就職や転職などに役立つ英語系の資格として大人気のTOEIC。でも、いざ受けてみようとするとインターネットにあふれるあくさんの情報や、本屋さんにズラリと並ぶ参考書の数々。
「何から手をつけたら良いんだろう……」「どの参考書を読めばいいの?」そんな風に思ったことはありませんか?
今回は、これまで20年間多数のTOEIC教材を作成してきたメディアビーコン編集部がTOEICの解き方のコツとパート別の勉強法、おすすめのテキストなどを詳しく解説していきます。
TOEIC初心者さんから「900点台まであとちょっと……」なあなたまで! どんな方でも大歓迎です!
Contents
1. リスニングPart 1 写真を先に確認しよう
Part 1では、写真を見てその説明をしている選択肢を選びます。比較的簡単ですが問題文が短く、ちょっとでも聞き逃すと点数を落としてしまいがちです。
1-1. 写真の情景を先に確認・整理しておく
攻略のポイントは、「写真の情景を先に整理しておくこと」です。
Part 1が始まる前には、問題形式の説明が行われます。この時間を利用して、Part 1に出題されている6枚の写真を確認するようにしましょう! 確認するポイントは以下の通りです。
・何が主体として写っているか
・主体の動作を表す単語(動詞)は何か
・数として出題されそうなものはあるか
特に、人の動作を問う問題は頻出なので、「その人が何をしているか」という情報をすばやくつかむことがコツになります。
ただし、問題の読み上げが始まったら、あくまでも音声に集中してください。特に、TOEICを初めて受験する方は、緊張しているため最初の文章を聞き逃してしまう可能性があります。公式問題集などで、本番の試験を想定した練習をしておくことが非常に重要です。
1-2. 類似発音の単語に対する注意
もうひとつのポイントが「発音の似ている単語」に注意することです。
例えばholdとfoldなど、日本人には微妙な発音の違いを聞き分けることは難しいですよね? 類似単語に慣れるには、何より「公式問題集を解く」ことが一番の近道です。
公式問題集は、TOEIC本番の試験の作問をするETSがつくった本番と同じクオリティーの模擬試験問題集です。公式問題集を解くことで頻出の単語もつかめてきますし、当日リラックスして試験にのぞむこともできます。
おすすめのはこちらです↓
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 5』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
引用:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_05.html
2. リスニングPart 2 5W1Hを聞き逃さない!疑問詞の種類を理解しよう
Part 2のポイントは「疑問詞を理解する」ことです。
疑問詞が聞き取れれば、消去法を用いて選択肢をグッと絞り込むことができます。……ところでみなさん、「疑問詞」って何だか理解していますか?
2-1. 「疑問詞」って何だっけ?まずはおさらいから始めよう
【疑問詞の種類と用法】
・Who:誰が =人物を問う
・Where:どこで = 場所を問う
・When:いつ = 日時を問う
・What:何 = 主体や目的となるモノを問う
・Why:なぜ = 理由を問う
・How:どのように = 方法を問う
それぞれの疑問詞の意味を頭に叩き込んでください!
参考書が必要な人にはこちらがわかりやすくておすすめです。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)
引用:https://hon.gakken.jp/book/1130339300
2-2. 最初の単語を聞き逃さない!文の冒頭に注意
疑問詞は文頭にでてくるので、それさえ聞き取ることができれば正解の可能性がグッと上がります。
例えば、
「Where is the conference room? (会議室はどこですか?)」
という問題文であれば、最初の「Where」さえ聞き取れれば、Where = 場所を問う疑問詞という図式から、正解を導き出せるのです。
「疑問詞…5W1H…そういえば何だっけ?」とあいまいになっていた人は、疑問詞から始まる疑問文の形に慣れる練習をしてみましょう!
2-3. Part 2は最も不自然ではい選択肢を選ぶ問題
Part 2の問題を解く上で大切なのが、「不自然ではない選択肢が正解になる」ということです。
Part 2の問題では、必ずしも「自然なやり取り」だけが正解になるわけではありません。
例えば、「いつ会議室の予約をすればいいですか?」
という問題文に対して、ストレートに「〇月〇日です」と答えるのではなく、「○○さんに聞いてみて!」というような選択肢もよく正解になるということです。
「自然な選択肢を選ぶ」という意識ではなく、「不自然ではない選択肢を選ぶ」という意識を持ちながら問題を解きましょう。初めは難しいですが、慣れるとリスニング上達の大きな助けになりますよ!
3. リスニングPart 3&4 問題が長くて聞き取れない…そんなあなたへのおすすめ教材
Part 3 とPart 4では、問題文が長くなります。「ここから急に点数を落としてしまう……」という方も多いのではないでしょうか?
3-1. まずは問題の長さに慣れよう
まずは問題文の長さに慣れましょう。「もっと長い英語を日常的に聞く」ことが大切です。
映画やニュースなど、自分の興味があるものを選んでみましょう。ただし、難しすぎない教材から始めるようにしてください。
3-2. 問題文を先に読む習慣をつけよう
Part 1と似ていますが、問題文の内容を先に確認しましょう。質問される内容がある程度わかっていれば、リスニング中に注意して聞くことができます。なお、頻出の場面は以下のようなものになります。
・ビジネス(会議や同僚との会話)
・電話対応
・スピーチ
・アナウンスメント
YouTubeなどで関連する動画を見るのも、スキマ時間にできるおすすめ勉強法ですよ!(Business English Conversationなどと検索すればOKです)
4. リーディングPart 5&6 品詞の理解とスピードがカギ
続いてリーディングパートです。Part 5とPart 6は、文の長さに違いはあれど、どちらも空欄補充形式です。
大切なのは以下のポイント。
・空欄の前後から品詞を判断する
・解答のスピード感
4-1. 品詞問題は単語の品詞が理解できれば簡単に解ける!
品詞とは名詞、動詞、形容詞などですね。いわば「英単語の種類」のようなものです。実は、Part 5では品詞の種類を判別する問題が多数出題されるため、品詞を確実に見分けられるようにすることが非常に重要になってきます。
品詞に考え方がわかるようになると、空欄補充に限らず英語力がグッと上がります。以下で詳しく解説するので、さっそく見ていきましょう!
4-2. 空欄の前後に隠れているヒントを頼りに解答しよう
例として下の文を見てください。
【問題】The government has been ( ) working on the project in order to protect the habitats of endangered animals.
【選択肢】①active ②actively ③activity ④activate
「何だか長くて単語も難しそう……」と思いませんか? 実はこの問題、品詞の仕組みを理解していればあっという間に解くことが出来ます!
まず、空欄の後ろに注目します。work(ing)という「動詞(ここではing形なので現在分詞)」がきていますよね? 動詞を修飾することができる品詞は「副詞」です。つまり、この問題の答えは②のactively(=副詞)となるわけです。
このことさえ知っていれば、空欄の前後だけ見て解答することで、大幅に解答時間を短縮することができます。
それぞれの品詞のはたらきや相性を、事前に学習しておきましょう。
4-3. 単語力の大切さ~TOEIC単語集の使用法と対策法~
品詞の大切さをお話ししましたが、これにはTOEIC用の単語集を使った学習が効果的です。特におすすめなのがこちら。TOEIC界のバイブル的存在です。
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)』(朝日新聞出版)
引用:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18732
ポケットサイズで、通勤時間などにも勉強可能。
ポイントとしては、ただ流し読みするのではなく、「ここに来る品詞は何が適切か?」という問いかけを常に意識しながら問題に取り組んでみてください!もちろん、品詞の知識だけでは解けない問題もあります。しかし、基本的にTOEICで問われる知識は「高校までで習う基礎文法」のみでカバーできます。
語彙力アップに加えて、高校レベルの文法をおさらいしておきましょう!
5. リーディングPart 7 設問を先に読む&時間を有効活用する
最後に、Part 7を解いていくことになります。文章が長いうえ、問題数も多く大変なパートですが、コツをつかんで得点アップを狙いましょう!
5-1. 設問を先読みして長文のポイントをつかもう
ここでも、リスニングパート同様「設問の先読み」が効果的です。設問を先に確認することで、
・長文のどこに注目したら良いか
・拾うべき大事な情報は何か
を、事前に知ることが出来ます。
長文を先に読んでしまうと、いざ設問へ進んだ時に「あれ…何が書いてあったっけ?」と内容を忘れてしまい、同じ文を2度読むことになりかねません。時間との勝負であるTOEICでは致命的なタイムロスです。このような事態を避けるためにも、設問は先に確認しましょう!
5-2. わからない問題で止まらない!捨て問題をつくるのもポイント
満点を目指す場合は別ですが、時には「わからない問題を切り捨てる覚悟」も必要です。わからない問題を気にしすぎて、本来なら解ける問題までミスをしてしまっては本末転倒です。
特に、どんどん進むリスニングや、残り時間の少ないPart 7では
・わからない問題に時間を使わない
・解ける問題を最優先する
以上のことを心がけましょう。
ただし、わからない問題も4択ですのでマークシートのどれかにマークすることだけは忘れずに!
5-3. 長文読解力を効率的につけるコツとテクニック
Part 7には、長文をすばやく読む力が求められます。勉強法としては以下の方法が効果的です。
・インターネット上で似た形式の記事を読む
・よく出る英文の形式に慣れる(広告、チャット形式、メール文など)
インターネット上では、様々なジャンルの英文記事を読むことができます。
Part 7で扱われる問題の形式は定番のものがありますので、「模試問題集」+「関連のあるネット上の記事」といった形で、模試にプラスする副教材として使用してみましょう!
「模試ばかりやるのに飽きてしまった……」そんな方には特におすすめの方法です!
6. まとめ
TOEICは問題形式が多く、時間配分も難しい試験です。
ただ、テストの形式に慣れてしまえば、使用されている単語や文法はそれほど難しくないので攻略可能です。つまり、「特別な才能」がなくても解くときの技さえ磨けばTOEICでハイスコアをとることはできるのです。
みなさんもこれらの勉強法をフル活用してから当日試験にのぞみ、是非目標の点数を達成してくださいね!