長年学校で学んできたはずなのに、「英語で話しかけられたらまったく言葉が出てこない」というあなた。英語が”ペラペラ”になるなんて無理だと諦めていませんか?
初心者の学び直しで大切なのはアウトプットを意識して学ぶこと。誰でも勉強の仕方を変えるだけで、英語で会話ができるようになります。
という事で今回は、多数の英会話教材を制作してきたメディアビーコンが、会話が上達するおすすめの勉強法をご紹介します。
Contents
1. 英語で会話するために必要な2つのこと
具体的な学習法についてお話する前に、独学で勉強するときに意識してほしいポイントを2つご紹介します。
1-1. 旅行や仕事など自分が英語を使いたい場面の表現から始める
学び直しでは、「一つの本を最初から順番にやろう」とか「この教材に出てくる単語を完璧に覚えよう」とか思わなくていいんです。
英語は継続してこそ上達します。継続するためには、最初に自分が英語を使いたい場面や話してみたいことに絞って単語やフレーズを身につけていくのがポイントです。
例えば、海外旅行に行きたいと考えているなら旅行の表現に絞って構いません。仕事上電話でのやりとりに英語が必要なら、どんな表現が英語で言えるようになったら便利かを考えてそれに絞って学ぶところから始めましょう。
まずは「基礎となる文法を学ぶべきでは?」という心配は不要。英語に苦手意識があっても、使ってみたいフレーズや必要な表現をマスターしながら文法を確認していけば問題ありません。
特別使ってみたい表現があるわけじゃないというあなたは、「好きなことを英語で話せるようになること」を意識してみてください。ゲームでもマンガでも、料理やファッション、ネイルのことでもトピックは問いません。好きなことから始めましょう。
1-2. 声に出して勉強する
英語での会話に自信を持ちたいなら、声に出して勉強するのが一番です。どんな場面を想定した勉強でもこれだけは変わりません。
独学で英語を勉強していると、教材のCDの音声を聞き流して表現をマスターした気になりがちです。ただ、音声を聞いたことと自分で言えることはまったく別のこと。学んだ表現を声に出す練習をどれだけしたかで、英会話の上達に差が出ます。
意外に思われるかもしれませんが、独学でも声に出す機会を作るのは簡単。英会話の教材で、一文ごとに音声の直後に学習者がリピーティングする時間を設けているものを活用すれば、自然と声に出して勉強する習慣が身につきます。
ほかにもインターネット上の動画での英会話レッスン、オンライン英会話などを利用することで、独学でもアウトプットの機会を増やすことができます。
2. 自分の使いたい表現から手を付ける
では、具体的な学習法をご紹介しましょう。繰り返しますが、自分が使いたい表現、必要だと感じているフレーズ、好きなことを話すための英語から学んでいきましょう。
2-1. 基本の表現は中学英語でカバーできる
日常英会話でも、旅行でもビジネスでも、マンガや料理のことでも、英語の会話表現はシンプル。基本的な表現は中学英語でカバーできます。
ですので、英会話を学ぶときは、中学校英語の内容を簡単にまとめた本を参考書として常備しておくことをおすすめします。
それでは、おすすめの教材をいくつかご紹介します。
(1) 『世界一わかりやすい やりなおし中学英語』(KADOKAWA)
引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/321610000189/
おすすめしたい理由は、中学英語の基本的な内容に加えて、「なぜそうなるのか」まで踏み込んで解説しているからです。
例文も絶妙で、英語を今まで暗記するものだと思っていた人には目からウロコの内容だと思います。
例えば、よく新幹線のアナウンスで“〜bound for Tokyo”と言っているのを聞きますよね。forが使われます。一方、空港のアナウンスでは”〜flight to Narita”でtoが使われます。なぜこのような違いが出るのかといった素朴な疑問にも答えるような内容です。
(2) 『使いこなし中学英文法「シチュエーション」で要点をつかむ』(NHK出版)
引用:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000351532018.html
初心者がつまずきやすい「過去形」と「現在完了形」の違い、itとoneの使い分けなど日本人が意識しにくいポイントを押さえて解説しています。「そうそう、そこでつまずくの!」とうなずきたくなる内容ばかりです。参考書的に使うのにぴったりです。
具体的なシチュエーション設定が多いので、例文の中から英語で話してみたい内容が見つかればそのまま声に出して身につけてしまいましょう。
2-2. 旅行や仕事など状況別に表現をマスターする
旅行でもビジネス英語でも、趣味でも、自分の興味のあることがまとめられている英会話のテキストなら何でも構わないのですが、独学ではスクールでレッスンを受ける場合と違い、ネイティブスピーカーの発音を確認する機会が少なくなりがちです。なので、必ず音声のついている教材を選ぶ、これは第一条件です。
ほかのポイントとしては、シンプルな表現が多い教材がおすすめ。感覚の話になりますが、内容を見て「ああ、こんな簡単な英語でいいんだ」と思えるものを選ぶとハズレが少ないです。おすすめの教材をいくつかご紹介します。
(1) 『英会話タイムトライアル 万能フレーズで話せるトラベル英会話』(NHK出版)
引用:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000395672014.html
旅行に必要な英語と言っても場面ごとに見れば、空港、ホテル、現地での移動、買い物……と実にさまざま。そこからさらに学ぶべき内容を絞るのは少し大変です。
この本には、旅行にありがちなシーンを広くカバーする万能フレーズが多く紹介されています。例えば「困ったとき」にまず口にする表現、というように空港でも、ホテルでも現地の移動でも困ったときにはこのフレーズを……というようなまとめ方が特徴です。
(2) 『旅行英会話まるごとフレーズ』(アルク)
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7016025/
一方、こちらは空港、ホテル、現地での移動、買い物など細かな場面設定をして、そこで使える表現をまとめているのが特徴です。
旅先で出会った現地の人との会話が弾むきっかけとなる英語表現ももりだくさん。これから海外旅行を控えている人が楽しく学べる内容です。
(3) 『毎日が楽しくなる#Happy 英会話フレーズ』(ジャパンタイムズ)
引用:https://bookclub.japantimes.co.jp/book/b333432.html
英語の挨拶にはじまり、ファッションやアート、文化まで、「好きなこと」を英語でどういうかがぎっしり詰まった一冊。
例えば、カメラ好きの人なら「ピンぼけした」は英語でなんというかわかりますか?好きなことを英語にするシンプルで洗練された表現がたくさん紹介されているので、初心者から上級者まで楽しめる一冊です。長く愛用できる本だと思います。
2-3. YouTubeなどの動画やアプリを活用する
教材のほかにも英会話の勉強に役立つツールはたくさんあります。例えば、YouTubeの英会話レッスンのチャンネル。インターネット環境さえあれば、どこでも学習できてしかも無料。
YouTubeの英会話のレッスンはたくさんありますが、「挨拶」「相づちの打ち方」「日常英会話表現」「役立つ英会話フレーズ」などさまざまな内容が扱われています。
英会話の学習にはアプリも役立ちます。アプリは、有料のものでも300円〜600円程度で、紙媒体の教材に比べると安いです。
無料でも充実したコンテンツを提供しているアプリがありますので、おすすめのものをいくつかご紹介します。
(1) BBC Learning English
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=uk.co.bbc.learningenglish
無料なのに質がとても高いアプリが「BBC Learning English」。音声を聞いてその理解度をチェックするクイズに答えるものや、英語学習者がつまずきやすい文法、発音を取り上げて解説しています。
すべて英語で書かれたアプリなので、最初は難しく感じるかもしれませんが、対象のレベルが表記されているので、lower intermediateの記事を中心にチェックすることをおすすめします。
(2) duolingo
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.duolingo&hl=ja
「読む」、「聞く」だけでなく、「話す」「書く」までサポートしているすぐれものです。正解するとポイントを獲得でき、レベルが上がると同アプリ内で使用できるコインがもらえるなど、内容のすべてがゲーム感覚で学べるようになっています。
正解、不正解がすぐにわかるので、いつでもどこでも学習しやすいのがポイントです。
紙媒体の教材、動画、アプリを組み合わせて学習することをおすすめします。「自分が好きな表現を学ぶ」「必要な表現を学ぶ」ことを第一に、勉強に使うツールを取り入れてください。
3. 英語を声に出す回数を増やす
英語での会話に慣れるために意識してほしいのは声に出す回数を増やすこと。会話の勉強に限らず英語学習では必ず取り入れるようにしましょう。
3-1. 音読は必須。独学で声を出して勉強するためのポイント
おすすめしたいのは、自分が学びたいシーンでの対話形式の英会話教材。主人公になりきって、実際に会話している様子をイメージしやすいからです。
教材によっては一文の音声ごとにポーズをとって、その間隔で学習者が声に出せる(リピーティングする)ように工夫されています。
音声を一文ごとに止めて、リピート。何度かやって慣れてきたら、音声にかぶせるようにして音読してみましょう(オーバーラッピング)。こうすることで、英語の会話の標準的な速さに慣れてくるので、リスニング力アップにもつながります。
3-2. オンライン英会話やSNSで英語を気軽に使う
独学で困るのは、質問があったときにすぐに相談できる人がいないこと。特に社会人の方は限られた時間で疑問を解消しながら学習を進める必要があるので、いつ誰にどう質問すべきか悩みますね。
おすすめしたいのはオンライン英会話のレッスンや英語学習者向けのSNS、アプリです。対面のレッスンと異なり、好きな時間に講師やネイティブスピーカーに直接質問することができるので、独学に取り入れることをおすすめします。
オンライン英会話は、英会話スクールなど通学するタイプの英会話教室と比べて、安いのもポイント。会社やサービス、コースによって料金はさまざまですが、オンライン英会話の場合は、月々3,000円〜6,000円のところが多く、英会話スクールの場合月々1万円以上はかかります。
オンライン英会話はスカイプや各社独自のオンライン会話機能で、レッスン対応時間がかなり幅広く、24時間いつでも会話できるサービスもあります。一ヶ月単位の短期間のレッスンもあるので、無料体験後に気に入ったものを受講してみましょう。
ネイティブスピーカーに質問するツールとしてはアプリがおすすめ。例えば、「Hello!Talk」などの無料アプリでも、自分の英語を録音してネイティブスピーカーにチェックしてもらうことができます。
学んだ英語を気軽に使ってネイティブスピーカーにチェックしてもらうことで、独学でも英語を声に出す機会を増やすことができます。
4. まとめ
英語の会話に自信を持つには、まず自分の話したいこと、必要だと感じている表現から学び始め、英語を声に出す機会を増やしましょう。場面別の会話が掲載されている教材などで自分が話したいと思う表現を学び、音読やオンライン英会話などで声に出す機会を多く設けるのが上達のコツです。