているよりも簡単で学びやすい言語です。学校英語・試験英語から離れて音読練習を中心にした実践的な学習をし、つまづきやすいポイントを対策できれば確実に上達します。
あなたにも必ずできますので、本記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。