「受験を控えているのに、英語の成績が一向に上がらない」
「英語の長文問題がまったく解けない」
そんな悩みを持った中学生の方、結構多いのではないでしょうか?
英語を得意教科にして成績を上げるためには、英文法を正確に理解することは超重要。特に中学英語で習う内容は、一生役立つ英語力の基礎となります。
また、大人の方であれば、グローバル化が進んだ昨今、「中学の時にもっと英語を勉強していれば……」と感じたことがある人もたくさんいるはず。
ということで今回は、中学で習う基礎的な英語の中でも特に重要度の高い「動詞」と「時制」に関する英文法を、例文を見ながら復習していきましょう!
Contents
1. 英文法が難しいと感じる3つの理由
「動詞」と「時制」について解説していく前に、そもそもなぜ多くの人が英文法に苦手意識を抱くのかについて解説していきましょう。
多くの人が英文法を理解しにくいと感じる3つの理由がこちら。
②日本語とルールが違う
③同じ単語でも意味が違う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. 種類が色々ある
中学3年間の英語の授業で様々な英文法を習いましたよね。そこで英語に苦手意識を持ってしまう人の多くは、「こんなにたくさんのこと覚えられない!」と思ってしまいます。
日本語にももちろんたくさんの文法が含まれていますが、日本語を生まれた時から耳にしている私たちは、それを当たり前のものとして認識できる「枠組み」を持っています。
しかし、英文法に出てくるものは私たちにとって「未知なるもの」ですから、それを全て一から頭に入れるというのは実は膨大な脳の作業量となるのです。
それゆえに、「全部覚えるなんて無理だ!」という苦手意識を基礎的な英語を習う中学時代から持ってしまい、英文法の序盤でつまずきやすくなるのです。
1-2. 日本語とルールが違う
例えば、日本語の場合は「私は公園で友達と一緒にサッカーをするのが好きです。」というように、「誰が(主語)」と「何する(動詞)」が最初と最後に来る文法になっています。
しかし、英語の場合は「I like playing soccer with friends in the park.」というように、主語と動詞が「最初」に来ます。英語という言語に最初から抵抗を感じてしまう人は、この並び順が日本語と違う時点で違和感を感じてしまいます。
他にも日本語と英語の違う点はいくつもありますが、自分が慣れ親しんでいる言語と違う所があるだけで、英文法は非常に難解なものに見えてしまうのです。
1-3. 同じ単語でも意味が違う
中学英語の中に「~ing形」のものが出てきますが、これには意味が2つあります。
例えば、「I am playing tennis now.」だと「私は今テニスをしているところだ」になりますね。しかし、「My hobby is playing tennis.」となると「私の趣味はテニスをすることだ。」となります。
他にも前置詞としての「to」と「to不定詞」の違いが例として挙げられます。前置詞としての「to」は直後に名詞が来ますが、「to不定詞」の直後には動詞の原形が来ます。
このように、同じ形や単語でも2通りの意味があることも、英文法を理解しにくくする要因の一つとなります。
2. 英語の一番基礎となる単元は「動詞」
英語以外の言語でもそうですが、一番大切な品詞は何だと思いますか? もちろん「犬」「猫」といった「名詞」も、「かわいい」「大きい」といった「形容詞」も大切ではあります。
しかし、「何をするのか」「どんな状態であるのか」を表す「動詞」はそれ以上の重要性を持っています。
例えば、「私はテニスを(が)~」といった場合、「好き」なのか、「嫌い」なのか、「する」なのか、「練習する」なのか、分からないと何が言いたいのか全く分かりません。
つまりどういうことかというと、英語において動詞は絶対に省略不可能な品詞だということです。
上記に上げたような理由から、新しい言語を学んでいくときには、まずは動詞を押さえることが非常に重要なのです。
3. be動詞と一般動詞が基本中の基本
動詞の最も基本と言えば、中学の最初に学ぶ「be動詞」と「一般動詞」です。
be動詞は「=(イコール)」という状態を表す言葉と覚えてください。I am Ken.(私はケンである。〔私=ケン〕)とかI am happy.(私は幸せである。〔私=幸せ〕)というように、「その人がどんな状態にあるのか」を意味する言葉です。
それに対して「一般動詞」には「動作動詞」と「状態動詞」があります。これらの文法用語はなんとなくで覚えてしまうと後々苦しむことになりますから、しっかりした土台を築いておきましょう。
まずは「動作動詞」。これは文字通り「動作」を表すもので、「run(走る)」「eat(食べる)」「swim(泳ぐ)」などがあります。ここでしっかり覚えておきたいのは「動作動詞は動きを表す動詞、ということはパッとやめることができる」ということです。
例えば、走っている人に「ちょっと止まって!」と言えば、止まることができますよね。モグモグとごはんを食べている人に「ちょっと手を止めて!」と言えば、食べるのをやめてくれますよね。このように「パッとやめることができる」のが動作動詞の大きな特徴なのです。
一方、「状態動詞」は「その人の状態」を表す動詞。例えば「like(好きである)」「live(住んでいる)」などが状態動詞の代表的なものですが、これは動作動詞とは逆で「パッとやめられない」ことが特徴です。
状態動詞は動作を表すわけではないので、「基本的に進行形にすることができない」というのも大切なポイントです。
4. 日本人が苦手とする文法「時制」
中学で勉強する英文法の代表的なものとして「時制」が挙げられます。
日本語にも「現在・過去・未来」という考え方はありますが、それを英語に置き換えると「形や公式が色々と出てきて混乱してしまう」という人は多いですね。
これも1つ1つ「どんな時は、どの形・公式を使うか」を理解しながら、頭の中で整理してやり直していきましょう。
4-1. 「今」のことを表す「現在形」
単語帳に出てくる原形の動詞=現在形と理解しておきましょう。ただ、そこにはちょっとだけルールがあるので、それだけ理解してしまえば現在形はすぐにマスターできますよ。
まず、英語を苦手とする人がつまづく単元の1つが「三人称単数」ですね。これを理解するためには「一人称」「二人称」を理解しましょう。
「一人称」は「私=I」のことで、「二人称」は「あなた=You」のことです。それ以外が全て三人称となります。その数が「1」であるものが、「三人称単数」となるのです。
英語では「三人称単数が主語にある時は、現在形はsを付ける」というルールがあるのです。
ですから例文として、「彼はサッカーをします。」という時には
ではなく、
とするわけですね。
あとは否定文(ではない)と疑問文(ですか?)を理解すれば現在形は終了です!
「I」「You」「2つ以上のもの」が主語の時は、
否定文は
のように動詞の前にdon’tという単語を付けるだけ。
疑問文は
のように最初にDo、最後に?を付けるだけです。
三人称単数が主語の時は、
否定文はdoesn’tを付けて、後ろの動詞を原形に戻します。
疑問文は
doesで始めて動詞を原形に戻します。
4-2. 「過去」のことを表す「過去形」
現在形が攻略できたら次は過去形です。
過去形は文字通り、過去に起きたことを表します。肯定文で過去のことを表すためには、過去形の動詞を使用します。
過去形の動詞の種類は2つに分かれます。語尾がedで終わる規則動詞と、それ以外の不規則動詞です。
規則動詞
「規則動詞」の語尾の付け方には、色々とルールはありますが、大抵の動詞は原形の語尾にedを付けます。
watch→ watched
play→played
それ以外の規則動詞には主に以下のようなルールがあります。
まず1つ目は「最後がeで終わるもの」です。規則動詞の過去形は「ed」で終わるのですから、eで終わる動詞にはdだけを付ければ完了です。
use→usedといった形ですね。
そして2つ目は「子音+yで終わるもの」です。母音は「アイウエオの音」、子音はそれ以外と覚えてください。これはyをiに変えてからedを付けます。
study→studiedといった形ですね。
この2つ目に関して注意したいのは「母音+yの時は、そのままedを付ける」という点です。playの場合は「母音+y」なので、yをiに変えてはいけません。
そして3つ目は「はねる音は最後の字を重ねる」ということです。これはローマ字と同じですね。「北海道→Hokkaido」と書くのと同じで、
stop→stopped
といったように「ッ」の音が入るものは最後のアルファベットを重ねて書きましょう。
不規則動詞
不規則動詞は、規則動詞のように過去形に変形させる際に、決まったルールを持っていません。
主に以下のような動詞が挙げられます。
make→made
leave→left
cut→cut(原型と過去形で変化しない)
否定文と疑問文
主語が一人称でも二人称でも三人称単数でも、否定文は動詞の前にdidn’tを付けて動詞は原形に直します。
のような形です。
疑問文はDidで始めて動詞は原形に直します。
のようになります。
4-3. 「未来」のことを表す「未来形」
未来のことを表すには2つのパターンがあることを頭に入れておきましょう。それは「will + 動詞の原形」と「be going to + 動詞の原形」の2つです。「be」は「is, am, are」など主語に合わせて変えましょう。
例文で見ていくと、
彼は明日サッカーをするつもりです。
↓
He will play soccer tomorrow.
または
He is going to play soccer tomorrow.
となります。
否定文にしたい時はwillにnotを付けるだけです(短縮形でwon’tとしてもいいでしょう)。疑問文はWillを先頭に出すだけで出来上がります。
例文で見ていきます。
彼は明日サッカーをするつもりはありません。
↓
He won’t play soccer tomorrow.
または
He isn’t going to play soccer tomorrow.
疑問文なら
彼は明日サッカーをするつもりですか。
↓
Will he play soccer tomorrow?
または
Is he going to play soccer tomorrow?
となります。
4-4. 「現在完了形」は3つの使い方を覚えるだけ!
現在完了形は中学生が最もつまずきやすい単元の1つですよね。
「現在形」「過去形」「未来形」は何のことを言っているかが分かりやすい名前ですが、「現在完了形」は名前だけでは何のことだかわかりにくいですよね。
現在完了形はまず、基本の形「have + 過去分詞」をしっかり覚えましょう。過去分詞はとは動詞の活用系の1種です。
openの過去分詞はopened、writeの過去分詞はwrittenのように、過去形と同様に規則動詞と不規則動詞に分かれるので、勉強する中で動詞の語形変化については覚えていく必要があります。
現在完了形には意味が3つあることがポイントです。「完了用法(~してしまった)」「経験用法(~したことがある)」「継続用法(ずっと~している)」を頭に入れてしまってください。
完了用法
完了でよく一緒に使われる単語は「already(すでに)」「yet(もう・まだ」です。yetは必ず文の最後に置き、否定文と疑問文でしか使えないことに注意しましょう。では例文を使って見ていきます。
英語:I have already finished my homework.
意味:私はすでに宿題を終えてしまった。
英語:Have you finished your homework yet?
意味:あなたはもう宿題を終えてしまいましたか?
英語:I have not finished my homework yet.
意味:私はまだ宿題を終えてしまっていない。
経験用法
この用法でよく一緒に使われる単語は「never(一度も~ない)」「ever(これまでに)」「~times(~回)」「have been to ~(~に行ったことがある)」などが代表的です。これも例文とともに確認していきます。
英語:I have never visited Kyoto.
意味:私は一度も京都に行ったことがない。
英語:Have you ever played tennis?
意味:あなたはこれまでにテニスをしたことがありますか?
英語:He has been to Kyoto three times.
意味:彼は3回京都に行ったことがあります。
継続用法
ここでよく用いられるのは「for(~間)」「since(~から)」「How long(どれくらい長く)」などです。例文で使い方を確認していきましょう。
英語:I have lived in Japan for ten years.
意味:私は10年間日本に住んでいます。
英語:I have been sick since last Sunday.
意味:私は先週の日曜から具合が悪い。
英語:How long have you lived in Japan?
意味:あなたはどれくらい長く日本に住んでいますか?
これらの3つの用法は、いずれも中学レベルの簡単な例文を頭に入れておけば、あとは単語を差し替えるだけで他の文も作れてしまいます。
5. まとめ
いかがでしたか?
英語に慣れていない方にとっては、英文法はとても難しい暗号のように見えてしまうかもしれませんが、いきなり全てを覚える必要はありません。
英語において「動詞を制する者は英語を制する」というつもりで、まずは中学時代に教科書で勉強した簡単な動詞と、それにまつわる英文法をしっかり理解してください。スポーツと同じで、英語も基礎の基礎がしっかりしていると、その後の学習がとてもスムーズに進められます。
一歩一歩理解しながら日々前進して、英語のマスターを目指しましょう!