カナダ留学体験記:英語だけではない「フランス語圏カナダ」の魅力(前編)

皆さん、こんにちは!

種茂真大/Masahiro Tanemoです!

 

今回の記事のテーマは「英語×留学×海外文化」です。

「英語圏の国は?」と聞かれて誰もが答える国名といえば、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどがあると思いますが、カナダを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

カナダは大自然やメープルシロップ、カナダグースのブランドコート(そして-20℃に迫る寒さ!)などが有名で、2018年現在では若きジャスティン・トルドー首相の手腕も話題になっていますよね。

しかし、英語圏カナダにはもう1つの公用語「フランス語」があることをご存知でしたか?

この記事では、僕が留学で1年を過ごしたカナダの英仏バイリンガル都市「モントリオール」に焦点を当てて、英語だけでは見えてこない「フランス語圏カナダ」のディープな魅力を、たっぷりお伝えします!

 

 

1. 意外と知らない? カナダの歴史とモントリオール

↑カナダ最古の大学・マギル大学 (McGill University) で最も長い歴史を誇るArts Building

入り口の天井には、地球儀を模したインテリアがあります。

ここにも描かれているアメリカ大陸、その歴史はモントリオールに今なお色濃く残されています。

この記事を読む前に「カナダの公用語は?」と聞かれていたら、「うっ…」と答えに詰まってしまっていたという人も多いのではないでしょうか。

前述の通り、実はカナダには2つの公用語があります。

1つは英語、そしてもう1つがフランス語です。

なぜ複数の公用語が定められているのか。

その秘密は、カナダの歴史にあります。

カナダは、ファースト・ネーションズ (First Nations) と呼ばれるインディアンの先住民が暮らす場所でした。

しかし、1500年代から1700年代にかけて、カナダは徐々にフランスに植民地化されていきます。

1689年、イギリスがアウクスブルク同盟に参加したことで英仏が対立すると、両国の摩擦はカナダにも波及しました。

一連の北米植民地戦争の結果、1763年のパリ条約で、フランスがカナダの植民地をイギリスに割譲。

カナダはイギリス領となりますが、1774年のケベック法により、ケベックではフランス語とカトリック信仰、並びにフランス法が許されることとなりました。

その後、1838年の英ダラム報告で、フランス系カナダ人は英国文化への同化を勧告される危機を迎えますが、1840年に英仏それぞれのカナダ議会が合併して連合議会ができると、英仏両系のカナダ人の議員がこれを阻止。

フランス系カナダ人の権利は守られたまま、1867年、連邦自治憲法が採択されました。

このように、カナダの黎明期は英仏両国の影響を色濃く受けています。

カナダが2つの公用語を定めているのは、そんな自国の歴史を反映しているからなのですね。

特にモントリオールを含めたカナダ東部のケベック州には、植民してきたフランスの文化と気風が今でも強く残っています。

とりわけモントリオールは、フランス入植からの長きにわたって、経済的にも文化的にもカナダの中心的な都市であり続けてきました。

そんな背景もあり、この地には今でも数多くの移民や留学生、企業が集まっています。

だからこそモントリオールは、英語だけでもフランス語だけでもない「バイリンガル都市」として、

カナダでも特別な魅力を持っているのかもしれませんね。

次は、モントリオールでの暮らしのリアルをご紹介します!

 

 

2. 英仏バイリンガル都市 モントリオールでの暮らし

 

モントリオールでは、カフェ文化も盛ん。

おしゃれなカフェがあちらこちらにたくさんあります。

モントリオールでの暮らしの醍醐味は、何と言っても英語とフランス語が自由に使われるバイリンガル生活です。

実は、モントリオールのあるケベック州に住む全員が英語フランス語の両方を母国語としているわけではありません。

むしろ、フランス語のみを母国語とする人がマジョリティと言えるでしょう。

しかし、モントリオールや特にそのダウンタウンでは、英語かフランス語を母国語とした上で、もう一方を第2言語として習得しているケースが大多数です。

第2言語といっても、そのレベルはかなり本格的。

いわゆるネイティブスピーカーと比較しても遜色がない人たちがたくさんいます。

バイリンガル都市だからこそ実現できる、魅力的な環境なのかもしれません。

どのくらいバイリンガルな暮らしが自然になっているかを表す象徴的な場所が、レストランやスーパーのレジです。

日本のレジでは、「いらっしゃいませ」と日本語だけで挨拶する場合がほとんどですが、モントリオールでは、Bonjour! Hi! と仏英2ヶ国語 (フランス語がいつも先です) で挨拶するのが通例です。

そして、お客さんがBonjour!と応えたらフランス語で、Hi!と応えたら英語で会話が進むのです!

初めて買い物をした時、何も知らずにBonjour!と返事をしたらフランス語の会話になってしまってあたふたしたのをよく覚えています(笑)。

お客さんが好きな方の言語を選択してコミュニケーションが取れるって、素敵ですよね。

そんなわけで、モントリオールではフランス文化にどっぷり浸かりながら、一味違ったカナダを英語で満喫することができます!

ヨーロッパ風の街並みの中を散歩したり、セリーヌ・ディオンも結婚式を挙げた荘厳な教会を見学したり、ケベック純正のメープルシロップ専門店でスイーツを堪能したり、モントリオールならではのご当地料理に舌鼓を打ったりと、観光地としても大満足間違いなしです。

料理の注文やチケットの購入は、英語を練習するよい機会になるかもしれません。

列に並んでいる間に、周りの人が何語を話しているのか耳を傾けて見るのも、楽しいですよ!

 

↑モントリオール・ノートルダム聖堂 (Notre-Dame Basilica)

観光地となっているが、堂内には祈りを捧げる人のためだけのスペースもあり、息をのむほどの荘厳な雰囲気が漂っています。

 

↑モントリオール名物、スモークミートサンド

他にも、プーティンなど、さまざまな名物料理があります。

ちなみに、カナダの公用語は確かに2ヶ国語ですが、英語とフランス語のほぼ完全なバイリンガルが住民の多数を占めるのは、モントリオールのダウンタウンと、ケベックと国境を接するオンタリオ州の東部の他には稀なのだとか。

実際には、主に英語を話す地域(≒オンタリオ州以西)と主にフランス語を話す地域(≒ケベック州)が同じ国に存在しているというのが実情で、カナダ国民全員が英仏のバイリンガルというわけではないようです。

モントリオールのダウンタウンは、やはり特別な場所なのですね。

しかし、最近そんなモントリオールのバイリンガリズムにも、異変が起きています。

<後半につづきます>

つづきは、モントリオールのバイリンガリズムの変化をクローズアップします!

カナダ留学体験記:英語だけではない「フランス語圏カナダ」の魅力(後編)
  
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