大人になって改めて、「英語の勉強をやり直したい。でも毎日仕事や子育てで忙しいけど、どうしたら効率よく英語の勉強ができるのだろう? 1日どのくらい勉強すると英語ができるようになるの? 勉強法も知りたいし、どのような英語の教材がいいか知っておきたいな。」
という方の疑問にお答えしてきます。
英語の知識をすっかり忘れてしまった大人の方でも大丈夫です!
この記事では、英語学習教材を約20年間制作してきたメディアビーコン編集部が、英語が得意ではなかった、あまりきちんと勉強してこなかった大人の方のために、知識ほぼゼロの状態から独学で学び直す勉強法をご紹介します。
Contents
1. 大人は忙しい!英語の勉強を続けるために必要な2つのこと
「英語を勉強するぞ!」と決めても、大人が1日に使える時間は限られています。仕事をしていれば、平日自由に使える時間は1時間もないのではないでしょうか。
特に、子育て中のお父さん、お母さんであれば自由時間そのものが限られていますから、勉強時間を確保するのは大変だと思います。では、忙しい中で英語の勉強を続けるための秘訣は?
2つのポイントをご紹介します。
1-1. 毎日10~15分の学習を続ける
初心者が1日に確保してほしい学習時間はたった10~15分。意外に思われるかもしれませんが、英語の基礎をマスターするのには、まずは1日10~15分で十分です。1日の勉強時間を長くすることよりも、勉強を毎日続けることの方が重要です。
なぜ、10~15分で十分なのかというと、勉強を始めたての頃はどうしても知識のインプット中心の勉強がメインになってしまい、勉強を退屈に感じてしまいがちだからです。
退屈な勉強を毎日何時間も続けていれば当然勉強が長続きしません。そのため、初めのうちは短時間で構わないので、毎日コツコツ勉強をする習慣をつけるようにしましょう。
NHKのラジオ講座であれば1レッスン15分程度で完了します。たった15分の中に発音や単語やフレーズの意味のチェック、リスニング、リピーティングなど表現を習得するための練習がすべて含まれています。15分でできることは意外と多いのです。
長く続けるには毎日無理なく続けられる勉強時間を確保することが大切。特に忙しい社会人は、はじめは1日15分を目標にしてみましょう。
1-2. TOEICのスコアなど数カ月先や1年先の目標を持つ
英語を勉強するにあたって、何か目標を持っていますか? 今は「英語が話せるようになりたい」という漠然とした目標かもしれませんが、数カ月先や1年先に目標があると、自分の実力の変化を可視できるようになりモチベーションアップにつながります。
もちろん、スコアや合格した検定の級によって英語力のすべてが測れるわけではないのですが、「3カ月後にTOEIC600点はとる」「1年後に英検準2級をとる」といった目標を持てば、自然とそれらの教材に取り組む機会が増やすことができます。
その中でも、企業等の採用、昇進などで活用されているTOEIC Listening & Reading Testであれば、年に10回、2月と8月を除き毎月開催されています。
(※2020年はオリンピックの開催時期を考慮し、7月の公開テストを実施せず、10月に2回テストを実施することが発表されています。また、2020年6月の公開テストは、新型コロナウイルス感染拡大を受け開催中止が発表されています(2020年5月15日現在)。)
試験の実施回数が多く目標を立てやすいので、TOEIC L&Rは特におすすめの試験です。
英語の試験の種類はその他にもたくさんあり、TOEFLやケンブリッジ大学英語検定など、海外の大学で学ぶにあたって必要な力を図ることを主な目的とした試験もあります。
ただ、それらの試験は内容や難易度が高いことが多いので、初心者の人にはおすすめしません。
2. 毎日たった10~15分の勉強法
たった1日10分程度の勉強でも、やり方次第でいろいろなことができます。上達する学習のコツは2つ。
1つは、初級レベルから英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)のやり直し学習ができる教材を活用すること。単語だけをひたすら覚えようとしたり、どれかの技能に偏って学習をしていると効率の悪い学習となってしまいます。
2つ目は、声に出しながら勉強すること。語学学習では、声に出して学ぶのもはや常識です。会話表現はもちろん、単語やフレーズを覚えるときも声に出しましょう。一般的な会話表現のテキストを一単元音読しても1分はかかりません。何度も声に出す、これは必ず行ってください。
2-1. 英検3級レベルの教材を活用して単語・文法・発音をバランス良く学ぶ
英検3級レベル、というとちょうど中学校卒業程度です。英検は二次試験でスピーキングもあるため、4技能をバランスよく学ぶにはぴったりで、日常会話に必要な単語、文法、表現などが詰まっているため社会人がゼロから英語をやり直すのにぴったりです。
もちろんTOEICの勉強から始めてもいいのですが、ここで英検を取り上げてご紹介している理由は、扱う内容がビジネスとはほぼ無縁で日常会話に必要な表現を段階的に学ぶのに最適だからです。
日頃仕事で英語を使う機会のない人にとっては、TOEICの出題内容であるビジネス英語のイメージがわきにくく、学習が継続できない原因になることがあります。まずは日常会話が主な内容である英検から始め、何度か受験を重ねたあと、TOEICを受験することをおすすめします。
ますは、公式ホームページから過去問をダウンロードしたり、書籍で参考書を購入してみて、実際に3級の難易度を体感してみてはいかがでしょうか?
2-2. 声に出すことで学んだことを定着させる
どんな教材を使っても必ず行ってほしいのが、表現や単語、例文などを声に出すこと。これは、英語の学習の基本中の基本です。
また、教材は日常英会話をメインに学べるものを選びましょう。というのは、単元ごとのボリュームが少なく、親しみやすいシーンが多いので、表現や単語がどのようなシーンで使われるのか想像しやすく、定着しやすいからです。
日常英会話のテキストはたくさんありますが、音声付きで、各単元で目玉となる表現や文法の解説がついている教材がおすすめです。
どの教材を使うか迷ったら、次の「NHKラジオ講座の基礎英語1〜3」「バイリンガリズム」「スタディサプリEnglish日常英会話コース」が取り組みやすくおすすめです。
NHKラジオ講座 基礎英語1~3
引用:https://www2.nhk.or.jp/gogaku/english/basic1/
まずは、音声を聞いてネイティブスピーカーの発音、イントネーションを確認します。わからない表現や単語は、上で紹介したオンライン辞書などで調べましょう。
その後、音声に続いて一文ずつ声に出してリピーティングを行います。できるだけ音声に近い発音で声に出せるように真似るのが英語上達のコツです。
何度かリピーティングを行ったら、音声にかぶせるようにオーバーラッピングを行いましょう。これができるようになると音声と同じ速さで表現を声に出せていることになるので、表現や発音がかなり定着してきている証拠です。
単語を覚えるときは、その単語が使われている例文をまるごと声に出すようにして覚えることをおすすめします。単語と意味だけをペアにして覚えてもなかなか覚えられないので、例文とセットで学ぶようにしましょう。
バイリンガリズム(Bilinguarhythm)
バイリンガル英語講師の山田暢彦先生が監修して制作された大人向けの英会話教材が『バイリンガリズム』。
この『バイリンガリズム』はネイティブが使う「使える英会話」にフォーカスした教材です。
掲載されている例文は大人向けのフレーズばかりなので、効果的に学ぶことができます。CDでしっかりリスニングのトレーニングができ、ネイティブが使うフレーズを思わず口ずさむことができるようなります。
さらに、山田暢彦先生のワンポイント解説動画が106本ついていますので、解説動画を見てからフレーズの音声をきくようにすれば、理解がより深まります。
これから英語の勉強を始めたい・やり直したい大人の方におすすめです。
こちらのページから、バイリンガリズムの詳細と山田先生のワンポイント解説動画のサンプルを見ることができます。
スタディサプリEnglish日常英会話コース
引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eigosapuri.android&hl=ja
日常的な会話から、旅行でよくある場面などを想定した英会話フレーズを学べるアプリ『スタディサプリEnglish日常英会話コース』もおすすめです。
コンテンツの量が非常に豊富で、講師によるレッスン動画から単語テスト、内容理解を試すクイズなど自分の苦手分野をまんべんなく克服できるように作り込まれています。
まずは、無料体験から始めてみてはいかがでしょうか?
3. 映画や本を活用して英語表現を学ぶ
これまで英検のコンテンツや日常英会話の教材の活用をおすすめしてきましたが、「堅苦しい英語教材だけで勉強していては飽きてしまう!」という人も多くいます。
大人の独学での英語学習には、学校と違って先生がいません。勉強の仕方は様々で、教材などを使った学習と並行して自分の興味のあることから表現を増やしていくことができます。
3-1. 読書を楽しみながら単語のなりたちや表現を学ぶ
「英語はただひたすら覚えるモノ」と考えていませんか?
実は単語の成り立ちやことわざなどから英語の知識をインプットすれば、単調になりがちな単語学習が興味深いモノへと変わっていきます。
専門書ではなくても、一般の人に向けてそのおもしろさを伝えてくれる本がいくつかありますのでご紹介します。
『英単語の語源図鑑』(かんき出版)
引用:https://kanki-pub.co.jp/pub/book/details/9784761273453
例えば、import、support、transport……似ていますよね。今まで丸暗記するだけだった英単語にも深いエピソードが。語のなりたちに注目したおもしろい解説で定着を早めてくれます。
この本を読み物として楽しむこともできますし、ほかの教材とあわせて使い、覚えにくい単語が出てきたらこの本を見るというように活用することもできます。
『ネイティブスピーカーの単語力 基本動詞』(研究社)
引用:http://books.kenkyusha.co.jp/book/978-4-327-45132-5.html
基本動詞のコアの概念を押さえれば表現の幅が広がり、いちいち日本語の意味を全部覚えなくても意味を想像できるようになります。概念をイラストで紹介してあるので、イメージが湧きやすく、「こんな表現も基本動詞でできるんだ」と目からウロコの例文がたくさん。
解説が面白く、読み物としても楽しめます。
3-2. 好きな映画や絵本から英語表現を学ぶ
映画はネイティブスピーカーが使う表現の宝庫。どんな英会話のテキストよりも表現は豊富。ただ、初心者が学習に活用するには少し気をつけておきたいポイントがあります。
まずは、好きな映画かつ、簡単な内容の映画を見るようにしましょう。当たり前ですが、モチベーションを上げるために映画で英語を学ぼうとしているため、興味のない映画で勉強していては、本末転倒です。
また、映画の内容に関しても注意が必要です。例えば、医療を題材にしたような映画だと専門用語がたくさん出てくるため、その都度わからない英単語を調べる必要が出てきてなかなか長続きしません。
日常生活を題材にした映画や、子供向けのアニメ映画などでまずは英語を学んでみることをおすすめします。
そして、手元には必ずノートを用意しておきましょう。すべての表現を1つ1つ見ていくのは難しいですが、気になる表現を書き留めて、見終わった後に調べるとその表現を使うシーンと意味がセットで記憶に定着しやすいですよ。
またその他にも、外国語の絵本から表現を学ぶこともおすすめです。書店で買うと洋書は高めですが、図書館の絵本コーナーにある外国語の絵本を活用すれば多くの絵本から表現を学ぶことができます。
『すてきな三人組』『にじいろのさかな』など日本版をすでに知っている作品の英語版を読めばストーリーが想像できるので英語表現により注目して読むことができます。
4. まとめ
長らく英語から離れている大人が勉強するとき、限られた時間でいかに継続して学習するかが大切です。1日15分の学習を続けること、そして声に出して勉強することが基本です。日常英会話をマスターできるレベルを意識して、英検の学習コンテンツ、映画や本などを活用して楽しく英語を勉強しましょう。