もしも、あなたが会社で突然、「来月海外に行って、クライアントにプレゼンしてきて」と言われたらどうしますか? いざという時のための準備ができているでしょうか。
グローバル化やITの発達により、ビジネス英語の重要性はどんどん高まってきています。
しかし、ビジネス英語を取り上げた本はさまざまな種類のものがあり、「何を使って勉強すればいいのかわからない」という方もたくさんいらっしゃいます。
ということで今回は、初心者の方でも安心して続けられる、人気のビジネス英語本を厳選して10冊ご紹介します。
この記事を通してお気に入りのビジネス英語本を見つけましょう。
Contents
1. 「ビジネス英語を身に付ける」とはどういうこと?
英語に限らず、何かを身に付けるためには、「身に付ける」ということが具体的にどういう状態を指すのかを明確にすることが重要なポイントになります。
「ビジネス英語を身に付ける」とはどういう状態を指すのでしょうか。
メールで不自由なくコミュニケーションがとれることでしょうか? 会議で英語を使って交渉ができることでしょうか?
ここでは、おすすめの本をご紹介する前に、「ビジネス英語」の学習ポイントについて確認していきます。
1-1. そもそもビジネス英語とは?
まず第一に、「ビジネス英語」という概念や言葉そのものは、英語圏に存在しません。
つまり、外国語として英語を学ぶ日本人が作った概念ということです。ビジネス英語に厳密な定義や線引きは存在しないため、個々で必要とするレベルや詳細を意識することが重要になるのです。
そしてこの記事では、「ビジネス英語」とは、「日常会話や旅行で使用する英語とは異なる、日本語でいう敬語のような丁寧な英会話表現や、ビジネスの現場で会話を円滑に進めるための英語表現やマナー」のことを示した概念と定義します。これを身に付けることで、ビジネスシーンで必要な「的確にコミュニケーションをとり、相手と信頼関係を深める力」を養成しましょう。
1-2. 効果的な学習のポイント
「的確なコミュニケーションをとる」ための英語を効果的に学ぶうえで、どのレベルの方でも常に意識していただきたいポイントがあります。
※ ビジネス英語だけではなく、全ての場面での英会話学習に通用する考え方です。
①基礎が一番大事
②5分でもいいから「毎日」
③インプットとアウトプットのバランス
①基礎が一番大事
ビジネス英語に限った話ではありませんが、何事も上達するには基礎が重要です。英語においての基礎は、中学高校レベルの英文法と英単語です。
まずはここを固めることが、ビジネスの世界で英語を使って活躍するためには欠かせません。
最初から上級レベルの参考書を使うのはおすすめしません。入門レベルの教材をとことん使い込み、まずは英会話を始める前の基礎作りをしましょう。
②5分でもいいから「毎日」
次に大切なことが毎日勉強を続けるということです。普段日本語を使用して生活している我々が英語の思考回路(語順や修飾方法)に慣れていくにはなかなか時間がかかるものです。
5分だけでもいいので、とにかく毎日英語の思考回路に頭を切り替えることで、英語で物事を考えることに慣れるようにしましょう。
③インプットとアウトプットのバランス
最後に大切なことが、インプットとアウトプットをバランス良く行うことです。
最初は基礎が重要なので、インプット中心の学習になりますが、初級者を抜け出したタイミング(TOEIC730点程度)からは、インプットしたものをアウトプットする練習が必要になってきます。
アウトプットをすることで、実際に英会話ができるようになったり、英語でビジネスメールが打てたりするようになるなど、実践的な英語力が身に付いてきます。
2. 初心者でも安心!ここから始めたい初心者におすすめの本4選
ここからは、ビジネス英語習得の勉強の基礎となる、amazonの売り上げランキングでも常に上位の入門書的教材をご紹介します。
あなた好みの1冊をここから選んでみてはいかがでしょうか。
2-1.『10億人に通じる! やさしいビジネス英会話』(NHK出版)
引用:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000062131892016.html
NHKラジオ「入門ビジネス英語」の内容を再構成した1冊。その内容はネイティブスピーカーとのビジネスシーンで、実際に活用できるコミュニケーションスキルを、リアリティある場面を通して学ぶことができるというもの。
実際に海外勤務を経験している著者が、「ビジネスコミュニケーション」のプロとして、「通じる英語」をテーマに解説してくれます。シンプルでわかりやすく、ビジネス英会話を学ぶ最初の1冊としておすすめです。
2-2.『なぜあの人は、中学英語でもネイティブと仕事ができるのか?』(SBクリエイティブ株式会社)
引用:https://www.sbcr.jp/product/4797368581/
世界各国で英語の指導をした著者マット・カーター氏の言葉を、心理学者伊東明氏が翻訳・監修したこの本。「英語教育」と「心理学」のプロフェッショナルから「英語コミュニケーション力」をアップさせる方法を学び取ることができます。
日本人が陥りがちな間違いを知ることで、英語力と同時に「どう表現するか・どう見せるか」というマナーも学ぶことができます。英語コミュニケーションのマインドセットを身に付けられる良参考書です。
2-3.『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)
引用:https://www.diamond.co.jp/book/9784478108734.html
20年近く世界のトップ企業でビジネスを成功させてきた著者岡田兵吾氏が、「ビジネスマン」としての観点から、即効性のある英語力アップ法を解説している本書。すぐに使える便利なフレーズが多数掲載されています。
ポジティブで丁寧な言い回しを、本書を通して習得することで、ネイティブとの会話で良い印象を与えられるようになりましょう。
2-4.『英語の気配り』(朝日新聞出版)
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20249
本書の最大の特徴は、「英語の敬語」をテーマにしている点です。無料音声ダウンロードができるので、スマホでもお手本フレーズを確認することができるのも便利です。
会話におけるマナーや話し方に焦点を置いているので、基本的な表現を学びつつ、それを「どのように発するのか」という所作を身に付けていくことで、ビジネスシーンでワンランク上のレベルに到達することができるでしょう。
3. 実践を意識した本ならこれ!目的別ビジネス英語本3選
基本表現やマナーを学んだら次は英会話の実践です。短期間で確実に成果を上げたいと考えているあなたに、より実践的なビジネス英会話のスキルを学べる本を3冊ご紹介します。
3-1.『ビジネス英語パワー音読トレーニング』(ディーエイチシー)
引用:https://www.dhc.co.jp/goods/cagoods.jsp?cCode=11218002
スピーキング力アップに特化した教材です。著者の横山カズ氏は独学、留学経験なしで同時通訳者になったという異色の経歴の持ち主。限られた語彙を使い回して英語を話す力を身に付ける、という大量の英単語に頼らない独自の音読メソッドは多くのビジネス英会話学習者に学んでいただきたい学習方法です。
交渉術や自己アピールといった、ビジネスマンとして身に付けておきたいスキルを学べるところもおすすめポイントの1つです。
3-2.『ビジネスで1番よく使う英会話 』(Jリサーチ出版 )
引用:https://www.jresearch.co.jp/book/b372857.html
実践的なダイアログを使ってビジネスでよく使うフレーズを習得していく本書。
間違えやすい言い方や、よくある質問に対する答え方のバリエーションを増やす、といった実践を想定したポイントをおさえているという点は、本書の強みともいえます。
ダイアログを使って実際に英会話の練習ができるよう、ロールプレイング形式の音声が収録されたCDが付いています。
3-3.『ビジネス英語フレーズブック』(明日香出版社)
引用:https://www.asuka-g.co.jp/book/english/en-conversation/010738.html
本書も、フレーズ中心の教材ですが、特筆すべきポイントはその構成です。目次が「挨拶」「依頼・許可・指示」「電話」から「つぶやき・グチ」など、ビジネスにおけるあらゆる項目を網羅しているので、自分に必要な部分から順番に学ぶことも可能です。
雑談やスモールトークの表現といった、なかなか教材では学ぶ機会が少ない項目もしっかり学習することができます。
ピンポイントで実践力を付けたいあなたには最適の1冊です。
4. さらなるレベルアップを目指そう!プラスαの特訓で挑戦したい教材3選
ここからは、基礎・実践と学習を進めて、1つ上へレベルアップを目指したいあなたに、挑戦していただきたい教材をご紹介します。
TOEICの高スコアを持っていても、「まだ英語に不安がある」という方にも有効な英語学習テキストなので、ぜひチェックしてみてください。
4-1.『国際学会English スピーキング・エクササイズ 口演・発表・応答』(医歯薬出版株式会社)
引用:https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=433390
ヒアリングとスピーキングを一度に鍛える上級者向けの参考書です。
本書では、実際の講演やディスカッションを収録したCDを聴く→英語を話すという流れを通じて、インプットとアウトプットのバランスを取りながら実践的な英語のプレゼンや、ディスカッションの英語表現を学ぶことができます。
国際学会という難しそうなタイトルが付いていますが、内容は決して難解ではなく、重要ポイントに日本語の解説が付いているので、初学者でも安心して学習できます。聴く力と話す力を伸ばしたい方はぜひ挑戦してみましょう。
4-2.『相手を「必ず動かす」英文メールの書き方』(アルク)
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7014073/
ビジネスシーンで大きなポイントになるのが、英語でのメールのやり取りではないでしょうか。
本書は、「相手を必ず動かす」というタイトルにあるように、効果的に相手にこちらの意図を伝え「動かす」ポイントとその書き方を解説しています。
戦略的な単語や表現の選び方を知っているというのは、ビジネスマンとして活躍する上で重要なスキル。外したくない教材の1つです。
4-3.『話せる英語ドリル300文』(アルク)
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7018042/
本書をおすすめする最大のポイントは、「反復」を重視しているところです。
1つの例文を「リスニング」→「音読」→「瞬間文構築」→「瞬間空所補充」→「語句確認」の5つのステップで学ぶということを繰り返すことで、自動的に正確なアウトプットができるようになります。
音声をスマホアプリを利用して無料ダウンロードすれば、移動中などでも、学習が継続しやすいポイントのひとつです。
5. まとめ
いかがだったでしょうか?
せっかくビジネス英語を学ぶのであれば、ビジネスシーンでネイティブスピーカーと円滑なコミュニケーションがとれるようになりたいですよね。
TOEICのスコアアップや語彙力の強化だけでは、ビジネス英会話がペラペラという状態にはなれません。適切なバランスでインプットとアウトプットを行うことが大切です。
また、コミュニケーションにおけるマナーやマインドセットも併せて習得することも重要です。
その他にも、ネット上にはブログなどで学習経験者の体験談も多く読むことができるので、モチベーションを維持するためにも、常に情報収集をする姿勢を持つこともポイントです。
今回ご紹介した教材をベースに、明確な学習目的を持って、毎日学習を続けることで、ビジネス英語は確実に身に付いていくでしょう。